ネスターミーティング 2018

Madrid20181001.JPG今年で4回目となるネスターミーティングです。より多くの人が参加できるようにと、これまでのサラゴサではなく、首都マドリードで行われました。ネスターミーティングの前には、ワシントンDC時代の同居人マイクとノルウェイを1週間ほど旅行することになり、ネスターミーティングの1週間後にはエッセン・シュピールが待っています。ノルウェイ、ネスターミーティング、シュピールの3つを軸に、これまでで最長と思われる5週間の長旅になりました。

ノルウェイは今回が初めての訪問です。物価が高くて有名なノルウェイですが、2人ならばレンタカーやホテルもある程度は割安になるのではと期待して、フィヨルドとオーロラを目当てに計画を立てました。

ノルウェイの前には、去年訪ねて気に入ったヘルシンキに、ノルウェイからネスターミーティングまでの数日はスペイン南部のジブラルタル海峡に行くことにしました。そして、エッセンのあとはドイツとオランダ在住の友人を4人訪ねてミュンヘンから帰国というルートです。以下が計画です。

計画
10月1日 羽田からドーハ経由でヘルシンキへ
10月1日-10月4日 ヘルシンキ滞在
10月5日-10月14日 マイクとオスロで合流しノルウェイ旅行
10月14日 オスロでマイクと別れ、ロンドン経由でジブラルタルへ
10月14日-10月18日 ジブラルタル(ラ・リネア)
10月19日-10月21日 マドリードでネスターミーティング
10月24日-10月28日 エッセン・シュピール
10月29日-11月5日 デュッセルドルフ、マーストリヒト、ケルン、ミュンヘン
11月5日-11月6日 ミュンヘンから成田へ帰国

3回の飛行機とヘルシンキやエッセンの宿泊先は予約したものの、それ以外は旅行しながら徐々に決めていきました。ノルウェイはさすがに2人旅なので責任を感じ、列車やレンタカー、そして宿泊の7割くらいはあらかじめ予約しておきました(というより、マイクが心配して色々予約してくれた)。

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10月1日 月曜日 (深夜の出発)

HanedaDelay20181001.JPG台風24号が日本列島を縦断中。これでは飛行機は飛ばないと思っていたら、遅延するようです。本来、カタール航空813便は0:01発なのですが、羽田空港のウェブサイトだと6:40、そしてカタール航空のサイトだと7:00になっています。いずれにせよ、出発は早朝なので、友人に夜中の2時頃に空港まで送ってもらいました。風が強く、第1京浜にはゴミ箱や屋根が吹き飛ばされて転がっていました。遅延の代償としてもらったバウチャーですが、ほとんどの店が閉まっていたので、使えるのはうどん屋1軒だけでした。そこで2人で食べた夜食のうどんは美味しかったです。送ってくれた友人には感謝です。

MtFuji20181001.JPG初めて使うカタール航空です。台風一過で、機内から横浜港や自分の自宅、そして富士山がはっきり見えます。前回のエミレーツのときも思いましたが、中東系の航空会社は機内食が美味しいですね。機内のコンパスが常にメッカを指しています。ただ、中東経由だとヨーロッパに行くにはかなり遠回りなので時間がかかります。昔のアンカレッジ経由とどちらが遠いのだろうか、などと考えていました。ドーハで乗り換え、本来は301便のところ、307便ですが、同じカタール航空で別の便があって良かったです。ヘルシンキ空港に23時頃に到着し、ホステル・ディアナ・パーク Hostel Diana Park に無事たどり着きました。



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10月2日 火曜日 (ヘルシンキ)

Suomenlinna20181002.JPGホステルで勧められた Johan & Nyström で健康的な朝食をとり、その後、船に乗って近くのスオメンリンナ Suomenlinna という島に行きました。ヘルシンキを守ってきた要塞で、北のジブラルタルと呼ばれているそうです。残念ながら、おもちゃ博物館は閉まっていました。

AtelierKamome20181002.JPG昼食は、去年も訪れた ラヴィントラ・カモメ Ravintola Kamome とアテリア・カモメ Atelier Kamome (写真)で、サーモンを食べ、コーヒーを飲みのんびり過ごしました。店員の方がこちらのことを覚えていてくれて、色々と楽しい話を聞けました。帰りにトラムに乗って運転手に2ユーロ50セントを払おうと思ったら、もう現金は受け付けないとのこと。この1年間で現金払いは廃止になってしまったようです。北欧は特にキャッシュレス化が著しいですね。仕方なく歩いて町に戻りました。

KotiharjunSauna20181002.JPG夜は楽しみにしていたサウナに行きました。一番古いサウナと言われているコティハルユンサウナ Kotiharjun Sauna です。中の施設は結構綺麗です。徐々に現地の人とも打ち解けて、最後には背中を葉っぱで叩いてもらいました。これは気持ちが良いね。仲良くなったヤンネさんに近くのバーに連れて行ってもらい、一緒にビリヤードをしました。8ボールや9モールを遊びましたが、なかなか強く、僅差で負けてしまいました。また、「フィンランド人は森の人々だ、誰でも好きにキノコやベリーを取って食べて良いんだよ」と言っていました。さらには「ソンパサウナというサウナがとても良いから行ってみろ、良かったら明日俺が連れて行ってやる」とのこと。これはちょっと楽しみです。

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10月3日 水曜日 (ヘルシンキ)

CityMarket20181003.JPGホステル近くのEkbergで朝食をとり、ゲームショップ巡りに出かけました。まずは去年探すのに苦労したサブウェイ(サンドイッチ)の店内を通った先にあるファンタジアペリト Fantasiapelit、そしてカンピ Kampin Keskus の3階にあるラウタペリト Lautapelit を訪れました。色々話して得た情報により、地下鉄でRuholahtiへ向かい、Citymarketというショッピングセンターでムーミンのゲームなどいくつかクニツィアのフィンランド製ゲームを買えました(写真)。さらに Puolenkuunpelit (Halfmoon games) を探しにパシラ Pasilaにまで行きましたが、これは別の町の地図と勘違いした情報だったようで徒労に終わりました。

Ramen20181003.JPG夜まで時間があったので、ラヴィントラ・カモメで新しいメニューだというラーメンを食べてみました。自分には少々味が濃かったのですが、体が温まります。冬が寒いフィンランドには良い日本食かもしれません。あと、カフェで食べた Karjalen Pie というフィンランドのパイが素朴で美味しかったです。

昨日サウナで知り合ったヤンネから「風邪を引いた」というメールが来たので、「無理をしないでください」と返事をしたら、なんと「今から迎えに行く!」というメッセージ。なんとも責任感がある人です。こうして、ソンパサウナに行くことができました。途中、工事現場で人の気配がない一帯を延々と進んでいき(後で分かったのだけど、この辺りの地名がソンパらしい)、これはもしかして殺されるのでは、と思っていたら、掘建小屋が現れました。埋め立てた埠頭の先にある、といった場所で、なんともすごいところにあるサウナらしいです。風邪をひいているという彼は笑顔で戻って行きました。

Sompasauna20181003.JPGソンパサウナ Sompasauna は男女共用で脱衣所は外、そして無料です。混浴ならぬ混サウナです。ヒッピーっぽい雰囲気でなかなかすごい場所でした。英語やドイツ語も聞こえてきたので、案外インターナショナルなのかもしれません。帰りはどうしようかと思っていたら、ドイツからの留学生男女2名が一緒に地下鉄の駅まで歩いてくれました。フィンランドのサウナ文化は奥が深いです。

http://www.sompasauna.fi/


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10月4日 木曜日 (ヘルシンキ→トゥルク)

Casagrande20181004.JPGホステルで6ユーロの朝食をとり、港に行ったり市立博物館を見学して過ごします。そして、中央駅から列車で西のトゥルク Turku へ。13:37発、14:34着なので2時間の旅です。トゥルクでは、頼まれていたマリメッコ以外にも、カサグランデ Casagrande というゲームショップを偶然見つけました。なんとヘルシンキにはなかったクニツィアのブルーラグーンがあって、もしエッセンになかったときのためにと買ってしまいました。店のおばさんがとても親切で、トゥルクのファンダジアペリの場所を詳しく地図で教えてくれました。アメリカゲーム寄りなのはヘルシンキ店と同じですが、プレイルームがあって、RPGやマジックに勤しむ地元のプレイヤーの熱気に触れました。

TurkuSatama20181004.JPGトゥルク駅へ戻り、一駅だけ乗って終点のトゥルク港駅 Turku Satama へ向かいます。駅を降りるとその先端に乗るべき船が見えてきます。ここから夜行船シリヤライン、バルティックプリンセスでストックホルムへ。去年使ったバイキングラインより豪華だと聞いていたのですが、短距離なためかあまり豪華ではありませんでした。今回も一番安い部屋を予約したのですが、船底ではなく最上階9階の9702号室でした。もちろん窓はなく景色は見れませんが。

BalticPrincessSauna20181004.JPGまずは出港の雰囲気に浸ろうと甲板に出ます。ほとんど人がいないのは良いのですが、船の前半部分は立ち入り禁止なのは残念です。続いて一番下の2階にあるサウナに向かいますが、利用者は皆無でひとりで独占状態です。船の出航が20:15、到着が6:10なのに経営時間が20:00-23:00と8:00-18:30とあまり噛み合っていないのが不思議です。停泊中にトラックドライバーが来ると言っていましたが、どうなのでしょうか。サウナのあとは船内のしょっぱいだけの食事を済ましてさっさと眠ります。

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10月5日 金曜日 (ストックホルム→オスロ)

StockholmC20181005.JPG早朝5時半に起床。船は定刻通り6時過ぎにスウェーデンのストックホルムへ入港。去年、バイキングラインが出港したのとは異なりヤーデル Gärdet という地区にある港です。ヤーデル駅まで歩いて地下鉄でストックホルム中央駅へ。そこからオスロ行きのIntercityに乗ります。8:35発、15:09着なので約6時間半の長い旅です。北欧の首都同士を結ぶというのに1日3便しかないのは時間がかかりすぎるからかもしれません。でも景色は素晴らしいです。売店で買ったイケアで売っていそうなエビのサラダ Raksmorgas も美味しく、夜のためにアーティチョークのサラダも買っておきました。

FromTrain20181005.JPG列車はノルウェーに入るとグロンマ川沿いに下っていき、ほどなくオスロ中央 Oslo Sentral に到着。両替したり、市内交通を調べたりします。市内交通(トラム、バス、地下鉄)は1回35クローネ(1クローネ=14円)と高めですが、3回以上使うならば105クローネの1日券が割安です。トラムで Birkelunden で降りて、宿泊先の Anker Apartment に向かいます。綺麗なのですが、ちょっと収容所みたいな雰囲気のホステルです。

AnkerHostel20181005.JPG夜は再び市内に出て安くて手頃な夕食を探すのですが、予想以上に物価が高くてお腹は減るばかり。乞食になった気分です。結局サブウェイで12インチ(1フット)のチーズ&ステーキを購入し136クローネでした。店員に「ノルウェーの人は安い外食を求めてどういうところに行くの?」と聞くと、「ここ、サブウェイだよ」との返事。普段なら半分の6インチを買うのですが、割安な12インチを買って半分は翌日の朝食にしようという魂胆です。

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10月6日 土曜日 (オスロ)

Kebab20181006.JPGサブウェイの残りと列車で買ったアーティチョークのサラダで朝食。チェックアウトして今夜宿泊する トゥーエン Tøyen 駅付近のセントラル・シティ・アパートメント Central City Apartments に移動します。ほどなくして、ワシントンDCから友人のマイクが到着して再会。これから9日間、2人でノルウェイを旅するのです。

まずは宿泊費を支払うのですが、通常はカード払いのみで、もし現金だと2000クローネのデポジットが必要になるとのこと。マイクも自分も現金主義なので了解して、料金の240クローネに対し、250クローネ支払うと、なんとホテルには現金がなく、つまり10クローネのお釣りがないので、隣りのセブンイレブンで両替してきてくれとのこと。これにはちょっと驚きました。午後は2人でオスロのダウンタウンを散策し、夜はケバブを食べました。さらに驚いたのはマイクがついにスマートフォンを買ったことです。

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10月7日 日曜日 (オスロ)

MunchScream20181007.JPGマイクと一緒にオスロの美術館や博物館をいくつか訪問しました。宿泊したアパートメントの近所にあるムンク美術館 Munchmuseet、そして中心街にある国立美術館 Nasjonalgalleriet と美術館巡りをしたあと、バスでビィグドイ Bygdøy 地区に行き、ヴァイキング船博物館 Vikingskipshuset やフラム号博物館 Frammuseet と海洋系の博物館を見学しました。オスロ市街に戻ってゲームショップのアウトランド Outland に行こうと思ったら迷ってしまい、たどり着いたらちょうどしまっていたところでした。日曜なので18時閉店だったのです。残念! また6日後にオスロに戻ってきたときに時間があったら来られるかもしれません。夕食はドブレハーレン Dovrehallen という古風なレストランで今夜の出発の前祝いとなりました。

OsloNSB20181007.JPGそして、オスロ中央駅23:06発の夜行でトロンハイム Trondheim へ向かいます。よくあるクシェット(簡易個室)ではなく、しっかりと鍵が閉まる個室で、洗面所もついており居心地は良かったです。ドアの外には景色を眺めながらくつろげるように折り畳み式のテーブルとベンチまでありました。

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10月8日 月曜日 (トロンハイム)

Brunost20181008.JPG朝、6:04にトロンハイム着。駅のトイレはなんとクレジットカード専用でびっくり。散歩がてらに、ニーダロス大聖堂 Nidaros Domkirke に行きましたが、入場料として100クローネ(1400円くらい)を徴収することにカトリックであるマイクは驚いていました。日本の寺院は入場料を取ることろはあるけど教会や大聖堂で入場料を取るところはあまりないかもしれません。その後、間食用にノルウェイの名物のトマト味の鯖缶や黒いチーズを買います。黒いチーズは Brunost というらしく、厳密にはチーズではないようです。

RentalCar20181008.JPG今回ノルウェイでは2回レンタカーを借りることになっていますが、今日はその1回目。ヨーロッパだけあってマニュアル車で、ナビゲーションもありません。目的地のクリスチャンスン Kristiansund (クリスチャンサン Kristiansand ではない)とアトランティックロードに向かって一路西へ。E6とE39経由で途中には島と島をつなぐ長大な橋やトンネルがあり、さらにフェリーで渡る箇所もあります(HalsaとKanestraum間)。フィヨルドに道路を通すので橋とトンネルだらけなのですね。トンネルは路肩がほとんどなくて狭いので、高速で対向車とすれ違うのが最初はかなり怖いです。

AtlanticRoad20181008.JPGクリスチャンスンを過ぎて、さらに西へ。ようやくアトランティックロード Atlanterhavsvegen に入りました。アトランティックロードは島々をつなぐ先が見えない急勾配の橋もある8キロ強の長さの道路で、運転するのが楽しい場所です。存在は知っていたのですが、実際に来るとフロリダキーズっぽい感じもします。天候によってはそうとう危険な道路でしょう。

Map20181008.JPGやはり今後のためにも紙の地図が欲しいということになり、帰路にクリスチャンスンのショッピングモール AMFI Storkaia Brygge に寄って地図を買いました。229クローネとちょっと高めですが線路も載っているので、以後の鉄道&ドライブ旅行に大いに役立ちました。トロンハイムに戻ってレンタカーを返却し、夕食は地元のハンバーガーショップで「シークレットバーガー」を食べました。シークレットソースが入っているそうで美味しかったです。Pホテルという駅前の宿に投宿。

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10月9日 火曜日 (トロンハイム→ボードー・北極圏!)

TrondheimNSB20181009.JPGこの日は1日かけてトロンハイム Trondheim からボードー Bodø まで列車で移動です。7:38発、17:32着なので10時間の長旅ですが、フィヨルドの絶景が続き、途中からは北極圏に入ります。マイクはこの列車の座席予約でかなり念入りに座席の向きやら、窓枠の有無を研究していました。その甲斐あって、窓から素晴らしい景色を堪能できました。この区間は夜行にしないで良かった!

ViewFromNSB20181009.JPG売店のコーヒーは33クローネでしたが、2杯目のおかわりは5クローネだということで、それをフルに活かしてコーヒーばかり飲んでいました。試しに3杯目も5クローネなのかと思いましたが、おかわりは1回だけだそうです。でも1回だけオマケしてくれました。

BrokenMacBook20181009.JPGここで事件が起こります。Mo i Rana という風変わりな地名の駅の辺りで列車が左右に大きく揺れて、テーブルに置いたラップトップのコンピューターが落ちてしまったのです。打ち所が悪かったのがディスプレイには縦線しか映りません。中身が無事かどうか心配ですが、ジタバタしても仕方ないので景色を楽しむことにしました。

Bodo20181009.JPG地図とにらめっこしていたら、いよいよ北極圏(北緯66度33分)に入りました。右手には北極圏を表すモニュメントが見えます。この辺りは標高も高いらしく、雪が積もっています。でも終点のボードーが近づいてきて標高が下がると雪は無くなりました。思ったよりも寒くありません。最北の駅、ボードーに到着。(併記されているのはサーミ語です)

ボードーのシティ・ホテル City Hotell にチェックインした後、コンピューターを直すべく、ショッピングモールへ向かいます。そこまでのボードーの市バスがなんと55クローネ(770円くらい)でびっくり。さらに現金では支払えず、クレジットカードのみでした。幸いコンピューターはディスプレイが壊れているだけで中身は無事。しかし直すには2−3週間かかるので、midiケーブルを買ってホテルのテレビに繋いで使うことにしました。

FijordRestaurant20181009.JPGボードーの中心部に戻っても、ほとんど開いているレストランはありません。ホテルの中のレストランなら開いているだろうということで、Radisson Blu の2階にあるフィヨルド Fjörd というレストランに入りました。スモークスープやサーモンのフィッシュ&チップスがすごく美味しく、ウェイターが色々と面白い話をしてくれました。確かギリシャ出身だったと思うのですが、「ボードーでもオーロラは見えることはあるよ、初めて見たときは感動した」とのこと。外は嵐の夜で、傘が壊れてしまいました。

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10月10日 水曜日 (ボードー→スボルバー)

RentalCar20181010.JPG現金が少なくなってきたので、銀行に行って円かユーロをノルウェー・クローネに換えてもらおうと思ったら、なんと銀行には現金がないとのこと。ホテルといいトイレといい銀行といいノルウェイのキャッシュレス化はすごいですね。観察していると現金で払っているのは常に僕ら2人だけです。

ボードー空港でノルウェーで2度目のレンタカーを借ります。今度はオートマティックですが、マニュアルにもできるという優れものです。4日間のドライブの1日目は、ボードーからE80、E6を経由してスボルバー Svolvær まで行きました。途中、EnganのKobbelv Vertshusで滝を見ながら昼食。長大トンネルは狭くて高速で走るのが怖いです。そのあと BognesからLodingenでまたフェリーに乗ります。

Svele20181010.JPGフェリーの中で、スヴェレ Svele とコーヒーを食べました。スヴェレというのはノルウェイのパンケーキですが、はるか昔、1992年くらいにミネソタ州の知人を訪ねた時に食べたことがあります。アメリカの食事にしては随分デリケートな感じの味だと思っていたら、ノルウェイの食べ物だと聞いたことがあります(ミネソタ州はノルウェイからの移民が多いので)。25年振りに食べたスヴェレは中に Brunost が入っていました。昔食べたものと同じかどうかはわかりませんが、素朴で優しい味です。

Breakfast20181010.JPGスボルバーはこじんまりとした観光地で、マイクは「箱根湯本みたいだ」と言っていました。夕食はメニューがすべて電子化されているレストランで、鯨の寿司と鯨のピザを食べました。宿泊はファスト ホテル ロフォーテン Fast Hotel Lofoten。なんと無人のホテルで、チェックインはモバイルで、鍵はやはり暗証コードをモバイルで受け取ります。部屋は綺麗なのですが(バスルームはノルウェイ式)、万が一何か起こったらどうするのだろう、と不安です。あと朝食が付いてくることになっているのですが、それはどうなっているのでしょうか。と、思ったら夜中に部屋の外に朝食を入れた袋がぶら下がっていました。誰が? いつのまに? いやー怖いホテルです。

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10月11日 木曜日 (スボルバー→トロムソ)

61A20181011.JPG朝から雨で、オーロラは見られないのだろうかと不安になります。無人ホテルの朝食を食べてから出発。この日はロフォーテン諸島をE10に沿って少しだけ西にドライブしてから、引き返し、E6とE8を北上してトロムソ Tromsø まで行きました。ロフォーテン諸島の西端はオー Å という1文字の名前の集落です。オーまで61キロという標識が61オングストローム (61Å) に見えてしまいます。本当はオーまで行ってみたかったのですが、時間の関係でやめました。

70N20181011.JPGトロムソ到着。夕食は宿泊先のバイキングホテル Viking Hotel で勧められた Suvi というレストラン(アーリントンのカフェアジアみたいな店だった)で済ませます。食費が本当に高いのですが、だんだん感覚が麻痺して驚かなくなってきました。夜はオーロラを見るために、2時間ほど仮眠してから夜中に出発します。ノールカップには行けないけれど、せめて北緯70度までは行こうということになりました。地図を見て、Ringvassøyaという島の北東まで走ります。マイクはひたすらGPSとにらめっこし、北緯70度に到達!! しかし空は曇っており、いくら待ってもオーロラは現れませんでした。

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10月12日 金曜日 (トロムソ→ナルヴィック)

TromsoParking20181012.JPGホテルの人が教えてくれた、アムンゼン像の裏にあるアートカフェで朝食をとり、北極圏博物館 Polarmuseet i Tromsø を見学します。そして、洞窟のような広大な駐車場(写真)からクルマを出して出発。E8とE6を通ってナルヴィック Narvik までひたすら走ります。ナルヴィックまでくれば、翌日は楽にボードーまで運転できるし、そのまま午後のフライトでオスロに戻るという算段です。ナルヴィックはノルウェイ最北の鉄道がある街ですが、その鉄道にはスウェーデンからしか辿り着けないというややこしいことになっています。

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10月13日 土曜日 (ナルヴィック→ボードー→オスロ)

ViewFromCar20181013.JPGナルヴィックから、一路ボードーを目指して南下します。SkarbergetとBognesの間はフェリー。ボードー空港でレンタカー返却。4日で1659キロ走行しました。17:50発のノルウェイ航空353便でオスロへ戻ります。翌日のフライトが早いので、今夜は空港至近のホテルです。空港はオスロの中心部からかなり離れており、時間もかかるので、オスロを再訪するのはあきらめました。さすがに2人とも運転の疲れが溜まっていたこともあります。空港のターミナルに戻ってなにか夕食を食べようと思いましたが、ほとんどすべて閉まっておりバーガーキングをテイクアウトしました。

ViewFromCar20181012.JPGノルウェーまとめ
物価:食料、市内交通(地下鉄、トラム、バス)、レンタカーは高額。道路で勝手に通行料が引かれる。国内線航空や長距離列車はリーズナブル。水は無料で美味しい、道端にも滝がたくさんある。キャッシュレス社会。高収入なので移民が集まる。食事はまあまあ。黒いチーズ Brunost やスヴェレ Svele は美味しい。フィヨルドはわざわざ見に行かなくても列車や車から十分見られると思う。オーロラは本当に運だのみ。そしてバイキング。

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10月14日 日曜日 (オスロ→ジブラルタル)

HeathrowDelay20181014.JPGオスロの空港で9日間一緒に旅をしたマイクと別れます。マイクは7:40のユナイテッド航空9077&107便でワシントンDCへ、自分は7:45のブリティッシュ航空761&490便でロンドン・ヒースロー経由でジブラルタルへとそれぞれ向かいます。ロンドンからの12:25発ジブラルタル行きが少しだけ遅れたのですが、それがなぜか5分刻みでなく1分刻みの表示です。結局12:36発と飛行機なら誤差の範囲ではと思う時刻が出発時刻でした。

GibraltarRock20181014.JPGジブラルタルはその名の通りジブラルタル海峡に面したスペイン南部にあるイギリス領なので国内線扱いだと思うのですが、パスポートチェックはあったような気がします。ジブラルタル空港は滑走路と一般道路が平面交差していて踏切があるという変わった空港です。すごいのは、この一般道路がジブラルタルとスペインを結ぶ唯一の道路だということ。機内では巨大なジブラルタルロックが見える南側の窓際に座り、着陸を撮影しました。

GibraltarRunway20181014.JPG空港のすぐ北側が国境で、その先はスペインのラ・リネア・デ・ラ・コンセプション La Línea de la Concepción (通称ラ・リネア、国境線という意味)です。今夜はこのラ・リネアのラ・エステポネラ La Esteponera に宿泊する(宿泊費はジブラルタルの半額以下)ので、徒歩で国境を越えて10分ほど歩きます。イギリスはシェンゲンに入ってないのでパスポートをチェックされると思っていたのですが、素通りでした。

午後は、ジブラルタル側で滑走路の間近で飛行機の離着陸を見たりしてのんびり過ごしました。離着陸の前に踏切が閉まり、滑走路を掃除するブラシをつけた車が動き回り、そして離陸1機だけだと思っていたらその前後に着陸2機があって、開かずの踏切状態でした。特に着陸だと1回でこの踏切を2回塞ぐことになります。閉まる時間を短くするために、なるべくまとめて離着陸をしているのではないかと思われます。ヒースローでの1分刻みの時刻もこの調整のためかもしれません。よくこれで街が成り立っているなあとある意味で感心します。

CoffeeModel20181014.JPGスペインだけあって夜のラ・リネアは活気がありました。Coffee Model でカネロニを食べて、また滑走路付近まで散歩しました。夜のロックもライトアップされていて綺麗です。ラ・エステポネラは残念ながら連泊不可なようで、明日は別の宿に泊まることにします。テレビが高いところに固定されているので、midiケーブルでインターネットをすると首が辛いです。

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10月15日 月曜日 (ジブラルタル)

Fish&Chips20181015.JPGジブラルタルはイギリス領だけあって、町の雰囲気もストリートサインもイギリス風です。観光地らしくメインストリートは活気がありました。買い物はポンドでもユーロでもできますが、なんとジブラルタルポンドという独自通貨もあります(1ジブラルタルポンド=1ポンド)。食べ物もイギリス風でフィッシュ&チップスの店が多く、昼食はフィッシュ&チップスにしました。

ViewFromRock20181015.JPGジブラルタルのシンボルであるザ・ロックはロープウェイでも登れますが、せっかくなので脚で登ることにしました。木があまりないので見晴らしが良く、途中には滑走路やラ・リネアの町が見渡せる場所、アフリカ大陸が見渡せる場所もあります。そして、どこにでも猿がたくさんいます。頂上はロープウェイの終点になっていて、お土産屋にはやたらとたくさんの客がいます。強風で下りのロープウェイがなくなったので代行バスを待っている人たちで溢れかえっているのです。

ここでこの旅で2つ目の事件が起こります。突然、野生の猿が頭に乗ってきたのです。振り払おうとしても自分の頭にしがみついて離れません。お土産屋にいる客たちはガラス越しにこちらを見て笑っています。やっとお土産屋の店員が来て猿を追い払ってくれました。どうもリュックサックに入れてあった昼食の残りのフィッシュ&チップスの匂いを嗅ぎつけたらしいです。引っ掻かれなくて良かった。

ViewFromRockEast20181015.JPG帰りは O'hara's Battery という砲台に立ち寄り、そしてMediterranean Stepsというザ・ロックの東側の道を下りました。かなりの急斜面でこれを登るのは大変だろうと思うのですが、この道をジョギングしている地元の人がいてすごかった。結構近くにアフリカ大陸が見えます。

Baco20181015.JPG夕食はジブラルタルで食べようかと思っていたのですが、ジブラルタルの町はもうすっかり店じまいで、それならとラ・リネアに戻ると地元住民でものすごい活気。この差がつまりイギリスとスペインの文化の違いなのだとひしひしと感じます。Bacoというレストランでタパスを4種類食べました。深夜になっても美味しい食べ物が食べられるスペインは最高です。ホステル・パリス Hostel Parisに投宿。予想外に個室でした。

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10月16日 火曜日 (モロッコ・テトゥアン)

M120Algeciras20181016.JPG荷物をホステルに置きっぱなしにして、身軽に日帰りでモロッコに行くことにしました。人生初のアフリカです。どういう国なのかあまり予備知識がないのですが、スペインからこんなに近いので行かないのはもったいない気がしました。ラ・リネア、アルヘシラス Algeciras、セウタ Ceuta、テトゥアン Tetouan、タンジェ Tanger、タリファ Tarifa、アルヘシラス、ラ・リネアという経路です。往路はアルヘシラスからアフリカにあるスペイン領のセウタに渡り、そこから陸路で国境を越えてモロッコへ、復路はタンジェ(新港 Med ではない旧港 Villeの方)からタリファに渡って国境を越えるというプランです。これなら往復異なる経路だし、町から50キロ近く離れて何もないタンジェ新港に寄らずに済みます。

Gibraltar20181016.JPGラ・リネアから朝一番の7時のバス M-120 でアルヘシラスへ向かいます。バスターミナルの隣りのインフォメーションで10:30発のセウタ行きフェリーのチケットを買って港まで歩きます。ここからはセウタとタンジェ新港に行く船がたくさん出ています。同じ国同士ですがパスポートチェックがあり乗船。ジブラルタルロックを見ながらジブラルタル海峡を渡り、1時間もかからずにセウタに到着です。スペイン領とはいえ、初のアフリカ大陸です。(写真は海峡から見たジブラルタル・ロック)

Ceuta-Morocco20181016.JPGセウタの中心街はスペインをそのまま持ってきた感じですが、国境行きのバスに乗り、モロッコとの国境が近づくと雰囲気が一転。かなり危険な雰囲気があります。車道の両側の歩道がお互いの国への入国経路らしく、右側の歩道を歩いていきます。舗装もされてなくドブ水が真ん中をちょろちょろと流れており、臭い。そして多くの人がお金をせびってきます。そして国境はカオス状態で、車から外したと思われるタイヤや麻袋が宙を飛んでいます。国境の壁を越えて色々なものが空を飛んだり壁の穴を通して手渡しされています。さらには猿みたいに壁をよじ登って越えていく人も数人いました。恐ろしい! 見た限り東洋人は自分一人で白人もほとんどいません。こんなカオスなことが日常的に起こっている国境は初めてです。

EnteringMorocco20181016.JPG臭い歩道の途中にあるイミグレーションオフィスは看板もない掘建小屋で、これを無視して行っている人も多いのですが、ちゃんと入国スタンプを押してもらおうと色々聞くと、初めてモロッコに来る人はスペイン側の警察からのスタンプが必要だ、とのこと。つまりは出国スタンプだと思うのですが、そのためにわざわざ道路の反対側に渡ってまた戻ってこなければなりませんでした。こうしてどうにかこうにかモロッコに入国できました。思うにここセウタ(と他のスペインの飛び地)はアフリカ大陸にあるEUなので人が集まってくるのは当然のことなのでしょう。

Tetouan20181016.JPGモロッコ側にはタクシーが大量に待機しており、テトゥアンに行きたいというと案内されました。相乗りが普通だと聞いていたのに1人だけ。150ディルハム(約15ユーロ)だったので、まあ良いかと思いました。あの国境の喧騒が嘘みたいに綺麗な景色とリゾート地のような場所を進みます。1時間ほど走ってテトゥアンの市場で降ろしてもらいました。帰りはタンジェに行くんだったら呼んでくれ、400ディルハムだよ、と番号を渡されました。それはちょっと高すぎるのでは、と言い返したら距離が長いからと怪しい返事です。

Dessert20181016.JPGテトゥアンの市場はとにかく人が多く、雑然としていて圧倒されっぱなしでした。本当に迷路みたいで気をつけていてもすぐに迷います。世界遺産なのですが、観光客らしい人はあまり多くなく、とにかくその熱気と独特の匂いに飲み込まれていました。自称ガイドが何人も寄ってくるのを振り払い、ようやく迷路から抜け出して10ディルハムでチャイを飲んですこしだけリラックス。そのあと再び市場に戻り、よく分からないジュースを飲んで、やっとこの喧騒に慣れてきたところでそろそろ時間です。

Tanger20181016.JPGどうもタクシーは近距離専用と遠距離専用に分けられているらしく、まずは近距離タクシーでバスターミナルまで、そこから遠距離タクシーでタンジェまで向かいます。今度は乗客5人が相乗りなので、なんと30−40ディルハムと格安の値段でした。さらに一緒になったモロッコ人の青年が英語を話せたので、色々とお喋りができたのも良かったです。タンジェまでは思ったよりも時間がかかり、タンジェを観光する時間はとれずに港に直行です。再び近距離タクシーに乗り換えてギリギリ18:00のフェリーに乗れました(次の22:00発だと時差の関係もありラ・リネアまで帰れません)。モロッコ人の青年が近距離タクシーを捕まえてくれて、港まで一緒に行ってくれて、すごく助かりました。彼とはメールアドレスを交換したのですが、なんと後日、手書きのメール(をpdfにしたもの)が来てなんだかちょっと感動しました。さらばモロッコ! 怖いからもう行きたくないと思う反面、慣れてきたら楽しいのではとも思える不思議な魅力がある国です。

帰りはタリファで入国審査がありましたが、セウタと異なってまともな審査でした。おそらく航路や空路で国境を越えれば、それほどモロッコ入国は問題ないと思います。陸路だったので、あれほどカオスだったのでしょう。タリファからは無料バスでアルヘシラスへ、そこから最終22:30のバス M-120 でラ・リネアへ戻りました。

RaBrasa20181016.JPG夕食は、Ra Brasa 17 というレストランに入りましたが、ここもすばらしく美味しかったです。ラ・リネアは結局3泊して3回とも異なるレストランでタパスを食べたのですが、どこもすごく美味しくて大満足です。こういう観光地でないスペインの町が一番面白いのかもしれません。とにかくラ・リネアがすっかり気に入りました。

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10月17日 木曜日 (ラ・リネア→コルドバ)

BreakfastAlgeciras20181017.JPG昨日の朝の行動をなぞるように、ラ・リネア7:00のバスでアルヘラシスまで移動します。アメリカ人と思われる若者2人組が、クレジットカードでの支払いを拒否されて現金もないという状態だったので、バス代を代わりに出してあげました。彼らはこれからモロッコに行くのですが、このバスに乗り遅れると数少ない船に乗り遅れてしまうのです。話すと2人ともワシントンDCに住んでいるとのことで、色々と話が弾みました。バス代を返してもらう代わりに、到着したアルヘシラスのバスターミナルのカフェで朝食をご馳走してもらいました。

ChangeGauges20181017.JPGアルヘシラス駅からマドリード行きの列車でコルドバに向かいます。スペインなのでプラットフォーム上でセキュリティーチェックがあります。8:43発、12:01着。車内ではアメリカ・ニュージャージー州在住の74歳のおじいちゃんと知り合いました。ひとり旅で、昔来たことがあるスペインが懐かしくて何度か来ているみたいです。途中、車庫のようなところで長時間停車していたのですが、これは車輪の幅を変えるためのようで、床下でギシギシと音がなっていました。

WallArtCordoba20181017.JPGコルドバ着。適当に選んだファンキーコルドバというホステル(この旅で最安の11ユーロ)にチェックインしたあと、街を散策。地元の美術専攻の女子大生たちがコルドバの光と影、みたいなオブジェを作っていて、ガム噛んでそれを壁につけろと言われたので、その通りにしました。色々な人のガムの食べかけが壁にへばりついており、これも芸術なのかもしれません。ホステルで勧められた Mercado Victoria のタパスは観光地だからかもしれませんが今ひとつです。スペインに来てはじめて食べ物でがっかりしました。

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10月18日 金曜日 (コルドバ→マドリード)

Mezquita20181018.JPG朝、無料開放されているというコルドバ一の名所、メスキータ Mezquita (コルドバの聖マリア大聖堂 Mezquita-catedral de Córdoba)に行きました。キリスト教の大聖堂のまわりにイスラム教のモスクが融合しているという非常に変わった建物です。両方の宗教の影響が強いスペインならではの建物です。赤と白のアーチが印象的で、これが町のいろいろなところにシンボルとして使われています。

CafeteriaCordobaCentro20181018.JPGブランチは、Cafeteria Cordoba Centro でトーストにオリーブ油とトマトペーストを塗っただけなのですが、これがすごく美味しい。病みつきになるような味です。

その後、ホステルで勧められた無料ツアーの集合場所に行くも、気が乗らずにやめて、一人で気ままにゲームショップ巡りをしました。あまり成果はありませんでしたが、可愛らしいモザイク柄の箱に入った、ドミノとカードのセットを購入しました。

AVEJapaneseMovie20181018.JPG夕方には、AVEでコルドバからマドリードへ。15:06発、16:55着です。ふと車内のテレビを見ると、日本の映画をやっています。イヤホンからも日本語が流れています。登場人物の「丸田さん」と画像を頼りに後で調べると「家族はつらいよ2」という邦画みたいです。邦画はスペインで流行っているのでしょうか。

Jaleo20181018.JPGマドリード・アトーチャ駅のセルカニアスのコンコースでホセと待ち合わせです。一緒に南西の郊外のアルコルコンにあるホセの家に向かいました。ネスターミーティングの期間はここに泊まってホセと一緒に毎日マドリードまで行くことになっています。夜はホセが考案した新作の「ハレオ! Jaleo!」というゲームをテストプレイしました。なかなかユニークで、もうほとんど完成という感じです。いよいよ明日からはネスターミーティングです。

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10月19日 金曜日 (ネスターミーティング1日目)

TheHat20181019.JPGホセと一緒にバスと地下鉄を乗り継いでマドリードのザ・ハットというホテルへ向かいます。サラゴサから来て、既にチェックインを済ませたネスターと再会。午後にはキャメロンも来る予定です。マドリードなので、サラゴサよりは交通の便は良いのですが、それでも今回は総勢5人。さらに会場であるザ・ハットにはそこまでゲームを遊ぶために適した場所がないのが残念です。

ネスターが、なんとデュプロヘックスの豪華版をプレゼントしてくれました。この9x9のボードを使ってこの日は「ディストヘックス」を遊び、翌日には何度か「デュプロヘックス」を遊びました。また、合間、合間にさまざまなゲームをプレイテストし、特に昨晩初めて遊んだホセの「ハレオ!」は非常に好評でした。




ディストヘックス Disthex
(プレイ時間 10分)
Disthex20181019.JPGまずはディストヘックスです。久し振りだったこともあり、ヘックスに強いネスターには勝てませんでした。このゲームもなんとか製品化されたら良いと思いますが、良い方法はないものでしょうか。

結果:ネスター 勝利、自分* 敗北



スクアバ Squava
Squava20181019.JPG「ヤバラス」の派生ゲームで5x5のスクエアグリッド上でヤバラスを遊びます。つまり3連を作らずに4連を作るのです。連結軸がヘックスボードと比べると3軸から4軸(縦横斜め)に増えたためにボードを狭くして調整してあるというわけです。興味深いことに、各プレイヤーのコマは視覚障害者用に赤と黒で形を変えて作られているということです。もちろん健常者でも問題なく遊べます。「ヤバラス」とは一味違った面白さがあります。作者のネスターと4回、のちに「ナジャ」のあとでアントニオと3回遊びました。ゲームマーケットの「土嚢の会」のブースで発売予定です。

結果
1戦目:ネスター 勝利、自分* 敗北
2戦目:自分 勝利、ネスター* 敗北
3戦目:自分* 勝利、ネスター 敗北
4戦目:ネスター* 勝利、自分 敗北
5戦目:自分* 勝利、アントニオ 敗北
6戦目:自分 勝利、アントニオ* 敗北
7戦目:自分* 勝利、アントニオ 敗北



マッドキャップ Madcap
(説明 5分 プレイ時間 5分)
Madcap20181019.JPGネスターゲームズのなかではかなりシンプルなゲームです。12個のダイスをあらかじめ振っておきますが、以降はダイスは降らず完全にアブストラクトです。手番にはダイスを1つ選び、その色の樽をダイスの目だけ上下させます。一番上と下では跳ね返りますが、移動元に戻ることはできません。こうして移動先に別の樽があれば、階層の数だけ得点します。樽が2個あれば倍です。つまり最下層の7階層目で2個の樽があるところに3個目の樽を導けば最高の14点です。シンプルなゲームで、ドイツのすごろくゲームっぽい感じがあります。

結果:自分* 14、ネスター 12



ナジャ Naja
(プレイ時間 35分)
Naja20181019.JPGネスターゲームズのネスター自身からの新作です。各プレイヤーはすべて同じ形のナジャという蛇のコマを持ちます。これを交互にボードの正方グリッドに合わせて置いていき、囲まれた領地の辺が多いプレイヤーが、その領地の得点を獲得します。ただし、焚き火がある領地は無得点です。すべて同じコマで遊ぶ「トゥイッグ」の正方グリッド版といったゲームですが、より戦略的でわかりやすくも悩みどころが多くよくできています。ゲームマーケットの土嚢の会ブースで発売予定です。

結果:自分* 26、ネスター 15



エンケラドスの庭 Gardens of Enceladus
(説明 5分 プレイ時間 30分)
GardensOfEnceladus20181019.JPG「火星の庭」から始まるガーデンシリーズの第3弾です。エンケラドスは土星の第2衛星で生命がいる可能性があると言われています。ボードはランダム配置で、手番には縦横にコマを任意のマス数だけ動かして、移動先とその隣接したマスのどれかの2つのディスク(花)を集めます。その後、1個だけ孤立している(縦横に隣接した他のコマがない)ディスクをすべて集めます。これを繰り返し、移動ができなくなったプレイヤーがいたらゲーム終了、チグユー式に得点を計算して勝敗を決めます(つまり最小の色のディスクが最大数のプレイヤーが勝つ)。手番の最初には同色のディスク2枚を捨てて特殊アクションができますが、コストが高いのでゲーム終了近くまでは行われないでしょう。シンプルながらよくまとまっています。

結果:自分 4−4−4−4−6、ネスター 3−5−5−6−6、アントニオ 3−3−5−5−6、ホセ 2−3−3−4−4



ヤバラックス Yavalax
(プレイ時間 各10分)
Yavalax20181019.JPG初参加のホセの友人、アントニオといくつかゲームを遊びました。まずは2重4目並べの「ヤバラックス」です。アントニオはコツがつかめずに苦戦していましたが、単に経験の差だけのような気もします。慣れてくれば見落としも無くなるし、戦略的に布石を考えたりできます。ゲームマーケットの「土嚢の会」ブースで発売予定です。

結果
1戦目:自分 勝利、アントニオ* 敗北
2戦目:自分* 勝利、アントニオ 敗北
3戦目:自分 勝利、アントニオ* 敗北



マナラス Manalath
(プレイ時間 各5−15分)
Manalath20181019.JPGあの変態ゲーム「マナラス」がついに製品化されました。どうも5x5x5だと必勝法があるということでボードをあえて歪めた5x5x6にしたそうです。これも自分はかなり慣れているゲームだったので2勝0敗を守りきりました。普通に遊ぶなら「ヤバラス」のボードで問題ないと思います。

結果
1戦目:自分 勝利、アントニオ* 敗北
2戦目:自分* 勝利、アントニオ 敗北


ここで再びハレオのテストプレイが行われました。早くネスターゲームズで製品化されると良いですね。

スラカルタ Surakarta
(プレイ時間 10分)
Surkarta20181019.JPG大昔にどこかで遊んだことがある「スラカルタ」。まさかネスターミーティングで再び遊ぶことになるとは思いませんでした。相手を捕獲する時には必ずループを使わなければならないというのがミソで、こちらだけが相手を取れるという形に持っていくのがコツだと思います。ゲーム的にはそれほど深みはないと思いますが、古典ゲームに興味があるホセが持参しキャメロンが興味深げに見ていました。

結果:自分 勝利、キャメロン* 敗北



TabernaSaramanca20181019.JPGゲーム終了後は、近くの Taberna Saramanca で夕食です。茄子とチーズとか魚介類のタパスを味わいながら、みんなで乾杯です。来年はキャメロンが住むマーストリヒト、あるいはピレネー山脈のどこかでネスターミーティングをやろうか、と話が膨らみます。

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10月20日 土曜日 (ネスターミーティング2日目)

Naipe20181020.JPG朝はホセの提案でマドリードのゲーム屋を巡りました。自分はモダンユーロのスペイン版とかそういったものに興味があるのですが、みんなは古典ゲームに興味があるようで、そういった店を巡るのが中心です。まずは Naipe Jugos (写真)です。ここは美しい木製のゲームが多くあり、自分はパズルを2つほど買ってしまいました。次に Zacatrus!、そしてGeneracionXへ。これらはユーロゲーム中心で、あまりみんなの気をひかなかったようです。




イオの庭 Gardens of Io
(説明 5分 プレイ時間 35分)
GardensOfIo20181020.JPGガーデンシリーズの2作目です。イオは木星の第1衛星でガリレオ衛星のひとつであり、火山活動で有名です。9x9のボードで、各プレイヤーは6色のディスク(花)を合計数が全員同じになるようにランダムな個数ずつ持ちます。周囲の得点トラックがボードと連動しており、得点トラックから縦横斜めに直線上の空きますに手持ちのディスクを置き、そのディスクが属する同色グループのディスクの数だけ得点します。得点がダイナミックに動いていき、なかなか面白いと思います。ある色の最後のディスクを置くと追加手番があったり、ゲーム中に1回ずつだけ特殊アクションが使えたりと、展開の幅もあります。ゲームマーケットの土嚢の会ブースで発売予定。

結果:ホセ 1位、ネスター 2位、自分 3位



デュプロヘックス Duplohex (デラックス版9x9)
(プレイ時間 各15−20分)
Duplohex20181020.JPG今回ネスターが「デュプロヘックス」のデラックス版をプレゼントしてくれました。その記念に「デュプロヘックス」を何度か遊びました。これまで7x7のボードだったのですが、9x9になりましたが、冗長というわけではなく、ゲームとしての戦略が増しているように思えます。7x7ではあまり良い反応がなかったキャメロンも9x9は気に入ったようです。

結果
1戦目:自分 勝利、ホセ* 敗北
2戦目:自分 勝利、キャメロン* 敗北
3戦目:自分* 勝利、キャメロン 敗北



ラプラス Laplace
(プレイ時間 各20−25分)
Laplace20181020.JPG日本から持参したお土産の「ラプラス」を遊びました。まずは未プレイのプレイヤーがシングル戦を、そのあと2セット使ってパートナーシップ(ペア戦)を行いました。このペア戦が非常に好評で、2回も遊んでしまいました。このペア戦用のセットはゲームマーケットで発売するという噂もあり、今から楽しみです。

結果
1戦目(シングル):自分* 勝利、ネスター 敗北
2戦目(パートナーシップ):自分&ホセ 勝利、ネスター&キャメロン* 敗北
3戦目(パートナーシップ):ネスター&キャメロン 勝利、自分&ホセ* 敗北



ポチャ Pocha/オーヘル Oh Hell!
Pocha20181020.JPG最後に、ネスターがスペインのトランプゲームを教えてくれました。まずは練習ということで「ポチャ」というゲームです。ランクが通常と異なる以外は「オーヘル」とほぼ同じです。スパニッシュデッキは1−12までの数字で8と9はなく、ランクは1>3>12>11>10>7>6>5>4>2です。

結果:ホセ 85、ネスター 85、キャメロン 75、自分 55



ギニョーテ Guiñote
(プレイ時間 35分)
Guinote20181020.JPGネスターが教えてくれたスペイン北部の伝統的なトリックテイクです。スパニッシュ・デッキを使い、ランクがとにかく変わっていて、1(11)>3(10)>12(4)>10(3)>11(2)>7>6>5>4>2です(括弧の中はカードの点数)。1はエース、12、10、11がそれぞれキング、クイーン、ジャックに当たるので、別の書き方をすれば、A>3>K>Q>J>7>・・・というドイツのランクと似たものになります(10の代わりに3ですが、点数は10点です)。これで、パートナーシップでマストフォロー、マストトランプ(マストラフ)、マストウィンのトリックテイクをするのです。マストトランプ、マストウィンは独特で、大きな数字を早く使わせるなど通常のトリックテイクとは異なった戦法が生まれます。(ルール詳細はここ

結果:ネスター&自分 75、キャメロン&ホセ 31

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10月21日 日曜日 (ネスターミーティング3日目)

TascaLaOrejaDeJaime20181021.JPGネスターミーティング最終日。ホセは都合で来られないので、ひとりでマドリードに向かいます。この最終日はほとんどゲームはせずに食べておしゃべりをするのが中心でした。Tasca La Oreja De Jaime というタパスの店でしたが、そこのシシトウが絶品でした。

Pikachurro20181021.JPGさらにチュロスを食べて、まさにネスターイーティングです。チュロスは日本のピカチュウ人気にあやかった Pikachurro というピカチューチュロスも売っていました。




ブラック ホール Black Hole
(プレイ時間 各3分)
BlackHole20181021.JPGこの日に遊んだ唯一のゲームです。21のマスに10枚ずつのディスクを小さい数字から順に埋めていき、最後に開いた1マスの周囲の数字の和が小さいプレイヤーが勝つというシンプルなゲームです。最後に大きな数字のディスクを置かなければならないので、最後まで気が抜けません。

結果
1戦目:自分* 勝利、ネスター 敗北
2戦目:ネスター 勝利、自分* 敗北
3戦目:ネスター* 勝利、自分 敗北



SquareOff20181021.JPG空港に向かうキャメロン、駅へ向かうネスターを見送って、マドリードをしばらく散策したあとに、アルコルコンのホセの家に戻ってスペイン最後の夜を過ごしました。ホセはチェスに凝っていて、なんと磁石で自動的に相手の駒が動くチェス Square Off など、様々なチェスを持っています。普段チェスをしない自分でもさすがに見入ってしまいます。

翌日は、いよいよマドリードを出発し、フランス経由でエッセンに向かいます。

エッセン・シュピール編に続く

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