横浜クニツィア会 2025.09.14

第49回横浜クニツィア会です。参加者は9名(うち初参加1名)で9:30-16:30の7時間開催です。本来は前日9月13日土曜に神奈川地区センター和室を終日予約していたのですが、冷房の不具合が直らず秋まで休館となり、休館開始がちょうど13日になってしまったのです。連絡が5日前だったので、土曜日は既にどこも埋まっており、仕方なく日曜日に片倉町の神大寺地区センター中会議室を使いました。参加表明をしてくれた方には不便をかけてしまいました。初参加2名を含む9名が参加してくれました。。

出版社でたどるクニツィア史第17回はスウェーデンのALFです。ALFはAnvändbart Litet Företag の略でスウェーデン語で「役に立つ小さな会社」というような意味です。

ALF20250914.JPGモールヒル Fånga Mullvaden (1997)

ALFから出版された唯一のクニツィアのゲームは「モールヒル」です。ブラッツ版と同年の出版で、北欧の出版社からは初めてのクニツィアのゲームです。タイトルの Fånga Mullvaden は「もぐらを捕まえろ!」という意味のようです。ボードがブラッツ版よりもかなり大きく、遊びやすいです。「モールヒル」はのちにネスターゲームズからも再販されましたが、それ以降は再販がありません。埋もれてしまう前に再販されて欲しいゲームです。

なお、今回の初プレイは「デミゴッド」、「ピックアペンハッカー」で版違いの初プレイは「数独ボードゲーム」、「罗盘与宝藏(コンパスクエスト)」、「モールヒル」です。



数独 ボードゲーム Sudoku: Das Brettspiel (黄箱版)
(説明 5分 プレイ時間 40分)
SudokuDasBrettspiel20250914.JPG最初に到着した河原さんと「数独ボードゲーム」を遊びました。初めて使う黄箱版です。このゲームは確認できているだけで、赤黄青の3色があり、赤箱は初版で裏面に数独キッズという子供用のゲームがついていますが、黄と青にはついていません。

4人だと冗長なので2−3人が良いと思っています。基本的にはその場の最善手を打つというパズルゲームですが、まあまあ楽しめます。お互いに17点を獲得したのが1手番での最大得点。途中で引き運が良かったこともあり、かなり引き離しましたが、終盤には河原さんが少し差を縮めてそのまま終了。

結果:自分* 274、 河原 256



罗盘与宝藏(コンパスクエスト) Compass Quest
(説明 10分 プレイ時間 25分)
CompassQuest20250914.JPG「幽霊船 Phantom Seas」の中国版リメイクです。原題の「罗盘与宝藏」は日本の漢字だと「羅盤与宝蔵」が近く、ギークではコンパスクエスト Compass Quest というタイトルになっています。先月遊ばれていたのですが、自分は入れなかったので今回再び持ち込みました。「幽霊船」にはない協力ゲームが基本となっています。

方角カードが人数分めくられ、誰がどのカードを取るかを決めます。取ったカードに従って自分のコマを動かして宝物を獲得していきますが、宝物トークンによってボードが回転したり敵が近づいてきます。とくにボードが回転するとそれ以降の方針を変えなければならないので、誰が先に進むかなどはかなり大切です。

なかなか楽しいシステムで、今回は28点でした。しかし、これがどのくらい良いかはわからないので、なんらかの指針が欲しいところです。

結果:28点(自分 4、g.sato 6、河原 10、ミスミン 8)



ファミリー ビンゴ Family Bingo
(プレイ時間 40分)
FamilyBingo-Boxes.JPG「ファミリービンゴ」は2014年にトレフルから出版されたクニツィアのパーティーゲームで、ミニゲームに勝って自分の4x4のビンゴボードを埋めていき、縦横斜めに1列揃えてビンゴを作ることが目的です。初版はドイツ語でしたが、2015年にシンプリーファンから「スティック&スタンツ Sticks & Stunts」としてアメリカ版が、そして2024年にマンドゥーから「ファンタスティックス Fantasticks」として英語版がリメイクされています。

FamilyBingo-Boards.JPG手番にはビンゴの数字トークンを引きます。そしてデッキからカードを引いて、指示されたミニゲームを行います。このミニゲームに勝ったプレイヤーは、自分のビンゴボードの数字トークンが示す場所にマーカーを置けるというわけです。

ミニゲームには以下の8種類があります。なお、順番は唯一シリアルナンバーがついている「ファミリービンゴ」の番号順に従いました。

FamilyBingo-BingoChips.JPG1.スピード建築:カードの表面に描かれた通りに、正確に素早くスティックを使った建築をする。最初に完成させたプレイヤーの勝利。

2.ナンバークイズ:カードの裏面に数字の1-8で答えるクイズが書かれている。答えだと思う本数のスティックを手に握って一斉公開。正解したプレイヤーは全員勝利。

FamilyBingo-Markers.JPG3.メモリー建築:カードの表面の完成図を一定時間見て覚える。その後、衝立で隠しながら記憶を頼りにその通りに作る。正解したプレイヤーは全員勝利。

4.知識クイズ:カードの裏面に三択の知識クイズが書かれている。選択肢の番号に対応する数のスティックを握って一斉公開。正解したプレイヤーは全員勝利。

FamilyBingo-Cards.JPG5.スキルチャレンジ:カードの裏面にスティックを使った様々なアクティビティーが指示されている。スティックを積み重ねたり弾いたりする。

6.秘密の建築:手番プレイヤーはカードの表面の完成図を見ながら説明し、他のプレイヤーは衝立で隠しながらその通りに作る。正解したプレイヤーは全員勝利。ひとりでも正解ならば手番プレイヤーも勝利。

FamilyBingo-Screens.JPG7.ラッキースティック:手番プレイヤーが握ったスティックの数や色を当てる。正解したプレイヤーが勝利。正解がいなければ手番プレイヤーが勝利。

8.何でしょう?:手番プレイヤーはカードの表面に描かれたオブジェクトをスティックでリアルタイムで表現する。他のプレイヤーはこのオブジェクトを当てる。チャンスは1人2回。正解したプレイヤーと手番プレイヤーが勝利。



エディションごとの違い

カード枚数
ファミリービンゴ:165枚(シリアルナンバー付き)
スティックス&スタンツ:158枚
ファンタスティックス:158枚

詳細な内訳は以下の通り。

ファミリービンゴスティックス&スタンツファンタスティックス
1スピード建築201818
2ナンバークイズ201819
3メモリー建築202020
4知識クイズ303030
5スキルチャレンジ151212
6秘密の建築151515
7ラッキースティック151514
8何でしょう?303030
合計165158158
(注:スティック&スタンツのスキルチャレンジはマニュアルでは14枚となっているがミスプリント)

カード名称は、以下の通り。(数字は上記に対応しています)

ファミリービンゴ
1. Wer zuerst kommt, mahlt zuerst (First come, first served)
2. Zählstäbe (Counting Sticks)
3. Gedächtnis-Meister (Memory Master)
4. Wissens-Meister (Knowledge Master)
5. Geschicklichkeits-Meister (Skill Master)
6. Geheim-Konstruktion (Secret Construction)
7. Glücks-Stäbe (Lucky Sticks)
8. Rate, was das ist? (Guess what this is?)

スティックス&スタンツ
1. Speed Builder
2. Number Whiz
3. Memory Builder
4. Knowledge Master
5. Skill Challenge
6. Secret Plans
7. Lucky Sticks
8. Create It

ファンタスティックス
1. Speed Builder
2. Number Quiz
3. Memory Builder
4. Knowledge Quiz
5. Skill Challenge
6. Secret Plans
7. Wit challenge
8. Create It

ビンゴボード
ファミリービンゴ:片面
スティックス&スタンツ:両面
ファンタスティックス:両面

マーカー
ファミリービンゴ:1−16の数字に分かれている
スティックス&スタンツ:共通
ファンタスティックス:共通

ナンバークイズと知識クイズの質問と回答
ファミリービンゴ:カードの裏面に問題、表面に回答
スティックス&スタンツ:カードの裏面に問題、表面に回答
ファンタスティックス:カードの表面に問題、回答は別のチャートを見る。


FamilyBingo-Sticks.JPGカード枚数やクイズの内容など多少異なりますが、どのエディションも大体同じです。「スティックス&スタンツ」や「ファンタスティックス」ではビンゴボードが両面になってボードのバラエティーが増え、代わりにビンゴボードに置くマーカーが1種類になりました。マーカーに数字があってもあまり意味はないので、これは改良だと思います。

Fantasticks-AnswerSheet.JPGさらに「ファンタスティックス」では、カードの裏面にすでにクイズの問題が見えてしまっていたのを改良し、回答チャートを別に用意しました。これでカードの裏からはミニゲームの種類しかわからなくなったのは良いと思います。しかしスティックの大きさは「ファンタスティック」ではかなり大きくなり、建築するミニゲームの難易度は下がりました。

Fantasticks-Cup.JPG自分が「ファミリービンゴ」を購入したのはエッセンシュピール2014ですが、ドイツ語だったのでずっと放ったらかしにしていました。最近になって第3版にあたる「ファンタスティックス」を手に入れて遊んだら、思いの外楽しめたのです。おそらく、ミニゲームとビンゴの相性が良かった、つまり適度な運と馬鹿馬鹿しさが良かったのだと思います。その少し後に「スティックス&スタンツ」も手に入れて遊びました。

なお「ファンタスティックス」を購入した時におまけでプラスチック製のコップをいただいたのですが、スキルチャレンジのひとつがコップにスティックを投げ入れるというものなので、次回使ってみようと思います。

FamilyBingo20250914.JPG今回遊んだのは初版の「ファミリービンゴ」です。ドイツ語は厳しいので、言語依存がないスティックを使った4種類のミニゲーム(スピード建築、メモリー建築、秘密の建築、何でしょう?)だけを遊びました。スピード建築と秘密の建築で稼いで順調にボードを埋めていった自分と河原さんが同時にビンゴを完成して勝利。楽しいパーティーゲームだと思います。

結果:自分&河原(他、ヤスシ、ミスミン、g.sato、ぢ~ぷ)



ピックアペン 庭園 Pick a Pen: Tuinen/Gardens (999ゲームズ版)
(プレイ時間 45分)
PickAPenTuinen20250914.JPG久し振りの「ピックアペン庭園」です。一番難解なレベル3を遊びました。5色のエリアを5つ作りそうになったり(4つまでしか点数にならない)など、いくつか失敗したものの、経験を活かして外周、全ヘックス塗りつぶし、最大単色エリアの3つを勝ち取って勝利。一番遊びやすいのは「庭園」だと思います。

結果(レベル3):自分 170、ヤスシ 145、さぼ 137、河原 131



タール トラッカーズ Tar Trackers
(プレイ時間 15分)
TarTrackers20250914.JPGマグネットが仕込まれたディスクをタールに見立てたキッズゲームです。遊ぶのは2回目。今回は6枚のタイルを得た後、中央まで戻るというバリアントルールで遊びました。このルールはあった方が良いと思います。紙だと思ったら磁石だったりして、紙が急に磁気を帯びたのかと思える謎な現象もありました。たっくんが自分より1足早くゴールして勝利。

結果:たっくん 6(勝利)、自分 6、さぼ 4



デミゴッド Demigods
(説明 10分 プレイ時間 25分)
Demigods20250914.JPG数年前にフランスのOyaゲームズで買ったOyaのオリジナルです。タイトルの「デミゴッド」は半神や亜神という意味です。最弱を決めるポーカーのようなゲームで、ゲームのシステムとしては「ネズミと男たち(ドブネズミ)」のカード版という感じです。

プレイヤーはラウンドの初めにデミゴッドカードとアーティファクトカードの2枚を取ります。このくみあわせによって数値が決まります。そして順番に最弱のプレイヤーに対するペナルティーの失点をビッドしていくのです。このビッドはポーカースタイルでレイズ、コール、フォールドなのですが、最初に降りた(フォールドした)プレイヤーは3失点、以降は2失点というのが良いスパイスになっています。こうして誰かが30失点以上になった時に、一番失点が少ないプレイヤーの勝利です。

6人でプレイしました。おそらく多い方が面白いです。この後4人くらいでも遊ばれていたようですが、6人の時の方が面白かったという感想でした。また遊びたい。

結果:たっくん 15、さぼ 18、河原 20、はた 23、自分 24、ミスミン 37



モールヒル Fånga Mullvaden (Alf版)
(プレイ時間 15分)
FangaMullvaden20250914.JPGスウェーデンのALF出版の唯一のゲーム。ブラッツ版と比べるとボードもコマも大きくて遊びやすいです。ぢ~ぷさんとD.Satoさんを誘って、まずは経験者のぢ~ぷさんと自分が対戦し、その勝者とD.Satoさんが対戦することになりました。ぢ~ぷさんはアブストラクトは苦手と言いつつも強い! モグラと農夫を交互に受け持ち、2点差で敗北。その後のD.Satoさん対ぢ~ぷさんの対戦ではD.Satoさんが勝利したようです。なので自分は3人の中で最下位ですね。

結果:ぢ~ぷ 11、自分 9



ピックアペン ハッカー Pick a Pen: Hacker (アミーゴ版)
(プレイ時間 30分)
PickAPenHacker20250914.JPG数日前に手に入れた「ピックアペン」シリーズの最新作「ハッカー」です。アミーゴ版なので英語ルールがなく困っていたのですが、さぼさんがその場で機械翻訳をして解読してくれました。鉛筆は「庭園」のものに似ていますが、1−6までの6面というオーソドックスなものです(「庭園」では1−5で1が2面)。4x5のマス目に選んだ色と数字を書くだけですが、縦横で同じ色や同じ目になってしまうとそれらを消さなければなりません。最後には消されなかった数字が点数になります。

簡単そうですが、点数が高いからと大きな数字ばかりを選ぶと、最後にはそれらを消す羽目になってしまいます。次回はレベル2のルールを解読して遊びたい。

結果(レベル1):たっくん 61、自分 49、さぼ 44、河原 32



ファイブ シーズンズ Five Seasons
(プレイ時間 25分)
FiveSeasons20250914.JPG「ケルトタイル」のリメイクの「ファイブシーズンズ」です。4人で遊ぶのは久し振りです。各色11枚しかないので、うっかり取るとマイナス点になってしまうのです。4枚くらいは欲しいところですが、なかなかそうはいきませんね。難しい! 最近は「ケルトダイス」のリメイクとして「ファイブシーズンズダイス」も出版されていますが、この流れで「ファイブシーズンズカード(ケルトカード)」や「ファイブシーズンズボードゲーム(ケルト)」も出るのでしょうか?

結果:たっくん 12、アリ 10、自分 6、ミスミン 0



海上丝路 Maritime Silk Road
(プレイ時間 25分)
MaritimeSilkRoad20250914.JPG最後は中国版「交易王」の「海上絹路」です。このバージョンはカードが感じなので意外とプレアビリティーが高いですね。イラストは好みがあると思いますが悪くないです。そしてゲームはやはり面白い! さぼさんに2点差で負けたのは悔しかった!

結果:さぼ 77(契)、自分 75(船)、ヤスシ 63(船船)、アリ 58(船港)



Results20250914.JPG他には「サムライ(ファンタジーフライト版ミスミンさん特製塗装)」、「砂漠を超えて(オールプレイ日本語版)」「マイマイン(シンプリーファン第2版)」「冒険者の谷」「ツインズ(アミーゴ版)」「メディチダイス(グレイルゲームズ版)」「エルファーラウスボードゲーム」が遊ばれていました。

次回は11月の予定です。50回記念なので何か企画しようかな。

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