DCゲーマーズ 2009.07.03

金曜日ですが休日なのでリシの家で一日早いDCゲーマーズをやることになりました。6人ゲームを2つ、そのあとは3人ずつ2グループに分かれました。トリックテイクを3つもやってしまいました。トリックテイク好きとしては嬉しいですね。



ウィザード Wizard
(説明 5分 プレイ時間 50分)
Wizard.jpg毎ディール増えていく手札で、取れるトリックの数をあてるオーソドックスなマストフォローのトリックテイキングゲーム。カード構成は普通の52枚のトランプデッキにスート外のウィザードカード(ウィナー)とジェスター(道化師)カード(ルーザー)が4枚ずつ加わった60枚。切り札はターンアップカードで手札はディールごとに1枚ずつ増えていきます。1ディール目は1枚、最後の10ディール目には10枚となり、6人なので60枚すべて使うのでノートランプ(切り札無し)となります。

宣言したトリック数を正確に取れば20点、この場合さらに取ったトリックにつき10点得ます。少な過ぎたり取りすぎたりした場合にはトリックの差1つにつきマイナス10点です。宣言はプレイ前にディーラーの左隣から順番にします。リシのウィザードデッキにはこのビッドを表示する為のダイアル(写真)が人数分ついてきます。

トリックは取るよりは取らない方が楽なので、そんなに難しいゲームではありません。10ディール中、はずしたのは1度だけだったリッチと自分が同点1位。同様のゲームにオーヘルというゲームがありますが、リシ曰く、ウィザードの方が面白いとのこと。オーヘルもよく聞く名前ですが、未プレイです。

結果:リッチ 230、自分 230、ショーン 200、リシ 170、ローラ 120、ダグ 100



仮面舞踏会 Maskenball
(プレイ時間 15分)
MaskenballOriginal.jpgベニスの仮面舞踊会のオリジナル版。こちらは写真でなく絵なので描かれているジェスチャーは多少分かりやすいのでは?と思ったのですが、わざと似たポーズをした人物を似た衣装で描いているので、やはりわかりにくいかもしれません。ところで、二つのバージョンのジェスチャーはほぼ同じですが、違うものが一つだけあります!さて、どれでしょうか?(ベニスの仮面舞踊会の写真はここ

このゲーム、見かけとは違って結構経験がものを言います。経験者3人が上位3位を占めました。

結果:自分 10、ローラ 9、ショーン 9、リシ 5、リッチ 4、ダグ 3



シャングリラの橋 Bridges of Shangri-La/Die Brücken von Shangrila
(説明 10分 プレイ時間 55分)
Shangrila.jpgコロヴィーニの少し前のゲーム。完全情報ゲームでかなりシビアです。橋で網の目のように繋がっている村。すべての村には、7種類のコマを置く7つのマスがあり、目的は橋が全部なくなったときに自分のコマを出来るだけ多くのマスに配置することです。

各マスは他プレイヤーとは共用できず、また自分のコマを2つまでしか重ねて置けません。手番には、既に自分のコマがある村のどこかの空きマスにコマを置く、既にある自分のコマ2つに重ねてそれぞれのコマを置く、橋を渡って2段重ねの上のコマ(自他関わらず)を全て隣の村に移動させる(そして橋は壊れる)、のどれかから選びます。3番目の橋を渡っての集団移動がこのゲームの核となるメカニクスで、コマの合計数が多い村から少ない村への移動では、移動したコマが残り、以前あったコマは除外されます。逆に合計数が少ない村から多い村への移動では、移動先に既にコマがあれば移動するコマが除外されます。

一度かなり前にpuppiさんとプレイしたことがあるのですが、ルールを完全に忘れており、ルールの飲み込みが遅い自分は出遅れてしまいました。多人数(3-4人)完全情報ゲームなのでキングメイキングの問題が心配です。今回は、初心者用にあらかじめ決められた初期配置(写真の小さな紙)で行いましたが、自由に配置するルールの方が俄然面白いように思います。

結果:ショーン 28、ローラ 24、自分 21



ケルト Keltis + 追加ボード Die Erweiterung
(プレイ時間 45分)
KeltisExp2.jpg持参したケルトの追加ボード入りをプレイ。カードのマネージメントが難しくも悩ましいゲームです。同色の石3つを狙う作戦があだとなって、かなりきつい展開となりました。自分のカードを捨てられるというシンボルはほとんどが道の終わりの方にあり、間一髪で進んでいきます。同色の石を3つ集めたのは自分だけでしたが、石を無視したショーンが僅差で勝利。基本のボードよりは面白いと好評でした。

結果:ショーン 59、ローラ 58、自分 58



エル カピタン El Capitan
(説明 10分 プレイ時間2時間15分)
ElCapitan.jpgクラマーの隠れた名作、タイクーンのリメイクです。テーマは世界を飛行機で飛び回りホテルと工場を建てるという現代のビジネスゲームから、地中海を船で巡って家や砦を建てる中世のゲームへと変わりました。細かいルールにかなりの変更が加えられています。最初の所持金があることにより、ガチガチ感が緩和されたのは良いことだと思います。他は主に建設に関するルールやスコアスキームの違いなどの変更です。また、5人まで遊べるようになりました。

ボードのグラフィックアートはマイクドイルが手がけたもので非常に綺麗なのですが、全体的に暗い色使いで重要な情報が読み取りにくく、プレイアビリティはかなり悪いです。特に洒落た細めのフォントで書かれた都市名を読むのは困難を極め、もっぱらカードでの地図をたよりにプレイしていました。また、ボード上に、プレイヤーが使うコインと全く同じコインの原寸大の絵が描かれており、誰かがコインを取り忘れたのかと思ったりして非常にややこしいです。ゲームのアートというのは美しいだけでなく、機能的でなければならないのでその点フォーヴィンケルは偉大だと思います。

ElCapitalNewScheme.jpgプレイした感覚としては、タイクーンほどのきつさは無いものの、かといってそれほど違うようにも感じませんでした。建物を建てた都市数によって得られるボーナスが大幅に違うので(最大の9都市の場合、タイクーンでは40、エルカピタンでは60にさらに先着3名にはボーナスが付く)まんべんなく建てることをプレイヤーに求めるように出来ています。それを無視して第1ラウンドでは1人だけ3都市(他は5-7都市)だった自分が最終的には勝ってしまいましたが。

タイクーンでも思ったことですが、航海チケットの価格は単純に2都市間の距離なので、安い価格1のチケットの方が価格2以上のものより使い勝手がよく無駄がありません。1が出るたびに必ず全部買ったことも自分の勝因のひとつですが、このチケットの価格設定にはもうすこしひねりが欲しいです。例えば距離プラス1とかにして、使い勝手の悪い長距離チケットに割引感を与えるなどの処置が必要に思います。

結果:自分 218、ローラ 204、ショーン 188、リシ 182、ダグ 107



アトランティック スター Atlantic Star
(プレイ時間 1時間)
AtlanticStar.jpgヘンの名作、ショーマネージャーのリメイクです。テーマはミュージカルでの俳優集めから、世界の長距離クルーズでの船集めになりました。これはどう好意的に考えても、ミュージカルの方がしっくりくると思います。船にはそれほど個性が無いし、それを反映してか、オールマイティのX1の船は全て同じ絵。ショーマネージャーではひとつひとつ違う俳優でした。

ルールはほぼショーマネージャーと同じですが、ゲーム終了時に手札に2枚まで残せます(ショーマネージャーは1枚)。今回は何故か全員が同じ航海を始めてしまい、かなりきつい展開となりました。最も価値のある四つ星の航海でトップを取ったものの残りがダメで沈みました。

結果:ローラ 43、ダグ 39、アンチュマン 38、自分 38、リシ 28



トゥーメニークックス Too Many Cooks
(プレイ時間 40分)
クニツィアがあまり好きではないリシでも、トゥーメニークックスは好きなようです。彼のリクエストで5人プレイ。5人だと少々ランダム性が高くなるのですが、気になるほどではありませんでした。前半、うまく今日はスープ無しを使ったのですが、後半でチリまみれになったりして振るいませんでした。玉ねぎが手札に無い時に、あえて玉ねぎスープにチャレンジしましたが、数値の高い5や10をうまく使えば、これは結構いけます。

結果:ローラ 25、アンチュマン 23、ダグ 21、自分 15、リシ 14



ドミニオン Dominion
(プレイ時間 35分)
Dominion.jpgおそらく今年一番有名なゲーム。2009年のSdJ(ドイツ年間ゲーム大賞)を獲得し、DSP(ドイツゲーム賞)でも有望視されています。トレーディングカードのデッキ構築の要素だけをゲームにしたという斬新なデザインと、様々なカードの組み合わせが楽しめこともあって、中毒性は高いようです。

お金と勝利点の二段構えのゲームで、ゲーム終了時に自分のデッキの勝利点が最も多いプレイヤーが勝ちますが、ゲーム中は勝利点のカードは邪魔になるだけです。よって、まずはお金やアクションを増やし、タイミングを見計らって勝利点カードを買っていくのです。このあたりはプエルトリコなど近年の様々なゲームに見られる共通のデザインといえます。

最初のデッキは10枚。手札は通常5枚で、手番にはその5枚で他のカードを買ったりアクションを起こします。使っても使わなくても手札は全て捨て札となります。買ったカードも捨て札です。山札が尽きると捨て札は山札として再利用され、新しく買ったカードはここで初めて使える訳です。

DominionPrototype.jpg基本的にはこれだけです。買える特殊カードには、アクションや買う枚数やお金を増やすもの、他人を邪魔するものなどあります。これらの妨害カード、それに人気があるカードの先買い競争を除けば、ゲームが終わるタイミングを見計らうことが唯一のプレイヤーインターアクションといって良いかもしれません。

今回で4回目ですが、実は当サイトでレポートを書くのは初めてです。初めてこのゲームをプレイしたのは去年(2008年)の9月20日で、Congress of Gamers というローカルコンベンションに参加した時にプロトタイプをプレイしました(写真)。このときは、ちょっと変わっているカードゲームだな、という印象しかなく、まさかこのゲームが世界で絶賛されるようになるとは思いませんでした。今でもその印象は同じで、確かに斬新なデザインだとは思うのですが、プレイヤーインターアクションが殆どないのが残念です。

今回はアンチュマンが Council Room と Envoy を使ってカードを大量に手に入れて勝利。リシは Garden を7枚購入したものの及ばず。

結果:アンチュマン 56、リシ 45、自分 37



ナインティーナイン Ninety-Nine
3人でのベストトリックテイキングゲームのひとつ。パーラットの傑作だと思います。以前はスカートもよく遊んだのですが、ルールが難しいのでここ数年はもっぱらナインティーナインです。通常のトランプデッキから6以上の36枚にジョーカーを加えた37枚を使用。これを12枚ずつ配り、最後の1枚が切り札決定のカードとなります。ジョーカーはこのカードの代用として扱われます。手札の12枚のうち9枚使ってマストフォローのトリックテイクを9トリック行うのですが、取れるトリックの数を残りの3枚を使ってビッドしなければなりません。この時、ダイアモンド(0)、スペード(1)、ハート(2)、クラブ(3)はそれぞれ括弧内の数字に対応しています(ダイアモンド以外はでっぱりの数と考えると分かり易いです)。つまり、スペード2枚とクラブ1枚の3枚だったら1+1+3で5トリックを取るという宣言になります。このビッド表示の3枚はラウンドが終わるまで非公開ですが、公開してボーナス点を狙うという方法もあります。

1トリック1点。それにビッドしたトリック数を正確に取ると10-30点のボーナス。ビッドや手札を公開するとさらにボーナスです。最高点は99点でゲームの名前ともなっています。本来は9ディール行って勝敗を決めます。

このゲームの面白いところはやはりビッド。これによって9枚ものカードが無くなるのですが、平均のビッドが3だとすると、ダイアモンドはカウンティングがしにくく、クラブはしやすいということになります。今回はお試しということもあって3ディールだけでしたが、次回はきちんと9ディール勝負で遊びたいですね。

結果(3ディールのみ):自分 68、アンチュマン 58、リシ 51



ダビデとゴリアテ David & Goliath
David%26Goliath.jpg既に2回リメイクされているロングセラー。シンプルな中にもジレンマのたっぷりあるトリックテイクです。各スートにつき、プレイヤー人数の3倍の枚数を使用します。5スートあるので3人の場合は45枚。切り札無し、マストフォローのトリックテイクなのですが、スートに関わらず高数値が勝ち低数値が負けます。最も低数値を出したプレイヤーが最も高数値のカードを取り、最も高数値を出したプレイヤーが残りのカードを取るのです。さらに各スートにつきゲーム終了時に取った枚数が2枚以下ならば数値がそのまま点数ですが、3枚以上だと枚数が点数となります。よってできれば1枚か2枚だけ取りたいのですが、平均は3枚。このあたりもジレンマですね。

あとから気が付いたのですが、自分の手札は決して自分は取りません。マメじゃないよ!に似た部分があります。近いうちに再戦したいです。

結果:アンチュマン 90、リシ 70、自分 69



他にプレイされていたゲーム:ブルームーンシティ、郵便馬車

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