2012年に最も遊んだゲーム

新年おめでとうございます。昨年2012年を振り返りつつ、恒例のプレイ頻度ランキングを書きたいと思います。

2012年の2月初旬に日本に帰国してからは、日本でのゲームライフを楽しみました。3月には大阪の第1回ゲームマーケットに参加し、久し振りに関西の方々と遊びました。また黄金週間には千葉の合宿に初めて参加し、他にもTBGL(さいたま宮原)や千葉・柏、綾瀬など遠くのゲーム会にいくつか行ってみました。近場では、CU部主催の「看板娘」を15人で遊ぶ会が印象に残っています。また、例年以上に多くのアブストラクトゲームを遊ぶことができました。これもミスターノットフォーミーことシミーズさんのおかげです。5月にASGAというアブストラクトゲームのサークルを草場さんと立ち上げたのですが、いまのところ活動は停滞しています。こちらも何か進展があるといいなと思います。

四度目となるエッセンシュピールでは時間の許す限り周辺国のゲームショップを積極的に訪ねました。初めてフランスを訪問した際、usalapbitさんと会って遊べたのは幸運で、フランスのゲーム事情を肌で感じることができました。

2012年のSdJ(年間ゲーム大賞)は「キングダムビルダー」でした。同作者の「ドミニオン」のように、毎回異なった得点カードでゲームを行うというのが魅力なのだと思いますが、自分には合わないゲームでした。指定された範囲でコマを配置していくというゲームならば、過去にも現在でもより面白いものがあると思うし、ゲームごとに変わる得点カードの組み合わせもなんだかありきたりで、ぱっとしないと感じたのです。KdJ(エキスパート賞)とDSP(ドイツゲーム賞)は「村の人生」でしたが、これは未プレイです。なにしろワーカープレイスメントがあまり好きではないので一向に遊ぶ気が起きません。

日本に目を向けると、ニューゲームズオーダーの「古代ローマの新しいゲーム」の日本語版や、テンデイズゲームズのお絵描きパーティーゲーム「テレストレーション」の出版など嬉しいニュースも多いです。この2つは個人的にもかなり思い入れがあるゲームであり、プレイ数1位と4位になっています。またアークライトやホビージャパンから以前では考えられなかった量の日本語版が出ており、新しくボードゲームを始めるには、これら日本語版だけで足りてしまうほどの勢いです。ちょうど、今世紀の始めにアメリカにリオグランデ英語版が一気に広まったことを思い起こさせます。以前にはアメリカ国内でもドイツ語版に英訳を付けたものが流通していましたが、近年ではめっきりなくなり、英語版のないゲームは無名のゲームということになってしまいました。わざわざドイツ語や他言語のものを扱わなくても英語版だけで商売が成り立つからです。アメリカのプレイヤーの英語版至上主義(日本人のように他言語を格好良いと思わない)も大きく、少しマイナーなゲームは直接個人輸入するしか無くなってしまいました。ある意味で当時の日本よりもずっと閉鎖的な市場だったと思います。もっとも、そんなマイナーなゲームを欲しがるのは自分くらいでしたが、英語版化されない良いゲームが埋もれてしまっていたのも事実です。日本でも日本語版だけしか流通しないという日が来るのかもしれませんが、自分はそれに危機感を覚えます。

さて、2012年は383種、延べ1259ゲームを遊びました。前年に引き続きの1000プレイ越えですが、種類が56も減っています。遊んだ383種のうち1回のみのプレイは191種です。例年通りにプレイ頻度トップ20を出すにあたっては、リメイクをある程度の主観でまとめてあります。

トップ20に入った新作は「秦」「ロンド」「インディゴ」の3つだけで、あとは旧作です。前年にはプレイ回数0だった「オリオン」「ヤバラス」「アレーレイシュピーレイ」「ロンドン掠奪事件」がランクインしており、1年以上ブランクを置いた旧作を再び遊ぶという傾向があることがわかりました。これからも、新作を追いかけるよりは旧作を気ままに取り出して心ゆくまで遊ぶ、というスタイルは続いていくと思います。



1.古代ローマの新しいゲーム Neue Spiele in Alten Rom(29回)/ローマ Rome(4回) 33回 (前年1位:47回)

Caesar20121216.JPG前年に引き続きプレイ回数1位となりました。クニツィアのゲームデザインの魂であろうこのゲーム集には日本のファンも多く、11月のゲームマーケットではニューゲームズオーダーからオリジナルの日本語版が発売されました。グリフォンの本棚シリーズと同じ大きさで携帯性も良く、また本来のグラフィックを損なわずに細かいところでプレイアビリティが上がっており、完成度の高いリメイクです。(写真は「カエサル」をニューオーダーゲームズ版で遊んでいるところです。元はコマを積み上げるルールでしたが、厚めになったチップを積み上げることにより崩れにくくなっています。)

2012年は計11種類を遊び、特にリメイク「ローマ」の3種はすべて遊びました。内訳は以下の通りです。

帝国 8回(うち2回はローマより)、カエサル 6回、スパルタクス 5回、、ハンニバル対ローマ 3回(うち1回はローマより)、カテリーナの陰謀 3回、歴史の糸車 2回、近衛兵 2回、大競技場 1回(ローマより)、執政官 1回、法廷 1回、メルカトル 1回。

2012年に遊ぶ機会がなかった、総督、元老院議員、ローマ七丘の3種は2013年に遊びたいものです。



2.オリオン Orion 31回 (前年0回)

OrionBox.JPG意外や意外、なんとオリオンがプレイ回数2位になりました。「オリオン」はいくつものゲームが遊べるというゲーム集で、一番遊んだのは同名の「オリオン」というゲームでした。内訳は、オリオン 14回、ドラゴン 8回、ヒドラ(4人用) 2回、アウリガ 3回、ヒドラ 2回、ヒドラ(ペア戦) 1回、レプス 1回、です。2月から3月に集中して遊び、それ以降は5月のASGAで1度遊んだきりです。なにしろかさばるので持ち歩くのが大変なのです。「オリオン」はやはり代表的なゲームだと思いますが、ルールに少しばかり曖昧なところがあります。20点先取として遊ぶのが良かろうということで、そうしてます。回転するボードの上で囲碁のようなことをするという不思議なゲームです。詳しくはリンク集の詳細レビュー参照。



3.ヤバラス Yavalath 30回 (前年0回)

Yavalath20121226.JPGネスターゲームズフリークなら避けて通れない「ヤバラス」がプレイ数第3位になりました。1ゲームは短ければ5分程度であることや、2月頃に集中的にシミーズさんやウサギさんと遊んだことが影響しています。少し慣れると序盤は後手が辛いのですが、必ずしも先手有利とまでは言えないので、その辺りをもう少し解析できたらなあと思います。というか、そろそろそういうことをするべきでしょう。



4.テレストレーション Telestrations 28回 (前年8位:15回)

Telestrations20120603-1.JPG今年一番のパーティーゲームはこれです。テンデイズゲームから日本語版も出版され、これからもますます遊ぶ機会が増えることでしょう。ゲームとしての得点システムも納得できるし、でもまあ得点云々よりたくさん笑えればそれで幸せだと思う希少なゲームでもあります。パーティーゲームには厳しい評価の自分もこれだけは例外的に楽しめます。



4.ブルー ムーン Blue Moon 28回 (前年5回)

BlueMoon20120822.JPG1セット持っていたドイツ語版を日本語化すべく、スリーブを買ってテキストの邦訳を入れたのが8月中旬。それ以降、一時期基本セットと最初の拡張デッキ(ミミックス、フリット)あたりを持ち歩いていました。テキストは写真のようにスリーブにぴったりと収まります。もうちょっと遊んでみてテキストの整合性などをチェックしてからアップロードしたいと思いますが、需要があるのかなあ。



6.ロスト シティ Lost Cities 25回 (前年7回)

LostCities20120908.JPGペア戦(パートナーシップ)の楽しさを本格的に知りました。記録では25回中、なんと22回がペア戦です。カードが尽きるまでの感覚が難しいので練習が1ディールほどあった方が良いと思いますが、なかなか2人の呼吸を合わせるのが難しくももどかしい良いゲームだと思います。次の版からで良いから、ペア戦用に75枚を入れた製品を売って欲しいですね。



7.アレーレイ シュピーレイ Allerley Spielerey 24回 (前年0回)

UmSpeisUndTrank20120716.JPGクニツィアの知られざるゲーム集で6つのゲームが収録されています。そのうちの3つを主に3月から5月にかけてプレイしました。2つのアブストラクトゲーム「コントラ」(16回)と「ギルドの石」(6回)を主に遊び、他に「食べ物と飲み物」を2回遊びました(写真)。食べ物と飲み物はプリミティブな交換ゲームで、割とちゃんとしたゲームになっています。



7.ハイパー ロボット Rasende Roboter 24回 (前年4回)

RasendeRoboter20120907.JPG好敵手を求めてついつい色々なところに持ち込んでしまいました。とは言うものの、以前2ターゲットで毎日遊んでいた頃に比べるとかなり遅くなったなあという気がします。もう少しリハビリが必要です。写真は以前載せたものですが、21手以下があるのかはいまだに謎です。



9.ロンドン掠奪事件 Looting London 23回 (前年0回)

LootingLondonBoxes.jpgカードドラフトの佳作です。乱暴な言い方をしてしまえば、ボードのない「乗車券」です。ただ、早い者勝ちなのであまり手札を貯めてもだめなので「乗車券」よりも焦げ付く展開になりずらいのが好きです。4スートしかなく、各スートでうまいこと最多を取るようにと熾烈な争いが繰り広げられます。破棄と未解決のルールが秀逸です。飛び抜けて面白いわけでないのですが、じわじわと来る面白さがあります。気が向いた時にはプレイヤー数だけ遊んで1ゲームとし合計点を競うと言うのが良いと思います。



10.ポイズン Poison 20回 (前年10回)

Poison20120325.JPGクニツィアのカードゲームでは「ロンドン掠奪事件」同様によく遊びました。3スートあるのでプレイ人数は4人がベストだと思います。つまり各スートの最多を狙うプレイヤーとまったく取らずに済ませるプレイヤーが自然と生まれるようにするのです。プレイ人数が3人だとカードを抜かなければならないし、5人以上だと戦略性が低くなります。なんて偉そうなことを書いていますが、最近負けてばかりいるので勝率を上げたいものです。負けた時に「あのときああすれば良かった」と反省できるのも良いゲームの証拠でしょう。



11位から20位までは以下の通り。

11.インディゴ Indigo 19回 (前年未プレイ)
ファミリーゲームの割に面白さが分かるまでにちょっと時間がかかります。タイル2枚持ちのバリアントで2人で遊ぶのが面白いのだと思いますが、それに付き合ってくれるプレイヤーがなかなかいないのが悩みです。タイブレークは石の合計数というのを忘れやすいですね。

11.秦 Qin 19回 (前年未プレイ)
エッセンの新作で簡易チグリスユーフラテスなどと言われますが、プレイ感覚はかなり違います。短時間ゲームでタクティカルながら、村を巡る争いが熱いです。タイルの半分は単色なので運の要素がそれほど大きいとは思えません。ベストは2人でしょう。鳥よりライオンのボードが難易度が高いということになっているようですが、逆のような気もします。

11.花火と生け花(13回)/花火(6回) 19回(前年2位:37回)
前年よりは少し花火熱が覚めましたが、新たにボーザのサイン入りのアバクス版を手に入れたこともあり、これからは暫くそちらを愛用しそうです。でもカードの雰囲気は初版「花火と生け花」がベストかな。

14.ロンド Rondo 15回 (前年未プレイ)
ルールを読んだだけだとつまらなそうだけど遊ぶと面白いというクニツィアらしいゲームです。裏向きや重ね置きがシンプルながら良くできたルールです。少々クニツィアらしくないメカニクスが使われており(手札制限や全員均等手番)、その辺りも自分にとっては興味深いものがあります。

14.渋 Shibumi 15回 (前年7回)
色々なアブストラクトゲームが遊べるゲーム集。スプライス(7回)、スパイト(6回)、スプライン(2回)を遊びました。中立ボールのある変形N目並べの「スプライス」や、チェスのナイトのような動きですべてのボールを繋げるという「スパイト」など、なかなか面白いと思います。

16.ビッグ ファイブ Big Five 14回 (前年5位:19回)
手軽なカードゲームとして重宝していた「ビッグファイブ」です。ゲーム性が高いのは2人か3人ですが、4人でも楽しく遊べます。

16.カタンの開拓者達 Die Siedler von Catan(11回)/カタンスタンダード(2回)/限定3D版 Limitierte Edition in 3D(1回) 14回 (前年14位:12回)
カタンはまだプレイ数20位以内に入っています。3Dカタンが遊べたのは大きな収穫です。また、だださんたちとカタンブックから「カタンエクスプレス」を2回遊びました。カタンの欠点をある程度は補った良いゲームだと思います。もう少しこのシナリオ集はやってみたいですね。

18.交易王 海の英雄 Handelsfürsten: Herren der Meere 13回 (前年4位:20回)
少々頻度は落ちましたが、まだまだ現役のゲームです。2人から4人の何人でも面白く、また相手によってゲームの流れが変わるので思いのほか展開が多彩です。忘れやすいのは商館の追加補充は任意だということです。

18.カルカソンヌ ディ ブルグ Carcassonne: Die Burg 13回 (前年5回)
布教も兼ねて、結構色々なところに持ち込みました。ひと味違ったカルカソンヌですが、カルカソンヌ好きからはあまり評価されていないゲームでもあります。まあどちらが自分に合うか両方試してみるのも良いのではないでしょうか。

20.モダンアート カードゲーム Modern Art: The Card Game(1回)/マスターズ ギャラリー Masters Gallery(11回) 12回 (前年12位:14回)
何といっても携帯性が抜群なグリフォンの小箱版で遊ぶことが多かったです。ただ箱が昔のアバクスのように(或はオルトレマーレの初版のように)軟弱なので気をつけなければなりません。短時間だしメリハリもある素晴らしいゲームです。

20.ミュルス ガリカス Murus Galllicus 12回 (前年1回)
ネスターからのアブストラクトの中でも完成度が高いゲーム。シンプルだがありそうでなかったルールが良いですね。ネスターゲームズはまだまだ色々と面白そうなゲームがあって楽しみです。

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