横浜クニツィア会 2025.12.13

第51回クニツィア会のレポートです。東神奈川の神奈川地区センター和室での11時間開催、参加は全部で12名(うち初参加1名)と盛況でした。出版社でたどるクニツィア史19回はコスモス第1期です。

Kosmos20251213.JPG砂漠を越えて Durch die Wüste (1998)
ロスト シティ Lost Cities (1999)

前身のフランクコスモス出版の「ラストパラダイス(1993年)」から5年。再びコスモスとクニツィアが結びついたのがこの2作です。これ以降は2000年からの指輪物語シリーズになるので、ここまでを第1期として区切ることにしました。

KosmosDurchDieWusteBoxes20251213.JPG「砂漠を越えて」は前回のハンスイムグリュックの2作「チグリスユーフラテス」、「サムライ」とともにタイル配置3部作(陣取り3部作)と呼ばれることがあります。運のない完全情報ゲームで、プレイヤーは4-5色のキャラバン(らくだのグループ)を広げて、オアシスや水たまりの獲得や、囲った土地、キャラバンの大きさを競います。2-5人のどの人数でも良く、多人数囲碁といった趣があります。近年は川が描かれたボードや、各種の拡張があります。

LostCitiesHandmadeBox20251213.JPG「ロストシティ」は「ショッテントッテン/バトルライン」と双璧をなす2人用カードゲームの傑作です。ここから派生したゲームは数多く、特に「ケルト」ではSdJを受賞しています。オフィシャルサイトでは2デッキ使って遊ぶ4人でのパートナーシップ(ペア戦)のルールがあり、第2版からしばらくはこのルールも記載されていました。写真は、昔ボール紙から作った携帯用の箱です。

この日の初プレイは「マイスターマカツ」、版違いの初プレイは「キャットブルース・ザ・ビッグギグ」です。また「皇(ハン)」を異なる拡張込みで2回も遊べました。また、コスモスのゲームはどちらも1回ずつ遊びました。



スペース ワーム Space Worm
(説明 5分 プレイ時間 40分)
SpaceWorm20251213.JPGクニツィアの紙ペンでは一番好きな「スペースワーム」です。今回はスーパーフルーツがあるレベル2を遊びました。自分は首尾良く紫と黄色のフルーツを最初に通過し、さらに緑も2位だったので、それだけで16点を得たのですが、ゲームが思ったより早く終わってしまい惑星を5個も残してマイナス15点となり、結局7点と最下位タイでした。こんなに惑星を残してしまったのは初めて。

結果(レベル2):さぼ 18、河原 10、トモヤ 7、はた 7、自分 7



皇 Huang王宮 The Royal Palace
(説明 各10分 プレイ時間 各80−85分)
Huang20251213-1.JPGぴーかんさんの主導で「皇(ハン)」を2回も遊びました。前から遊んでみたかった盗賊と十八王宮の拡張です。さらに王宮という4ヘックス分のモニュメントの拡張も使いました。これは黄色のモニュメントの1種で手札を1枚増やします。

1戦目は盗賊拡張です。通常マップに3ヘックスからなる赤い盗賊タイルを置いておきます。タイルには様々な数の兵力が示されており、この兵力と等しい赤タイルがあるという扱いになります。これらの周りには指導者を置けず、また赤の指導者がいる国と盗賊タイルを繋ぐときには兵力と同じだけの赤いタイルがなければなりません。通常の戦争と異なり、手札から加えることはできないのです。

ルールで明確でないのは、もし赤の指導者がいないときにはどうなるか、ということです。繋いでしまうと、のちに赤の指導者が置かれたときに盗賊を兵力として加えることになってしまうので、繋ぐこと自体ができないのではないかと思うのですが、現時点では不明です。

Huang20251213-2.JPG2戦目は特別なマップを使った十八王宮です。このマップでは川ヘックスが三角形になっているところはないので青のモニュメントは作れません。その代わりに、ボードの指定された場所に王宮を置いていきます。これらは1つの国に2以上の王宮があると、青の指導者は王宮1つを残して他の王宮をすべて獲得できます。「チグリスユーフラテス」での緑の商人と同じルールです。この王宮は1つ2点です。

「皇(ハン)」は結構よく持ち込むのですが、実は遊ぶのは2回目です。「チグリスユーフラテス」のルールについとらわれてしまいがちですが、今回はまあまあうまくルールを忘れることができてひたすらモニュメントの所有権だけを気にして1戦目は勝利。しかし2戦目は流れに乗れずに敗北でした。外部戦争での点数が1点であり、片方の国が全て勝利するので、自分自身の国を作るということになりがちですね。

ようやく全ての拡張セットも揃ったので、次回は5人プレイを試してみたいです。

結果
1戦目(盗賊 Rogue Bandit):自分 16−17−17−19、たっくん 15−15−15−16、ぴーかん 9−9−10−16
2戦目(十八王宮 Eighteen Kingdoms):ぴーかん 20−20−21−21、たっくん 17−17−18−22、自分 13−13−14−14



砂漠を越えて Durch die Wüste (コスモス版)
(プレイ時間 60分)
DurchDieWuste20251213.JPGコスモス第1弾「砂漠を越えて」初版です。この版を遊ぶのは久し振りで、最近よく遊ぶオールプレイ版とは若干色合いが異なる優しいパステルカラーです。4人だとコマの数やらボードサイズを調整する必要がなくて準備が簡単なのは良いですね。結構うまくエリアを作って行ったつもりでしたが、2ヶ所で大きなエリアを作ったピザさんに1点差で敗北。悔しい!

結果:ピザ 78、自分 77、トモヤ 63、ぴーかん 52



キャット ブルース ザ ビッグ ギグ Cat Blues: The Big Gig
(説明 プレイ時間 55分)
CatBluesTheBigGag20251213.JPGピザさん持ち込みの「キャットブルース・ザ・ビッグギグ」です。「酔いどれ猫のブルース(カッツェンジャマーブルース)」のリメイクですが、結構大幅にルールが変わっているのでギークでも別エントリーの扱いになっています。相違点は知る限りは以下のとおりです。

1.ゲームは3ラウンド行い、各ラウンド用のネズミチップがある。
2.3ラウンドを通して異なる値(ジョーカーを含む)のカルテットを完成させていく。最も多く完成させるとゲーム終了時に10点。
3.カルテットをメルドしたあと、手札が4枚未満ならば4枚になるまで山札から補充する。
4.オプションとして7のカードが7枚入っている(今回は使わず)。

ゲーム自体が短いので3ラウンド制は良いと思います。ゲームを通して異なる数値のカルテットを作るのは、「ノミのサーカス」から「スターウォーズ」への変更みたいです(こちらでは異なる数値のトリオを作っていく)。なんといっても一番大きな変更は3番の手札の自動補充です。これまではタイミングを間違えて競り落としてしまうと脱落してしまうという非常にシビアなゲームだったのが、初めてでも遊びやすくなりました。これで競りが楽になるのかと思ったら、まったくそんなことはなく単に競り値があがりN枚のカードに対して
N+1枚以上を出すことも多いです。なかなか以前のバージョンとは異なるダイナミクスで面白いです。

次回は7のカード7枚も入れて遊んでみたいものです。

結果:自分 24、ピザ 20、しのだけ 9



マイスター マカツ Meister Makatsu
(プレイ時間 各20分)
MeisterMakatsu20251213.JPGエッセン新作「マイスターマカツ」です。各プレイヤーはまったく同じ24枚(3スート1−8)のデッキを持ちます。自分のデッキから4枚を手札にしスタートプレイヤーから2巡カードを出します。3スートそれぞれで最も高いカードを出したプレイヤーはそのカードが示す分だけペナルティー点です。なお、同スートの同数値は後出し勝ちです。ここで残った手札2枚は第2ラウンドのデッキ用に脇によけておきます。6回繰り返したら、横によけた12枚を使って第2ラウンド、同様に4枚の手札を3回繰り返すと脇によけたカードは6枚になっているはずです。3ラウンド目は、1回目の勝負後に残った2枚を捨てずに最後の2枚を引いて勝負します。こうして11回の勝負を終えた後にペナルティー点が少ないほうが勝ちです。

今まであったようでなかったようなちょっと不思議なゲームです。1ラウンド目から3ラウンド目に向かってペナルティーが増えていくので、どこで自分の高数値のカードを使っておくかが悩ましいです。日本語化されると良いですね。

結果
1戦目:アリ 8、自分 9、ぴーかん 15、しのだけ 16、ピザ 18
2戦目:しのだけ 6、ピザ 9、ぴーかん 13、自分 14、アリ 18



ヘックメック カードゲーム Heckmeck am Karteneck
(プレイ時間 35分)
HeckmeckAmKarteneck20251213.JPG卓が6人になったので、6人でできる「ヘックメックカードゲーム」です。ちょっと久し振りでしたが、ルールは覚えていました。結構タイルを取ったり取られたりがあって盛り上がります。ちょっと足し算が面倒なところもあるので、「ヘックメックジュニア」のように1と2だけを使った「ヘックメックジュニアカードゲーム」などがあっても良いかもしれません。1点差の僅差で1位を取れて嬉しい。

結果:自分 28、さぼ 27、ピザ 24、アリ 24、しのだけ 21、ぴーかん 11



ロスト シティ Lost Cities (コスモス初版 パートナーシップ)
(プレイ時間 4ディール60分)
LostCities20251213.JPG最後はコスモス第2弾「ロストシティ」初版を使ってのペア戦です。「ロストシティ/ケルト」シリーズの中では一番好きなゲームのひとつがこのペア戦ですが、ある程度通常の「ロストシティ」に慣れていたほうが良いのかもしれません。今回「ロストシティ」自体が初めてだというアリさんとペアを組み、4ディール戦をしました。1ディール目で大きなマイナスになってしまったものの、そのあとはまずまずだったと思います。なぜかどちらのチームも同じスートを展開していくプレイが多くて苦しかったです。

結果:しのだけ&ぴーかん 150、アリ&自分 53



Results20251213.JPGこれ以外には「押し屋東京」「カラコルム」「クワークルフレックス」「メディチ対ストロッツィ」「カピバラクッキークラブ」「タリーオン」「カスカディト」「モンキーランド」「カリバ」「ルービーのABC」「クマさんグミキャッチミー」「ウイッチストーン(拡張入り)」が遊ばれていました。(最後のウイッチストーンは河原さんの勝利だったようです)。今回はぢ〜ぷさん、ヤスシさんとは同卓できませんでしたが、またの機会に!

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