第50回クニツィア会です。会場は片倉町の神大寺地区センターで11時間(9:30-20:30)。50回記念にちなんで「フィフティフィフティ」の大会を予定していたのですが、参加者が5名と少ないので3ディール戦を1回遊んだだけにとどまりました。出版社でたどるクニツィア史第18回はハンスイムグリュック第2期(1997-1998)です。
チグリス ユーフラテス Euphrat & Tigris (1997)
サムライ Samurai (1998)
「チグリスユーフラテス」はクニツィアの代表作のひとつで、アブストラクト色が強いタイル配置の陣取りゲームです。メソポタミア文明の4つの要素をバランスよく発展させていくのが目的です。テキストはなく4種類のタイルでこれだけ奥の深いゲームが作れるのは驚きです。テキストもなくルールも多くはないのですが慣れるまでが少し大変かもしれません。関連ゲームとしては、カードゲーム化した「王たちの戦い」、簡略化した「秦」、ヘックスマップにしてルールを現代的にした「黄河と長江/皇(ハン)」などがあります。海外では特に人気があり、ボードゲームギークでは以前は1−2位を保ち、100位以下にランクダウンしたときにはちょっとしたニュースになりました。現在でもクニツィアの全てのゲームの中ではもっとも高評価となっています。
「サムライ」は翌年に出版された日本を舞台にしたタイル配置の陣取りゲームです。ボックスアートの「幸せなハンス」(ちなみにホビージャパン版では「趣味日本」と書かれている)や、奇妙な日本地図が目を引くのですが、ゲームは非常にしっかりとしています。比較的短時間で終わるのも魅力です。関連ゲームとしてはカードゲーム化した「サムライカードゲーム/ポーレン」やリメイクの「花見」などがあります。
この2作は、よく言われる「タイル配置・陣取り3部作」のうちの最初の2作(あと1つは「砂漠を越えて」)としても知られています。どちらも何度もリメイクされていますが、このハンスイムグリュック版が初版です。
参考:ハンスイムグリュック第1期(1991-1995)の5つのゲーム
https://www.gamers-jp.com/playgame/archives/002410.html
なお、「サムライ」のあとは2002年の「グラディエーター」まで数年の空白があるので、ここで区切るのが妥当だと思われます。
今回は、これら2つのハンスイムグリュックのゲームの他、エッセンの新作を中心にさまざまなゲームを遊びました。今回の初プレイは「カラコルム」、版違いの初プレイは「押し屋東京」、「ネズミ探し」です。
ピックアペン 岩礁 Pick a Pen: Riffen/Reefs
(プレイ時間 25分)
最初に到着したヤスシさんと2人で、「ピックアペン」シリーズの中ではヤスシさんがまだ遊んだことがないという「岩礁」を遊びました。自分もおそらく「岩礁」が一番遊んだ回数が少ないと思います。レベル1なので短時間での決戦です。自分は最初に5色を2段階進める、1色を最後まで進めるというボーナスを獲得したので勝てると思いましたが、金貨ボーナスを獲得したヤスシさんの勝利。次回はレベル2や3もまた遊びたいものです。
結果(レベル1):ヤスシ 51、自分* 45
押し屋東京 Oshiya Tokio
(プレイ時間 3ディール20分)
エッセン新作。ルールを読むと「シュミット21」のリメイクですがカード枚数が異なります。カード構成がよくできていて、4がなく、1、2、3、5、6、10の6種類しかありません。そして「シュミット21」ではそれぞれ10枚(10は5枚)で合計55枚だったのですが、「押し屋東京」ではそれぞれ12枚(10は6枚)で合計66枚になっています。おそらくベストは2−3人です。ということで、今回は3人で3回遊びました。
最初の2戦ではトップを取れたのに3戦目でぴーかんさんに大差をつけられて総合点では逆転敗北。最後手札が全て1になってしまったのがつらかった。
結果(3戦合計):ぴーかん 73、自分 64、ヤスシ 47
1戦目:自分 23、ヤスシ* 20、ぴーかん 20
2戦目:自分 26、ぴーかん* 23、ヤスシ 11
3戦目:ぴーかん 30、ヤスシ 16、自分* 15
バンパイア Vampir
(説明 5分 プレイ時間 3ディール40分)
ぴーかんさんのリクエストで持ち込んだ「バンパイア」です。ゴルトジーバーのカード3部作では一番地味かもしれません。日本版も出版されていますが、ゴルトジーバー版の絵柄は雰囲気があって良いです。
自分はこのゲームは弱いみたいで、最初の2戦はどちらも、ヤスシ、ぴーかん、自分という順位でした。しかし、3戦目にぴーかんさんが鮮やかな早上がりを決めて、大差で1位を取り、総合点でも1位。やるなあ。
結果(3戦合計):ぴーかん 76、ヤスシ 69、自分 46
1戦目:ヤスシ 25、ぴーかん 21、自分* 17
2戦目:ヤスシ* 32、ぴーかん 28、自分 23
3戦目:ぴーかん* 27、ヤスシ 12、自分 6
カラコルム Karakorum
(説明 25分 プレイ時間 40分)
エッセン新作。アジアのカラコルム山脈を登っていくというテーマのゲームです。手札はなく、手番プレイヤーは最低1枚、最高でプレイヤー数+1枚までデッキからめくります。その後、同じ色なら何枚でも獲得して、自分の前に昇順に並べていくのです。他のプレイヤーも1枚は取ることができます。3色のカードですが、1色だけは2列作っても良いので合計4列、そのうち3枚以上の列は得点化ができます。結構シンプルなゲームですが、他のプレイヤーの動向もかなり大事なので、なかなか面白いと思います。最後の点数は「サムライ」方式を少しもじったもので、首位の色がないと脱落、あるならばそのうち1つを取り除き、残り2つの合計が点数、というようになっています。「サムライ」が単独首位だったのが同数首位でも良くなり、2色で首位でもそれが自動的に勝利になることは無くなりました。もしかしたら「サムライ」もこのカラコルム方式での点数のほうが良いのかもしれませんね。
結果:ぴーかん 33、自分 30、ヤスシ 21
サムライ Samurai (ハンスイムグリュック版)
(プレイ時間 30分)
ハンスイムグリュック出版の「サムライ」初版です。今回は最初の初期タイル5枚を選んでからゲームスタート。自分は兜を多めにしておいたので、うまく兜が両側にある場所を作ってタイルを配置します。さらにサムライ3を江戸周辺に配置し、最終的には江戸を全て制覇します。戦いは最後に中国四国地方までもつれ込み、ボードには3個の田んぼが残っっていたので自分は4個だけで首位を獲得。3人ともそれぞれが単独首位を取り、ヤスシさんと自分が同点勝利となりました。この濃密なゲームが30分でできるのはすごいですね。
結果:ヤスシ* 5(4*-3-2)、自分 5(2-3-4*)、ぴーかん 4(3-4*-1)
(括弧内は仏像-兜-田)
ネズミ探し ProcuRatos
(プレイ時間 5分)
ブラジルのペーパーゲームズのマイクロシリーズ第4弾です。24枚のカード柄から1枚選び、裏返してそこに描かれたネズミと同一のネズミを探すというシンプルなリアルタイムの子供ゲームです。2回連続して勝つと勝利です。あとで子供ゲームの大家やぎのさんに言われて気がついたのですが、セレクタから出版されていた「バンディット」のリメイクのようです。異なるのは、「バンディット」では両面の区別がなく、リアルタイムで裏返しながら探すと言うことと、先に2回勝ったプレイヤーが勝利すると言うことで、連続で勝つ必要はありません。この「ネズミ探し」では両面に区別があるので、カードを裏返す必要はありません。もしかしたらバリアントがいくつかあるかもしれませんね。
ネズミが似ていてなかなか区別をするのが難しく、偽物を指差してしまうことも多かったです。そんな中、ピザさんが2連勝して勝利。なお、拡張カードが1枚あり、どのネズミがお尋ね者かを示せるようになっているのですが、今回は使うのを忘れました。
結果:ピザ 勝利
チグリス ユーフラテス Euphrat & Tigris (ハンスイムグリュック版)
(説明 25分 プレイ時間 100分)
ハンスイムグリュック出版の「チグリスユーフラテス」初版です。今回は中盤まであまりモニュメントが建たない展開で、自分はピーカンさんと小競り合いをしているうちに置いていかれました。幾多の戦争ではいつもタイルが1枚足りずに負けてしまうという悪循環が続き、最下位でした。それでもやっぱり傑作だと思います。途中で何度かタイルを捨てて手札をリフレッシュした方が良かったですね。
結果:ヤスシ 9−10−10−10、ピザ 8−9−12−14、ぴーかん 7−8−10−14、自分 5−6−7−9
DTC DTC
(プレイ時間 15分)
フランスのフェルティから出版されたブラフゲームです。「ライアーズダイス/ブラフ」をカードで遊ぶようなゲームで、同種の「サギ師/イカロス」よりもこちらの方が戦略があると思います。おそらく4人くらいがベストですが、5人でも結構遊べますね。途中でピザさんの嘘を見抜けずに自分が嘘をつく羽目になってしまい脱落。(写真撮り忘れ)
結果:ピザ 5(勝利)、ぴーかん 13、自分 15、カズマ 15、ヤスシ 18
はい、ポウズ! Paws Up (ホビージャパン版)
(プレイ時間 25分)
ゲームマーケットで購入してから今回で4回目です。一昔前の雰囲気を出しながらも、現代的な要素(グラデュエーションデッキなど)を取り入れており、「マネー」を発展させた良いゲームだと思います。達成点は高かったものの、最後のカードの素点が低くてちょっと心配だったのですが、なんとか首位を保てました。
結果:自分 139、ピザ 130、カズマ 118、ヤスシ 115、ぴーかん 95
フィフティ フィフティ Fifty Fifty (ツォッホ版)
(プレイ時間 3ディール45分)
50回記念の「フィフティフィフティ」です。1999年の「綱渡り」が初版ですが、スコアリングカードによって2系統に分かれており、「綱渡り」「カップル危機一髪」「オッドソックス」は2色の点数が同じカード、「陰陽」「フィフティフィフティ」「少林寺パンダ」「禅マスター」は2色の点数が異なるカード、となっています。個人的には前者「綱渡り」系統のスコアリングカードが好きなのですが、「フィフティフィフティ」は後者「陰陽」系統です。つまりトリックで最大と最小の数値が得るペナルティの数が毎回異なるのです。
今回は3ディール戦を遊びました。スコアリングカードの最後の1枚は使わないので、なかなか読み切ることは難しく0点の抑えるのは大変です。今回は唯一ヤスシさんが3ディール目で0失点に抑えていました。しかし勝者は失点を最小限に抑えていったピザさんです。
結果:ピザ 10、ヤスシ 11、自分 12、カズマ 14、ぴーかん 14
バベルの塔 Der Turmbau zu Babel
(説明 5分 プレイ時間 60分)
交渉ゲームのような協力ゲームのような、ちょっとユニークなゲームです。協力して世界の不思議を建てていくのですが、断られると点数になるというのが面白いです。序盤に多くの地域にコマを配置して固めていったのですが、カードを使い過ぎて終盤の肝心なところで思うようにマジョリティーをコントロールできませんでした。また、5人だと流れにうまく乗っていくのが難しいですね。
結果:ヤスシ 61、ぴーかん 61、自分 59、カズマ 49、ピザ 47
マウマウ!! ボードゲーム Mau Mau!! Das Brettspiel
(プレイ時間 各20−30分)
ヤスシさんのリクエスト「マウマウ!!ボードゲーム」です。もしかしたらこれまでルールを少し間違えてプレイしていたかもしれません。隣りのタイルと同一タイルを出すと2点なのですね。カズマさんが明確にしてくれました。せっかくなので両方の面を遊びました。どちらの面も面白いと思います(写真は2戦目の裏面)。基本的には「ウノ」なので、運の要素がかなり強いのですが、点数を取る方法がいくつもあるのは良いですね。最近の「クワークルフレックス」を思わせる手法です。
結果
1戦目:カズマ 30、ぴーかん 27、自分 12、ヤスシ* 9
2戦目:自分 29、カズマ 24、ぴーかん 24、ヤスシ 23
今回は常時1テーブルだったので、これ以外にプレイされたゲームはありません。最後に自分以外の3人で「押し屋東京」がもう1回遊ばれていました。次回は12月13日の予定です。
コメント