本当に面白い名作トリックテイキングの世界 2022.12.17

TrickTakingPopcorns20221217.jpg暮しとボードゲームと数奇ゲームズの共同企画「本当に面白い名作トリックテイキングの世界」というイベントに参加しました。場所は東京・大井町のポップコーンズです。司会の円卓Pさんと沢田さんが、近代のトリックテイクに焦点を当て、おもに商業トリックテイク(トランプを使わない製品版があるトリックテイク)についてその歴史的経緯を解説してくれました。その経緯に従って「ウィザード」「ナインティーナイン」「ボトルインプ」「シュティッヒルン」を数ディールずつ遊びました。またトリックテイクのトリビアというイベントもあり、「乗り間違い」は誤訳だったなど色々な豆知識を学べました。https://twipla.jp/events/539576




ウィザード Wizard
Wizard20221217.JPGまずは獲得予定のトリック数を宣言するビッド式トリックテイクの「ウィザード」です。1984年とかなり昔からある商業トリックテイクなので、妥当な選択肢だと思います。「オーヘル」はトリック数が下がっていきますが、「ウィザード」は上がっていきます。個人的にはあまり好きではないゲームですが、まあそれなりに楽しめました。でも最下位。

結果(6ディール):ysk 180、セキ 80、ジャスミン 50、自分 0



ナインティーナイン Ninety-Nine
Ninety-Nine20221217.JPG続けて獲得予定のトリック数ををカードで示す「ナインティーナイン」です。1968年(あるいは74年)のパーレットの代表作のひとつで、個人的にはトップ5に入るトリックテイクの名作です。最初のルールだとプレミアムビッドはなくて「デクレアー」「リビール」は早い者勝ちというのはびっくりしました。経験を活かして、4ディール目ではデクレアー3トリックで53点を獲得。次回は9ディール戦を遊びたいです。

結果(4ディール):自分 111、セキ 55、ジャスミン 10



ボトルインプ The Bottle Imp (数奇ゲームズ小箱版)
BottleImp20221217.JPGトリックの勝者においてスートを無視して数値のみで決める「ボトルインプ」です。初版は1995年。今回使ったのは新たに出版された数寄ゲームズの小箱版(2022年版)です。カウンティングで黄色の1をリードして他のプレイヤーのうまく処理させたりと、当時遊んでいた時の感覚が戻ってきて、かなり楽しく遊べました。

結果(4ディール):自分 158、マルベリ 131、ysk 12



シュティッヒルン Sticheln (数寄ゲームズ版)
Sticheln20221217.JPG初版は1993年。今回の数寄ゲームス2022年の新作です。スートフォローの義務はありません(メイフォロー)が、リードスート以外はすべて切り札となるゲームで、同数字ならば先出し勝ちです。全員同時にペナルティースートを決めて、これらのスートは数値がマイナス点、それ以外のスートは枚数がプラス点という点数体系です。結構考えるので2ディールしか遊べませんでしたが、珍しくその時点では自分が1位でした。

結果(2ディール):自分 18、ysk 1、セキ −3、コメダ −10



これでイベントとしては終了です。ここからは延長戦。せっかくなので残っている方々とさらに4種類のトリックテイクを楽しみました。



ハットトリック Hattrick (アミーゴ版)
(プレイ時間 4ディール65分)
Hattrick20221217.JPGフォローの義務がない、いわゆるメイフォローのゲームです。ただし3スート目を出したければ裏向きに出してそのまま自分のマイナス2点として数えなければなりません。各スートで最大の数値のプレイヤーがそのスートをすべて取り、高かった方の数値から次のリードを行います。最後の1枚はプレイせず、最多枚数のスートがプラス、他の2スートがマイナスとして枚数が得失点になります。

このゲームを特徴付けているのはどのスートでも、そのスートのハイカードでなければ取れないということです。手札が赤しかなかったら、もう赤しか手に入れることはできません。

結果:円卓P 41、自分 38、マルベリー 34、ysk 24



ダビデとゴリアテ David & Goliath (ベルリナー版)
(プレイ時間 1ディールのみ15分)
David&Goliath20221217.JPGマストフォローですが、勝つのはスートに関係なく最も高い数字です(ボトルインプと似ています)。最弱のプレイヤーが最強のプレイヤーのカードを取り、最強のプレイヤーはそれ以外のカードを取ります。なので自分の手札は決して自分で取ることはできません(「マメじゃないよ」現象)。5スートをスートごとに分けてそれぞれのスートで2枚以下なら数値が、3枚以上なら枚数が得点になります。2枚だと18と17で35点にもなるのですが、3枚だと3点になってしまうわけです。しかし数字だけでトリックの勝者と敗者が判断されるので、コントロールができない部分も割とあります。

6人プレイは初めてかもしれません。6人は思いの外面白かったです。yskさんが2枚ずつのスートが多くて76点と首位。時間の関係で1ディールのみでしたが、これはまた6人で遊んでみたい。

結果:ysk 76、ヨンダ 51、沢田 43、自分 36、マルベリー 19、河上 19



マインツ Meinz (フォー イン ワン 4 in 1: Die besten Stichspiel より)
(プレイ時間 30分)
Meinz20221217.JPG「ウィリー」として知られているゲームです。取ったトリックのカードの数値合計を争います。ひとり2トリックしか取れず(つまり4人プレイなら8枚だけ)さらに合計値が最も高い順に3、1、0、2点となるので、合計値を相対的に最大か最小にすると良いというわけです。さらに自分がプレイした直後に「マインツ(ウィリー)」と宣言すると無条件でそのトリックに勝てるという、非常に変わったルールがあります。今回は3人だったのでダミープレイヤーを加えて3ディール遊びました。3ディールだと差がつきづらいですね。

結果:マルベリー 6、自分 6、河上 5、ダミープレイヤー 1



綱渡り Drahtseilakt
(プレイ時間 30分)
Drahtseilakt20221217.JPGあと30分しかないということで、自分が持ち込んだ「綱渡り」を遊びました。青と赤のバランスを取るゲームで0のカードに翻弄されます。0点に抑えると以前の失点を1回分帳消しにできるというルールがあり、自分は3ディール目の0点で2ディール目の8点を消し合計0点を成し遂げました。きっちりバランスが取れると嬉しいですね。

結果:自分 0(0+8x+0)、ysk 12(4+3+5)、マルベリー 20(13+5+2)



結局最後まで遊んでしまいました。珍しくトリックテイクしか遊ばないという1日でしたが、またこういう企画があれば参加したいものです。

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