メープルゲーム会 2021.04.25-26

DutchWindmillLiefde20210425.JPG2・3日目のレポートです。午前中にスコットさんと1時間ほど散歩をした以外は、ほぼ終日色々なゲームを遊びました。写真は佐倉のオランダ風車です。




ハック トリック Hack Trick
(説明 10分 プレイ時間 各15-30分)
HackTrick20210425.JPG相手が直前に出したカードと自分のカードの合計値に対応するマスにコマが置けるという、ユニークなメカニクスのゲームです。ダブルキューブを入れて遊びました。1戦目はあっけなく終了。止める手段は相手のコマを自分のコマに置き換えるしかないので、もっと防御に力を入れてプレイしなければ、と気持ちを新たに遊んだ2戦目は倍の時間がかかりました。なかなか良い2人用ゲームだと思います。もうちょっと遊びたい。

結果
1戦目:スコット 3、自分 0
2戦目:自分 4、スコット 0



交易王 海の英雄 Handelsfürsten: Heren der Meere (ペガサス初版)
(プレイ時間 各25分)
Handelsfursten20210425.JPG散歩から戻り、kizuさんも合流して3人で幾つかゲームを遊びました。まずは日本では有名な(そして海外では無名な)交易王です。結構久しぶりに遊んだのですが、やっぱり面白いです。1戦目は普段あまり取らない商館を使って勝利。2戦目はkizuさんは商館2枚、そして自分は契約書2枚という偏った取り方をしました。結果として港を活用したスコットさんの勝利。自分の2枚目の契約書はおそらく赤字だったのではと思われます。

結果
1戦目:自分 86(船、商館)、kizu 67(商館)、スコット 55(船、船、契約)
2戦目:スコット 86(船、港)、kizu 68(商館、商館)、自分 51(船、契約、契約)



メディチ ダイスゲーム Medici: The Dice Game
(説明 5分 プレイ時間 35分)
MediciTDG20210425.JPG新作のメディチダイスです。相手に取らせないために、そこまで欲しくないダイス目を獲得したりと、なかなか考えどころがあります。持てる産物の数が、7、8、9個とラウンドごとに増えていくのも良いですね。5種類の商品での最多争いをしつつ、2、3ラウンド目で1位を勝ち取ったこともあり、僅差で勝利。得点はタイフレンドリー(同着の場合は上位に合わせる)なのでわかりやすいですが、5点単位の得点体系なので同点になりやすいのが気がかりです。今回も実質的には1点差ずつですね。

結果:自分 170、kizu 165、スコット 160



メディチ カードゲーム Medici: The Card Game (グレイルゲームズ版)
(説明 10分 プレイ時間 35分)
MediciTCG20210425.JPG続けて、メディチカードゲームです。メディチの3枚までというところと所有枚数制限、それにメディチ式の得点に焦点を当てたゲームです。メディチダイスゲーム同様に5点単位の得点体系なのですが、タイフレンドリーではなく同着の場合は人数で割って5点未満の端数は切り捨てです。なのでメディチシルーズでは一番厳しい得点体系なのです。今回はスコットさんの圧倒的勝利。(詳細レビューはここ

結果:スコット 170、自分 145、kizu 95



ここからは自分が神奈川、スコットさんは千葉県佐倉に在住ということにちなんで、Kanagawa と Sakura を遊びました。



神奈川沖浪裏 Kanagawa
(説明 15分 プレイ時間 40分)
Kanagawa20210425.JPG初プレイの Kanagawa です。調べてみると、邦題は「神奈川沖浪裏」というみたいです。カードを並べて絵を完成するというゲームです。カードは上下に向きを変えて配置することで、絵の一部か絵の具のパレットかどちらかを表すようになっており、絵をプレイするには必要な絵具がなければなりません。また絵は並べ方によってシンボルの数、樹木や人物の数や特定の組み合わせなど、様々な得点源があります。これらは早く獲得した方が得点が高いです。

カードの獲得方法は「コロレット」の変形で、一部のカードを裏返しにした状態で1−3枚を獲得します。最終手番のプレイヤーは最後に欲しくない組み合わせを引き取る羽目にならないように2枚で獲得することもあると思いますが、一般的には3枚をとることになるでしょう。なので、システムとしてはちょっと物足りないです。

プレイエイドとして、カードの内訳表が欲しいところです。カード置き場のコンポーネントが洒落ています。

結果:自分 50、kizu 39、スコット 30



サクラ Sakura (オスプレイ版)
(説明 10分 プレイ時間 25分)
Sakura-Boxes.JPG「サクラ」はオスプレイから2018年に、アークライトから翌年2019年に出版されたゲームです。アークライト版は箱やルールブックが日本語化されており、箱の表には「花宴の節の奮闘記!」と書かれています。それ以外はオスプレイ版と同じです。目的は、皇帝(天子)が決算マスに到達するときに、なるべく皇帝のすぐ後ろに自分のコマがいるようにすること。各マスにはひとりしか入れず、皇帝マスに入ったり皇帝を追い抜くことはできません。失点になってしまいます。皇帝やプレイヤーの移動は全員が同時に出すカードで決まるのが難しいところです。

Sakura-Board.JPGコンポーネントは3つ折りのボード、カード60枚、皇帝コマ1つ、プレイヤーコマ6色、得点チップ54枚(すべて1点。初期プレイヤー分が6色5枚ずつ+決算用が予備2枚を含めて24枚)です。また、これらのコンポーネントを入れるインサートがきちんとしており、素晴らしいです。

ボードには1本の道が描かれており、鳥居(皇帝のスタート地点)から8マス進むごとに桜が描かれた決算マスがあります。合計24マスなので決算は3回です。鳥居よりも5マス手前からプレイヤーはスタートします。(なお、5人以上で遊ぶ時は、決算は10マスごとで計30マス。そしてプレイヤーは鳥居よりよりも7マス手前からスタート)

60枚のカードは8種類に分類されます。一見ランダムなカード構成に見えますが、カードの数値を8で割った余りによって分類される巡回的カード構成です。

8で割った余り12345670
庭園アクション(皇帝)近 -2遠 +2-1±1+1+1±1+2
絵師アクション(手番プレイヤー)+1+3+次空+(順位-1)±2±3±1+2
注意:庭園アクションのうち1と2は皇帝ではなくプレイヤーコマが動きます。
近 -2:皇帝に最も近いプレイヤーが2マス戻る
遠 +2:皇帝から最も遠いプレイヤーが2マス進む
+次空:次の空きマスまで進む
+(順位-1):現在の皇帝からの順位より1少ないだけ(つまり皇帝と自分のあいだにある他プレイヤーコマ数だけ)進む。

Sakura-Cards.JPG数値は1−60なので、余1−4は8枚、5−0は7枚あることになります。特に1や2などの先に行動できるカードでは皇帝が進まないので、決算に持ち込めません。±1ですべてマイナスを選んでも、皇帝はデッキが巡回するまでに最低21マスは進むようにできています。

各プレイヤーは5点分のチップを持ってゲーム開始です。手札は5枚。毎ラウンドでは、まず全員が同時に手札から1枚選んで公開し、数値の小さいカードから順に指示に従います。各カードのインデックスには上に庭園アクション、下に絵師アクションが示されており、2つのアクションを上から順に実行します。そして、ラウンド終了時に1枚補充します。

Sakura-Pieces.JPGコマの移動では空きマスしか数えません。プレイヤーのコマが皇帝と同じマスになってしまった場合は(たとえまだ移動の途中でも)、無礼を働いたということで、ただちにプレイヤーは3マス戻り1点を失ってしまうのです。

皇帝が桜のマスに入ったらそこで止まって決算です。現在のカードの第2のアクションを行い、まだ使っていない残りのカードは破棄します。そして、皇帝に近い順上位3位のプレイヤーは3、2、1点を得ます。最終決算は4、2、1点です。さらに5人以上で遊ぶ場合は4位にも1点入ります。そのあと、2位以下のプレイヤーのコマを、最も皇帝に近いプレイヤーの後ろに順番を守ったまま詰めて置いてからゲームを続けます。こうして最後の決算を行ったらゲーム終了。同点のときは、もちろん皇帝に一番誓うプレイヤーがタイブレークを勝ち取ります。

Sakura-Insert.JPGなお、2人で遊ぶ時はダミーの3人目を入れて、ランダムに山札からカードを割り当てます。さらにバリアントとして、負けている方のプレイヤーが、このダミープレイヤーの分のカードを出すというルールもあります。いずれにせよ、カードの指示で前進と後退の選択肢があるときは、ダミーは常に前進を選ぶとします。

同時出しなので、パーティーゲームっぽいのですが、3−4人くらいだと結構考えますね。前述したように、巡回的カード構成なために、数値の大小に関わらず満遍なく8種のカードが入っています。8の倍数(余り0)のカードは決算に持ち込むのに使いやすいかもしれません。このあたりは、もう少し遊んでみるとわかるところでしょう。

Sakura20210425.JPG今回はスコットさん、kizuさんと3人プレイ。皇帝に付かず離れずで進めていくという接戦が続きます。最後はkizuさんと同点だったのですが、kizuさんが皇帝に近かったので勝利。自分は2位でした。間違えやすいのが、決算を起こしたカードの下の絵師アクションも行ってから、決算を始めるということです。今回もこれを間違えていたので、決算に持ち込みづらかったと思います。

結果:kizu 10(勝利)、自分 10、スコット 9



タイムライン Timeline
Timeline20210425.JPG息抜きに、トリビアゲームの「タイムライン」を遊びました。スコットさんのセットは、Music & Cinema、Science & Discovery、Historial Events の3セットがすべて混ざっています。先手の有利さはどうにかならないものかと思いますが、結構楽しめました。

結果
1戦目:自分 勝利
2戦目:スコット 勝利
3戦目:自分 勝利



指輪物語 対決 Lord of the Rings: The Confrontation (2013年版)
(説明 25分 プレイ時間 各50-55分)
LOTRConfrontationsDeluxComparison.JPG「指輪物語対決」は初版が2002年に出版され、3年後の2005年にデラックス版が出版されました。デラックス版では、これまでのキャラクターの他に別のキャラクターでも遊ぶことができるようになったり、ドラフトのルールが加わりました。それをそのままサイズを小さくして再販したのが、今回遊ぶ2013年版で、タイトルから「デラックス」がなくなっています。なんともややこしいです。(写真左が2005年デラックス版、右が2013年版)

LOTRConfrontation20210425.JPGゲームの内容としてはデラックス版と同じなのですが、それぞれのコマに能力が書かれておらず、別のカード一覧に書かれた能力を参照しなければならないのは面倒です。ここまでコマを小さくしなくても、初版のノンデラックス版くらいの大きさにして能力を書くのが一番プレイアビリティーが良いと思いますが、どうでしょうか?

スコットさんは初めてなので、今回は基本ルールで遊びました。陣営を変えて2戦し、どちらもホビット側の勝利。確かサウロン側の方が若干強かったような記憶がありましたが、違ったかな? 当時(2002年頃)かなりやり込んだゲームですが、そのときの面白さが蘇ってきますね。クニツィアらしい特殊能力の絡み合いが面白いゲームなので、できれば追加ルールもあわせて再びやりこみたいものです。こういうゲームこそ日本語版が出ないかなあ。

結果
1戦目:スコット(ホビット) 勝利、自分(サウロン) 敗北
2戦目:自分(ホビット) 勝利、スコット(サウロン) 敗北



レス アルカナ Res Arcana
(説明 15分 プレイ時間 45分)
ResArcana20210425.JPGトムレーマンの2019年のゲームです。5種類のリソースを使って、手札をプレイしたり、場にあるカードを取ったりという、よく見かけるシステムです。一応、場のカードに対する先取りの要素などがありますが、それでもソロプレイ感が高くて作業のような感じです。「センチュリー」よりは幾分マシかもしれません。2人がベストということらしいのですが、とくに緊迫するわけでもなく、どのリソースがどのリソースに変換されてどのカードをプレイできるか、ということをひたすら考えていくだけです。ちょっと面白いと思ったのは、さきにパスをした方が1点をもらえるということ。終盤にはある程度プレッシャーになりますね。

結果:スコット 12、自分 9



冷たい料理の熱い戦い Die Heisse Schlacht am Kalten Buffet
(プレイ時間 25分)
HeisseSchlachtAmKaltenBuffet20210425.JPG数日前に、このゲームのポッドキャストを偶然聞いたことが引き金になって、ちょっと懐かしくなって持参しました。現在の「ウミガメの島」は7人でもできるという魅力がありますが、この古いバージョンの滅茶苦茶な絵柄も結構気に入っています。3人でもそれなりに上に乗ったり乗っかられたりと一喜一憂する場面がありました。出だしで遅れをとったスコットさんは少々かわいそうでしたが、自分とミユキさんがトップを争い3点差でミユキさんの勝利。

結果:ミユキ 31、自分 28、スコット 20



水晶をとりもどせ! Mago Magino
(プレイ時間 5分)
MagoMagino20210425.JPGスコットさんのリクエストで持ち込んだ、クニツィアのあまり子供が泣かないであろう子供ゲームです。ミユキさんが首尾よく魔の森を駆け抜けてカエルにもならずに勝利。魔法使いを動かして復活するともう1手番というルールをうっかり忘れていました。

結果:ミユキ 3、スコット 1、自分 1



ココナッツ島 Isle of Coconuts
(プレイ時間 20分)
IsleOfCoconuts20210425.JPGスコットさんのリクエスト第2弾は「ココナッツ島」です。あまり独占しすぎず、でも1位になるという難しい技が要求されるのですが、ダイスゲームなので思ったようにはいきません。おこぼれの得点(つまり自分が関わっていないヤシの木からの得点)にも何度かありついて、順調に勝利。

結果:自分 10、スコット 8、ミユキ 7



ここで2日目は終了です。翌日は昼までのんびりて出発です。1ゲームだけ遊びました。



ワールド フェア 1893 World's Fair 1893
(説明 15分 プレイ時間 45分)
WorldFair1893-20210426.JPG「ワールドフェア1893」はそのタイトルの通りシカゴでのワールドフェアを舞台にしたゲームです。観覧車の周りの5箇所の場のいずれかに自分の影響キューブを置いて、そこにあるカードをドラフトします。そのあと、自動処理でカードを場に補充します。面白いのは5箇所の場の色とカードの色が連動していることで、決算のときに場の影響キューブのマジョリティー争いで上位でないと、同じ色のカードを得点化できません。得点化できるのは、1位なら3枚まで、2位なら1枚というのもよくできています。場に補充されるカードは、場の色と関係ないので、うまく関連性を読んでカードを取っていくのが大切です。このあたりは「パトリッツィア」や「アールエコ」に似ている好きなシステムです。さらにゲーム終了時に5色のセットを集めるとボーナスが大きいので、まんべんなく様々な色を得点化することも大切です。

初プレイでしたが、なかなか楽しめました。3人でなんと1点差ずつの僅差! これはぜひまた遊んでみたいゲームです。

結果:スコット 69、自分 68、ミユキ 67



2泊3日、久し振りにたっぷりとゲームを楽しみました。1830は好評だったようだし、次のメープルゲーム会が楽しみです。

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