横浜クニツィア会 2020.12.26

KniziaPartyResult20201226.JPG第9回横浜クニツィア会です。今回は参加者が少なく総勢6人でしたが、その分6人で「メディチ」「ラマ」「ラマパーティー」「ネズミと男たち」「ドラゴンの宝石」を遊べました。それ以外にもシュピールボックスシリーズ第7弾となる「トライアド」、タクティックの「ラーッツ!」、シンプリーファンの「屋根をあげろ」の3つは個人的には初プレイです。




ラーッツ! Rrrats!
(説明 5分 プレイ時間 5分)
Rrrats20201226.JPGタクティックから2011年に出版された、チーズの造形が可愛いシンプルなダイスゲームです。2個の6面ダイスは同じ構成で、チーズ2面、ネズミ1面で残りの3面はブランクです。手番には両方のダイスを好きな回数だけ振り、チーズの目の数だけチーズを取ります。ネズミの目はチーズを他のプレイヤーから奪えます。ゲームは3段階のレベルがあります。

レベル1(ラッキー・ラーッツ!):個人ボードは使いません。両方のダイスでブランクを振ってしまうと手番終了です。そのときまで獲得したチーズを捨てることはなく、リスクテイクの要素はありません。導入ゲームという位置付けでしょう。

レベル2(センシブル・ラーッツ!):個人ボードのA面を使います。個人ボードには4つまでチーズを置けます。両方のダイスでブランクを振ってしまうとバーストで手番終了です。自分のボードのチーズをすべて返却しなければなりません。その前に自発的に手番を終了させれば、ボードのチーズを自分のものにできます。あるいはボードに4つのチーズが揃っても、それらを自分のものにして手番終了です。

レベル3(グリーディー・ラーッツ!):個人ボードのB面を使います。レベル2との違いは、手番にチーズは4つまでという上限がないところです。自発的に手番を終了するか、バーストするまで手番は続きます。

今回は、レベル3を遊びました。確率4分の1と、非常にバースをしやすいゲームです。バーストしてしまうとこの手番での努力はすべて水の泡、あるいはチーズの穴になってしまいます。2つか3つのチーズを獲得したら、安全策で降りるというのが良いかもしれません。自分は8個集めて丸いチーズを完成させて勝利。

結果:自分 8、さぼ 7、ウサギ 7、けい 5、キノ 4



メディチ Medici (グレイルゲームズ版)
(説明 10分 プレイ時間 90分)
Medici20201226-1.JPG6人で遊べるゲームというのはそれほど多くはないのですが、この日は久し振に6人でメディチを遊びました。一番視認性が良いと思われるグレイルゲームズ版です。今回は、各ラウンドでの自分の結果をメモしておきました。

第1ラウンドでは、まだ序盤のうちに黄金10が出てきて、競り落とすか迷いました。いつも交易品ばかり気にしていてカードの合計値が下位なのが自分がよく負ける原因だと思っているので、今回はこの黄金10と毛皮4を15で競り落としました。その後、毛皮の5の単品を9で、毛皮0と布2を1で競り落として終了。毛皮が3枚になり合計値の順位もトップなので、まずまずの出だしだと思います。

Medici20201226-2.JPG第2ラウンドでは、毛皮2と毛皮3と香辛料2という3枚の組み合わせを悩みながら10で競り落としました。10は高額だったかもしれませんが、これで毛皮が5枚になるのが大きい。その後、毛皮5の単品を7と12を使っって2回連続で競り落としました。これで毛皮は合計7枚です。第2ラウンドで交易品が最上段の20点ボーナスまでたどりつくと、心に余裕ができます。

Medici20201226-3.JPG第3ラウンドでは、もう毛皮は不要です。しかしこれが足かせになってしまいました。やはり2分野に力を入れたほうが方針が立てやすいです。できるだけお金を使わずに、もう1分野で首位をねらえるようにと、まずは1で布2と布0を競り落とし、さらにまた1で布5、インディゴ4、インディゴ0という3枚を競り落としました。お金は2しか使いませんでしたが、これでも布で同着2位どまりなので、焼け石に水です。今思えばもう交易品のことは考えず、数値合計だけを狙ったほうがよかったと思います。

結果としては、2種の交易品が累計7枚と6枚でトップのミズキさんには勝ませんでした。途中で2種のトップを許してしまったのが最大の失敗です。悔しい! でも6人メディチもたまにはよいですね。

結果:ミズキ 103、けい 96、自分 94、さぼ 87、キノ 87、ウサギ 84



ラインレンダー Rheinländer (パーカーブラザーズ版)
(説明 15分 プレイ時間 35分)
Rheinlander20201226.JPG2ヶ月前に久し振りに遊んで面白さを再認識したゲームです。今回は4人で遊びました。4人だと騎士タイルが20枚ずつなので3人の時よりも手番数が少なめですが、十分に楽しめました。ちなみにギークでは4人がベストとされており、次が5人、その次が3人ですが、自分は昔から3人プレイが一番好きです。何故なら4人以上だと手番数が少なくてゲームが面白くなりそうなところで終わってしまうからです。でも、ひょっとしたら4人の方が良いのかもしれませんね。

今回は、30−39番付近の中州に高得点の都市が集まり、この付近の争いが熱かったのですが、自分はこれに全く関わらずに小さな公国をたくさん作り、結果的には7人の公爵が最後まで残ったのが勝因になったのだと思います。大司教カードの使い所があまりないので、いつかはこれが大いに活躍するところが見たいものです。

結果:自分 52、キノ 40、さぼ 35、けい 32



ラマ L.A.M.A.笑うラマ L.A.C.H.E.N/ドラマ タイル Drama
(プレイ時間 15分)
Lama20201226.JPG「笑うラマ(ドラマタイル)」のバリアントを使って遊びました(ドラマカード No Drama とは別の拡張です)。やはり思っていた通り6人だとこのバリアントの真価が発揮されます。さぼさんが最後に笑うラマにチップを置いてから上がって手持ちをすべてなくすという、非常に美しい上がり方で勝利。自分は1点なのに2位という悔しい思いを味わいました。

結果:さぼ 0、自分 1、キノ 19、ウサギ 20、ミズキ 27、けい 45



ラマ パーティー エディション L.A.M.A. Party Edition
(プレイ時間 15分)
LamaPartyEdition20201226.JPG続けてピンクラマこと「ラマパーティーエディション」です。ピンクラマが何度か手札に来て、それをうまく使えたこともあり勝ち切れました。

結果:自分 4、ウサギ 21、ミズキ 30、キノ 30、さぼ 44、けい 46



ネズミと男たち Mice and Men
(説明 5分 プレイ時間 30分)
MiceAndMen20201226.JPG「ダイスゲーム百科」に掲載されているクニツィアのゲームでは一番好きなゲームの一つです。今回はバリアントの「ドブネズミ! Rats!」を遊びました。といってもラウンドごとに降りた時の失点が上がっていくだけの違いです。

ダイス3個での3桁の整数が最下位でなければ良いというゲームです。各自3個のダイスをカップの中で振り、他人に見せないようにこっそりと見ておきます。最下位になったときの失点をみんなで競り上げていくというのが面白いところです。手番になったらビッドをレイズする(競り上げる)かコールする(同じ数値でよしとする)かフォールドする(降りる)かの3択です。フォールドするとラウンド数に等しい失点が課されます。全員がコールしたらショウダウン。最下位のプレイヤーにビッドの結果の失点が課されるというわけです。これを10ラウンド行います。

今回は「ライアーズダイス」のカップと「ラスベガス」のダイスを使って遊びました。降りたときの失点=ラウンド数なので、序盤は降りても失点が低くビッドも低いのですが、後半はどんどんビッドも上がっていきます。5ラウンド終了時は自分が11点でトップ、けいさんが21点で最下位でした。しかし、9ラウンド目でビッドは50まで上がり、これを喰らったけいさんは10ラウンド目でなんと自分の失点と同値の106をビッド! そこから125とビッドは上がり、最終的にはこの125をウサギさんと争ったミズキさんが最下位になってしまいました。ちなみに全ラウンドのビッドは、1ラウンド目から順に、4、8、8、10、15、20、25、30、50,125です。かなり破天荒なゲームですが、盛り上がりますね! また遊びたい。

結果:さぼ 39、キノ 50、自分 51、ウサギ 82、けい 116、ミズキ 162



バビロニア Babylonia (アークライト版)
(説明 20分 プレイ時間 45分)
Babylonia20201226.JPGキノさんと自分の2人が、それぞれ持ち込んだゲーム。2019年では1、2を争う傑作だと思います。

珍しくジッグラトの決算により序盤に特殊タイルの8番と9番を獲得しました。8番は「中央の陸地では空白を自分のつながりに使える」、9番は「川では空白を自分のつながりに使える」という能力で、これらの相乗効果によって端から端まで自分のコマが決算に絡むようになったのです。この特殊タイルはゲームの中盤以降はどんどん相手に妨害されてそれほど強くはないのですが、序盤に取れたことが幸いして、なりふり構わずにどんどん都市の決算をすすめていきます。農民タイルは1枚も取らず、農民は都市の決算を促進するのに使っただけでした。この作戦がうまくいって、大半の決算で盤上のほぼすべてのタイルを関わらせることができ、後半では失速したものの逃げ切りに成功しました。こういう勝ち方は初めてです。

結果:自分 168、キノ 160、けい 152、さぼ 121



トライアド Triade
(説明 5分 プレイ時間 各10-15分)
TriadeSpielbox2:1992-20201226.JPG「ドライアド」はシュピールボックス1992年2号に掲載された2人用のアブストラクトゲームです。5x5x5の61ヘックスのヘックスヘックスボード(「ヤバラス」のボードと同じ)の他に各プレイヤー31個のコマが必要です。目的は自分の31個のコマをできるだけ早くボード上に置き切ることです。基本ルールと追加ルールがあります。いずれもボードには何もない状態から始めます。

基本ルール:手番には自分のコマ1個を任意のヘックスに置きます。それにより、ある空白のヘックスの周りに自分のコマが3個以上になったら、自動処理でその空白のヘックスに自分のコマを置きます。これは連鎖し、もうこれ以上置けなくなるまで続けます。その後、相手プレイヤーの手番になります。ちなみに先手の初手番では中央のヘックスには置けないというルールが推奨されています。

拡張ルール:手番に2アクションを行います。1アクション目では自分のコマ1個を置きますが、2アクション目では以下の2通りの選択肢があります。
1:基本ルールの「空白のヘックスの周囲が3個以上だったら・・・」というルールを適用してこれ以上置けなくなるまで連鎖を続ける。
2:1アクション目と同様に任意のヘックスに自分のコマを置く。つまり合計で2個置くだけ。
なお、先手の初手番では1アクションしかできないというルールが推奨されています。

Triade20201226.JPG今回は、コマはネスターの囲碁セットから白黒31個ずつを借用しました。1戦目だけは基本ルールで、2戦目以降はすべて拡張ルールで遊びました。拡張ルールの方が断然戦略的で面白いです。2アクション目で、配置によって相手を抑え込む、あるいは自分の布石を作るのか、あるいは空白のヘックスのルールを発動させて大量に配置するのか、というジレンマが非常に良いです。

プレイ感覚としては、基本ゲームは「アッパーハンド」に、そして拡張ゲームは「インターメッツォ」に似ています。また周囲が3個だと自動的に自分のコマが生まれるというのがコンウェイのライフゲームみたいでもあります。クニツィアのアブストラクトは完成度が高いものが多く、このゲームも思った以上にうまくできていました。これは土嚢の会にも持ち込もうかな。というか、ヤバラスのセットで遊べますね。

結果
1戦目(基本ルール):キノ* 3、自分 0
2戦目(拡張ルール):自分* 2、キノ 0
3戦目(拡張ルール):自分 4、キノ* 0
4戦目(拡張ルール):自分 5、けい* 0
5戦目(拡張ルール):自分* 9、けい 0
6戦目(拡張ルール):自分 3、けい* 0



屋根をあげろ Raise the Roofs
(プレイ時間 30分)
RaiseTheRoofs20201226.JPGシンプリーファンから2017年に出版された手軽なダイスゲームです。原題は Raise the Roofs ですが、Roofが単数形である "Raise the Roof" は大騒ぎをするという意味の成句なので、おそらくそれに掛けているタイトルなのでしょう。

ブロックを積み上げて建物を建てます。ゲーム終了時にブロック数(つまり階層)がそのまま点数になります。しかし2階以下の建物は得点対象にならず、また各色で最も高い建物にはボーナスで2点(同数なら1点)が受け取れるので、そこをうまく考えてゲームを進めていきます。

5個の6面ダイスは同じ構成で、4面はブロックの4色に対応しており、あとの2面はA(Add 加える)とR(Removel 取り除く)です。手番には5個のダイスを振ります。3回まで自由に振り直しができます。そのあと、出目によってアクションが決まります。色のダイスはその色のブロックの建物を新たに建てるという意味ですが、Aと組み合わせることにより既存の建物に階層を加えられます。Rと組み合わせることにより、他のプレイヤーの階層を取り除くことができます。RとAを両方組み合わせると取り除いたブロックを自分の建物に加えることになります。

序盤は自分の建物を育てていくのですが、途中からは攻撃色が強くなります。なかなか楽しめるダイスゲームだと思います。ルールブックには、もし5個のダイスがすべてAかRならば、同色の2つの塔を1つにできるというバリアントが示されています。面白そうなので、次回は取り入れてみたいと思います。

結果:自分 19、けい 15、キノ 14、ウサギ 12



ドラゴンの宝石 Drachenhort
(説明 10分 プレイ時間 30分)
Drachenhort20201226.JPG7人まで遊べてひとり当たり3つの色が割り振られるシリーズのひとつです(もうひとつは「アバンドンシップ」)。ファノ平面(2次の射影平面)の原理で、どのプレイヤーともちょうど1色だけ共通の色が存在します。

今回は赤黄橙の3色だったのですが、前半ではなんとこの3色だけが生き残るという快挙。これで19点(8+6+5点)が確定します。後半はここまでうまくはいきませんでしたが、それでも宝石もかなり集められたこともあり、逃げ切り勝利となりました。

今回は意識しませんでしたが、前後のプレイヤーとの共通の色を探すのが勝利への近道だと思います。

結果:自分 34、ウサギ 30、ミズキ 29、さぼ 27、キノ 26、けい 25



これで第9回クニツィア会は終了です。これ以外には、「マイマイン」「ブントロンド」「ダイスポーカー」が遊ばれていました。来月は2021年1月で10回記念ですね。

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