Abstract Strategy Game Society 2013.08.17

今回のアブストラクトゲームの会は10人参加でした。通常の2部構成のあとに行われる懇親会の代わりに、第3部 Yet Another Game Party を設けた3部構成となってゲーム三昧でした。

第1部 Abstract Strategy Game Society では「ハムレット」「ビーハイブ」「トゥルーパーズ」「グレイシャー」「指輪の王」「ミュルスガリカス」「クラミ」の7作品が発表、紹介されました。そのうち、「ビーハイブ」を遊ぶことができました。




ビーハイブ Beehive
Beehive20130817.JPG足し算を使ったタイル配置ゲームです。ボードは変則的な形に見えるのですが、これは見栄えを良くするためのデザインで、実際は1辺が3ヘックス、計19ヘックスのボードです(カタンの開拓と同じサイズ)。使用するコマは、各自1-10が1つずつとニュートラルの1が1つの計21個です。先手がニュートラルの1のコマを中央以外に置いてスタートです。

既に置いてあるタイルに隣接するように置かなければなりません。このとき隣接するタイルが1つだけならば、より高い同じパリティー(偶奇)のタイルを、2つ以上なら合計が法10で合同なもの(つまり10で割った余りが同じもの)を置かなければなりません。こうして置けなくなった方が負けです。もし19マスすべてが埋まった時には残ったタイルの数値が高い方が勝ちですが、これはレアケースだそうです。

配置のルールが結構人工的な印象があります。隣接タイルが1つでも2つ以上でも同じルールだとわかりやすいかもしれません。例えば、隣接するタイルと配置するタイルの合計が法10で0にならなければならない、とすれば綺麗に統一できる気がします。また法10を利用するなら、10のタイルは0にした方が分かりやすいと思います。

自分だけが置けて相手は置けない場所をうまくつくれると面白いのですが、その機会はそれほど多くはないですね。

結果:富永 勝利、自分 敗北



第2部 Game Party では、第1部で紹介されたゲームを中心に色々なアブストラクトゲームを遊んで、合計の順位点を競います。自分は計5戦遊んで、総合で3位になりました。いつかは1位を勝ち取って商品を手にしたいものです。



ヤバラス Yavalath (デラックス版)
(プレイ時間 各5分)
Yavalath20130817.JPGヤバラスのデラックス版です。アクリル製で、素晴らしいできだと思います。これまであまりデラックス版には興味がなかったのですが、このヤバラスのボードは美しく、アクリルのコマも心地よくて、なんだかまったく別のゲームを遊んでいるかのような錯覚と高揚感がありました。61ヘックスボードでできるゲームはかなりの数があるので、このボードで色々と試してみたいと思います。

新福さんと2回、そして第3部の Yet Another Game Party で富永さんと3回と計5回遊びました。写真は第3部で遊んだ時のもの。

結果
第2部:新福 1、自分 1
第3部:富永 2、自分 1



クラミ Kulami
(プレイ時間 20分)
Kulami20130817.JPG第1部で紹介したクラミは大人気でした。同時に2卓立っていたこともあり、紹介して良かったと思います。自分も館長の中島さんと対戦しました。6マスボードをうまく制圧することができての勝利です。やはりシュテフェンシュピール出版のなかでは名作と言えると思います。

結果:自分 33、中島 27



第3部は Yet Another Game Party という名のもとに、普段アブストラクトゲーム以外を遊ばないプレイヤーに、キノさんと自分がドイツゲームを紹介して遊ぶという企画です。短時間でルールがシンプルでアブストラクトゲームプレイヤーを啓発するようなものを選びました。人数の都合で、途中にアブストラクトゲームも幾つか遊びました。自分はヤバラス3回のあと以下のように「アッパーハンド」「ハイソサエティー」「フレッシュフィッシュ」と計4種を遊びました。他には「ゴールデンホーン」「パトリツィア」「王と枢機卿」が遊ばれていました。



アッパーハンド Upper Hand
(プレイ時間 各15分)
UpperHand20130817.JPG「渋」と「マーゴ」のデラックス版のボールを使って遊びました。フェノリックボールと呼ばれる、軽くてしっかりした触り心地の良いボールです。ボードはアッパーハンド用にと5x5と7x7を別途購入し、今回は7x7で遊びました。先手は70個、後手は69個のボールを持ちます。これとは別にニュートラルボールをボード中央に置いてのスタートです。

会が始まる前にキノさんと1回、そして、第3部で1回遊びました。写真はキノさんとのプレイ時。

第1戦:キノ 0、自分 4
第2戦:自分 0、富永 12



ルネッサンス Renaissance
(プレイ時間 35分)
Renaissance20130817.JPGルネッサンスは都市の再生をテーマにした2部構成のゲームです。7x7のボードを使いますが、中央の1マスは穴が空いており、コマは置けません。実際には少し高さの高い塔になっていて、太陽のマークが付いています。前半では、エリアマジョリティーのシステムでポリオミノの取り合いを行います。ポリオミノは特定の組み合わせが高くなるセットコレクションで得点計算をします。後半では、前半で獲得したポリオミノをボードに配置していきます。配置できなかったポリオミノが今度は減点になってしまうというわけです。

まず、準備として、ボード上にすべてのポリオミノを配置できるように交互に置いていきます。ここではあまり戦略は無いかもしれませんが、慣れてくるとそうでもないのかもしれません。それが終わると前半が始まります。手番では自分のコマを1つボード上に置きます。コマは中央周辺の8マスか、既に置かれた自分のコマに斜めに隣接するマスに置くことができます。また、ボードの周囲のマスに縦横斜めで隣接する辺からは自分のコマをスライドさせて入れることができます。このとき押されたコマは動きます。ギプフなどと同じように一杯の列では押せません。特に中央マスは壁になっているので要注意です。ポリオミノがすべてコマで埋まると、即座にコマの多いプレイヤーがポリオミノを獲得します。この時、上に乗っていたコマは除去されるので注意が必要です。配置できると思っていた場所に配置できなくなったりします。獲得したポリオミノは1つ1点ですが、同種を集めたり直線のポリオミノを集めたりすると追加得点があります。

後半ではまず自分のコマ3つとモノミノ(1x1の最小のポリオミノ)を1つ、それぞれをボードに置きます。手番には自分のコマに辺で接した場所にポリオミノを置けます。そのあと、自分のコマか相手のコマを縦横に1マス動かします。これを繰り返してポリオミノが置けなくなったらおしまいです。相手のコマをうまく封じ込めるのが有効です。

中島さんが2012年に作ったゲームで、ギフトボックスから発売されています。作者の中島さんと一緒に遊びました。少々ルールが煩雑な部分が多いのが難点で、とくに前半の配置ルールは少々煩雑です。また前半と後半で、獲得したポリオミノだけでなく、なんらかのボード上での繋がりがあるともっと面白くなるのではと思いました。思ったより時間もかからなかったので、また機会があれば遊びたいです。

結果:自分 10(10ー0)、中島 3(5ー2)



ハイソサエティー High Society (ラベンスバーガー版)
(プレイ時間 各15分)
HighSociety20130817.JPG今回、初めてのドイツゲームということでまず思ったのが競りゲームです。自分の一番好きなジャンルだし、そのエッセンスが比較的短時間で味わえる「ハイソサエティー」はまさにうってつけだと思って持ち込みました。このゲームの肝は4つあります。まずビッドで両替ができないこと、悪いカードの逆競り、突然ゲームが終わること、そして最後の持ち金により足切りルールです。11枚の小切手の配分も絶妙で、まさに名作と言って良いと思います。自分が「ルネッサンス」を遊んでいる間にキノさんが中心となって1回、その後自分が加わって2回と計3回遊ばれました。所さんが2回ともお金を使いすぎて困っていたのが面白かったです。

結果
第1戦:自分 8(33)、野村 2(60)、中島 1.5(65)、所 24(6x)
第2戦:中島 16(28)、野村 13(49)、自分 4(82)、所 13(12x)



フレッシュフィッシュ Frisch Fisch (プレナリー版)
(プレイ時間 40分)
FrischFisch20130817.JPG最後に、道路タイルの自動配置がパズルゲームっぽい「フレッシュフィッシュ」です。全員ルールの理解も早く、「ここも道路になるのでは?」と注意されてしまうくらいでした。素晴らしいです。自分は競りでなるべくお金を使わないように努めつつもリスクを余りとらないようにというバランス取りがうまくいってトップになりました。残念ながら写真を取る前に各自のコマは片付けてしまいましたが、今回、みんなで作った町の写真は撮ることができました。プレナリー版はとくに絵が派手でプレイアビリティが少し悪いですね。

結果:自分 -4、土井 -2、富永 1、中島 18

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