横浜ボードゲーム会 2010.12.26

これまでで家から最も近い横浜、南太田で行われている横浜ボードゲーム会に参加しました。到着したときには5人程でしたが、最終的には20人くらいの参加人数となり、一日様々なゲームを楽しむことができました。またゲームリンクでお世話になった池田さんとも再会することができました。



ライナークニツィアの革命万歳 Long Live The Revolution! (フランス革命ルール)
(プレイ時間 45分)
LongLiveRevolution20101226.jpg前回は同時出しのロシア革命ルールだったので、今回は手番順出しのトリックテイク式であるフランス革命ルールで遊んでみました。フランス革命ルールはお試しで1ディールだけ遊んだことがあるのですが、そのときには各トリックの最後のプレイヤーがどちらが勝つか、誰が取るかを決められるというキングメイキング的な部分が危惧されていました。

しかし、このゲームで大切なのはトリックを取ることではなく、いかにして勝利する側のカードを手札に残しておくか?です。点数は勝利した側の色しか数えませんが、残った手札は1枚1点、トリックも1トリック1点なのでトリックを1つ誰が獲得するかというのはさして重要ではないのです。今回人数分の5ディールを遊んでみると、だいたい3対3にもつれ込むようにできており、最後までどちらの側が勝つかわからないという非常に面白い状況が続きました。

結果:自分 18、池田 18、じゅん 17、まべ 18、大王 11



ヴィシャスフィッシュ Vicious Fishes
(説明 10分 プレイ時間 55分)
ViciousFishes20101226.jpgマウスパッドと布筆箱を利用した軽量で丈夫なゲームをつくるネスターゲームズの今年の新作のひとつで、Youtubeでのボードゲームレビューでは最も有名なダイスタワーで活躍中のトムバーセルがデザインしたゲームです。ネスターは好きな会社の1つなので、エッセンに行く前に存在は知っていましたが、買うつもりはありませんでした。何故かと言えば、作者のバーセルと自分のゲームの好みはほぼ正反対だったからです。ただ、それが逆に興味を引いたのは事実で、実際にネスターのブースで遊んでみると、なかなか悪くない感じがしたので購入に踏み切ったのです。それ以来遊ぶチャンスがなく、今回が2回目となります。

ネスターゲームスはこれまで完全情報ゲームが中心でしたが、このゲームは手札(タイル)があります。それを隠す為のスポンジ製のスクリーンがついてきます。ボードはマウスパッド2枚をつなげたもの。8x8のグリッドになっており、プレイヤーは手番に1枚タイルを置き1枚補充します。タイルは、鮫、魚、小魚、蟹、蛸の5種類で、鮫、魚、小魚は顔が向いている1方向にしか攻撃できませんが、蟹ははさみのある2方向に、そして蛸は8方向全てに攻撃できます。まずは、置いたタイルが攻撃をし、次に周囲のタイルが置いたタイルを攻撃、最後に生き残った生存タイルをチェックして次のプレイヤーの番となります。攻撃はそれまでに置かれていたタイルの攻撃力も合わせてとなるので、タイミングによっては低い数値の小魚で高い数値の鮫を倒すことも可能です。いずれにせよ勝ったり生き残ったタイルの色に得点が入るのです。鮫を倒すと2点、小魚が生き残ると2点、その他は全て1点です。

タイルは全部で5色ありますが、面白いのはこれがプレイヤーの色ではないというところです。プレイヤーはゲーム開始時に3色の極秘任務を与えられており、ゲーム終了時にはそのうち2色をプラス、1色をマイナスとして数えなくてはなりません。他のプレイヤーの動向によってはマイナスにしようと思っていた色をプラスに変更することもあり、なかなか面白いです。ところが、この得点ルールは作者が考えたものではなく、出版社のネスターが考えたそうです。ネスター自身もゲームデザイナーなのですが、デベロッパーとしても才能があると思います。ひとつ残念なのは、各色でタイルの構成が異なることです。これにあまり意味があるとは思えず、残りのタイルの種類が重要なこの手のゲームでは逆効果だと思います。これは購入して全てのタイルを調べるまで気がつきませんでした。

結果:まべ 21、大王 18、自分 22、じゅん 19



キャット & チョコレート ビジネス編 Cat & Chocolate: Business is Business
(プレイ時間 30分)
Cat%26ChocolateBusiness20101226.jpgキャット&チョコレートの続編です。前作がファンタジーやホラーをテーマにしたのに比べて、今回はタイトルの通りビジネスがテーマ。仕事上で遭遇する様々なシチュエーションを与えられたカードでなんとか解決していくのです。カードは、名刺、祝儀袋、酒などのほか、オリジナル同様に猫とチョコレートもあります。今回は「上司の娘と婚約させられそうだ、どうしよう?」とかそういったトラブルが与えられました。

こちらの方が取っ付きやすいという意見もありますが、自分はオリジナルの方が突拍子もなくて面白いかなあと思いました。でもこの辺りは好みの問題だと思います。

結果:専務派(Rael、けーえす、自分)5、社長派(いーさ、じゅん、こいち)4



Telepathy20101226.jpgここで横浜ボードゲームクラブでは毎回遊ぶと言う全体ゲームです。今回はテレパシーというゲーム。与えられたテーマについて3つ言葉を書き、その言葉を自分以外に1人だけが書いていた場合(つまりちょうど2人が書いていた場合)に限り得点できるというものです。自分以外に誰も書いていない場合や2人以上が書いていた場合は無得点です。今回は4問でそれぞれ1点ですが、最後だけ各2点。つまり満点は15点です。大晦日、星座、正月、丸いものという順にテーマが与えられ、自分はたったの2点。チャンピオンは6点取ったあんだーさんでした。



フォーラムロマナムの商人 Händler auf dem Forum Romanum
(説明 10分 プレイ時間 140分)
HandlerAufDemForumRomanum20101226.jpgアイゼンシーという小さな会社から出版されたカードゲーム。昔のアバクスのようなあまり耐久性のない箱ですが、そのなかには折りたたみ式の価格ボードと5種類の産物カード、そして勝利点カードが入っています。このゲームの大きな特徴は現金がないところ。産物を競り落としたり、勝利点カードを購入するときは、すべて自分の前に並べた産物カードを使ってそのときの時価で支払うのです。各プレイヤーは最高で8枚の産物カードを自分の前に並べることができ、そのうち表向きになった5枚が産物の時価を決定します。時価は4人が表向きに並べた20枚のなかでの総数なのです。使ってしまえば価値が下がるので、他のプレイヤーが使う前に使うのが基本でしょう。なかなかそううまくはいきませんが。

手番プレイヤーが任意に選んだ3枚の産物カードを手番順にビッドします。ビッドは何巡でも行われ、ハードパスです。支払いに用いた産物カードは手番プレイヤーに渡りますが、競り落とした産物も、支払いに使った産物もすぐに自分の前に並べることはできず、いったん自分の脇によけておきます(これを倉庫と呼びます)。産物で産物を競り落としているので、一種のカード交換のような不思議なメカニクスです。

次に産物の時価を設定し直し、手番プレイヤーは勝利点カードを何枚でも購入できます。高い勝利点ほど割高になっており、早く買えば割安というアンチディスカウントシステムです。

最後に、自分の前に並べた産物カードが8枚になるように一旦脇によけてあった倉庫から足し、さらにどの5枚を表にしどの3枚を裏にするのかを再配置できるのです。勝利点カードには1勝利点ながら、このタイミングで描かれた産物カードを補充できるというものがあり、これは表になっているカードを1枚増やし、購買力を増すので強力です。そして再び産物の時価を設定し直します。つまり産物の時価は手番中と手番の最後と2度も変わるのです。

テーブルゲームフェスティバルのときにRaelさんの勧めでゲームストアバネストから購入しました。非常に面白いシステムで、産物の価値の決定方法はシャハトのムガルに通じるものがあります。全員で決定する価格というのも悩ましく、かなり気に入りましたが、問題点もいくつかあります。もちろんまだ一度遊んだだけなので、見当違いかもしれませんが、次回遊ぶときの為の備忘録としてここに記しておきます。

まず、12点取ればゲーム終了であり、プレイヤーの購買力である8枚の産物カードのうち5枚は見えているので、終盤は最後の勝利点カードをなんとかして買わせまいとしてかなり癒着しました。つまり勝ちそうなプレイヤーと同じ産物を自分もさらしているならば、欲しくない産物の競りでも参加して競り落とし、その産物カードを使うことによって価格を下げ、勝ちそうなプレイヤーの資金を減らす、ということが何度も繰り返されたのです。これはシステム上仕方のないことかもしれませんが、ゲーム後半にこれだけ無駄にだれてしまうのは勿体ない気がします。今回も誰が勝ってもおかしくない状況で、本当にお互いがお互いを阻止し合って自分に勝利が転がり込んできたと言う感じで、あまりスマートには思えませんでした。

もうひとつは、手番終了時の煩雑さです。さらせるのは表5枚裏3枚で残りは倉庫なのですが、まずさらすカードが合計で8枚になるように倉庫から足して、次にその8枚のうちどの5枚を表に、どの3枚を裏にするかを決定して再配置するのです。これが結構時間がかかります。

この2点を改良するには、現状の「さらせるのは表5枚裏3枚」という制限を緩めて、裏にしてさらせる枚数の制限を撤廃するということが考えられます。つまり、倉庫に置いたカードは自分の手番終了時にすべてさらして購買力となるのです。このとき、すでに表のカードはそのままにして、全部で表が5枚になるように足す、とすれば、少々自由度は減りますが煩雑さがぐっと少なくなりスピードアップすると思います。今回も倉庫に余っていたのはゲーム中盤で1枚か2枚という状況が多く後半でも4、5枚が余っていただけなので、ほどよく購買力を増やすには良い方法のように思えます。また、裏のカードを増やすので終盤での癒着は少なくなるでしょう。

このゲームの大きな柱になっているのが競りですが、このビッドをソフトパス(つまり一度パスをしても再参加ができる。一人を除いて全員がパスするまで続ける)にした方が良かったのではと思います。なぜなら誰が競り落とすかというのは、どの産物カードが競りで使われ時価が落ちるのか、ということであり、自分がたくさん持っている産物カードを使われそうなときは再参加ができた方が、ゲームがより緊迫すると思うのです。

なにはともあれ、色々なことを考えさせられるゲームではあります。好きなシステムなので、もう何度か遊んで検証していきたいと思っています。

結果:自分 13、Rael 11、みぞべ 9、いーさ 9



ペンギンパーティー Pingu-Party
(プレイ時間 25分)
Pingu-Party20101226.jpg2時間以上に渡るフォーラムロマナムの商人でへとへとになったので、ここで軽くペンギンパーティーでもとポーチ版をだしてみました。ところがこのメンバーだと熱い熱い!お互いにとことんブロックしあい、1、2色だけしか置けない状況を作られたりと、短時間なのに濃密なゲーマーズゲームになっていました(写真では2色しか置けなくなっています。ひどすぎる!)。こういう遊び方もできるペンギンパーティーの懐の大きさを改めて感じました。4人で4ディールですが、3人が同点首位。自分は1ディール目での失敗を何とか取り戻しました。本来ならここで3人だけでもう1ディールのタイブレーク戦をやるのが正式なルールとのことですが、まあここまでにしておきましょうか。

結果:いーさ 8、Rael 8、自分 8、みぞべ 10



花火 Hanabi(花火 & 生け花 Hanabi & Ikebana より)
(説明 10分 プレイ時間 60分)
前回、江戸川のゲーム会では少々緩いルールで遊んでしまった「花火」。主な間違いは相手の手札を指定するときには嘘を言ってはいけないこと、該当するもの全てを示さなければならないこと、それと花火をあげる(場にカードを出す)のに失敗した場合は捨て札になることです。

中盤にはどうしても相手の手札を教えることができずに、ランダムに捨ててしまうことが多くなります。よって、各スート1枚しかない数値5のカードを教え合うというのも大切かもしれません。Raelさんと自分以外は初めてだったのですが、結構後半でうまくいき満点の25点中22点(つまり場に22枚)という結果になりました。

結果:22(失敗) Rael、グル、みぞべ、長丼、自分



これで横浜ボードゲームの会は終了です。主催のこいちさんを含めた約半数の方と一緒に吉野町のほうの鉄板焼き屋さんで忘年会です。地元横浜や三浦半島地区のゲーム事情を少しながら知ることができました。都内ではかなりの数があるゲーム会ですが、横浜近辺ではこういったオープンなゲーム会はまだまだ少ないようです。主催のこいちさんに「好きなゲームは?」と訊くと、「嫌いなゲームはないですよ。何でも好きです。でも余りゲームする時間がないんですよ」とのこと。確かに今日のゲーム会でも、新しく来た方が余って手持ち無沙汰になっていないかなど気配りをされてました。

このあとは、10年以上振りに再会した静岡のあんだーさんや、大阪からきたみぞべさんと3人で横浜駅付近のカラオケボックスに言ってゲームをしたり歌を歌ったりしました。



インフォメーション i9n
(説明 15分 プレイ時間 85分)
i9n20101226.jpgあんだーさん持参のエッセンの新作。原題のi9nの9はinformationのiとnの間の文字数を表しているそうです。世界地図が64の地域に分かれており、それぞれの地域は、6つの属性(東西、南北、極地/赤道、海/陸、大西洋/太平洋、晴/霧)によって特徴づけられます。例えば、西、北、極地、陸、太平洋、霧といった具合です。同じ属性の地域はただ1つしかなく、2の6乗で64通りの属性がひとつずつあるわけです。

この6つの属性のそれぞれについて、どちらかをランダムに選び、石油が出る場所を決定します。プレイヤーの目的はこの石油が出る地区を探し当てることです。それぞれの属性はボードになっており、たとえば西というボードであれば西に属する地域に対応するところだけ穴があいています。よって6つのボードを重ねるとただ1つだけ穴の空いた地域があるという仕掛けなのです。

このボードは最初は1枚で、ゲームが進むにつれてだんだんとボードが重ねられていきます。その間にプレイヤーは世界地図の上を駆け巡り、ここぞと思うところで石油探索をするのです。ボードがまだ1枚ならば、当然ながら2分の1は当たりですが、属性を推理していかなければなりません。また探索をするにはその地域の属性カードが必要ですが、ゲーム終了時に手札にある属性カードで正解のものは1点となるので、正しい属性カードは余使いたくありません。とっかかりを与える為に6つの属性のうち2つを見ることができるので、その2つのはずれの方のカードをうまく使うことがポイントかなあと思いました。

最初の1枚は、南か海ということが全員わかっていたのですが、これにとらわれすぎて、4枚目のボードが重ねられるまでは北ははずれだと思っていました。ところがみぞべさんが北に石油を発見。ここでゲームは大きく動きます。最終的に6枚すべてのボードが重ねられた時点で、あんだーさんが掘り当ててゲーム終了です。僅差でしたが、それまでの努力の結果みぞべさんがトップでした。

ありそうでなかった2進数を使った面白いゲームです。カードの使い方にも手番のアクション数の調節の要素などがあり、この辺りも考えながらまた遊んでみたいです。

結果:みぞべ 12、あんだー 11、自分 11



交易王 海の英雄 Handelsfürsten: Heren der Meere
(プレイ時間 20-30分)
ここで近年のベストゲームの一つと思っている交易王です。あんだーさんもみぞべさんも未プレイとのことなので出してみました。今年最も多くプレイしているゲームです。戦略は相手の出方次第で、決まった戦法というのがないのがこのゲームの長所の一つだと思います。好評だったので2度遊びました。2戦目はカードをまったく買いませんでしたが、カードを2使ってガンガン稼いだみぞべさんと同点というのが面白かったです。

結果
1戦目:自分 30、あんだー 27、みぞべ 23
2戦目:みぞべ 74、自分 74、あんだー 65



ポイズン Poison
(プレイ時間 1ディールのみ10分)
これも2人とも未プレイというので出してみます。みぞべさんが半分眠っている程疲れていたようなので1ディールで中断。このあとはあんだーさんと暫く雑談したりカラオケをしていました。

結果:自分 2、みぞべ 6、あんだー 13



キャッチ ミー Catch Me
(プレイ時間 25分)
ゲームリンク第4号の付録のひとつです。クニツィアのゲームでは国外未発表で日本国内でのみ販売しているという希有なゲームです。以前5人程で遊んだのですが、3人くらいの方が面白いかなあと思って出してみました。ある程度のカウンティングは必須で、どこで勝負に出るかというのに頭を使います。

結果:あんだー 31、自分 29、みぞべ 14



ビジネス Business(ゲームリンク版)
(プレイ時間 各10分)
Business20101226.jpg最後にもう1つゲームリンク第4号の付録です。こちらの方が、あんだーさんもみぞべさんも気に入ったようです。完全情報のエリアマジョリティですが、1つのエリアにつき1回しか置くチャンスがないことや、タイブレークを先手が行うことで先手と後手のバランスを取っていることなどはなかなかユニークだと思います。

2戦目は0のトークンも使ってバリアントルールで遊びました。すべて裏向きにトークンを置くので枚数だけしか分からないというのが違いです。0トークンはブラフ用ですが0だけでは得点は取れません。ゲーム性はかなり変わり、緻密に先手番プレイヤーより1つ多く置くということはなくなります。そのぶんゲームが大ざっぱになった気もします。

結果
1戦目:みぞべ 30、自分 19、あんだー 14
2戦目(バリアント):あんだー 23、自分 23、みぞべ 21



早朝のマクドナルドで軽食。そのあと横浜駅であんだーさんとみぞべさんに別れを告げました。横浜でゲームというのは近いこともあり良いものです。もっと横浜近辺でのゲームサークルが増えますように!

SHARE