DCゲーマーズ 2010.09.18

この日のDCゲーマーズはDC北部のローラの家。彼女の友人も含めて、延べ15人ほど集まりました。メトロ(地下鉄)を使って行ったので持ち込んだゲームはどれも小さめのカードゲームです。到着したときには「海賊組合」がもうすぐ終わるというところでした。7人を2グループにわけ、4人テーブルでは「果てしなき世界」が広げられ、自分が加わった3人テーブルではもうすぐ1人到着予定ということもあり、短時間の「ロンドン掠奪事件」を遊ぶことにしました。



ロンドン掠奪事件 Looting London
(プレイ時間 15分)
LootingLondon20100918.jpgグリフォンゲームズがアジア向けに出している小箱の廉価版。非常にコンパクトで重宝します。グリフォンはこの他にもハイソサエティ、マネー、ジェムディーラー、フォーセールをアジア小箱サイズで出しており、これはアジア以外では流通していません(エッセンでグリフォンゲームズの方に聞いた話です)。時間の関係とダグがこういった小振りのカードゲームが好きだと言うことがあってエントリー。3人だと色々利害関係もあり考えさせられるのですが、カードの取り方を間違えて、自分がボーナスを取るはずだった緑のスートを迷宮入りにさせられてしまいました。このゲーム、実は玄人向けなのではと最近思い始めています。

結果:ローラ 29、ダグH 23、自分 19



フレスコ Fresko / Fresco
(説明 15分 プレイ時間 80分)
Fresco2-20100918.jpg数日前に今年度のDSPを受賞したこともあり、それを祝う意味も込めての記念プレイ。全員2回目以降なので、拡張(モジュール)をすべて入れて遊んでみました。これらの拡張は3種類入っており、好きなものだけ取り入れて遊ぶこともできるようです。

モジュールは以下のとおり

ポートレート:基本ゲームではポートレートを描いて現金3を得ることができるアクションでしたが、そのかわりに特殊カードをドラフトできます。テーマ的にはやはりポートレートを描くということになっているようです。特殊カードには永続のものと1度だけのものがあり、内容もお金、塗料を得たり、幸せマーカーのレベルを上げたりなどさまざまです。

ビショップ:フレスコ画のタイルを得ると使った二次色(紫、橙、緑)の色が裏に描かれています。今までこれは無意味でしたが、同色を3つ集めると得点となり、さらに毎回対応する塗料がもらえるのです。
三次色:これまでは赤、青、黄色の一次色、紫、橙、緑の二次色の6色でしたが、さらにそれらを混ぜた、茶(橙+緑)、桃(赤+紫)の三次色が登場します。

前回の拡張なしではゲームとして少しばかり味気ないと思いましたが、これらの拡張を入れるとゲーマーズゲームらしくなります。全部入れてもそれほど複雑になる訳ではないので、全部入れてしまっていいのではないでしょうか? DSPも受賞したことだし、これからおそらく様々な拡張セットが出るのではと予想しています。今回も前回同様にダグの持参で、ダグが丁寧に説明してくれました。それほど突出した要素があるゲームではないのですが、楽しむことができました。最後に中央にある24点のタイルを獲得したもののお金が尽きてしまい、3位どまりでした。

結果:ダグH 98、アニー 96、自分 91、ローラ 74



Oltre Mare オルトレマーレ
(説明 35分 プレイ時間 85分)
OltreMare.jpg2004年にマインドザムーブから小さな箱で出版され、その後リオグランデやアミーゴから大きな箱で再販されました。カードの構成はボーナンザの影響を強く受けていると思われ、ボーナンザで言う6の豆が無く、8から20までがあります。各自得点カードの山を作っていき、これらのカードは1枚1点ですが、連続して得点の山にプレイすると得点が跳ね上がります。中間決算とゲーム終了時にマンマミーアのごとくこの得点の山を調べて、連続しているかを調べる訳です。よってボーナンザのようにできれば同数時のカードを数枚連続で得点カードの山にプレイしきたいのですが、そのためには交渉も重要になります。

各カードにはこの6から20の交易品という基本情報以外にも沢山の情報が描かれています。これに慣れるのが少し大変です。カードの上と下がそれぞれ手札上限とプレイ枚数で、これは自分の得点カードの山の一番上になっているときだけ有効です。この2つの数値の和は常に7なので、手札を沢山持てるときはプレイできず、手札が少ないときは手番中にカードを買ってでも規定枚数をプレイしなければならないというようになっています。カードの左側には4段のアイコンがあり、上からそれぞれ勝利点、海賊船、カード補充、航海、となっています。これらは手番でプレイしたすべてのカードにおいて有効ですが、ややこしいことにこれらのシンボルは三角数的に加算されるのです。つまり同じシンボルが1、2、3個あるとそれらのアクションを1、3、6回するのです。カードが海賊船の山に置かれると終了時に1枚マイナス1点になりますが、カード補充のときに山札でなく、海賊船の山から引いてマイナスを減らすことができます。航海が唯一ボードを使う部分で、自分の船をそのマスだけ動かして特殊能力チップを取ります。もとからカードが主役のゲームなので、このボードの部分はあまり重要ではありません。初版ではボードがあまりにも小さかったのですが、この新版はちょっと大きすぎです。この半分くらいの大きさでも良かったのではと思います。船のコマはなかなか格好が良くできています。

OltreMare-Ships.jpg前回遊んだのは6年前。(詳しいレポートはここ)要素が非常に多いカードゲームで当時はなかなか面白いと思ったのですが、今回久し振りに遊んで以前ほどの面白さを感じることはできませんでした。手順の煩雑さが際立ち、戦略を立てるにもどうにもならないことも多いです。カードの構成をすっきりさせて、要素を半分くらいに減らせば良くなるのではと思います。

ダグH 58、自分 55、アニー 54、ラリー 51



Deduce or Die デデュース オア ダイ
(プレイ時間 1時間)
ラリーが作った推理ゲームのデデュースオアダイです。今はテキサス在住のDCゲーマーズの昔のメンバーであるアニーが加わったこともあり、それならばとラリーが持ってきたものです。推理ゲーム好きのアンチュマンと自分を入れての4人プレイ。今回で3回目だと思いますが、いままでは3人だったので4人プレイは初めてです。4人の方が各自の情報が少ないのでその分他のプレイヤーのカード(特にスートの長さ)などは推理しやすくなります。このゲームでは自由に質問ができず、できる質問はランダムにめくられたカードである程度決められてしまうのが難点と言えば難点。他に自分の手札以外ではすべての質問と答えは公開情報なので、他のプレイヤーとの差がつきにくいように思います。伏せられたカード2枚を割り出すのですが、3枚にまでしぼられたところでアニーが見事言い当てました。今度はブラックヴィエナなどもあそんでみたいですね。

結果:アニー



Trendy トレンディー
(プレイ時間 30分)
Trendy-Boxes.jpg「トレンディー」はファッションデザイナーの栄枯盛衰をテーマにしたカードゲームで、2000年にシュピールシュパースから出版されました。のち2004年にラベンスバーガーから、動物レースにテーマを変えた「クレイジーレース」、さらに2007年にR&Rから、馬の品評会にテーマを変えた「ホースフェアカードゲーム」と2回リメイクされています。

使用するのは65枚のカードだけ。カードの数値は3、4、5、6、7の5種類で、それぞれ数値の2倍プラス3枚がデッキに入っている枚数です。各数値にはスーパーモデルとアウトカードという特殊カードが1枚ずつ含まれています。ゲームの目的は高数値のカードを多く獲得すること。手番では6枚の手札から1枚を自分の前にプレイし、1枚補充します。こうして数値NのカードのN枚目が場に出ると、そのファッションデザイナーにブレイクスルーが起こったこととなり、全員がそれまでに出した数値Nのカードをすべて得点として獲得します。これらは裏返して自分の脇に置いておきます。それと同時に数値N以外のカードはすべて捨て札になるのです。

Trendy-RegularCards.jpgブレークスルーに到達する為に、スーパーモデルカードは2枚分と数えます。また、アウトカードは唯一のアクションカードで、その数値のカードをすべて捨て札にしてしまいます(アウトカード自身も捨てます)。山札が尽きてから、1回ブレイクスルー(スコアリング)が起こるとゲーム終了です。獲得したカードは数値がそのまま得点となります(スーパーモデルは2倍ではなくそのままの点数です)。これで1ディール終了です。通常は規定のディール数(プレイヤー人数など)を行って合計を競うか、100点先取を目指します。

Trendy-SuperModelCards.jpg単純なようですが意外と考えどころもあります。カードの数値が得点となるので6や7などは確実に取りたいのですが、7は7枚場に出ないと獲得できません。タイミングを間違えると3の3枚などに対抗されあっという間に捨て札になってしまいます。さらにプレイ人数にもよりますが、自分に2回まわってくる可能性があるときには2枚以上持っているカードで攻めることも大切です。4人でのプレイで5をリードして全員フォローすれば自分は10点他の3人は5点なので相対的にプラス5点となるのです。スーパーモデルとアウトカードをカウンティングするだけでもぐっと変わりますが、さらにデッキの中に入っている枚数は各数値2N+3枚なのでブレイクスルーするのは2回まで(3だけは3回)というのは知っておいた方が良いでしょう。

Trendy-OutCards.jpgルールが非常に明快なため、普段あまりゲームをしない人たちでも楽しめます。モダンアートのカードプレイのシステムだけを抽出して非常に単純化したのがトレンディーですが、のちに単純化せずにモダンアートカードゲーム(マスターズギャラリー)という別のゲームも出ていることもあり、このあたりはなかなか興味深いものがあります。

なお、各エディションの違いは以下のとおりです。

HorseFair-Horses.jpg2枚分のカードの名称
トレンディー:スーパーモデル
クレイジーダービー:スター
ホースフェアカードゲーム:セカンドルック

同数値のカードを破棄するカードの名称
トレンディー:アウト
クレイジーダービー:ルーザー
ホースフェアカードゲーム:サムスダウン

馬のボーナス
トレンディー:なし
クレイジーダービー:なし
ホースフェアカードゲーム:10個(必要十分数)の馬のフィギュアが付いてくる。スコアリングを発生させたプレイヤーは馬のフィギュア(写真右)を1つ獲得する。

終了条件
トレンディー:100点先取、または規定回数(通常はプレイヤー数)
クレイジーダービー:100点先取
ホースフェアカードゲーム:1回戦、または規定回数(通常はプレイヤー数)。いずれにせよ、誰かが馬のフィギュアを4つ獲得したらその回はサドンデス終了となる。1回戦の場合はそのプレイヤーの勝利。規定回数の場合はそのディールは終了し得点計算後、通常通り次のディールを行う。

スコアリング
トレンディー:カードの数値が得点。
クレイジーダービー:カードの数値が得点。
ホースフェアカードゲーム:基本ゲームと上級ゲームの2種類のスコアリングがある。
基本ゲームではカードは数値に関わらず各1点、馬のフィギュアは各2点、タイブレークは馬のフィギュア数、次に全カードの数値合計。
上級ゲームではカードの数値が得点、馬のフィギュアは各1点。タイブレークは馬のフィギュア数

パートナーシップゲーム
ホースフェアカードゲームにはパートナーシップゲームがある(4人または6人)。
4人では2人ずつ2組、6人では2人ずつ3組となりパートナー同士が向かい合わせに座る。
手札は各プレイヤー5枚。
パートナーと自分のスコアは合算する。
基本ゲームのスコアリングが推奨されている。
なお、パートナーとの話し合いは禁止。

Trendy20100918.jpgこの日はローラの友人家族に簡単なゲームを紹介するということもあって出してみました。4人なので4ディール勝負としました。ローラの友人のクリスティンはボードゲームの世界に多少目覚めてしまったようで、数週間前に一緒にアフリカやカルカソンヌを遊びましたが、夫のロイと娘のウィラはゲームをほとんど遊んだことがないようで、数字と同じ枚数が場に出たら得点になるというところから説明するのが大変でした。でも2ディール目あたりからはこつも多少は分かってきたようです。ゲーマーもノンゲーマーも一緒に楽しめる良いカードゲームだと思います。テーマ的にはトレンディーのファッションデザーナーが一番しっくり来ますが、ルールとしてはホースフェアカードゲームの馬のフィギュアがあるものがなかなか面白いです。なにかで代用して試してみると良いかもしれません。

自分 181、ウィラ 173、クリスティン 148、ロイ 142



Modern Art: The Card Game モダンアート カードゲーム
(プレイ時間 25分)
次に、ローラも加わって5人でこのゲーム。トレンディーをプレイしたばかりなので、基本的な部分が似ているこのゲームはどうかなあとも思いましたが、クリスティンはかなり興味を持っているみたいです。それならと、トレンディーからのステップアップという意味も込めて遊ぶことにしました。特殊カードが多少あるので説明に少し手間取りましたが、トレンディー同様に場に出たカードの数で勝負するゲームなので大筋は分かりやすかったようです。

結果:自分 74、クリスティン 69、ロイ 66、ウィラ 63、ローラ 40



Goldrausch ゴールドラッシュ
(プレイ時間 各10分)
Goldrausch20100918.jpg最後にカードをめくるだけだがエキサイティングなゴールドラッシュです。1ゲーム目では写真のとおり18点の列の独占に成功してしまい、なんと28点という高得点での勝利。2ゲーム目は逆に自分が賭けチップを置いた列が0点になってしまい(これも珍しいですね)、さらに3枚目の賭けチップを置き損ねて最下位。こういうちょっとしたドラマが楽しいゲームです。どうしてゴールドディガーは手札なんていう概念を導入してしまったのでしょうかねえ。

結果
1ゲーム目:自分 28、ローラ 14、ウィラ 7、クリスティン 6
2ゲーム目:ウィラ 23、ローラ 16、クリスティン 11、自分 5



他のテーブルでは、果てしなき世界、グレンモア、アムステルダムの商人、ラーなどが遊ばれていました。これでこの日のDCゲーマーズはおしまいですが、じつはこの後もう1ゲーム遊んでしまいました。



Stephensons Rocket スチーブンソンズ ロケット
(プレイ時間 85分)
StephensonsRocket20100918.jpgアンチュマンが自宅までクルマで送ってくれたのですが、そのついでに2人で何か遊ぼうということになり、自宅でスチーブンソンズロケットを遊ぶことになりました。2人プレイは初めてです。このところボードゲームギークでチグリスユーフラテスの2人プレイをしており、これが思いのほか面白くすでに48ゲーム目なのですが、そんなこともあってスチーブンソンロケットも面白いのではないかと考えたのです。結論から言えば2人でも十分面白いです。完全情報ゲームなのですが、お互いに牽制し合い、株による拒否権発動合戦も堪能しました。もしかして後のバベルの塔はこの拒否権のビッド方法に少しヒントを得ているのかもしれないと思いました。

最初は自分の駅に素直に鉄道を通してくれたアンチュマンでしたが、そのうち拒否権の応酬で鉄道の通らない駅が続出するという、いつものスチーブンソンズロケットの展開になりました。2人だとある程度先が読みやすいので、いろいろなテクニックが試せます。2人ゲームをある程度やり込めば3人や4人のゲームもより楽しめるようになる予感がします。これはチグリスユーフラテスも同様で、2人ゲームでは色々なことを学びました。これもオンライン対戦ができれば良いのですが、どこかにないかなあ。

結果:自分 88、アンチュマン 73(単位 1000)

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