友人宅ゲーム会 2009.08.12

先日のWBC(ワールドボードゲーミングチャンピオンシップ)で再開したラファエルがボストンからカリフォルニアに引っ越す途中でDCに立ち寄るのでDCゲーマーズのみんなとゲームがしたいとのこと。さすがに平日の水曜の夜なのでショーンの家で3人だけでしたが、昔かなり遊んだビッグシティや久し振りの落水邸物語が遊べて満足です。



ロストシティ ボードゲーム Lost Cities: The Board Game
(プレイ時間 1時間10分)
LCTBG081209.jpgケルトがロストシティをベースとした4人用ゲームならば、ロストシティボードゲームはケルトのアメリカ版です。クニツィアのオリジナルのデザインは実はロストシティボードゲームなのです。コスモスがテーマをケルトに変更し、リオグランデはケルトの国際流通版を作るということになっていたようですが、結局のところアメリカ以外ではケルトが広まっているようです。(ソース:ボードゲームギーク リオグランデ社長 Jay Tummelson氏のコメントより:スクロールダウンした青枠の部分です)

ケルトとロストシティボードゲームの主な違いは次の5点です。

1:カードをプレイする時、ケルトは昇順か降順だが、ロストシティボードゲームは昇順のみ
2:ケルトは1ラウンド勝負だがロストシティボードゲームは3ラウンドでアーティファクト(願いの石にあたる)は3ラウンドを通して集める。
3:勝利点はケルトでは公開だが、ロストシティボードゲームはコインを集めることによって非公開。
4:ロストシティボードゲームの得点はケルトの5倍。
5:コンポーネントやグラフィックの違い。

このうち本質的な違いは1ー3です。昇順のみで得点は5倍というのは元のロストシティにあわせたものになっています。1枚プレイするとマイナス20点だからです。あとアメリカでは一般的に5点や10点単位が好まれるというのもあってクニツィアも最近はストロッチ、イリウムなどスコアが5点単位のゲームを出しています。

3ラウンド通してのプレイは運の要素を緩和するものとなっています。アーティファクトのスコアリングのスキームは全く無いとマイナス50点、一つ増えるごとに5点ですが、3の倍数を集めると一気に30点加算されます。例えば6、7、8個集めると、それぞれ30、35、40点ですが、9個集めると70点です。なおケルト同様の1ラウンド用のスコアリングスキームも書かれており、またバリアントルールとしてケルト同様に昇順と降順の両方を使うことも示されています。よってロストシティボードゲームがあればケルトのプレイは可能です。

LC-LCTBG.jpgグラフィックは好みにもよりますが、個人的にはケルトの方が好きです。ロストシティボードゲームの中央から5方向に延びる道は少々視認性に欠け、特に道の最後の一つ手前のマス目を数えそびれてしまうことが何度かありました。色使いもちょっと毒々しい感じです。元ゲームのロストシティのグラフィックは好きなので、それをきちんと踏襲しなかったのは残念です。カードも0から10は同じグラフィックを拡大縮小しただけなのです。カードだけでも元のロストシティの雰囲気に近づけて欲しかったです。ロストシティのオーバーサイズカードの豪華さはなく、カードの質も少々安っぽい感じがします。機能的だなと思ったのはボード上に捨て札を置く場所があることです。道の最後が大きなマスになっているのでそこに各スートの捨て札を置けます。

WBCで遊んだばかりですがトーナメントに明け暮れていたラファエルはプレイチャンスがなかったらしく、この際ロストシティボードゲームとケルトの両方とも遊びたいとのこと。まずはアメリカ版のロストシティボードゲームからです。

カードの縛りなどはやはり昇順しか無いこちらのほうが厳しく、ケルトよりジレンマが多い作りになっています。3ラウンドというのは少し長いのですが、カードによってアーティファクトを集めるか次のラウンドにするかなど長期計画が立てられるのも面白いです。ケルトとは似ているようで、また違ったゲーム感覚があり、これは賛否両論あるようですが、ロストシティボードゲームの方が面白いと思いました。しかしながら、ケルトには追加ボード、ケルトカード、ケルトタイルなど魅力的な拡張やスピンオフがあり、ロストシティボードゲームにこれらに対応するものが出るかどうかは疑問です。追加ボードはまだしも、「ロストシティボードゲームカードゲーム」や「ロストシティボードゲームタイルゲーム」となると、もはやなにがなんだか。

ショーンはWBCで何度か遊んだらしく、経験の差で圧倒的勝利。

結果:ショーン 640、ラファエル 460、自分 375



ボンベイ Bombay
(説明 30分 プレイ時間 35分)
Bombay.jpgインドを舞台としたピックアップアンドデリバー(輸送)系のゲーム。象のコマが可愛いです。ラウンドごとに4種類の絹の値段が決められ、絹を決められた市場から買って象に載せ、需要の高いところで売って儲けたり、途中に家を建てて他のプレイヤーから通行料を取ったりします。3ラウンドで毎ラウンド5手番しかないのであっという間に終わります。

ショーンのコレクションから何かプレイしようと言うことで出てきたのがこれ。全員初めてで、ラファエルがその場でルールを解読してくれてのプレイです。何だかルールがごちゃごちゃしているものの、実際にプレイすると難しいことはありませんでした。ゲームとしては可もなく不可もなくといった無難な作りだと思います。家を沢山建てて通行料をがっぽり取ったのですが、それだけでは勝てなかったようです。

結果:ラファエル 26、ショーン 23、自分 18



ビッグシティ Big City
(プレイ時間 1時間5分)
BigCity.jpg初期に買ったドイツゲームの一つ。買った当時は何度か遊んだのですが、おそらく最後に遊んだのは10年前だと思います。ラファエルが是非やりたいということで、他のブログなどに触発されてもう一度遊びたかったので願っても無いタイミングでした。

建設系のゲームとしてはメトロポリスや、同時期に出ていたチャイナタウンと似た部分がありますが(区画カードで建物を建てる)、交渉がない分、すっきりした作りです。それでも市役所、路面電車、デパートなど目玉といえる部分があり、お邪魔な建物の公園や工場も良い味を出しています。今回は早めにデパートを建ててトップになるものの、公園の計5マスのうち2マス、さらに工場の全7マスの全てをくらってしまい、終盤は散々でした。一手のタイミングが生死を分ける結果となりました。近いうちに再戦希望。

結果:ショーン 112、ラファエル 106、自分 76



ケルト Keltis + 追加ボード Die Erweiterung
プレイ時間(50分)
Keltis081209.jpg約束通り、ロストシティボードゲームのあとはケルトです。折角なので追加ボードで、自分はやはりこのケルトの追加ボード入りが一番面白いと思います。これまでに少々願いの石のルールを間違えていて、色の種類でなく、石の総合計で得点を付けてました。何かおかしいなあと思ったのですが、英訳が分かりにくい書き方でそのあとの例を読んで写真入りのドイツルールと照らし合わせれば良かったのですが、面倒だったのでそこまでしなかったのがまずかったようです。

ケルトの降順と昇順のルールは個人的には好きなルールです。4人いて3人が降順だったら自分だけ昇順のほうが確実に有利になるなど、ロストシティにはない面白さがあります。この追加ボードは緩くなりがちなケルトのルールでもしっかりとジレンマを味わえる素晴らしいゲームだと思います。今回唯一勝ったゲーム。ラファエルは「この拡張ボードだけ買おうかなあ」と言ってました。

結果:自分 54、ショーン 49、ラファエル 44、タンディ 39



落水邸物語 Origin of The Failingwater
(プレイ時間 45分)
Failingwater081209.jpgラファエルの嫌いなゲームのジャンルにトリックテイク、鉄道ゲーム、そしてアブストラクトゲームがあるのですが、落水邸は以前ラファエルに紹介した時に「これは悪くないよ、また遊びたい」と言っていました。今回そのことを思い出して持ってきたことを言うと「おお、もう一度遊んでみたかった」との嬉しい返事です。

最後のトリックから出していくという変形トリックテイク。段々出てないカードが分かるのでパズルを解いていくような面白さがあります。4人専用なのでショーンの母、タンディにも混じってもらうことにしました。彼女は1人だけトリックを取らずに3点ボーナスで稼ぎます。うまく重い通りに交互にトリックが取れたときは快感ですね。

結果:タンディ 11、自分 10、ショーン 7、ラファエル 5

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