ボルチモアゲーム会 2006.08.26 前編

TGCというゲームサークルを通じて知り合ったポールの家でのゲーム会。TGCはもともとアメリカゲーム(マジック、RPG、マンチキン、ロボラリー、イルミナティなど)が中心ですが、少数のドイツ系ゲームプレイヤーを集めて時々プライベートでゲーム会を行っています。ポールの住むボルチモアMDはワシントンDCから45分。夏休みということもあって長時間ゲームの1830などたっぷりと楽しみました。メンバーはポール、アレックスと自分。それに後からジャックも参加して4人です。



1830
(プレイ時間 7時間)
1830.JPG3人プレイなので資金は1人あたり800ドルと潤沢です。独自に設立するにはPRRが$335、他の会社は$402なのでプライベート会社を$63以下に抑えて2社設立も夢ではありません。プライベート会社のビッドではアレックスがC&StLとC&A、ポールがSVR、D&HとB&O、僕がM&Aを購入。その後、序盤収入のよいNYNHの社長株を僕が買い、それにみんな群がってくれたのでPRRとNYNHの2社設立に成功。アレックスはC&O、ポールはB&Oですが、僕のPRRのニューヨーク行きを徹底的に阻みます。

3列車出てプライベート買収後、アレックスはCP、ポールはNYCと2社目を立てます。僕は収益のよいB&Oを押し付けられることを覚悟で4株購入。同時にNYCのニューヨーク・グランドセントラル駅進出をNYNHを使って阻止。同時にNYNHはニューヨークの南にも行けるドル箱路線に成長しました。

中盤では度重なる株価操作をして他の会社の株を叩き落してからB&Mを立ち上げます。これはひたすら留保して資金をため、NYNHはまだ一度も留保していないので株価で勝負、ひたすら配当です。アレックスもエリーを$90で立ち上げて3社体制。僕はなんとかして5列車を手に入れますが、残りの5列車2台と6列車は買われてしまい、その直後にポールが4列車をDに交換。一気に4列車破棄となり列車不足の暗黒の時代がやってきました。

幸いにも僕の持つ3社で一番株価の安いB&MはD列車に適した会社。株式ラウンド直前のオペレーティングラウンドでPRRに買わせたD列車をB&Mに買わせ、次の株式ラウンドでPRRをアレックスに押し付けます(ごめん!)。アレックスは会社4つに列車3台。結局2社はその後塩漬け状態で苦しみました。やはり2株買っておくのは危険ですね。

終わってみれば、株価は留保を一度しかしなかったNYNHが350を達成。収益はB&Oが$560。続くB&Mも邪魔されながら最終的には$520。僕はB&Oを4株、B&Mを8株、NYNHを6株持っていた事、現金収入も莫大だったことなどが重なって勝ちました。やはり1830は面白いですね。

結果:自分 9947、ポール 7253、アレックス 4597



指輪物語ボードゲーム Lord of the Rings
(プレイ時間 1時間5分)
LordOfTheRings2.JPGここでジャックが到着。ジャックの希望で指輪物語ボードゲームとなりました。このメンバーでは人気があるゲームで、拡張の「友と敵」を入れることもあります。プレイヤーはホビットとなって原作のストーリーラインに沿って旅を続け、最後のモルドールで指輪を火口に投げ入れて破壊することを目指します。

ボードゲームとしては珍しい協力ゲームで、プレイヤー間の勝ち負けは無く、ホビットみんなで協力して指輪を破壊する全員勝利か、または指輪を持ったホビットがサウロンにやられる全員敗北かの2通りの結末があります。また達成度によって得点が付くので、次回への励みになります。ただ、ビデオゲーム同様にゲームシステムそのものとの戦いなので厳密にはゲームではないのかもしれませんが。

クニツィアのゲームにしてはコンポーネントが多く、ボードだけで3枚もあります。メインボードには16マスから成る誘惑ラインとストーリーに沿った7つの場所が描かれており、ゲームを大局的に把握できるようになっています。

誘惑ラインはホビットの暗黒度を表します。ホビットは左端の0、サウロンは右側の12が最初の暗黒度です(標準ゲーム時)。ダイスやイベントによってホビットの暗黒度は増し、サウロンもホビットに近づいてゆきます。その結果ホビットがサウロンと同じマスに入ってしまうとそのホビットは脱落。もしそのホビットが指輪を持っていたならゲームオーバーで全員負けです。

7つの場所はゲームの進み具合を表しています。7つのうちモリア、ヘルム峡谷、シェロブの巣、モルドールの4つはシナリオボード(2枚両面で4つ)に対応していて、メインボードのすぐ下にシナリオボードを置き、そこで旅と戦いを続けます。

シナリオボードにはメインとサブの行動ラインが3-4つ描かれていて、カードの4スート(友情、旅、隠蜜、戦闘)に対応しています。プレイヤーはカードをプレイしてそれぞれの行動ラインに沿って進んでいくのです。こうしてメインの行動ラインを終了するかイベントが6回起こってしまうとシナリオ終了です。イベントは悪いものばかりなので、できれば行動ラインを進んで終わらせたいものです。イベントはすべてシナリオボードに書かれており、あとに行けば行くほど凶悪なので、あらかじめよく読んでおくことが勝利には必須です。もちろんまったく読まないで翻弄されるのも楽しいのですが。

シナリオボードでカードとともに重要な要素がタイルです。タイルにはカード同様のスートが書かれた良いタイルと、イベント発動などの悪いタイルがあります。手番には、行動の前に、良いタイルが出るまでタイルを引き続けなければなりません。つまりイベントは平気で2つ、3つ連続して起こるのです。これが非常に緊張感を高めており、運に流されていくホビットたちを表していて良いと思います。良いタイルを引いて、ようやく手番の行動になります。カードを2枚プレイする、2枚補充する、誘惑ラインで1マス回復するのどれかです。特にカードはプレイするか補充かのどちらかだけなので、シビアなカードマネージメントを要求されます。

基本的なルールは難しくないのですが、ガンダルフカードや指輪の使い方など多少ややこしいルールがあるのは雰囲気を盛り上げる上でもしょうがないところでしょう。特に指輪の力で進んだ場合は途中のマスと進んだ先のマスは完全に無視しなければなりません(これはカプコンのサイトのFAQに誤りがあるのでここに書いておきました)。 それでもテキストのある特殊カードを8枚に抑えるなど、すっきりと仕上げているのはクニツィアらしく、好感が持てます。

指輪物語の内容を知らないと楽しめない、とよく言われていますが、まったくそんなことはないです。僕はファンタジーに興味が無いので原作をほとんど知らないのですが、システムはしっかりしており、毎回違ったジレンマがあるのが面白く、何度も続けて遊べる良いゲームです。特に上級ルールでサウロンが10のマスからだと、本当にゲーマーズゲームとなってヘトヘトになるまで楽しめます。

今回は中級ゲームです(サウロンの暗黒度12からスタート)。ランダムでホビットを選び、フロドー(アレックス)、サム(ジャック)、ピピン(自分)、メリー(ポール)というパーティーでモルドールを目指します。ところが、最初で星マークのワイルドカード不足に陥り、ダイスを3度も振る羽目になってしまいました。3度とも「サウロンホビットに向かって1マス進む」という最悪の目。

結局それが尾を引いたのか僕がシェロブの巣で脱落。残る3人もモルドール半ばで力尽きてしまいました。やはり4人だと難しいですね。2人のほうが難易度は低いと思います。(これが友と敵の拡張セットを入れると逆になるのが面白いですね)

結果:負け(54点)



後編に続きます。

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