DCゲーマーズ 2010.06.12

ゲームマーケット以降、6月に入って初めてのゲーム会です。同居人が2人とも帰郷していることもあって、自宅でDCゲーマーズをやることにしました。4月頃に共同購入したパトリツィアとカードカソンヌ、それにエッセンで垣間みたマカオやゲームマーケットでの最新作のアールエコリサイクル、さらに一度間違えて遊んでそのままになっていたジャイプルなど色々遊べました。



パトリツィア Patrizier
(プレイ時間 30分)
Patrizier.jpgシャハトの2007年のゲーム。ボードは色別にいくつかのエリアに区切られており、同じ色のカードをプレイすることによって、該当するエリアに自分の塔を建てることができます。塔は屋根形のコマで、自他問わず積み重ねていきます。各エリアには塔を建てる場所が2カ所ずつあり、2カ所の合計のコマ数は上限があって、7、9、11といった奇数なので、必ずどちらかの塔が高くなるわけです。それぞれの塔で最もコマ数の多いプレイヤーに点数が入りますが高い塔の方が沢山入ります。また塔の中でコマ数が同数の場合は上にコマがある、つまり後から置いたプレイヤーのものとなります。このあたり、シャハトらしいデザインで、地味ながらも面白いです。カードの補充にも特徴があって、プレイしたエリアの脇にあるオープンなカードを補充するのです。よって、どこにプレイすればどのカードが手に入るのかなどの連鎖反応を考えなくてはなりません。

最近になって漸く手に入れて遊びたかったゲーム。プレイ経験のあるショーンが説明してくれました。久し振りにシャハトらしさをたっぷり堪能できるゲームで、短時間ながらも塔のルールと補充ルールでかなり悩まされました。経験のあるショーンが1位。これはまた近いうちに遊びたくなるゲームです。

結果:ショーン 51、ラリー 31、自分 28、ローラ 19



ヴァンパム Wampum
(説明 10分 プレイ時間 35分)
Wampum.jpg2010年にグリフォンから出版された最新のゲーム。カードの変わった扱いを特徴とするゲームは時々見かけますが、これもその系統のひとつで、特殊カードなどは無くシステムで勝負しているゲームです。カードを使ってカードを競ったり交換したりするので、ちょっとカッツェンジャマーブルースやビザンツに通じるものがありますが、その2つよりも複雑です。

場には人数分だけカードの列があります。1人1列を獲得すべく時計周りに手札からビッドしますが、ビッドは裏向きで枚数だけが考慮されます。オーバービッドされたら別のところに移らなければならないのはアメンラー同様のところてん式ですが、大きな違いはビッド値を変えられないことです。つまり他人より少ないビッド値だと、残り物になってしまうのです。こういう方式もあるのかと唸らされました。

カードは5種類あり、ビッドしたカードと獲得したカードが合致するかどうかで大きく変わります。1枚でも合致している場合は場のカードは手札になります。つまり交換となるわけです。1枚も合致していない場合にはビッドしたカードがそのまま得点になります。ただしビッドしたカードから各種類につき1枚は場の列に加えなければなりません。得点となるカードは伏せて自分の前に置き、1枚1点となります。交換する時にはビッドは少なくしたいのですが、オーバービッドされると別の列に追いやられて交換できなくなるかもしれません。最悪の場合は、合致するカードがなく、各種類1枚以内しかビッドしていない場合です。このときには列に加えるだけで、得点にもならないし手札も増えません。

ラリーが持参した3つのゲームのうちの1つ。上の説明を読んでも要領を得ないと思いますが、ゲーム中まさにその状態でずっと混乱していました。どうも自分は実際にカードがどう流れるかを見ないと理解できないらしく、ラリーは口頭で説明するだけだったのでかなり混乱していました。ローラと自分は中盤まで混乱している中、ショーンは序盤から長考して考える考える!後半になって慣れてくるとなかなか面白い。もう何度かは遊んでみたいゲームです。おすすめ。

結果:ショーン 18、ラリー 16、ローラ 16、自分 15



マカオ Macao
(説明 35分 プレイ時間 2時間半)
Macao-Septagon.jpgアレア大箱の13番目。エッセン09でのアレアのブースで盛んに遊ばれていたゲームです。アレア大箱は10番目のラム酒と名誉以来、フェルドが連続で4作も作っているので、シュテファン・アレア・フェルドといっても良いかもしれません。正直言ってフェルドのデザインは自分にはしっくりこないものが多いのですが、元来からのアレアファンとしては一度は遊ばないわけにはいきません。ラリーが英語版を持参してくれたのでちょうど良い機会ということで教えてもらうことにしました。

中国南部、香港の近くにある植民地マカオが舞台です。6色のアクションキューブを得てそれを商品に交換したり、国外に運搬して名誉点を得るのですが、このゲームの面白さはアクションキューブの獲得方法です。毎ラウンド6色のダイスを振り全員その中から好きな2色のキューブをダイスの目の数だけ得ることができます。ただし、得たキューブが使えるのはダイスの目マイナス1ラウンド後なのです。つまり、ダイスの目が1だとアクションキューブは1つしか得られませんがすぐに使えます。ダイスの目が6だと6つももらえる代わりに使えるのは5ラウンドも後です。全部で12ラウンドあるのですが、そのくらい長くないとこのシステムは生きてこないのだと思います。将来に使えるキューブは、正七角形の大きなディスクで管理され、毎ラウンドこのディスクを一つ分廻して使えるキューブを表します。他にもフェルドのドラゴンイヤー同様に手番順を競うトラックがあったり、大量のカードがあったりとなかなか全貌が見えずに大変です。カードは毎ラウンドドラフトするのですが、実際に自分のものにするにはカードに書かれたキューブの組み合わせが必要です。これが1色だとまだ計画も建て易いのですが、2-3色だと、ダイスの目による部分も大きく、本当に一苦労です。カードは様々な特殊能力で、これも近年のゲームの流行なのでしょう。

Macao.jpg前半はみな後半に向けて大量にキューブを獲得することが多くて、ゲームは冬眠している状態でした。後半になって漸く動き出すも、自分は貿易に力を入れて誰よりも早く商品を各国の港に届けようと必死になります。最初だと5点なのでこれは大きいかなあと思ったわけです。マカオの町にある商品は取った後に自分の土地となるのですが、これの連結を巡る攻防が激しく、マカオの町は何も商品が残らない状態にまでなりました。ラリーによると、これは珍しい展開だそうです。

英語版のカードやボードでの英訳がかなり雑で、また略語も多くて分かりにくかったです。PPが名誉点(勝利点)、ACがアクションキューブと言った感じで、これを覚えるだけでも大変でした。まあもう一度くらい遊んでも良いかなあと思いますが、同時にこれはこれでもういいかなあという気もしています。ダイスの使い方や手番順トラック、そしてペナルティがシビアなフェルドのデザインなので、フェルドファンには間違いなくお勧めです。

結果:ラリー 97、ショーン 79、自分 66、ローラ 63



アール エコ リサイクル R-Eco Recycle
(説明 10分 プレイ時間 25分)
R-Eco-Recycle.jpgカワサキさんの代表作のひとつ、アールエコの続編です。前作が一風変わったカードドラフトとハンドマネージメントのゲームだったのですが、今回はブラフとタイミングのゲームに仕上がっており、アールエコテイストは多少残っているものの別のゲームです。ゲームは3ラウンドに渡って行われ、それぞれのラウンド終了のタイミングでプラスの得点を得る権利を持ち、マイナスの得点を得る権利を手放していることをめざします。

各自、5枚の手札と、7枚の山札でスタート。ゴミは前作同様に4種類。権利書はそれに対応して4種類プラス黒の権利書の計5枚です。ゴミ置き場は、それぞれ分別して表向きに置く場所と、分別せずに混ぜて裏向きに置く場所に分かれています。手番は表向きに対応する分別済みのゴミを1枚置くか、裏向きにして自由な組み合わせで置くかのどちらかです(このときは必ず、分別済みのゴミ枚数プラス1枚を置かなければならない)。誰かのカードが尽きた時点でラウンド終了で、裏向きのゴミを表向きのゴミと一緒にして、環境に適合しているかを調べるのです。正しいゴミ2枚と間違えてたゴミ1枚が相殺され、合計が0かプラスだとその色の権利書を持つプレイヤーにプラスポイント(3、5、7点)、マイナスだとマイナスポイント(-3点)が入ります。黒の権利書はマイナスになったゴミの種類が1種類以下の場合にプラス3点、2種類以上の場合にマイナス3点です。つまり権利書は持っていて良いときと悪いときがあるのです。

ではどうやって権利書を得るのか?各色の権利書はその色の不分別のゴミをプレイした場合、黒の権利書は色に関わらず分別済みのゴミをプレイした場合に得られます。それぞれの権利書は1枚しか無いので、最後にプレイしたプレイヤーに渡ることになります。これがなかなかくせ者で、序盤はどうということは無いのですが、終盤になると、裏向きに他のゴミを混ぜると自分がマイナスを被り易いのです。

東京のゲームマーケットで買ったゲームのなかでは一番遊んでみたかったものです。権利書が毎手番移り渡るのがちょっと煩雑に感じました。各自12枚しか無いカードで終わりを見ながらのタイミングを見計らっていくゲームです。なかなか面白いと思いましたが、ラリーやローラにはあまり好評ではありませんでした。まあブラフ系のゲームの受けが悪いということもあるのですが。また他のDCゲーマーズのメンバーや別の場所でも試してみたいです。

結果:ショーン 16、自分 9、ラリー 2、ローラ -9



カードカソンヌ Cardcassonne
(説明 20分 プレイ時間 45分)
Cardcassonne-wrong.jpgカルカソンヌの名前を借りただけの別ゲーム。絵柄を合わせていく要素は皆無で、カードのセットコレクションといつカードの獲得宣言をするかのジレンマが光る、コロレットと同系統のゲームです。

カードは4色で、各色に人々(数値の1、2、3)、動物、街があります。さらにワイルドスートの動物、街などもあります。カードは色別に4色に並べて列を成します。手番には手札からカードをプレイして対応する列に加えるか、自分のミープルを好きな列の端に置いて獲得宣言をするかのどちらかです。各自ミープルは1つずつなのでラウンドで獲得宣言ができるのは1度だけ。また、ラウンド中は山札からの補充が無く、全部のカードがプレイされるとラウンド終了なので、どのタイミングで獲得宣言をするかは悩ましいところです。さらにラウンドで1巡目のカードは裏向きに出すことができるのも面白い。得点方法も、人々は合計値かける枚数でそのラウンドだけ、動物は種類ごとに累計をすべて得点だが、そのラウンドで未獲得の種類は得点されない(さらに集めるほど高くなるものの効率は悪くなる、電力会社の収入表に似てる)、街はゲームエンドボーナスで4色セットで得点が大きくなる、などと多彩です。

パトリツィアと同時期に購入したゲームですが漸くプレイできました。ショーンがルールの説明をしてくれましたが、ラウンド1巡目の裏向きのカードは最初のプレイヤーだけだと勘違いしてしまいました。これは英語の訳が曖昧なのも原因の一端です。ゲームは他のレビューを読んでの予想通りに面白く、これなら全く別のタイトルで出せば良いのにと思うのですが、カルカソンヌのネームバリューは高いのでしょうね。

結果:ローラ 203、ラリー 170、自分 165、ショーン 135



ロストシティ Lost Cities
ショーンとローラはこれで時間的に最後で、何か知っているゲームをやりたいというのでロストシティのパートナーシップを遊びました。向かい合わせに座っていたラリーと組みましたが、お互いの意思の疎通がとれず、マイナス25、マイナス65という駄目駄目の展開に。お互い持っていた色が違うので仕方が無い部分もあるのですが、5色初めてはやはり勝てません。最後になってようやくプラス13点。ショーンとローラも2ラウンド目でマイナスになっていました。マイナス同士の低レベルな戦いでしたが、お互いを責め合う責任のなすり合いなど人間的な部分が面白かったです。パートナーシップは良いものですね。

結果;ショーン&ローラ -13(38、-29、-22)、ラリー&自分 -77(-25、-65、13)



ジャイプル Jaipur
(説明 15分 プレイ時間 55分)
Jaipur-withLarry.jpgジャイプルは2人用ゲームの傑作として名高く、コスモス2人用ゲームの黄金時代を思わせるようなつくりです。6種類のカードを対応する得点チップに交換していくのですが、最初に交換するほど得点が高くなっており、また一度に3、4、5枚を交換するとボーナスの得点チップがもらえます。

手番にはカードを場札と2枚以上交換するか、場札を1枚取って手札に加えるか、場札のラクダカードを何枚でも好きなだけ手札に加えるか、カードを捨てて得点チップを得るかの4通りです。場札は常に5枚なので場札から手札に加えた場合には山札から補充されます。このとき相手の欲しいカードが出てしまうかもしれません。おもしろいのは全部で11枚あるラクダカードの存在で、これは手札上限に数えずに自分の前に表にして置いておき、場と交換するのに使えます。また、ラクダカードを最後に多く持っていたプレイヤーにはボーナス点が入ります。ラクダだけは何枚でも一度に取ったりプレイしたりできるのが、ゲームに心地よいダイナミズムをもたらしています。

2種類の得点チップが尽きたらゲーム終了。得点を数えて勝者を決めます。これを全部で3ディール行い、2ディール先取でゲームに勝利となるのです。

ラリー持参のゲームの第3弾です。1ゲーム目は78対69で勝利しましたが、2ゲーム目、3ゲーム目はそれぞれ76対80、85対89で負けてしまいました。自分がボーナス得点チップを取ろうとすると、相手にも取らせることになるので僅差になり易いのかもしれません。

結果:ラリー 2、自分 1

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