DCゲーマーズ 2005.12.03

フリント船長の財宝 Der Schatz des Käpt'n Flint
(説明 10分 プレイ時間 5-10分)
DerSchatzDes Kaept'nFlint.JPG日本のウェブサイトでは好評なクニツィアの新作ですが、まわりでは誰も持ってないし、聞いたこともないといいます。この辺の国の違いによる温度差というのは面白いもので、確かにボードゲームギークでは見向きもされていません。怪訝そうな顔をするみんなを前に、5人で出来る短時間ゲームということで出してみました。6つの島にある20余の宝箱をカードで奪いあい、得点の高い宝箱を獲得することを目指します。

テーブルに6つの台形の島ボードを並べて輪にします。この並べた感じはなかなかユニークで、写真で一目見ただけでそれとわかります。それぞれの島に宝箱(価値1-7)を3-4個ランダムに置いてから表向きにして価値が見えるようにします。またフリント船長の亡霊(黒)とベンガン(赤)のコマはそれぞれのスタートの島に置かれます。各プレイヤーはまったく同じ手札(1-7と大砲)を持ってゲーム開始。

手番には好きな島にカードを裏向きに1枚置きます。このとき、その島の裏向きだったカードは表向きになります。つまり最後に置いた手札以外は表向きなのです。このあたり、古代ローマの新ゲームに収録されているローマ七丘を思わせます。表向きにした札が大砲だと、今置いた裏向きの札は大砲に吹き飛ばされて大砲とともに捨て札になります。(一緒に吹き飛んだ札は公開なのでしょうか?今回は非公開としました。)大砲でない場合は、そこにフリント船長の亡霊、またはベンガンがいれば、それぞれ時計回り、または反時計回りに隣の島に進めます。

この2つのコマのどちらかが一周して元の島に戻るか、全員の手札がなくなったら終了。フリント船長の亡霊のいる島では亡霊のせいで宝箱は取れません。逆にベンガンのいる島はベンガン自が10点の宝箱として扱われます。置かれたカードの数値合計が一番高いプレイヤーから価値の高い宝箱を取っていき、余った分はすべて一番のプレイヤーが取ります。またタイブレークもスマートで時計回りに隣の島の勢力がタイブレークになります。

フリンケピンケのように、ゲーム終了をコントロールするゲームです。大砲の使いどころも面白く、人間国宝ベンガンの争奪戦もなかなかです。カードは裏にすると誰のだかわからないので記憶力も大切です。同じ島に2枚置いて2人が争っているように見せかけるなんてことも出来そうですね。

短いので続けて2回プレイしました。この手のゲーム終了をコントロールするものは大好きなので、僕は面白いと思ったのですが周りの反応は今ひとつ。90年代初期から中期のクニツィアっぽいゲームで、古代ローマの新ゲームに入っているゲームだと言われたら信じそうです。個人的には気に入りました。

結果:
1ゲーム目:ダグA 21、ゲーリー 21、ルース 16、自分 13、マークH 9
2ゲーム目:ダグA 22、自分 14、マークH 14、ゲーリー 13、ルース 4



キャッシュ アンド ガンズ Cash 'n Guns
(説明 10分 プレイ時間 10分)
Cash'nGuns.JPGここで変わったコンポーネントが目を引くキャッシュアンドガンズ。なんとスポンジで出来たおもちゃの銃が人数分付いてきます。また各自好きなキャラクターを選び、キャラクターをスタンドで自分の前に立てておきます。(キャラクターには特殊能力などはありません。どれも同じです。)手持ちのカードは銃の弾をあらわしており、空砲カードが殆どですが、発射カード(バン!)が2枚と早撃ち発射カード(バンバンバン!!)が1枚あります。

各ラウンドにはお金がプレイヤー数と同じ枚数だけめくられます。このお金をみんなで撃ち合って争うのです。銃に弾を込めるかどうか決めたら(つまりカードを選んだら)、カードを伏せます。それから合図とともに全員一斉に持っている銃を他のプレイヤーの誰かひとりに突きつけます。ドキドキしますね。

狙われたプレイヤーはここで逃げることができます。もし相手のカードが空砲なら逃げなければ分け前がもらえますが、実弾だと傷を負ってしまいます。傷を3回負うと死亡でその後参加できなくなるので時には逃げることも大切。ワン・トゥー・スリーの合図とともに自分のキャラクターを指ではじいて倒すと逃げたことになります。そのあと逃げもせず撃たれもしなかったプレイヤー間で現金は山分け、半端は次のラウンドに持越しです。

軽いゲームですが、まさにタイトルどおり現金と銃。このストレートさが気持ちいいです。普通なら飾りとしか思えない銃や、キャラクターを立てるスタンドなどのコンポーネントがちゃんと役に立っているのも素晴らしいです。

今回は2度プレイ。最初現金がまったく山分けに出来ず、2ラウンド目には大量の現金が山分けにされました。稼いでいるとみんなから狙われるので、中盤までは適度に目立たないようにするのがよいでしょう。

結果:
1ゲーム目:ルース 105、ダグA 95、ゲーリー 90、自分 60、マーク 50
2ゲーム目:マークH 195、ルース 165、自分 25、ジェイソン、10、ゲーリー 10



フェットナップ Fettnapf
(説明 5分 プレイ時間 10分)
Fettnapf.JPGボックスには5人までと書かれているのですが、6人でも問題ないとのことなので6人プレイ。10から30までを行ったり来たりするカウントアップ&ダウン系のカードゲームなのですが、記憶のゲームです。数字カード(0-9)を3枚ずつ配った後、地雷カード(10-30:本当は地雷ではないのですが説明のためにこう書きます。そのほうがわかりやすいので)をみんなに1枚ずつ配ります。お互いに地雷の内容を見せ合って確認してからスタート。そのあとゲーム中地雷カードは各自隠して手札に持っているので、他のプレイヤーが持っている地雷の数字を覚えなければなりません。(写真の右が地雷カード。左が数字カード)

カウントは10から始まり、出した数字カードをそれまでの合計に足していきます。手札の数字カードは常に3枚。ここまではノイそのものです。合計値を宣言した後、うっかり誰かが持っている地雷カードの数字を言ってしまうとアウトです。そのプレイヤーは手札の地雷カードを見せて証明してきますが、また手札に戻るのでゲーム中はずっと地雷のままです。ただし自分が持っている地雷カードは安全です。わざと自分の地雷を宣言して、相手の記憶を混乱させるのです。

30を越えると今度は10を下回るまでカウントダウン。下回るとまたカウントアップと続いていきます。このとき、折り返したプレイヤーの右隣のプレイヤーは新しい地雷カードをもらえます。こうして地雷はどんどん増えていき、地雷を4回踏んだ人の負けです。

昔、キャンプなどでやった「数字を1から順番に言っていきましょう。でも3の倍数と1の位や10の位に3が付く数は言ってはいけません。かわりに手をたたきましょう。」とかいった感じのゲームに似ています。これで間違えるのは注意力が足りないんじゃないのか?なんてよく思ったものですが、今回は記憶という要素が入ります。でも慣れると覚えられちゃうんですよね。みんなそうみたいで、必ず地雷を踏むってわかっているのに出さなければならいのがつらいところ。2度目にプレイしたときなど、誰が持っている地雷か?まで殆どわかってしまって、結局みんな同数だけ地雷を踏むことになって、最後は運みたいになってしまいました。このゲームは地雷なのかも。




レイルロード タイクーン Railroad Tycoon
(説明 30分 プレイ時間 2時間55分)
RailroadTycoon2.JPG先週のお試しプレイで慣れたのと、鉄道ゲームが嫌いなラファエルがいないこともあってホストのジェイソンが持ち出してきたマーティン・ワレスの新作。ビデオゲームに同名のタイトルのゲームがあって、どうもそれをもとにしているらしいです。ワレスの代表作でゲーマーズゲームの筆頭に上げられる蒸気の時代をファミリーゲームっぽく簡略化したゲームです。

まず非常に大きなボード。普通のドイツ系のボードの3倍くらいはあるのでしょうか。そこにアメリカの東半分が描かれています。システム的の中心はやはり産物輸送(ピックアップアンドデリバリー)。スタートプレイヤーをオークションで決めたあと、線路を引いたり、エンジンレベルをあげたり、都市化したり、特殊カードを買ったり、産物輸送をしたりします。蒸気の時代との大きな違いはこれらの行動が各フェイズに分かれているのではなく、どれか1つ選んで行うというところです。全員が3回手番を行ったところで収入と支出の計算をし、再びスタートプレイヤーを競り合います。ゲームが進むにつれて都市に産物がなくなると、プラスチック製の給水等や踏切など鉄道に関係したマーカーを置いてその都市が空になったころを表します。ある一定数の都市が空になるとゲーム終了です。

RailroadTycoon3.JPGプレイするとやはり蒸気の時代と比べてしまいます。蒸気の時代はゲーム序盤にミスをすると取り返しが付かないと言われますが、レールロードタイクーンは金銭的にはゆるいといえ、やはり同様の気がします。またマップが広すぎるので、最初に違う場所で始めてしまうとそのプレイヤーとは全く関わりがなくなります。さらに拍車をかけているのが、自分のネットワークは常につながってなければならないというルール。蒸気の時代では、まったくの空白地帯に誰でも自由に路線を敷くことができるので後半はなかなか面白いネットワークができたのですが、そういうことがなくなったのは残念です。このルールのおかげでルースは僕に完全にブロックされて身動きができなくなってしまいました。とにかく、このソロプレイ感の高さのおかげで、スタートプレイヤーになるメリットも薄く、競りの意味があまりないように思えました。

レールロードタイクーンに付け足されたものに特殊カードがありますが、これもどのカードが出てくるかの運がかなり大きく、たまたま自分のエリアのカードが出てくるかどうかでがらりと変わってしまいます。まあこれはファミリーゲームとして捉えればいいのだと思いますが、長時間ゲームとしては運の要素の高さが気になります。

あとは川を越えるルールがあいまいに思えることと、都市の色が非常に識別しにくいこと。都市の色と産物の色が一致しないことなど、コンポーネントのプレイアビリティーはよくありません。空になった都市を示すマーカーも大きくて格好はいいのですが、その下の都市の情報を隠してしまい使い勝手は悪いです。長時間ゲームなので、これをプレイするんだったらやはり蒸気の時代のほうがいいかなと思います。でも僕以外のメンバーには結構好評だったので、興味があったらプレイすると良いと思います。

結果:マークH 70、ゲーリー 55、自分 52、ジェイソン 48、ルース 48、ダグA 42



カウントダウン Count Down
(説明 3分 プレイ時間 15分)
CountDown.JPG日本のゲームをやりたいというジェイソンの意見で持ってきたカウントダウン。運だけのゲームなのですが、最後の勝者を決める「じゃんけん」というルールにみんなびっくりしていました。5人だと同じプレイヤーが2つステージでマイナスを取ると必ず最低2人は無得点になります。今回もそういった展開となり、最後はじゃんけんで決めました。




テケリリ Tekeli-li
(説明 10分 プレイ時間 30分)
Tekeli-li.JPGさとーさんがはるばるとワシントンDCまで送ってくれたゲームです。クトルフ神話を舞台にしたトリックテイキングでキャンセレーションハーツをダウンサイジングしたようなゲームです。僕自身はクトルフ神話についてはまったく知らないのですが、絵柄もきれいでカードの質もなかなかと思います。

トリックテイクは文化として根付いてしまっているので、「取った札は公開なのか、非公開なのか?」、「カットはしなくていいのか?」などルールに書かれてないことを質問されて困りました(追記:ルールには取ったトリックは非公開と書かれています。読み飛ばしていました、すみません)。基本的には取ったトリックは非公開のゲームが多いので、今回も非公開とし、他は普通のトリックテイクのルールに従いました。(ディーラーがシャッフルして、右隣がカットする、とかそういうことです)

ゲーム自体はちょっと変わったトリックテイクですが、キャンセレーションハーツは何度かプレイしているので、それほど新鮮ではありませんでした。でも僕以外はキャンセレーション未プレイだったので、意外性があって面白いと言ってました。得点が覚えにくいので10の倍数でなく、青は1点、黒の6という最も高いマイナスは24点としてくれたほうがわかりやすかったかな。あとリードはトリックを取ったプレイヤーの左隣というルール少々煩雑に思えました。次回からは普通にトリックを取った人がリードで良いのでは、と思います。

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