ウォルドーフゲーム会 2003.12.12

毎月第2金曜日にメリーランド州ウォルドーフ Waldorf, MD という町で行われるゲーム会に参加しています。月に一度ですが、7時から夜中の12時過ぎまでたっぷりゲームを楽しめます。おととしの10月にゲームパーティーで知り合った方々に誘われて、ここのゲーム会に行き始めたのですが、皆恐ろしいほどゲームを持っているので、ここで知ったゲームも多いです。今回、12月12日はクリスマス前ということもあり、参加者は少なめで9人でした。

まずはパルミラ Palmyra でウオームアップ。クニツィアには珍しい経済シミュレーションのゲームです。このゲームは慣れれば30分で終わることもあって、一時期よく昼休みにプレイしました。プレイヤーは商人となり、パルミラの町近くで赤、黄、緑の3種類の壷を売買してお金を稼ぎます。手番には壷を売買してカードをプレイするだけなのですが、コミカルな絵柄にもかかわらずジレンマが多いです。

まず売買には厳しい制限があって、一度に3種類を1つずつか、1種類を2つまでしか売買できません。壷はパルミラの町から一列に並ぶ数字の上に並んでいて、数字が壷の時価をあらわしています。パルミラの町では2、一番遠方では30です。常にパルミラの町に近い壷から買うことになっているので、皆で買うと値段がどんどん上がります。同様に、皆で売るとどんどん下がります。買うと高くなり売ると安くなるという基本的な経済観念がうまくシンプルに表されていて、初めて見たときには感心しました。このシステムはオイルゲームのマックマルチにもありますね。

その後カードを一枚手札からプレイします。カードによって特定の壷の価値が変わったり、ラウンド終了時のボーナスが約束されたりします。一定の枚数のカードがプレイされるとラウンド終了。こうしてプレイを続け、3ラウンド終了後、順番にすべての壷を売ってゲーム終了です。

今回はベン、マイク、ハリーとの4人プレイ。うまく流れに乗って買い過ぎず売り過ぎずで僕が勝利しました。特に3ラウンド目はどこで売り始めるかなどなかなか悩ましいです。税金カードはモダンアートの”=”カードのように少々強すぎるかもしれませんが使い方が難しいのでバランスは良いと思います。コンポーネントの壷が倒れやすいのが難点でちょっと誰かがボードを動かして壷が殆ど倒れてしまったことが数回あります。気をつけましょう。

101_0105.JPG

中盤戦、黄色の壷は売り切れ。これからが勝負。


続いて今日のメインでもあるアメンラー Amun-Re です。これは最近かなり気に入っているゲームで、今月もう4回もプレイしています。一般にクニツィアの重めのゲームはちょっと取っ付きが悪いものが多く、チグリスユーフラテスやモダンアートも初めは何が面白いのか分からなかった記憶があります。同様に、このアメンラーも初めはあまりよく分からずに終わってしまい、さらにこのゲームの場合は特殊カードが12種類もあるので、特殊カード嫌いの僕としては抵抗がありました。しかし実際にプレイを続けていくと、カードは絵だけで簡潔なのでそれほど気にならなくなりました。むしろ、このカードがかなり重要でちょうどカタンの開拓の発展カードのような役割を果たします。全体の流れも非常にダイナミックで2種類の競りが楽しめることもあって素晴らしいです。

ゲームは6ラウンドで前半、後半の3ラウンドずつに分かれており決算は前半、後半終了時の2度しかありません。お金は勝利点ではなく、お金でピラミッドを建てて初めて勝利点となります。この辺の勝利点とお金の関係はプエルトリコなどにも使われてますね。

各ラウンドでプレイヤーはまず土地を一つ得ます。これはエボ Evo などにも使われたところてん式の競りです(第一の競り)。つまり、他のプレイヤーにオーバービッドされると他の土地をビッドしなければなりません。その後、自分の土地に農民を雇ったりピラミッドを建てたり、あるいは特殊カードを買ったりします。農民はお金をもたらし、ピラミッドは勝利点をもたらします。その後、アメンラーにお金を捧げます。これは同時入札です(第二の競り)。多く捧げたプレイヤーは追加で農民やピラミッドや特殊カードを得ることが出来ます。さらに、捧げられたお金の総額によって農民がもたらすお金の額が決定します。

ところてん式の競りと農民、ピラミッド、カードの値段は算術級数的(1、3、6、10、15・・・)に高くなっていきます。この辺がエボの競りと比べて緊迫感がありよく出来ているなと思います。もう一つの同時入札は追加のアクション、稼げるお金、神殿の価値、らくだのいる土地の価値など非常の様々な要素が絡み合っているので悩みます。ジレンマ全開という感じですね。

さらに面白いのは前半の決算のあと、ピラミッド以外はすべてリセットされることです。農民はすべて消えて、土地は誰のものでもなくなります。つまり自分の建てたピラミッドは後半は誰のものになるかは分かりません。では前半ピラミッドを建てないほうが良いか、というとそんなことはなく、ある程度前半でも点をとらないと勝てないような気がします。後半のピラミッドがたくさん建っている土地をめぐるビッドは熱いです。

今回はベン、ハリー、マーク、マイクとの5人プレイです。5人だと土地が全部使われるので一番面白いと思います。前半戦はラクダのいる乾いた土地を得て、捧げものを全くせず(3盗むだけ)ラクダで稼ぎました。後半戦最初の4ラウンド目、まず農民の2人いる土地を得て資金を潤沢にし、5ラウンド目でピラミッドが一番建っているメンフィスを36の高額で競り落とし、(このビッドは熱かったです)最終的には47点で勝利しました。決算で使える特殊カードには殆ど恵まれなかったのですが、それでも戦えるものなんだなあと思いました。2位は、このゲーム初プレイの同居人、ベンです。彼のゲーム感はすごいです。

101_0106.JPG

終了時の状態。メンフィスをめぐるビディングは熱かった。


その次は隣のテーブルのラチッタが終わるまでということで、軽めの競馬ゲーム、全く汚い競馬ゲーム The Really Nasty Horse Racing Game をプレイ。以前一度だけマークの家で3人でプレイしたときには僕の一人勝ちで2位との差が1000倍(!)にもなってしまいました。いやー競馬は恐ろしいですね。今回は5人プレイであまり差が付きませんでしたが(2レースだけだったので)運良く勝ってしまいました。このゲームは特殊カードだらけで、それも他の馬を転倒させたり、逆送させたり、ひどいのになるとレースから除外させたりできるので、本気で怒ってしまう人も多いかもしれません。たまにやる分には面白いと思います。コンポーネントの馬は良く出来ています。

101_0107.JPG



101_0108.JPG

馬は良く出来てます


101_0110.JPG

毎レース、こうして馬の種類とレートを書きます。


最後に6人でバン! Bang! をプレイしました。名前はよく聞くのですが実物を見るのもプレイするのも初めてです。ちょっとマフィア/汝は人狼なりや? Are You Werewolf? に似ていて特殊カードのやや多いパーティー系のゲームです。確か自分はならず者だったと思うのですが、今日ずっと勝ち続けていたため狙われて死亡。これだから個人攻撃できるゲームは・・・ でもまあ楽しかったです。その後ライアーズダイスがプレイされていたようですが、同居人の都合もあり一足先に帰りました。1月が楽しみです。

101_0111.JPG

SHARE