友人宅ゲーム会 2003.11.09 後編

先週の日曜日(11月9日)のプレイレポートの続きです。Nautilus が終わったあとはいよいよメインの長時間ゲーム、電力会社 Funkenschlag です。前回は4人でしたが、2回目となる今回はマーク、ウエンディとの3人プレイです。最近プレイしたばかりなので、ルールをほぼ把握しており、すぐにゲームを始められます。最近よく思うのですが、あるゲームが面白いと思ったら、続けて何度かプレイするのが良いですね。

このゲームはマークの所有ですが、付属で付いてくるボードは箱に入りきらないなど色々な不具合があり、BoardGameGeek などから、拡大/縮小したボードをプリントアウトして、ガラスやロードアンドボート Roads and Boats についてくる透明なプラスチックのカバーなどをかぶせてクレヨンの代わりにマジックインキを使って電線を引くプレイヤーが多いようです(Counter Magazine より)。マークの場合は額縁とガラスを使って、一回り拡大したマップをはさんでインクでガラスの上に電線を張っていくようになっています。クレヨン鉄道ならずインク電線ですね。間違えたときには湿らせたティッシュで拭けばきれいに消えます。

前回のレポートでは概要と雰囲気しか書かなかったので、もう少し細かいことを書いてみようと思います。各ラウンドでは、発電所の競売、燃料購入、電線引き、そして電力供給の順に進んでいき、プレイヤーの1人が20都市接続を果たしたラウンドで終了となります。その最終ラウンドでもっとも多くの都市に電力を供給したプレイヤーの勝利です。同数の場合は所持金の多いプレイヤーの勝利となります。

発電所はこのゲームのもっとも大切な部分です。1番から60番まで49個あります(40以降は欠番があるので)。番号は定価を表しており、それぞれの発電所はそのタイプ(石炭、石油、石炭石油のハイブリッド、風力、リサイクル、原子力、未来の燃料)と供給可能な都市数と効率(石炭3で5都市供給など)が書かれており、番号の高いものほど効率が良いです。

ラウンド最初の競売は、手番に、8つ並んでいる発電所のうち定価の低い4つのなかからひとつ競りに掛けるかパスします。競りに掛けるときには初めのビッド(定価以上)を言わなければなりません。誰かが競り落とすと、発電所を1つ足して、再び8つにしますが、競りの対象になるのは常に8つのうち定価の低い4つだけです。なお手番にパスをするとそのラウンドでは発電所が買えません。発電所は1ラウンドに1つしか買えないこと、合計で3つまでしか持てないこと(4つめを買ったら1つ破棄する)、誰も欲しくない発電所を競りに掛けると自分が買う羽目になってしまうことなどが、とてもうまくできています。フィレンツェの匠のようなラーのような不思議なシステムです。

燃料は手持ちの発電所に応じて、石炭、石油、ごみ、ウランなどを買いますが、各発電所が使用できる分の2倍までしか買えないこと、手番が後だと価格が上昇することなどうまく出来ています。何人かで同じ種類の発電所を持っているとどんどん燃料の価格が上がってしまいます。風力は燃料が全く要らないので良いように見えますが、供給できる都市数が多くないので最終的にはそれだけでは勝てません。

電線引きはクレヨン鉄道式です(他のクレヨンゲームをプレイしたことが無いので細かい違いなどはわかりませんが)。地形によってコストが変わりますが、基本的に最短距離で都市と都市を結ぶことを目指します。思ったほどわずらわしくなく、よくできています。

そして最後に電力供給と収益回収です。手持ちの発電所と燃料、そして地図上の接続された都市の数によって何都市供給するかを決めます。供給都市数が増えれば増えるほど、収益の上がり方は鈍るので、燃料を保持するために部分的にしか供給しないなどということも、よくあります。

最後に、決められた一定数の燃料を市場に戻して、接続都市数の多いプレイヤーから(同数の場合は発電所番号の高いプレイヤーから)次のラウンドをはじめます。よくできているのは競売以外はすべてプレイ順が逆転(接続都市数の低いプレイヤーから始める)されるので、電線引きや燃料を買うのには他人より一歩遅れていたほうが手番が早くなりかなり有利です。

さらにこのゲームはステップ1、2、3と呼ばれる3つの時代に分かれており、各ステップは誰かが8都市を接続した時点(ステップ1終了)、発電所カードが一巡した時点(ステップ2終了)でラウンド中に突然終了し、次のステップに移ります。重要なのは、ステップ数が各都市に接続できる最大プレイヤー数を表しているので、8都市接続したプレイヤーは一気に他人の都市につなげて合計11都市くらいまで接続できます。(資金があればですが)。このラウンド中に突然ステップが変わるシステムは1830などに似てますね。

これらの手番とステップを巡る攻防で、ゲームは地道に燃料を買って地道に電線を延ばしていくというよりも、むしろ、ここぞというときに一気に燃料を買ったり7-8都市くらい接続させたりするメリハリの利いたゲームになっています。うーむ、素晴らしい。

前回はかなり長い間、接続都市数が少なく、一気に有利に電線を引いて有利に持っていきましたが、今回は皆その辺をわかっているので難しかったです。最初にちょっと高めの発電所(定価6)を買ってしまったのが一つの失敗で、ちょっと資金不足になりました。電線引きはみんなステップ2に向けて他人の都市の隣まで引くことを繰り返すのですが、下手に8都市つないだ直後に、他の競合している都市につなげないとまずいので、みな資金をためるばかりでなかなかつなぎません。僕が一気に8都市をつなぎそのまま2都市余分につなぎ、合計10都市。一気に有利になりました。


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ステップ1終了時。黒が10都市接続


中盤戦(ステップ2)では終盤に向けてどういう発電所の組み合わせにするか、どの都市を結んで合計を20にするかなど考えるうちに進んでいきます。今回はステップ1が長かったのでステップ2は比較的短かったです。このときはこのまま勝てるかなと思ってたんですけどねえ。


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ステップ2終了時


ところがステップ3での終盤戦、なんとか発電所の供給できる都市数を20にしようと思ったのですが、みすみす8都市供給できる発電所をのがしてしまい、供給可能な都市が19どまりに!マークとウエンディは発電所の上では20都市までいき、あとは資金をためて地図上で20都市をつなぐだけという段階です。このとき、はやく20都市つないでゲーム終了にしてしまえば19都市供給で勝利したと思うのですが、それに気づかずにマークが一気に20都市つないで終了。ウエンディーも20都市接続、供給を果たし、持ち金の差でマークの勝利となりました。


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3つの発電所で7+5+7の19都市しか供給できず


発電所がうまく回ってこないときで手番が一番(電線引きが最後)の時には一気に20都市つないで終了を狙うほうが良いみたいですね。そう考えると、勝利条件もうまく出来ています。


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ゲーム終了時の写真。全員20都市接続は果たしたが。


それにしても、このゲーム、長時間ゲームだということを感じさせずに良く出来ています。今回は3時間でしたが、「えっ、そんなに経ったの?」という感じでした。まだまだ入手可能なので興味のある方は是非遊んでみてください。

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