横浜クニツィア会 2020.07.04

RecycleCube20200704.JPG7月からプレイスペースとなったゲームカフェぶんぶんで、Covid-19の影響で中断していた横浜クニツィア会を再開しました。今回が第4回です。前回から始まった「シュピールボックスのクニツィアゲームを遊ぶ」という企画も、2回目となり、今回は1991年3号掲載の「ジロデイタリア」を遊びました。参加者は合計6人と少な目でしたが、「砂漠を越えて」に始まり「モダンアート」に終わるという充実したゲーム会でした。写真はゲームカフェぶんぶんの3階に移動したボードゲームリサイクルCUBEです。以前よりも販売スペースが広くなったので、これから充実していきそうです。(CUBE店長によるプレイレポートはここ




砂漠を越えて Durch die Wüste/Through the Desert (Z-MAN版)
(説明 10分 プレイ時間 45分)
ThroughTheDesert20200704.JPGまずは、キノさんと自分がともに持ち込んだゲーム「砂漠を越えて」です。自分が持ち込んだのは新版の両面ボードで、裏面はバリアントの川が流れているボードです。キノさんはこのバリアントは未プレイだということもあり、こちらを遊ぶことにしました。川はオアシスと似ており、川をキャラバンが超えると5点もらえます。ボードの中央に岩場がないので中央が弱いのですが、その代わりに川があるというバランスになっています。この川が結構曲者で、越えられると思っても他のプレイヤーの同色のキャラバンに妨害されたりと、なかなか良いバリアントだと思います。

初プレイ初参加のKさんがうまい具合に隅を大きく囲って大差で勝利。

結果:K 114、自分 90、キノ 84、ウサギ 66



チーキー モンキー Cheeky Monkey (グリフォン第2版)
(説明 5分 プレイ時間 15分)
CheekyMonkey20200704.JPGチーキーモンキーがついにグリフォン本棚シリーズの仲間入りをしました。このシリーズがまだ続いていたことに驚きましたが、背表紙には19と書かれています。クニツィアはこのシリーズから他に6作を出しています(1:マネー、3:ジェムディーラー、5:ハイソサエティー、7:ロンドン略奪事件、9:マスターズギャラリー、11:ボツワナ)。グリフォンゲームズは、以前は猿の縫いぐるみのパッケージでこのゲームを出していましたが(アークライト初版はその日本語版)、第2版になってコンポーネントも変わりコンパクトになったというわけです。チップは紙製で収納時にはチップは袋から出して収納するようになっています。

ゲームの面白さは変わりませんが、今回は運に見放されて散々でした。ちょっと欲張りすぎたのがよくなかったですね。後半になって、漸くチップが溜まっていき、運よく2種でマジョリティーを取ることができましたが3位どまりでした。

結果:K 23、キノ 21、ウサギ 17、自分 17、ミズキ 9



アムステルダムの商人 Der Kaufleute von Amsterdam
(説明 15分 プレイ時間 75分)
KaufleuteVonAmsterdam20200704.JPGキノさん持込みの、ダッチオークションのゲーム。アムステルダム市内の4地区、世界の4地域、そして4種類の交易品でマジョリティー争いをします。決算が起こるのを見越して、序盤に多く投資をし、このゲームで初めて借金もしてみました。それが功を奏したのか、何度も良いタイミングで決算が起こり、中盤以降はあまり競りに参加することなく、ウサギさんと同点首位です。ゲームが終わった時には1530だと思い自分が単独勝利だと思っていたのですが、あとで写真を検証したら、なんと借金の200を返すのを忘れていました(すみません!)。タイブレークをチェックするのを忘れましたが、おそらく勝利を分かち合うのではないかと思います。決算のタイミングと投資がうまくかみ合わなかったキノさんは辛そうでした。時の進むスピードにかなり翻弄されるゲームですが、また近々遊びたいです。

結果:ウサギ 1330、自分 1330、K 1200、キノ 880



ジロ デ イタリア Giro d'Italia
(説明 5分 プレイ時間 40分)
GiroD'Italia20200704-1.JPG「ジロデイタリア」はシュピールボックス1991年3号に掲載されたゲームです。自転車のスリップストリームを題材にしたレースゲームで、ボードを反時計回りに1周します。プレイヤーは4個の自転車コマと4枚のカード(数値3、5、6、8)、それに3点分の得点チップを持ちます。カードは表向きに自分の前に並べます。スタートプレイヤーから時計回り、そしてラストプレイヤーから反時計回りというようにスタート位置に自分のコマを1個ずつ置いたら準備完了。第1ラウンドです。一番進んでいるコマ(同じならば内側レーン優先)からカードを1枚割り振って進めます。前進しかできませんが、レーンは何度でも変えられます。使ったカードは裏向きにします。こうして全員のすべての自転車コマが動いたら、4枚のカードを表にして第2ラウンドに入る、というように進めていくのです。

第2ラウンド以降はスリップストリームのルールがあります。同じレーンのすぐ前に他のコマがあれば、風をよけられるので次回はスリップストリームの恩恵を受けて3マス余計に進めるのです。恩恵を受けないコマの方が少ないので、それらのコマに風を受けている印のマーカーを置きます。移動はカードの数値ちょうどでなければなりませんが、他のコマのすぐ後ろ、つまりスリップストリームの恩恵に与れる位置で移動を終了するときに限り、数値未満でも構いません。また、得点をN点消費して追加でNマス移動できます。

コースの半分の地点とゴールで、上位3個のコマには得点が入ります。1、2、3位でそれぞれ3、2、1点です。中間点で得た得点は追加移動に使うことができます。ゴールに3個到達したらゲーム終了で、他のコマはゴールまでの最短マス数がマイナス点になります。

GiroD'Italia20200704-2.JPG得点が非常に少ないので、プラスに持っていくように手持ちの得点を使わないでおこうと思ってしまいますが、最後は1マス1失点なので1点使って1マス進むのは同値なのです。よってスリップストリームの恩恵にあずかれる位置に行けるときなどはどんどん得点を使うべきでしょう。

何度か遊んだことがありますが、かなり久し振りでルールを読み直しました。「古代ローマの新しいゲーム/ローマ」の「大競技場」の前身だと思われるゲームですが、違った魅力もあります。得点を使って進めるところは「マルコポーロ」に受け継がれています。完全情報の悩ましいゲームが好きならば試してみる価値はあるでしょう。今回は序盤から良いコース取りができ、自分の2つのコマを交互にスリップストリームさせて中間点とゴールの両方で稼いで勝利。途中ブロックされてしまうとかなり辛いゲームです。

結果:自分 -4、ミズキ&ウサギ -21、K -30、キノ -34



アリストクラシー Aristocracy
(説明 10分 プレイ時間 45分)
Aristocracy20200704.JPGキノさんのリクエストで持ち込んだ「アリストクラシー」です。めくりの要素と「頭脳絶好調スペシャル」のような連結達成の要素、そして交易品のセットコレクションといった、色々な要素がうまく交じり合っている良いゲームだと思います。建物の形が必要もなく3種類あったり、プレイヤーボードに意味もなくキャラクターが両面で選べるように書かれていたり(キャラクターによる差異はない)、本質的にはヘックスボードでコネクションが大切なのに分かりづらい正方形グリッドをずらしたものだったり、となかなか突っ込みどころが多いコンポーネントです。でもゲーム自体は素晴らしく、好評でした。このゲーム、自分はあまり勝ったことがないのですが、今回は各エリアに2個ずつ配置して16点のボーナスをもらって1点差で勝利。Kさんはセットコレクションに力を入れて惜しくも2位、キノさんはあと1個の交易品があれば12点足されて52点だったということで、良い勝負でした。

結果:自分 43、K 42、キノ 40、ミズキ&ウサギ 27



ノアの方舟 Noah's Ark (マッドムース版)
(説明 5分 プレイ時間 各3分)
Noah'sArk20200704.JPG「ノアの方舟」はラベンスバーガーから出版されていた古いゲームです。タイルの枚数が少し少なくなり(36枚→30枚)、2つあったルールのうちルール2がなくなりました。メモリー(神経衰弱)の一種ですが、めくったタイルはそのまま表向きにしておき、自分のチップを置きます。自分、または他のプレイヤーが同じタイルを開けてくれれば獲得できるのです。ただし、その前に方舟のタイルが出ると、表向きのタイルをすべて裏向きにします。たったこれだけなのですが、思ったよりも楽しめます。

結果
1戦目:自分 4、K 3、キノ 2、ウサギ 1
2戦目:ウサギ 4、自分 4、K 3、キノ 3



有限合資会社 GmbH & Co.KG
(プレイ時間 20分)
GmbH&CoKG20200704.JPG「ウィードル」つまりクニツィア版「ピット」のドイツ語版です。「ピット」との違いは、交換枚数は任意で自由に交渉できること、そして中央の1枚とも交換できることです。中央との交換が中心ですが、大量に交換するために他人ともうまく交渉することも大切です。5人で5ディールを遊びました。ここでもKさんが勝利。最後の暴落が面白いルールですね。

結果:K 71、キノ 57、自分 50、ミズキ 42、ウサギ 17



ちらかし放題 Chaos im Kinderzimmer
(プレイ時間 各10分)
ChaosImKinderzimmer20200704.JPGクニツィアの「ドブル」という感じの子供ゲームです。ドブルと異なり、2枚で一致する絵柄があるとは限りません。通常ルールのほか、幾つかバリアントがあり、今回はバリアントBとバリアントCを1回ずつ遊びました。バリアントB「カオス3倍 Chaos hoch 3/Chaos Times 3」はあるタイルの3つのシンボルがすべてほかのタイルに現れているときに、それら4枚を取ることができます。バリアントC「大混乱 Total Verwirrung/Total Confusion」は、めくったカードの3つのシンボルのうち2つは他のタイルにあり、1つは存在しないときに、存在しない物の名前を宣言して3枚を獲得します。どちらも難しい!

結果
1戦目(バリアントB):K 13、キノ 6、自分 3
2戦目(バリアントC):ウサギ 11、自分 8、キノ 7、K 6



モダンアート Modern Art (ハンスイムグリュック初版)
(説明 10分 プレイ時間 70分)
ModernArt20200704.JPG最後は名人も登場したところで「モダンアート」です。1ラウンド目からかなり荒れて5種類の画家が登場しました。自分は損を承知でヨーコを1枚5ドルで買って紙くずになってしまいました。またダブルオークションが手札に多くてかえって使いづらい展開で、ダブルオークションカードを単体で4枚目として出すということが2回くらいありました。何度やっても本当に素晴らしいしびれるゲームです。公開競りでは次の手番であるウサギさんに競り落とさせたら終わってしまうという危惧から、損を承知で無理やり競り落としたりと、なかなか辛い展開が続きます。

Kさんは初めてでしたが、すぐにコツを飲み込んだようで、適正な価格で購入しておりなんと優勝です。自分はおそらく途中までは勝っていたと思うのですが、目を付けられて自分のカードをなかなかみんな高く買ってくれなくなりました。特にクリプト2枚をキノさんに58くらいで叩き買いされたのが痛かったです(自分はそのあと別のクリプト1枚を60で買ったというのに)。この日の有終の美を飾るにふさわしいゲームでした。

結果:K 448、キノ 442、自分 431、ウサギ 370、名人 370



次回は8月の予定です。シュピールボックスシリーズは1991年4号掲載の「フリント船長の財宝」という2人用のアブストラクトゲームです(ピアトニクから出版されていたゲームと同名ですが、まったく異なるゲームです)。

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