リゴレ 2019.03.01

フランチャイズ Franchise
(説明 25分 プレイ時間 75分)
Franchise20190301-1.JPG「胡椒袋/豪商 Pfeffersäck」のリメイクということだけは知っていましたが、だいぶ異なるゲームです。ボードには多くの大都市が描かれ、それらが様々な経路で繋がっています。この繋がり方が尋常じゃないくらい複雑怪奇で、すぐ隣りに見えて非常に遠回りをしないとたどり着けないなど、まさに「ごちゃごちゃ電話」状態です。これでも「胡椒袋」よりは経路に様々な数字が書かれていないだけプレイアビリティは高いですが、それでもこれはなんとかならなかったのか、と思います。混乱するコンラードです。

Franchise20190301-2.JPGプレイヤーの目的は自分のフランチャイズを全米に広めることです。大都市には円盤が置かれており、その上で2−7マスくらいのスペースでコマを置くエリアマジョリティー争いをします。ここにコマを置くと手番毎にもらえる収益が上がりますが、コマが置かれれば置かれるほど収益が下がっていくので、いろいろな大都市にコマを置くことが収益面では大切です。しかし、ほかの都市にコマを置くときは経路のお金を払わなければなりません。すでに自分のコマがある都市に追加するときは1ドルですみます。大都市の円盤が埋まると決算です。変わっているのは真の意味でのエリアマジョリティー、つまり過半数を取っていないと得点がもらえないということです(通常のいわゆるエリアマジョリティーは、実はエリアポラリティー(最多争い)であり、過半数がなくても良い)。過半数がいないときは最多プレイヤーが少しだけ得点できます。そして、置かれたコマはこんどはアメリカの地域ごとの争いに使われるのです。大都市の決算で過半数を取ったプレイヤーは1つしか残せませんが、それ以外のプレイヤーは全てを残せます。地域も全てのその地域の大都市が決算されると決算します。こうして地域が2つを除いて全て決算されると終了です。

なんとも奇妙なジレンマのゲームで、コンラッドらしいといえばらしいです。大都市では収益のために1つしか置きたくないけど、決算で勝つためには置きたい、でも勝つと今度は地域の争いでは1つのコマ以外は無駄になってしまうので、やっぱり置きたくない、といったいどっちなんだというかんじです。結局どちらでもあまり変わらないような気もします。バランスをとりすぎると、こういったジレンマのゲームが生まれやすいのではないでしょうか。

収益も都市の空きマス数を元にしますが、それをさらにチャートで変換するので、あまり大きな差が出ません。なんというか思いっきりに欠ける経済ゲームです。

そうはいっても90年代風味でなかなか楽しめました。シミーズさんが最後に見事に3エリア決算を決めて勝利。これは鮮やかでした。

結果:シミーズ 79、自分 49、名人 37

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