ボードウォーク 2011.01.23

ボードウォークは東京中央区の月島で行われている老舗のゲーム会です。1997年頃に一度だけ行ったことがあるのですが、それ以来実に10数年振りの参加です。今年初めての例会なので、新年らしく伝統ゲームを遊ぶということらしく、会場は和室でした。期待していた手本引きはありませんでしたが、初めて投扇興が遊べて満足です。その他には誘い合わせたtswさんと一緒に、ラーや歴史の糸車といったクニツィアのゲームに加え、tswさんおすすめのゲームもいくつか遊ぶことができました。夜には新宿のゲームスペース柏木に行き、トランプゲームをいくつか遊びました。



投扇興 Tosenkyo
Tosenkyo.jpg日本の伝統遊びで、扇を開いたまま投げて、ターゲットである蝶に当てて、その落ちた形で得点が決まるという実に風流なゲームです。まず、床に直方体の木箱を置き、その上に蝶を立てます。蝶には両端に糸がついており、その先に鈴がついています。プレイヤー2人は向き合って、そこから開いた扇5つ分離れて正座します。お互いに5回ずつ扇を投げて、その結果の扇と蝶と木箱の位置によって得点が決まるのです。基本的には、単に扇で蝶を落とすだけでなく、蝶が扇の上に乗ったり、扇が木箱にもたれかかったりと、絡みが多いほうが得点が高いです。

堀田さんが持参したもので、投げ方や作法などを教えて頂きました。最初は蝶に当てるのもままならず、0点が続きます。かなり練習をさせて頂いた後、やっと蝶にまともに当てることができるようになってから、2回ほど遊びました。点数は忘れましたが、時折6点や8点などが取れて、なかなか楽しめました。やはり見るとやるでは大違いで、思ったよりもずっと難しく、また練習しがいがあるなあと感じました。




交易王 海の英雄 Handelsfürsten: Herren der Meere
(プレイ時間 25分)
Handelsfursten20110123.jpgここで、隣のテーブルのビール侯爵と同じタイミングで終わるようにと、時間調整も兼ねての交易王です。個人的には近年のベストゲームの1つなので、いろいろなところに持ち込んでいます。今回は自分は船を1艘追加で購入しただけのシンプルプレイでしのいで、なんとか勝利することができました。

結果:自分 60、堀田 54、薔薇の騎士 40、イトウ 39



ラー Ra
(プレイ時間 50分)
Ra20110123.jpgtswさんと一緒にプロトタイプ版のラーをプレイ。タイル構成などは同じですが、モニュメントに色がついていたりとデザインの軌跡をみることができるのが醍醐味です。ファラオの枚数が最小のときの失点はプロトタイプ式にマイナス3で遊びました。tswさんが大量にナイルタイルを獲得しており、ナイルの洪水をめぐる攻防などがあって非常に面白かったです。2ラウンド目ではどうにか洪水を食い止めたのですが、3ラウンド目で洪水を獲得したtswさんが勝利。自分は5人ではほとんどやったことがないモニュメントを集めて8種揃ったのですが、それまでの点数が低くて3位どまりでした。5人はコントロールできずに難しいのですが、それでもやはり良いゲームだと感じました。終わったときには、この日はこれ以降ラーだけ遊んでいれば良いや、という気持ちになったくらいです。

結果:tsw 47、薔薇の騎士 39、自分 27、堀田 21、イトウ 8



ハバナ Havana
(説明 15分 プレイ時間 35分)
Havana20110123.jpgハバナはシュタウペのゲームです。各プレイヤーには13枚の同じ構成のカードが与えられ、それぞれのカードには特殊能力と0-9の数値が書かれています。0や1などの小さな数値は特殊能力も弱く、8や9などはパワフルです。最初のラウンドではこれらを2枚、それ以降のラウンドでは、出してある2枚のうちどちらか1枚を上書きすることによって、毎ラウンド2枚のカードを使ってリソースを獲得していき、集まったリソースの組み合わせで得点カードを得るのです。面白いのが手番順解決法で、2つのカードの数値で2桁の数字をつくり、それが少ないプレイヤーから手番を行うのです(言い方を変えれば、最も低い数値カードを出しているプレイヤーから始め、それが同じときにはもう1つのカードの数値でタイブレークになる)。これによって、強いカードほど手番が後になり不利になります。さらに同じカードでも先番の方がアクションが有利になっていたりと、なかなか悩ましいです。これらのカードプレイはすべて同時出しで、特に2ラウンド目以降はどちらのカードを残すかが全員にわかっている状態でもう一つのカードを伏せて出すというのが程よく戦略を立てられて良いなあと思いました。

場の中央にある2列の得点カードは、常に端の4枚だけがリソースで購入可能です。1列に2枚になると、その間に新規にカードを並べるので、ある程度のプランニングができるようになっています。ゲームの目的は得点カードを15点分買うことです。

tswさんが持参してくれたゲームの第1弾。最初は箱絵の雰囲気からキューバかと思いましたが(どちらも自分は未プレイ)、キューバよりずっと良いゲームだとのことです。リソースの獲得(ストックから、場から、あるいは他人から)などがすべてこのカードで行われる為にかなり最初は難しいと思います。場の中央にある得点カードが求めるリソースも様々で、もう少しリソースを整理しても良いかなあとも思いました。カードプレイの部分はなかなか面白いので、また近いうちに遊んでみたいですね。

結果:薔薇の騎士 15、tsw 13、自分 10、イトウ 5



フレッシュフィッシュ FrischFisch
(プレイ時間 35分)
FreshFish20110123.jpgここで個人的に気に入っているフレッシュフィッシュを出してみました。距離を短くするのが目的で道路は自動的に作られると言うパズルチックなゲームです。道路建設の見落としが起こりやすくて、慣れていても時々ひやりとすることがありますが、パズルが好きだと言う大島さんが道路建設の助けをしてくれました。個人的にはやはりすごく面白いゲームだと思います。

結果:tsw -4、自分 -4、イトウ 4、大島 4



歴史の糸車 Das Rad der Geschichte
(プレイ時間 40分)
TheWheelOfHistory20110123.jpg「古代ローマの新しいゲーム」は14ゲームがセットになっているという珠玉の作品ですが、その完全日本語マニュアルを作ったのがtswさんです。そのtswさんと一緒に「古代ローマ」を遊ぶというのがこの日の目的の一つ。今回は、最初に記されている「歴史の糸車」を遊びました。最近はこれの簡易リメイクであるブンテルンデばかり遊んでいましたが、歴史の糸車もまた別の面白さがあります。3人だったので3回遊んで合計点を競いました。

結果:自分 33、tsw 31、イトウ 27



ユルヘンとモンスター Julchen und die Monster
JulchenUndDieMonster20110123.jpgメルクルが作ったという、ババ抜き(オールドメイド)をもとにしたカードゲームです。目的はババに当たるのが最大数値8のジュリエットカードをゲーム終了時に持っていること、あるいは攻撃によって相手から奪うことです。手番には山札から1枚引くか、他のプレイヤーの手札から1枚引くか、0-5(モンスター)の同数値のカード2枚を捨てることによってジュリエットを食べるという攻撃ができます。攻撃は他のプレイヤーから1枚引くだけなのですが、大きな違いはここでジュリエットを引くと即座に勝利となることです。このとき、相手は抜かれる前に6(武器)を捨てて攻撃を防ぐこともできます。

手札の持ち方に独特の制限があり、手札の数値を左から右に見た場合に極大が1つでなくてはなりません。つまり、Unimodal(一峰性)になっていなければならないのです。これは、増加しているか、減少しているか、増加して減少しているかのどれかということになります。これによって8のジュリエットカードは手札のどの位置にでも置くことができるのです。雷の7かジュリエットの8を他のプレイヤーから引くと手札の順序を変更できます。

なにか懐かしい感じがするなあと思ったら、以前考えたことがある2人ジジ抜きと似ていました。2人で遊ぶときに山札を作り、手番には相手から引いてから山札から引くようにすることと、手札は左から右に増加するように持っていなくてはならないことなどというルールで遊んでいました。同じようなことを考えるもんだなあと妙に感心しました。

手札のルールなどプレイヤー間の信頼に頼っている部分も大きいゲームですが、なかなか面白かったです。ただ、折角相手の手札がわかってきても、かなり頻繁に手札順序の変更が起こるので、これはもう少し少なくても良いような気もしました。

結果:tsw



ペンギンパーティー Pingu-Party
最近のクニツィアのカードゲームではポイズンと並んで双璧を成すと思われるペンギンパーティーです。いや、そう思っているのは、新版の携帯ポーチ版で両方を持ち歩いているからだけかもしれませんが。一見なんの変哲も無いカードゲームのように見えて、実はかなりシビアな生き残り競争になっているのです。この辺りは、グランドナショナルダービーっぽいかなあと、最近は思うようになってきました。結果は書き忘れてしまったのであしからず。4人プレイだったのは覚えています。



ベリシネベリシ Verish' Ne Verish'
この日のボードウォークの最後は、草場さんを交えてのベリシネベリシです。何度やっても雲をつかむようなプレイ感覚が良いですね。草場さんによれば、最後に2人で7枚になったときのシチュエーションをきちんと考察すると、このゲームの謎が解けるとのことですが、ひらめきが足りないのか考えてもよくわかりません。でももう少し考えてみることにします。



ボードウォークのあとは、草場さんとtswさんと3人で新宿に出て、夕食後に「ゲームスペース柏木」に連れて行ってもらいました。以前から柏木のことは聞いてはいたのですが、ゲームを遊べるフリースペースとしてはなかなか面白い場所です。ドリップ式のホットコーヒーがあるのが嬉しかったです。ゲームの棚には様々なゲームが並んでおり、これらを自由に遊べるほかに、様々なトーナメントなどが行われているようです。この日は柏木で、草場さんに様々なトランプを教わることができました。



ミッチ Mitch
(プレイ時間 30分)
Mitch20110123.jpgミッチは Mitch Gunzler によって作られたゲーム(ゲームファームによる)で、ボードゲームギークにもエントリーがある数少ないトランプのゲームです。手札は5枚。手番には1枚補充してから1枚を自分の場に出すか捨て札にします。自分の場にはスート別に降順の列をつくり、同じスートの列は1つしかつくれません。K>Q>J>10>・・・>2>Aという順なので、例えばスペードのJを出すと、もうスペードは10以下しか出せないのです。あらかじめ山札にジョーカーを4枚混ぜておき、4枚目が出たら以降は山札からの補充なしでプレイします。全員の手札が尽きたところで終了です。得点はスート別で、そのスートで最大枚数を出していれば4点。そうでなければ出した枚数がそのまま失点になります。最大枚数が同枚数のときには最後に出したカードの大きい方が勝ちます。

クニツィアのロストシティ(またはケルト)に似たゲームですが、また違った面白さもあります。大きな違いは、捨て札を取れないことと得点は相対枚数であることです。ロストシティでは各スート54点分あるので2人とも20点以上取れるという win-win のケースもあるのですが、ミッチではプラスになるのは一人だけという厳しさ。さらにプラスにならなければ出せば出すほどマイナスが大きくなってしまうというのも厳しいですが面白いです。

基本的な戦略などは共通するものも多いので、ロストシティやケルトの愛好者にはぜひ遊んで欲しいゲームですね。今回は4ディール勝負でした。
(参考:ゲームファームのミッチ紹介ページ

結果:自分 14、RO 12、tsw 3、草場 -10



ミルケン Milken
(プレイ時間 35分)
Milken20110123.jpgミルケンは John Cooper が作ったカードゲーム だそうです(ゲームファームによる)。手番には手札からカードを1枚場に出します。ただし絵札(J、Q、K)は出せません。出されたカードはスート別に並べておき、あるスートの6枚目が出されたらゲーム終了です。ここで、各スートで最後に出されたカードの数値(Aは1とする)が、手札の対応するスートの1枚当たりの得点となるのです。例えば写真ではハートが6枚出されてゲームが終わったところですが、手札のスペード、ダイア、クラブ、ハート1枚につき、それぞれ8、3、4、5点となります。よって、自分はスペード4枚、クラブ1枚、ダイア1枚、ハート2枚なので、8x4+3x1+4x1+5x2=49点です。

ルールを聞いたときから、これはフリンケピンケとハニーベアの融合だなあと思いましたが、どちらとも異なる面白さがあります。各スート13枚なので、手札によっては得点をかなりコントロールできることもあります。また絵札は手札に残るので、自分が多く手札を持っているものには、ある程度は力を入れなければなりません。4ディール勝負でしたが、とても楽しめました。(参考:ゲームファームのミルケン紹介ページ

結果:自分 214、RO 198、草場 190、tsw 168



スパー Spar
(プレイ時間 35分)
ガーナでよくプレイされているゲームだそうです。ノートランプのトリックテイクですが、大事なのは最終トリックを取ること。32枚のスカートデッキ(各スート:A>K>Q>J>10>9>8>7)を使い、7枚ずつ配って残りは使いません。最終トリックを取れば1点。8でとれば2点、7で取れば3点です。たったこれだけなのですが、普通のトリックテイクとは違った面白さがあります。3人の場合、使うのは32枚中21枚で残りの11枚は使わないので、カウンティングで理論的に攻めるというわけにはいきません。ノートランプなのですが、短いスートから出した方が良いことも多いなど、普通のトリックテイクとは異なった常識があるそうです。ゲームファームによれば、6も使って36枚で遊ぶ方法もあるようですね(この場合はラストトリックを7で取れば2点、6で取れば3点です)。(参考:ゲームファームのスパー紹介ページ

結果:tsw(1位)、自分(2位)、草場(3位)



スリートリックス Three Tricks
(プレイ時間 35分)
草場さん考案のゲームで4人専用です。97年にルールを聞いたのを何故か覚えていました。ノートランプマストフォローのトリックテイクで、取ったトリック数に応じて得点が異なります。0、1、2、3、4、5、6・・・トリックを取ると、それぞれ-5、1、4、9、-4、-5、-6・・・となるのです。つまり、1-3トリックならば取ったトリック数の自乗のプラス点、それ以上なら取ったトリック数がそのままマイナス点、ノートリックならばマイナス5点というわけです。よって、タイトル通りに13トリック中3トリックを取ることを目指すのですが、4人なので誰か一人は4トリック以上になってしまうというのがみそですね。

シンプルなのでトリックテイクの入門としても良いかも知れません。4トリックよりは2トリックのほうが良いので、すこし少なめに取っていく方が安全です。

結果:草場 31、自分 23、tsw 3、席主 -5



ここで草場さんがフィプセンというゲームのルール説明をしてくれましたが、終電の時間切れでプレイはしませんでした。そのあとは柏木のオーナーの席主さんやカメリアさんと色々な雑談しながら碁を打ったりして過ごしました。ちょっと久し振りの碁は大敗しましたが楽しかったです。

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