TGC 2005.04.28

3週間ぶりのTGCです。今回は、先日送られてきたばかりのスクエアオンセール、事前にリクエストされていたエルグランデ、定番のプエルトリコと中長時間ゲーム3つです。



スクエアオンセール Square On Sale
(説明 20分 プレイ時間 50分)
SquareOnSale_1.JPGヒポダイスコンテストで優勝したことで一気に注目を浴びたユニークなシステムのゲーム。テーマは土地競売とビル建設です。5x5、合計25あるスクエア(土地)にビルを建て、他人のビルが建っていても競売にかけて自分のものに。競りゲーム好きとしては、「同時多発の競り」という謳い文句だけで心引かれるものがあります。さらにユニークなのは、多人数完全情報ゲームだということ。性質上ゲームとして成り立たせるのが難しいと思われますが、競りを取り入れて中和させた完全情報ゲームはあまりないのでは。

プレイヤーは各スクエアで高いビルを所有することを目指します。スクエアひとつにつきビルはひとつ。競りに勝つと最上階に自分のビルコマを積みビルの所有者となります。さらに縦横斜めで他の自分のビルに挟まれている相手のビルを全部自分のものに出来ます。ちょうどリバーシ(オセロ)の要領です。ゲーム終了時に所有するビルの階数と持っている宝石が得点となりますが、建てられなかったビルコマはマイナス点となってしまいます。

手番ではビルの所有権獲得のためにスクエアにビッドします。新たに競りを始めても良いし、誰かがビッドしているところを競り上げても良いです。だれも競り返してこなければ2巡で競りおとされます。ビッドしたお金の上にキューブを2つ置き、手番になるたびに1つずつ減らしていき、キューブが0になったら落札というわけです。Going once...Going twice...Sold! っていう競りの雰囲気が出ています。ただしその間に他のプレイヤーに競り上げられるとそのプレイヤーの手番でキューブが減るので競り終了のタイミングがずれ込みます。ここがこのゲームの面白い所のひとつ。何人かで競っていると確定するまで3-4巡くらいになってしまうこともよくあります。その間にも当然様々なスクエアで競りが行われており、どの競りがいつ終わるかは前述したリバーシのルールとの相互作用で非常に重要です。

「バブル経済よ永遠なれ」とあるように、お金は使っても使っても徐々に戻ってきます。落札に使ったお金は使い捨てではなく、そのままスクエアに置かれ時間が経つと回収できるのです。中央部のスクエアからは手番の始めに、辺部分のスクエアからはビッドをする代わりのアクションとして、各スクエアにつき1ずつ手元に戻ってきます。(ただし角を競り落とした場合は2度と戻ってきません。)よって、いくつもの場所で競りに勝ったあとは何枚も同時に戻ってきます。このマネージメントも面白い所のひとつで、個人ゼロサムの競りとでも言うべきでしょうか。感覚はビッグチーズに似ています。リバーシのルールのために辺や角に人気があるのですが、お金の回収が困難(あるいは不可能)なことや勝利点となる宝石は中央部にしか置かれないことによって、角が必ずしも良いということではないように出来ています。

SquareOnSale_2.JPG下読みしてきたとはいえ、ルールをその場でおさらいして訳しながら説明したので多少手間取りました。序盤、みな手探りでのプレイの中、とりあえず宝石目当てに中央部の争奪戦、徐々に辺や角に進出となりました。僕は相手にリビッドされそうなところばかりにビッドしたので、なかなか建物を消費できずかなりのマイナス得点。余り人気の無い所もビッドしながらも肝心な所はきちんと競り上げる、そんなゲームなのかもしれません。とにかく不思議な感覚で面白いです。見た目もシンプルながら人目を引くデザインで、これは何のゲーム?と色々な人に聞かれました。

余談ですが、ルールミスを2つしてしまいました。まずお金の回収は各スクエアにつき1つしかできないのですが、同じスクエアを2度連続して競り落として2つお金の山があったジャックは2つ回収していました。対応策として、競り落としたとき、自分のお金の山があったらまとめて一緒にしておくのが良いと思います。もうひとつは、4人でしたがビルを3つずつ減らすのを忘れ20個全てでプレイしてしまいました。終盤に気付いたのですがすでにイアンの持ちビルが3つになっていたので、そのまま20個立て切るまでプレイすることにしました。終盤のタイミングが大切なのでこれは大きなミスかも。次回は気をつけなければ。

結果:ジャック 23、イアン 16、自分 5、アレックス -5



エルグランデ El Grande
(説明 20分 プレイ時間 1時間40分)
ElGrande_1.JPGクラマーの代表作で今でも根強い人気を誇るエルグランデ。ギークなどの評価サイトでも常に上位に位置しています(5月2日現在第4位。ベイズ推定で8.11)。1996年のSdJとDSPのダブルクラウンを獲得しており、特に重めのゲームがSdJを取ったのはこれが最初で最後かもしれません。ドイツゲームでは数多い陣取りゲームのひとつで、エリアマジョリティー(幾つかに分かれたマップ上のエリアで自分のコマ数が1位だと何点、2位だと何点というシステム)の代表ともいえるゲームです。

ゲームは9ラウンドからなり3ラウンドごとに集計するほか、臨時の得点計算もかなりあります。毎回5つのアクションカードがめくられ、手番順に好きなアクションカードを取って実行しますが、その前に手番順の決定を手札のカードを使った競りで行います。そのときの手札がストックからコートへの補充数(0-6)を、アクションカードがコードからボード上へのプレイ数(1-5)を決めます。自分のコマはストックからコートへ、そしてボードへと2ステップなので、マネージメントが要求されますがそれほどきつくはありません。一般的にはボードにプレイする数と補充数は反比例する傾向にあります。このアクションカードが多種多様で、まあ考えられる色々な特殊能力が詰まっていると思えばいいと思います。

ElGrande_6.JPGコマをボード上に置くのは王様がいる地域に接する地域でないといけません。またカステロ(木製の大きな塔)に入れることも出来、ここは記憶力だけで確認することは出来ません。得点計算のときにカステロを清算したあと、同時プロットしておいた場所に移動させることが出来るのでカステロのコマは2度役割を果たすことになります。これをうまく使うのが理想ですが、同時プロットで色々な思惑が絡み合い、なかなかうまくいきません。

本当に久し振りのエルグランデです。3、4年振りかも。ジャックのリクエストで持ってきました。改めて思ったのはやっぱりダウンタイムが長くなってしまうこと。どうしても毎ラウンド5つ特殊カードがあるので色々と悩むわけです。大筋のルールはシンプルなのですが、この多種多様なカードのおかげで例外ケースが多数発生し、しょっちゅうマニュアルとにらめっこしなければなりません。とくに英語の記述のfellow playerが手番プレイヤーを含むときと含まないときがあり、そのあたりはもうちょっと何とかして欲しいなあと思いました。さらに王様のルールは全てに優先するとか、カステロは地域としては数えないとか、このケースはどうなの?というのが続出。あとどうしてもランアウエイプロブレムが多少あってイアンは完全に脱落してしまいました。でもあとの4人は接戦だったのでそれでも楽しめましたが。

結果:マイク 88、自分 87、アレックス 85、ジャック 82、イアン 57



プエルトリコ Puerto Rico
(プレイ時間 1時間5分)
PuertoRico_1.JPG5人プレイは久し振りかも。5人だと3ラウンドの途中で終わってしまいます(Governer が一回りするのを1ラウンドと数えてます)。2ラウンド目の頭で工場、そして中盤に港を手に入れ途中コーヒーロースターを手に入れられなかったものの勝利しました。和気あいあいと雑談しながらプレイして楽しかったです。そろそろ拡張を入れてみたいものです。

結果:自分 57、アレックス 52、ジャック 40、マイク 39、カーラ 36

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