TGC 2004.03.18 アレア・キャンペーン4

今週で4週目のアレアキャンペーン。今回はアレア大箱きってのゲーマーズゲーム、クラマーとウルリッヒ作のフィレンツェの匠 Princes of Florence / Die Fürsten von Florenz です。プレイヤーは芸術家のパトロンとなり、彼らの作品を手助けするために必要な建物や景観、こころの安らぎの手品師などを揃えていきます。こうしてよい作品を様々な芸術家に発表させ、それによって名誉点(プレステージポイント/PP)を最も多く得たプレイヤーの勝利となります。なかなかユニークなテーマのゲームですね。

ゲームは7ラウンド制で各ラウンドはオークションとアクションに分かれています。アイテムもオークションで競り落とすもの(7種類)とアクションで買うもの(15種類)に分かれています。

オークションでは、まず手番プレイヤーが7種類あるアイテム(景観、手品師、建築家など)をひとつ選び競りにかけます。競りは200フローリンから始まり、つり上げるのは100フローリンずつと決まっています。競り落とされると、手番プレイヤーは次の競りの対象を選び、再びオークションが始まります。ここで大切なのは、競り落としたプレイヤーはこのラウンドのその後のオークションには参加できず、競り落とされたアイテムはこのラウンドで2度と競りにかけることはできません。つまり、全員ひとつずつ異なったアイテムを競り落とすことになります。手番プレイヤーが競り落とした場合には次のアイテムの選択権は左隣のプレイヤーに移ります。こうして、あとになればなるほど競争相手が少なくなり、ビッドもしやすくなります。とくに最後に残ったプレイヤーは残ったアイテムをどれれもひとつ、最低値の200フローリンで買うことができます。この競りのシステムは悩ましく、のちの電力会社やインダストリアの競りに似た部分があります。理想としては、最初のうちは自分が欲しくないものを選んで他のプレイヤーに勝たせて、のちのち自分が欲しいものを競るときの競争相手を減らしたいのですが、うっかり誰も欲しくないものを選んでしまうと200で買わなければなりません。この競りのシステムは非常に悩ましくよくできています。

オークションで全員がひとつずつ競りに買ったところでアクションです。各プレイヤーは15種類(うち建物10種)から2つのアイテムを買うことができます。芸術家に作品を発表させる(ppを得る)のはこのアクションとして行うので、いつ買わずに発表するか、慎重なプランニングが必要です。作品の価値は仕事点(ワークバリュー/WV)で表され、WVの下限はラウンドごとにあがっていくので注意が必要です。2WVで1PPに換算され、このときに限り1WVを100フローリンとしてお金を得ることもできます。

友人のひとりがリオグランデ版が出た2001年に購入した直後に、仲間内で数回プレイしたのですが、そのときは多人数ソロプレイっぽいなあという印象がありました。特に慣れてないメンバーでやると、アクションでのダウンタイム(他プレイヤー手番中の待ち時間)が長くなりがちです。各自ボードを持って、建物をテトリスのごとく建てるのもパズル的でソロプレイ感をより高めています。一応オークションがあるとはいえ、他プレイヤーとの絡みが薄いなあと感じました。プレステージカード、ボーナスカードなど特殊カードの種類の多さ、細かいルールの多さも、このゲームの敷居を高くしています。そういうわけで、最近になるまで買うのをためらっていました。一般的にはこのゲームはすごく好評で、好きなゲームのトップ5にあげる人も多いようですが。

今回は、1PP=2WV=200フローリン という関係をしっかり頭に入れて、他人のアクションのときも常に先のことを考えるプレイヤー同士だったので、ゲーム自体がオークション中心となりソロプレイ間はぐっと薄まりました。トータル7ラウンドでオークションで1つ、その後のアクションで2つ、合計3つなので、限られた21のオークション/アクションでいかにプレイステージ(PP)を稼ぐかという風に考えていくとわかりやすいと思います。

ただ、マイクが途中でPPを稼ぐためにお金を切らしてしまい、そうなると1PP=100フローリンという半分の換金率でお金を得ないとならないのでつらかったようです。アレアの中でもタクティカルというよりはストラテジカルなゲームですね。同じメンバーで何度かやると面白いかもしれません。

自分 69、ポール 55、アレックス 47、マイク 13

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ゲーム終了時の自分の庭園


フィレンツェの匠の他にはギャロピンピッグス(オールザウエイホームのカード版)、シタデル、そしてサーカスだ!をプレイしました。

オール ザ ウエイ ホーム(ギャロピンピッグス) Schweinsgalopp/Galloping Pigs は結構久し振りです。以前ラベンスバーガーから出ていたもののリメイクでカードゲームになっていますが内容は変わりません。遅れて到着すると、ちょうどジョーが説明していたところなので混ぜてもらいました。びっくりしたのが豚の小さいこと。もともとのボードゲームの豚は結構太っていて、アバカスがカードゲームにしたときに箱に収まるように小さくしたのですが、同じパッケージなのに豚がさらに小さくなっていました。ちょうど おぶたダイス Pass the Pigs と同じくらいの大きさです。ゲームは単純ながらもどきどきする典型的な短時間ゲームで面白いですね。

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小さい豚!


その後、もうひとつジョーが持ってきたゲームのシタデル Citadels (操り人形の英語版)を6人でプレイ。とはいっても基本キャラクターだけ使用なので、操り人形とゲーム的には全く同じです。コンポーネントはカードの質といい、コインといいHIG製の方がいいですね。ゲームは持ち主のジョーが何度も暗殺されたり盗まれたりして笑えました。キャラクターの選択がすべて裏目裏目に出てしまった感じです。パティーの勝利です。

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フィレンツェの匠終了後に3人で サーカスだ!So Ein Zirkus! を3回プレイ。全員平和に1回ずつ勝ちました。子供用ゲームですが、良いゲームです。

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