ふじの会 2018.06.03

2ヶ月ぶりのふじの会です。今回は、はたさんも同行しました。この日は「ラー」「メディチ」「ハイソサエティー」といった競りゲームを中心にクニツィアのゲームをたくさん遊びました。



ラー Ra (ウインドライダーゲームズ版)
(説明 15分 プレイ時間 50分)
Ra20180603.JPGまずは「ラー」からスタートです。1ラウンド目が終わったところで13、12、11という3強の太陽チップを独占したら、横を通った主催のフジマキさんに「これはひどいですよ!」と咎められました。実際はある程度バランスよい組み合わせでないと使いづらく、とくにラータイルが多く出てしまう展開だと目も当てられないのですが、このときはファラオの1位を奪い、モニュメントも数種類は揃えるなど、まずまずでした。ファラオ、ナイル、文明、モニュメントのどれもバランスよく獲得して1位。

結果:自分 41、えあんぬ 37、ニョッキ 36、はた 24



ボンク Bonk
Bonk20180603.JPG主催のフジマキさんが持ち込んでくれたアクションゲームです。この日唯一の、非クニツィアゲームです。座卓(ちゃぶ台)を裏返したような形をしており、2人ずつペアを組んで銀色のボールで大きなボールを弾いて相手のゴールに入れるというゲームです。よくできているのがボードの形状で、なだらかに中心が高くなっているので、銀色のボールがプレイヤーの手元に戻るようになっています。なかなかエキサイティングで5回も遊んでしまいました。慣れてくると少しずつですがうまくなる、と思います。これ、普段はちゃぶ台として使えれば優れものかも。




メディチ Medici (グレイルゲームズ版)
(説明 10分 プレイ時間 65分)
Medici20180603-1.JPGこの日2つ目のクニツィアは「メディチ」です。今回はおそらく一番プレイしやすいと思われるグレイルゲームズ版です。このバージョンでも6人で遊べます。決算やラウンド数、それに手番プレイヤーを示すコンポーネントまで付いてきます。プレイヤーカラーと産物の色では青だけが唯一重なっているのですが、明るい青と暗い青なので、あまり問題はないと思います。

Medici20180603-2.JPG1ラウンド目、そして2ラウンド目までは順調に進んでいたのですが、最後の3ラウンド目では序盤に安さにつられて3枚競り落としたのが失敗し、欲しいカードはどんどん3枚セットにされてしまい、競りに参加できない状態が続きました。また流れたカードも多く、結局その後は競り落とす前にカードが終わってしまい3枚だけという悲惨な終わり方でした。これにより、2ラウンド目までは最下位だったはたさんが一気に追い上げて自分と並び同点2位。優勝は3点差で菊子さんでした。

結果:菊子 102、はた 99、自分 99、おおき 88、たかき 85、まここ 84



秦 Qin
(説明 10分 プレイ時間 各15−30分)
Qin20180603.JPGここで一度、はたさん、まここさんと3人になったので「秦」を遊びました。チグリスユーフラテスの直系にあたるゲームですが、それよりずっとシンプルです。3人以上だときちんと勝っているプレイヤーを妨害する必要があります。1ゲーム目は唯一プレイ経験がある自分が勝ちましたが、2戦目ははたさんと自分が争っている間に、まここさんがリードします。気がついたときにはもう遅く、まここさんから村や領土を奪えずにそのまま敗北。

結果
1戦目:自分 0、はた 8、まここ 8
2戦目:まここ 0、自分 5、はた 8



ドラゴンの宝石 Drachenhort
(説明 5分 プレイ時間 45分)
Drachenhort20180603.JPGここで一度5人でパーティー色の強い7人まで遊べる「ドラゴンの宝石」を遊びました。「アバンドンシップ」と同様に、7枚のカードにはそれぞれ担当する3色の冒険者が示されており、これを各プレイヤーに配ります。すると、どの2人のプレイヤーでも必ず共通する冒険者が1色あり、さらにどの色の冒険者も必ず3人のプレイヤーが担当する「ドブル」の原理になっているのが素晴らしいです。今回は6人なので、このうち1枚を使わず非対称です。よって2人しか担当していない冒険者が3色あります。

「ロイヤルターフ」を思わせる光と暗闇のシステムや落とし穴は面白いのですが、やはり他の色を数えないので結構大味にゲームは進みがちです。ファミリーゲームなのでこれくらいで良いのかもしれませんが、ドラゴンに食べられてしまったら、子供だったら泣いてしまうのではないか、という意見がありました。確かにゲーム性はあるけれど子供ゲームとしては厳しいものがあるのかもしれません。前回よりもそれぞれの冒険者の結末にメリハリがあって楽しめました。白の冒険者は表面も裏面も最低得点の1点で計2点! これは2人しか担当してないのではと思いましたが、そんなことはなかったのがちょっと可笑しかったです。今回このゲームで初勝利。宝石万歳。

結果:自分 37、まここ 33、はた 33、もも 27、はな 20、カヨ 19



カリバ Kariba (ヘルベチク版)
(プレイ時間 各10分)
Kariba20180603.JPG次は手軽なカードゲームの「カリバ」です。カードをちゃんとカウンティングすれば、かなり戦略的に遊べそうな気もします。今度は頑張ってカウンティングしてみようかと思います。もとの「カリバ」のルールよりもこちらの方が面白く感じていますが、一度は遊び比べてみたいものです。

結果
1戦目:まここ 18、自分 15、ワタル 12
2戦目:ワタル 21、まここ 18、自分 13



我が黄金のヴェッテラウ Meine Goldene Wetterau
(プレイ時間 5分)
MeineGoldeneWetterau20180603.JPG続けて、前回のミスボドで4人で遊んだ「我が黄金のヴェッテラウ」です。ドイツ人の参加者にこのタイトルの意味を聞いてみましたが、ヴェッテラウというのは相当マイナーな地名らしく、最初は地名だと思わなかったようです。そういう土地柄だからこそ、観光のプロモーション用のゲームが必要だったのかもしれません。

今回は黄色の面で3人で遊びました。2−3枚同一カードが手札にあるときは、2−3歩まで動いてからそれらのカードをプレイできる、という、おそらく正しいだろうと思われるルールです。4人と3人では結構プレイ感が異なり、3人だとコントロールが効くので前回よりも楽しめました。おそらく2人がベストなのではと思うので、今度試してみます。

結果:ワタル 14、自分 12、まここ 11



モダンアート カードゲーム Modern Art: The Card Game
(説明 10分 プレイ時間 20分)
ModernArtTCG-boxes.JPGグリフォンゲームズから出版された「モダンアートカードゲーム」(2008年)は「モダンアート」(1992年)の派生ゲームで「モダンアート」のカードプレイだけに主眼を置いた、非常に完成度の高いカードゲームです。同じくグリフォンゲームズから本棚シリーズの9番目としてリリースされた「マスターズギャラリー」(2008年)やその小箱版(2012年)、そしてペガサスシュピールから「ダックメンタアート」(2013年)としてリメイクされています。

競りゲームの代表作である「モダンアート」自体が根本的にはカードゲームなので、「モダンアートカードゲーム」というタイトルは不可解ですが、一言で言えば、「競りのないモダンアート」です。なので「モダンアート:ウィズアウトオークション Without Auctions」とか「モダンアート:ノービディング! No Bidding!」とかそういったタイトルの方が良かったように思えます。もっとも別の競りゲーム「メディチ」から競りを除いた「メディチカードゲーム」というのもあるので、「カードゲーム」というのは、競りがないという意味なのかもしれません。競りゲームから競りを引いたら何も残らないのでは、と訝しがる意見もありますが、「モダンアート」は(以前にも書いたと思いますが)4種類の競りと、手札の価値の変動の二本柱のゲームなのです。競りがないということは、この「モダンアートカードゲーム」は後者が主題だということです。

ModernArtTCG-boards.JPGコンポーネントは主となる95枚のカード。それにゲームボード代わりの画家カード5枚、サマリーカード5枚、得点チップ17枚と、かなりコンパクトです。カードは5種類の画家が5スートに対応しており、各スートはそれぞれ17枚(ライトメタル)、18枚(ヨーコ)、19枚(クリスティンP)、20枚(カールジター)、21枚(クリプト)で計95枚あります。各スートにつき6枚はシンボルが付いた特殊カードで、残りはシンボルのない通常カードです。つまり、合計でシンボル付きが30枚、シンボルなしが65枚です。画家カードはテーブルの中央に表向きに並べてゲームボードの役割を果たすもので、各スートの枚数が書かれています。得点チップは3、2、1点の3枚が4ラウンド分で12枚に加えて、特殊カードの能力で使う黒の2点チップが5枚あります。スコアボードはなく、紙に書いて記録します。

各プレイヤーの手札枚数は2、3、4、5人プレイで、それぞれ28、25、21、17枚ですが、ゲーム開始時には13枚ずつしか配られません。その後、第2、第3ラウンドの始めに、各プレイヤーに、2、3、4、5人プレイで、それぞれ6、6、4、2枚ずつ追加で配ります。2人プレイのときだけは、最終第4ラウンドの始めに、各プレイヤーに3枚ずつ配りますが、3人以上で遊ぶ時には最終ラウンドでの補充はありません。つまり、2、3、4、5人プレイで、56、75、84、85枚を使うことになります。これに各ラウンドのエクストラカード計4枚(後述)と補充の特殊能力による計5枚(後述)を加味すると、最大で65、74、93、94枚を使うことになり、5人プレイだと1枚しか余らない可能性もあります。

ModernArtTCG-normalcards.JPGゲームの前に、ゲームボードとして画家カード5枚を並べ、デッキをよくシャッフルしてから、各プレイヤーに手札として13枚ずつ配ります。さらにエクストラカードとしてデッキから1枚表向きにめくってデッキの脇に置いておきます。この1枚は誰のものでもありませんが、既にこのスートは1枚プレイされていると考えます。(これは6枚になる達成条件にも、またそのスートの価値にも影響します)。

ゲームは「モダンアート」と同様に4ラウンド制です。手番には手札から好きなカードを1枚出して、(競りにはかけずに)自分の前に置くだけです。このときシンボル付きならば特殊能力(後述)を発動します。こうして全体で特定のスートの6枚目(2人プレイの時は5枚目)が出るとラウンド終了で決算です。特殊能力による裏向きのカード(後述)があれば、それらをすべて公開し、枚数が最も多い上位3位のスートだけが得点になります。同枚数ならば、元々の枚数が少ないスートが優先です。ゲームボードの1、2、3位のスートの下側に、それぞれ3、2、1点の得点チップを置いて、そのスートのカード1枚当たりの得点を表します。決算では、各プレイヤーは自分の前に出したカードをすべて得点化しなければなりません。4位以下になったものは捨てるのです。得点化の前に、ラウンドを終わらせたプレイヤーから時計回りに、得点になったスートで自分の前にプレイしているものをそれぞれ1枚ずつ追加して得点とすることができます。全員が得点化を行ったあと、得点チップをゲームボードの対応するスートの上に移動させ、カードの補充をしてから、次のラウンドに進みます。

ModernArtTCG-summary&pointchips.JPG重要なのは、これらの得点チップは以降のラウンドに累積されていくということです。ラウンドの終了時に上位3位に入って得点チップが置かれると、それまでにゲームボードに置かれた得点チップがすべて加算されるというわけです。例えば、1、2、3、4ラウンド目でそれぞれ1位、3位、4位、2位になったとすると、1枚当たりの得点は3点、4点、0点、6点となります。つまり将来価値が出そうなスートを残しておくこと、そしてスートの価値のピークを見極めることが大切なのです。こうして4ラウンド終了したときに最も総得点の高いプレイヤーの勝利です。

5種類のシンボルと特殊能力:特殊カードの能力は以下の通りです。

水平なイコールサイン(各スート1枚、任意):同スートのカードをもう1枚追加で表向きに出せる。追加で出したカードのシンボルは無視する。
傾いたイコールサイン(各スート2枚、任意):任意のカードをもう1枚追加で裏向きに出せる。追加で出したカードのシンボルは無視する。
正方形(各スート1枚、強制):ただちにデッキからカードを1枚手札に補充する。
丸2(各スート1枚、強制):ただちに得点表示ボードの任意のスートに黒い2点チップを置く。以降、このスートは上位3位に入った時に得点が2増える。
ダイアモンド(各スート1枚、強制):全員裏向きに手札から1枚出し同時に公開してそれぞれの手元に加える。このカードのシンボルは無視する。

水平なイコールサインは「モダンアート」のダブルオークションと本質的には同じです。その発展とも言える傾いたイコールサインは、おそらく最も重要な特殊カードで計10枚もあります。1枚を裏向きで出すことを示すために、イコールサインのうち1本の棒が黒くなっています。あるスートが6枚になり、ラウンドが終了しても、必ずしも6枚になったカードが1位とは限りません。裏向きのカードをすべて公開して、あらためて真の1位、2位、3位を決めるのです。これは「モダンアートカードゲーム」独特の面白さと言って良いでしょう。正方形のカード補充は、単にラッキーなカード。丸2はプレイヤーの意思が見えるのでタイミングが大切です。ときには同じスートに2点チップが大量に集まることもあり、あなどれません。一番使いづらいのはダイアモンドで、自分は勝手に一斉調査と呼んでいます。つまり誰がどのスートに関心があるかを一斉に調査するのです。使うタイミングを間違えると、思わぬ方向でラウンドが終わってしまうので注意が必要です。

これらの特殊能力には任意のものと強制のものがあるので注意が必要です。また、追加や同時出しで出したカード、そしてラウンドを終わらせる6枚目(2人プレイでは5枚目)のカードのシンボルは無視します。

最後に、レアケースとして手札が尽きてしまったら、そのラウンドはそれ以降カードを出しません。そして全員の手札が尽きてしまったら、そこでラウンドが終了となります。ただし、どちらのケースもまだ一度も見たことがありません。

「モダンアートカードゲーム」のルールで唯一曖昧だったのは、決算での追加カードのルールです。英語のルールが分かりづらく、3通りの解釈がこれまでありました。

原文:For each different artist with Masterpiece Cards displayed in front of the player, he may play one additional card from his hand, add it to his Masterpiece Cards, and score it.

解釈1:自分が出したスートそれぞれにつき、同スートのカードを1枚追加で出せる。(例えばABBCCと出していたら、それぞれの種類につき1枚追加で出せる。つまりABCの3枚まで。BBなどは不可。)

解釈2:自分が出したスートの種類数と等しい枚数まで、任意のカードを追加で出せる。(例えばABBCCと出していたら、BBDなど任意の3枚を追加で出せる)

解釈3:自分が出したスートの種類数と等しい枚数まで、出したスートのカードを自由な組み合わせで出せる。(例えばABBCCと出していたら、BBCなどABCの組み合わせで任意の3枚を追加で出せる。)

この3つの解釈はどれも実際に見たことがあります。自分はずっと解釈2が正しいと思っていたのですが、iOSのアプリケーションでは解釈1で動いており、色々調べるとこの解釈1が正式ルールのようです。よって現在は解釈1のルールで遊んでいます。解釈2は5スート出せば5枚追加できるので、ダイナミックですが少々大味になります。なので最近は、解釈1の方が良いルールなのではと感じています。このルールに関しては、ギークにはいくつものスレッドがフォーラムに立っています。興味がある方は読んでみると良いでしょう。

ボードゲームギークのスレッド(古い順)
https://boardgamegeek.com/thread/473713/playing-additional-cards-during-scoring
https://boardgamegeek.com/thread/504843/end-round-and-playing-extra-cards
https://boardgamegeek.com/thread/703115/theres-sentence-masters-gallery-rules
https://boardgamegeek.com/thread/718380/poll-which-rules-do-you-follow-scoring-additional

ModernArtTCG&ModernArt-boxes.JPG「モダンアートカードゲーム」を実際に遊んでみると、プレイヤーがカードを出していき、ある一定枚数を満たすと決算になる点では「トレンディー」に似ており、「トレンディー」が発展したゲームだと見ることができます。また、4ラウンド制でカードの価値が変動していくので、その視点から見れば、「モダンアート」を簡略化したゲームだと言えるでしょう。つまり「トレンディー」と「モダンアート」の中間に位置するゲームなのです。「モダンーアート」における手札の価値の変動が短時間で良くわかるので、「モダンアート」の入門としても最適です。また、この手札の価値を高める部分は「はちみつくまさん」とも通じるものがあり、非常にクニツィアらしいゲームと言えるでしょう。「スピンオフに当たりなし」という常識を覆してくれる傑作です。

モダンアートとの比較
1:2人でも遊べる。
2:競りがなく、出したカードがそのまま手番プレイヤーのものになる。
3:各スートのカード枚数が平均14枚から平均19枚に増えた。
4:ゲーム開始時の手札枚数は3、4、5人プレイで、それぞれ10、9、8枚だったのが、何人でも13枚になった。
5:第2、第3ラウンド開始時での追加の手札は、3、4、5人プレイで、それぞれ6、4、3枚だったのが、6、4、2枚になった(つまり5人プレイの時のみ変更)。
6:よって、ゲームを通しての手札枚数は、3、4、5人プレイで、それぞれ22、17、14枚だったのが、25、21、17枚になった。特に、4、5人プレイの時には、モダンアートでは70枚、モダンアートカードゲームでは86枚(95枚からエクストラカードと補充の特殊能力分を除いた枚数)をできるだけ配りきった枚数になっている。
7:シンボルは、競りの種類ではなく特殊能力。水平なイコールサイン(=)は共通点。
8:ラウンドの終了は5枚目でなく6枚目(2人プレイのときは5枚目)であり、そのカードもプレイヤーの得点になるが特殊能力は無効。
9:得点体系が10分の1(1位は30点ではなく3点など)。

特に項目2は「モダンアートカードゲーム」のプレイのしやすさを表しています。「モダンアート」では自分が競りに出したカードを競り落とすことはあまりないので、自分の手札はほとんど他人の元にいきます。つまり「マメじゃないよ」と似た部分があって、これが考え方を少々難しくしているのですが、「モダンアートカードゲーム」ではこの部分が分かりやすいのです。

戦略としては、自分が多く持っているスートの価値をいかにして他人にうまく上げてもらうか、ということに尽きます。前半の第1-2ラウンドは後半の第3-4ラウンドのための準備と言っても過言ではありません。前半で追加得点を出す意味はほとんどなく、後半になってカードの価値が上がってから出すべきでしょう。通常は第3ラウンドか第4ラウンドのどちらかにピークがやってきます。もちろん終了時に余った手札は何の価値もないので、出し切るためには第2ラウンドでも追加カードを出すことも、稀にあるでしょう。とにかく他のプレイヤーの動向をよく見ることが大切なのは、典型的なクニツィアのゲームすべてに共通するところです。

ModernArtTCG&ModernArt-cards.JPG各エディションではルールは同じですが、テーマやコンポーネントの違いがあります。

「モダンアートカードゲーム」では「モダンアート」の画家が戻ってきた、という設定になっているので、「モダンアート」の初版であるハンスイムグリュック版の箱絵(飛行機の絵の方)と画家を継承したものになっています。よって「モダンアート」の画家名に慣れ親しんだプレイヤーにはわかりやすいのですが、絵の種類はそれぞれの画家につき1種類だけです。それぞれの画家の画風にも変化が見られますが、一番近いと思うものを比較のために並べてみました。なおライトメタルは、人物画に力を入れているらしく、メタリック・クニツィアになっているのが好きです。

MastersGallery-specialcards.JPG「マスターズギャラリー」は「モダンアートカードゲーム」の絵が異なるというだけでコンポーネントの質などは全く同じです。著名な画家の実際の絵を使い、通常カードはすべて同じ絵ですが、特殊カードはシンボルごとに異なる絵なので、それぞれの画家につき6種類の絵が使われていることになります。箱はグリフォンの本棚シリーズの9作目ということでそれに合わせた大きさになっています。のちに「マスターズギャラリー」の小箱版も出ましたが、これは得点チップが非常に薄くなっている以外は、同じです。

DuckomentaArt-specialcards.JPG「ダックメンタアート」はドイツ語版としてペガサスシュピールから出版されたもので、テーマはドナルドダックのさまざまな絵です。それらがいろいろなスタイルで描かれています。通常カードも含めて1枚1枚の絵柄が異なるのが特徴で、見ていて楽しくなります。

各エディションの違い

5スート
モダンアートカードゲーム:ライトメタル、ヨーコ、クリスティンP、カールジター、クリプト
マスターズギャラリー:フェルメール、ドガ、モネ、ルノアール、ゴッホ
ダックメンタアート:アンティーク、中世&ルネッサンス、バロック&ロココ、古典主義&印象派、現代

シンボル
モダンアートカードゲーム:水平なイコール、傾いたイコール、正方形、丸2、ダイアモンド
マスターズギャラリー:同上
ダックメンタアート:黒いカード2枚、黒と白のカード、手、丸2、プレイヤーポーン

プレイエイド
モダンアートカードゲーム:シンボルの説明のみ
マスターズギャラリー:同上
ダックメンタアート:シンボルの説明と、ラウンドごとのカード枚数

ModernArtTCG20180603-1.JPGこの日は、自分とワタルさん以外は初プレイとなる4人プレイです。2ラウンド目から、みんなどんどんと追加のカードを出していき、最下位だったので少々焦りました。でも勝負は3ラウンド目からです。と、思いきや、なんと第3ラウンドではエクストラカードのクリプト1枚以外は、全員同じカードをプレイし、結局すべてカールジターだけという恐ろしい速さでラウンドが終わってしまいました。追加カードを出していない自分は手札枚数は多いのですが、このままの流れだとその優位性を活かせずにゲームが終わってしまいます。でも最終の4ラウンド目でなんとか9点のライトメタル4枚、10点のヨーコ3枚、7点のクリプト2枚で80点を叩き出し、逆転勝利!

ModernArtTCG20180603-2.JPGワタルさんは以前遊んだときの印象が悪かったのか、あまり好きなゲームではないと言っていましたが、終わってみたら、好きでないのは絵柄だけ、と言っていました。今回で、このゲームの良さを見直してもらえれば良いなあと思います。なお、今回のプレイ時間20分というのは、かなり短い方で、通常は35分くらいかかります。

(2018.06.15加筆修正)

結果:自分 107、まここ 99、ワタル 99、ひろぽん 81



ハイソサエティ High Society (ニューゲームズオーダー版)
(プレイ時間 10分)
HighSociety20180603.JPG最後は締めとして「ハイソサエティ」のニューゲームズオーダー版を遊びました。コンパクトな箱に、16枚の厚紙の贅沢品カードと55枚の小切手がぴったりと収まっており、非常に無駄のない作りです。箱やカードのサイズとしてはアミーゴの「珍獣動物園」と同じなのですが、やはり贅沢品のカードが厚紙なのは心踊ります。

今回は調子に乗って、x2のカードを2枚も競り落としてしまい、お金が24しか残らずに脱落してしまいました。最近、この足切りに引っかかって脱落することが非常に多いです。これは先行き不安です。勝利はまここさん。

結果:まここ 15(30)、ひろぽん 11(31)、ワタル 5(51)、自分 20(24x)



終わってみたら、ボンク以外はすべてクニツィアでした。たまにはこういうのも良いですね。

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