土嚢の会 2014.12.14

nestorgames20141214.JPG3月以来第2回目となる土嚢の会です。アブストラクト好き(あるいは付き合ってくれる)という4人が集まって様々なゲームを遊びました。色々持って行こうかと思いましたが、ネスターだけに絞って、巨大な「土嚢」をテーブルの上に作りました。こうして見ると圧巻ですね。

多人数の「ヴィシャスフィッシュ」や「シュガーグライダー」、久し振りに遊ぶ「カバとワニ」など色々なゲームを楽しみました。




ヴィシャス フィッシュ Vicious Fishes
(説明 10分 プレイ時間 55分)
ViciousFishes20141214.JPGまずは4人でネスターゲームズでは珍しく完全情報ではないゲームの「ヴィシャスフィッシュ」です。作者はYouTubeでのダイスタワーのレビューで有名なトムヴァーセルです。6枚ある手札から1枚をボードに置いて1枚補充を繰り返します。置いたときに隣同士の魚は攻撃ができ、それが複数起こるときにはタイルを置いた手番プレイヤーが順番を決められます。攻撃された弱い方の魚にはトークンが置かれ、買った方の魚の色に得点が入ります。また囲まれても攻撃されずに生き残ったときにも得点が入ります。

ゲーム開始時にあらかじめ3色のタイルが極秘裏に配られており、このうち好きな2色をプラス、残りの1色をマイナスとして数えます。8方を攻められるタコ、2方向のみの蟹、など色々な魚がおり、それなりの戦略はありますが、得点が非常に地味です。また色によってタイル構成が不必要に異なります。最近新版が出たので、それなりに人気はあるゲームなのかもしれません。

結果:自分 28、一味 25、キノ 22、燃素 18



ミュルミドーン Myrmidons
(プレイ時間 各10分)
Myrmidons20141214.JPG燃素さん持ち込み第1弾。元々はネスターゲームズから出ているゲームシステム(色々なゲームができるセット)のひとつ「ネスタータイル」を使ったゲームでしたが、そこから独立して今は専用のコンポーネントで販売されているものです。「ガイスター」「軍人将棋」「ストラテゴ」「指輪物語対決」と言った流れを汲むシステムで、相手のコマが見えないなかを推理しながら戦うチェス系のゲームです。

手持ちは5個あり、攻撃力、防御力、移動力が自分だけに見えるように書かれており、その合計は9になっています。1つだけ、キングに当たるコマはすべてが1です。特徴的なのは、このキングの周囲にいるコマは1手番でキングと一緒にすべて同方向に動かすことができます。それぞれの動かすマス数は異なっても構いません。あまり派手にやるとキングがばれてしまいますが、かといってこれをやらないと相手をなかなか攻め込めません。

悪くはないのですが、これといった特徴に欠ける部分があります。理詰めでキングを探すというよりは、最後は運に任せるという面が強いのではないでしょうか。

結果
1戦目:自分* 勝利、燃素 敗北
2戦目:燃素* 勝利、自分 敗北



ペントアップ Pent-Up
(プレイ時間 20分)
Pent-Up20141214.JPG2014年のネスターではトップを争う面白さです。未プレイだった燃素さんに紹介がてら遊びました。最近色々な所に持ち込んでいますが、あまりアブストラクトを遊ばない方にも受けが良く、おすすめの一作です。

結果:燃素* 勝利、自分 敗北



ホング Hong
(プレイ時間 各15−20分)
Hong20141214.JPGネスターにはアシンメトリックなゲーム(2人の目標が異なるゲーム)が幾つかあり、たいていはある数字を一定以上にする「モア」と一定未満にする「レス」という役割に分かれます。この「ホング」もこの「モアレス」系のひとつで、ホングと呼ばれる二頭竜を11以上作れれば「モア」の勝利、10以下なら「レス」の勝利というわけです(7x7の場合)。先手は「モア」今回は役割を入れ替えて同じ配置で2回遊んだら同じ結果でした。あまり差がつかないのがこの手のゲームの難点ですね。今度は9x7の大きなボードで遊んでみたいです。

1戦目(7x7):13 自分 勝利、キノ* 敗北
2戦目(7x7):13 キノ 勝利、自分* 敗北
(*は先手の「レス」)



カバとワニ Hippos & Crocodiles
(プレイ時間 各5−10分)
Hipps&Crocodiles20141214.JPGボードにコマを置いていくだけのアシンメトリーなゲームです。お互いに異なるコマを持ち、自分だけが有利になるように配置していきます。手軽ながらなかなか楽しいです。3人用の拡張「バッファロー」も欲しくなりますね。

結果
1戦目:自分(ワニ) 勝利、キノ*(カバ) 敗北
2戦目:自分*(カバ) 勝利、キノ(ワニ) 敗北



ゴネクト Gonnect
(プレイ時間 20分)
Gonnect20141214.JPG碁とコネクションゲームをミックスした「ゴネクト」です。13路盤を使い任意の対辺を結べば勝利です(ヘックスやツイクストと異なり、自分だけの辺はありません)。一味さんと遊びましたが、繋ぐことばかり考えてしまい、まったく二眼が作れません。中盤から敗色濃厚で投了しました。やはり序盤は碁のようにしっかりと自分の石を活かさないと駄目ですね。

結果:一味 勝利、自分 敗北(投了)



マーゴ Margo (侍エディション)
(プレイ時間 30分)
Margo20141214.JPG立体碁として難解で面白い「マーゴ」です。これも一味さんと対戦。序盤は優勢だと思ったものの、駄目を埋めさせられて一気に取られての大逆転。そこから更に逆転を狙うも、無理でした。「ゴネクト」と合わせて囲碁系統のゲームで一味さんに2連敗です。これは悔しい。

結果:一味(黒) 33、自分*(白) 15



頭脳絶好調 スペシャル Genial Spezial
(説明 10分 プレイ時間 60分)
GenialSpezial20141214.JPGクニツィアの多人数完全情報で忘れ去られているような存在の「頭脳絶好調スペシャル」です。もっと遊びたいゲームの1つですが、なかなかそういった機会がなく、今回でも5回目くらいだと思います。考えどころも多く、なかなか良いゲームだと思うのですが「頭脳絶好調」シリーズにしてしまったのに無理があったような気もします。「砂漠を越えて」に感覚は近いので、そう言ったテーマの方が良かったかもしれません。持ち主のキノさんの勝利。

結果:キノ 17−19−19−20、自分 16−17−17−20、一味 15−16−17−18、燃素 13−13−16−17



シュガー グライダー Sugar Gliders
(プレイ時間 20分)
SugerGliders20141214.JPGランダム配置の多人数完全情報ゲームで、「おいそれは俺の魚だぜ」のバリエーションです。自分がいるマスのコマに書かれた果実の数だけ進むところと、空きマスにも動けるところ、そして動かずに果実だけ食べて次の手番には自分の獲得した果実を消費して移動できる所など、工夫が色々とあります。ただ最初のプレイヤーが良い位置に置けるので最初のプレイヤーがかなり有利だという気はします。もう少しプレイヤー間の絡みがあれば良いのですが、「俺の魚」よりもソロプレイ感が強いです。

結果:自分 47、燃素 43、キノ 32、一味 32



ライン オア カラー Line or Colour
(プレイ時間 各5−10分)
LineOrColour20141214.JPGこの日、唯一3回遊んだゲームです。同じ色を7個中5個取るか、5マスを縦横斜めに並べるかというゲームで、まさにラインとカラーを天秤にして進めていくゲームです。ルールを聞くよりもプレイはずっと面白く、ついネスターミーティングで購入してしまったゲームです。小さめの5x5のボードもあり、こちらは5色で同色を5個中4個取るか、4マスを縦横斜めに並べると勝利になります。初めて5x5のミニバージョンを1度だけ遊びました。これも悪くはないですね。9x9にすると6個取れば良いということになります。9x9もあるならば遊んでみたいですね。

1戦目(7x7):自分 勝利、燃素* 敗北
2戦目(7x7):自分 勝利、燃素* 敗北
3戦目(5x5):自分 勝利、燃素* 敗北



アダプトイド Adaptoid
(プレイ時間 各15−40分)
Adaptoid20141214.JPG前回のAbstract Strategy Game Societyで面白さを見直したゲームです。あまり育て過ぎると死んでしまうので適度に増やしつつ自分の有利になるように攻め込んでいくのが大切です。同じ相打ちでも相手がより投資した(脚の数が多い)ならそれはこちらにとっては有利なのです。またハサミも脚もないアダプトイドも配置によっては十分防御として使えるのも面白い所です。

1戦目:自分* 5、燃素 2
2戦目:自分 5、燃素* 3



アベハ レイナ Abeja Reina
(プレイ時間 30分)
AbejaReina20141214.JPG燃素さん持ち込み第2弾。前回ネスターミーティングで遊んだときは、ルールを完全に把握しないうちに負けてしまいましたが、今回は大丈夫です。チェスの変形でコマが3種類しかなく、またヘックスボードの斜めを動くという変わったコマがあります。

ボード中央は1段低いという扱いで、ここでのルールが少々ややこしいです。ここでは他のコマの上に乗ることができ、他のマスと同様に上のコマ同士で取り合いが起こります。下のコマは上にコマがいる限り動けませんが、そうでなければ何マスでも進めます。この遠距離攻撃がかなり強力です。ただし、他の中央のマスを通らなければならないときは1マスしか進めず、このルールが分かりづらいです。

燃素さんは「前にやったときは終わらなかった」と言っていたので心配でしたが、無事に終わりました。チェス系のゲームの欠点は、この終了が保証できない所なので、新しいゲームはせめてこの辺りを解決して欲しいですね。

結果:自分* 勝利、燃素 敗北



ダカーポ Dakapo
(プレイ時間 各15−20分)
Dakapo20141214.JPGニムのようなそうでないような、ちょっと不思議なゲーム。コマはすべて2人に共通で、4色のいずれかで正方形の頂点となる位置にコマを置けば勝利です。配置のルールがよくできていて(詳しくは前回のレポートを参照)、うまくやれば相手を罠に陥れることができます。例えば写真では手番プレイヤーが青を一番左の手前から二列目に置けば勝利確定です。

1戦目:燃素 勝利、自分* 敗北
2戦目:自分 勝利、燃素* 敗北



カラニッシュ Callanish
(プレイ時間 各10−20分)
Callanish20141214.JPG最後は「カラニッシュ」です。2014年のベストネスターを「ペントアップ」と争っていると思われるゲームで、素晴らしくエレガントなルールです。チェスのナイトの動きと各列でのエリアマジョリティー、そして2段のこまでの駆け引きなど本当に良くできています。

1戦目:自分* 勝利、燃素 敗北
2戦目:自分 勝利、燃素* 敗北



これ以外には「トリット」「カイロコリドー」「テリトリー」「オード」「マトン」「アイザック」「エルタイルズ」が遊ばれていました。また2015年には新春土嚢会をやりたいものですね。プレイ人口が少ないアブストラクトゲームですが、今一番熱いジャンルのひとつです。来年はどんな傑作が現れるのでしょうか。

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