千歳烏山ゲーム倉庫ゲーム会 2011.06.04

MoonGameStorage.jpg先月のCU部で再会したPHYさんの取り計らいで、当データベース管理者のpuppiさんとmoongamerというサイトを運営していらしたmoonさんの4人でmoonさんのゲーム倉庫でゲーム会をしました。puppiさんやmoonさんに会うのは、おそらく5年振りくらいです。moonさんのゲーム倉庫はさらに棚を増やしてゲームショップを思わせるような作りになっていました。この日のメインはワレスの新作「ロンドン」です。その他は、競りゲームの名作「ラー」、プレイヤーインターアクションが強い経済ゲーム「コンテナ」、賛否両論ある協力ゲーム「花火」、アクションゲームの隠れた名作「パッセトラッペ」のマイクロ版など、少ないながらも充実した一日となりました。



ラー Ra(プロトタイプ版)
(プレイ時間 55分)
Ra20110604.jpgpuppiさんが来るまでPHYさんと3人で「ラー」です。moonさんはラーは初めてとのことで、ちょっとビックリしたのですが、こういうゲームは普段はなかなか遊ぶ機会が無いかもしれません。このゲームの一番のハードルは得点スキームですが、ゲーム中にも競りの対象になるタイルはオープンなので補足説明が出来るのは良い所です。moonさんは「面白い」を連発しており、持ってきた甲斐がありました(とはいっても、もちろんmoonゲーム倉庫に「ラー」はあるのですが)。PHYさんは2、3ラウンドともに最後の1人となり、めくり続けてバーストというパターンでした。そこまでめくらなくても十分良いタイルがあったので、やめておけば良かったのではと思うのですが、「そうしてリスクを取らないと勝てない」とのこと。少なくとも第2ラウンドではそこまで点差は開いていなかったと思ったのですが。

結果:自分 50、PHY 34、moon 32



コンテナ Container
(プレイ時間 95分)
Container20110604.jpg次にpuppiさんも交えて4人でコンテナです。moonさんは1度だけ遥か昔に遊んだことがあるそうで、他の2人は今回が初めて。物流のシステムをシンプルなシステムの中にうまく描いている傑作です。いつも通りに拡張セットで紹介されている公式のショートゲームでのプレイ。今回は競り値が低く、自分が運んだ4色セットのコンテナが8という低価格のビッドで、自分でそのセットは買い取りました。これだと24の差で、さらに借金をしなければならないことはわかっていたのですが、やはり地獄の借金スパイラルに陥ってしまい、常に1枚2枚のローンカードを持ち利子を払い続けるはめになりました。自業自得の見本のようなプレイです。あとから大量にコンテナを競り落としてバランスよく攻めたPHYさんの勝利。moonさんが「これってこんなに面白いゲームだったっけ?」と何度も言っていたのが印象的でした。

結果:PHY 94(18+76)、puppi 72(32+40)、自分 62(2+60)、moon 61(61+0)
(括弧内は現金+コンテナです)



ロンドン London
(説明 45分 プレイ時間 2時間10分)
London20110604.jpgワレスのロンドン再建をテーマとしたカード中心のゲーム。ボードには美しく描かれたロンドンの地図がありますが、プレイの中心は独特のカードマネージメントにあります。このゲームでは、勝利点、お金、貧困度の3つのパラメーターがあり、ゲーム終了時には3金=1勝利点で換算、さらに貧困度は最も少ないプレイヤーからの差によってマイナスの勝利点をペナルティとしてもらうというようになっています。

手番では、カードを自分の場にプレイする、カードの能力を使い貧困度を受け取る(街の活性化)、ボード上の市街地の1区画を買い取る、カードを3枚補充する、の4通りのアクションのどれかを選びます。カードは4スート(茶、青、ピンク、灰色)でプレイするコスト、能力を使うためのコスト、能力、能力を使った後の処理がそれぞれアイコン化されているものの、テキストも多くて最初は大変です。

このゲームの特徴は、なんといっても、自分の場のカードの山の数は任意だという部分です。ゲームの中心となるのは「カードを自分の場にプレイする」と「カードの能力を使い、貧困度を得る」の2つで、どちらのアクションも枚数に制限はありません。新たに自分の場にプレイするカードは、それまでにプレイした自分のカードのどれかの山の上に重ねても、また重ねずに新たにカードの山を始めても良いのです。重ねられてしまったカードは勝利点として以外の効力を失ってしまいます。一度に能力を使うことのできるカードの枚数は自分のカードの山の数までなので、効率さを求めるならば多くの山を作りたい所です。しかし、能力を使った直後には、自分のカードの山の数だけ貧困度があがるので、貧困度を少なく押さえるには山の数は少ない方が良いのです。つまり、山の数は少なくても多くてもそれぞれにメリットとデメリットがあり、後で減らせないこともあって悩む部分なのです。

カードは手番開始時に1枚補充のほか、市街地の区画を買うと2-5枚補充でき、さらには3枚補充というアクションもあります。いずれにせよ、補充は共通の山札からか、または最大10枚まで置かれた共通の捨て札置き場からとなります。また手札は9枚が上限で、それ以上だと捨てなければなりませんが、これを利用して要らないカードを捨てることも出来ます。特に、灰色のスートだけは場にプレイできず、手札を圧迫するお邪魔カードなのでこれらの処分方法の1つとしては有効だと思います。

自分の場にプレイするには、コストとして同色のカード1枚をプールに捨てなければなりません。つまりプレイしたいカード枚数の2倍が手札に必要なのです。手札の上限が9枚なので、手番には最大4-5つほどの建物を建てられる可能性があります。もちろん捨て札は他のプレイヤーに補充されてしまうかもしれませんので、そのあたりも多少は考えなければなりません。

カードの能力を使った直後には貧困度のペナルティーを受け取らなければなりません。貧困度は、先ほど書いた自分のカードの山の数に、手札枚数を足し、自分の所有区画数を引いたものです。よって、できるだけ一度に多くのカードの能力を使って、そのときに手札をほぼなくすように調節するというのが理想だと思います。なかには能力使用のコストで手札のカード1枚というのがあるので、これをうまくつかうと手札0枚での能力使用が可能となります。

カードの能力にはお金や勝利点、貧困度の減量などさまざまな恩恵があるのですが、ほとんどは1度だけで使用後は裏返します。まれに何度も使えるものもあり、これらの再使用可能なカードが多いときには自分の山札を増やしても良いと思います。

共通の補充用の山札が尽きたて1巡したらゲーム終了。得た勝利点チップと自分の場にそれまでにプレイしたカードの勝利点、所有区画の勝利点(地下鉄ボーナスも含む)、お金(3分の1点)、さらに借金や貧困度のペナルティを加味して最も多い点数のプレイヤーの勝利となります。

moonさん以外は初プレイで、プレイヤーごとにカードのサマリーまで用意していただいて、プレイはしやすかったです。各自の場のカードの山(PHYさんはスレッドと呼んでいました。ほかにスロット、パイルなどと呼ぶ方もいるようです)の数も様々で、自分やPHYさんは貧困を恐れずに6山にし、moonさんは3-4山くらいだったと思います。カードの流れがつかみずらかったのですが、区画を買ってプレイしたいカードの2倍を得て、次の活性化のときには手札を0-1枚にしておくというマネージメントに全力を傾けていたと思います。

得点は能力使用で得られる勝利点の他、カードについている固有の勝利点や得た区画の勝利点、さらには前述したお金や貧困度などもあって非常に見通しが悪いです。ワレスのゲーム全体に言えるのですが、お金も3分の1勝利点なので、お金と勝利点の組み合わせのカードなどでは価値を計るための計算が面倒になります。(どうしてお金は勝利点にならないというようにスッキリさせないのでしょうか?)さらに、いつも不足するお金は10借りるとゲーム終了時に15を返済しますが、返済できないとマイナス7勝利点となります。つまり借金は10ごとに1と3分の2勝利点の支出で、返済不可能だとさらに5と3分の1点のペナルティになるのです。頭がこんがらがりますが、5点強のペナルティというのは知っておいた方が良い部分だと思います。

カードの流れなどはなかなか面白いのですが、他の要素では取り立てて見るべきものがありません。ロンドンの地図が描かれたボードは殆ど使われないし、プレイヤーインターアクションも非常に希薄です。捨て札プールを巡るカードのドラフトと貧困度の相対個数くらいでしょうか。後は時々個人攻撃的な自分が好きでないタイプのインターアクションがある程度です。今回は初めてだったので新鮮さもあって楽しめたのは良かったと思います。

結果:moon 48、PHY 41、puppi 38、自分 28



花火 Hanabi(花火と生け花 Hanabi & Ikebana より)
(説明 10分 プレイ時間 50分)
Hanabi20110604.jpgPHYさんの提案もあって不思議な協力ゲームの「花火」を遊びました。自分はミスで知っていたはずの黒1を打ち上げるつもりで隣の黒4を打ち上げてしまい、またPHYさんを混乱させてしまったようです。このゲームの難しい所は、出したヒントが「打ち上げて欲しい」という意味なのか「捨てて欲しい」なのかを推し量る所で、黄2を2枚持っていたpuppiさんに、他の4枚の2がすべて出ている状態で「これらは2です」というのはヒントになっていないと思うのです。まあそのあたりのもどかしさを楽しむゲームなのですが、つい相手が自分の意志をわかっていないと口出しをしたくなってしまうので、そのあたりは一切禁止にした方がゲームとしては良いと思います。結構、プレイヤーを選ぶゲームなのかも知れません。

結果:18点



パッセトラッペ マイクロ Le Passe-Trappe Micro
Passe-TrappeMicro20110604.jpg最後にアクションゲーム「パッセトラッペ」のマイクロ版です。「パッセトラッペ」は友人のマイクHが持っており、大きなボードで何度か遊ぶと汗だくだくになるというアクションゲームなのですが、これはルールはそのままに小さくしたものです。目的は円形のディスクをすべて相手の陣地に入れること。ボードのそれぞれの端にはゴムバンドがあり、このゴムの反発力で陣地の境の仕切りにある穴をうまく通して相手の陣地にディスクを入れるのです。たったこれだけなのですが、これがなかなか面白い。このマイクロ版も小さいながら、よく出来ています。みんなで何度か交代して遊びました。



このあと仕事があるというmoonさんに別れを告げて、3人で夕食しながら雑談です。久し振りなので話は尽きず、結局終電になってしまいました。

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