秋葉原水曜日の会 2011.06.01

ハギス Haggis
(説明 10分 プレイ時間 1ディール15分)
大貧民系のカードゲームで、5スートの2-10の45枚とJ、Q、Kを人数分使います。J、Q、Kは各自にあらかじめ1枚ずつ配っておきます。ソフトパスで基本的には打ち出しと同じく見合わせでより強い数値を出していきます。1-5枚の複数同数値の他、同スートの連番やペアの連番(3、3、4、4、5、5など)もあります。この他に組み合わせに関わらず出せる場合もあり、3579の色違い、JQ、JK、QK、3579の同色の順に強くなっていきます。取ったカードには奇数の3579と絵札のJQKにだけ得点が付きます。さらにあがった人は一番手札の多いプレイヤーのカード枚数x5点がつき、またディール開始前にあがり宣言をしておくとボーナス点もつきます。

時間調整を兼ねての1ディールだけのお試しプレイ。韓国の「ピーパー」というゲームに似ているそうですが、「ピーパー」はまだ未プレイなので比較が出来ません。ただ、組み合わせに関わらずに出せるのはボム(爆弾)と同種のルールのようです。

結果(1ディールのみ):シミーズ 77、けろ 48、自分 11



ビッグ ディール Big Deal
(説明 30分 プレイ時間 105分)
BigDeal20110601.jpgリスクマネージメントを主体とした経済ゲームです。派手なボードにプラスチック製の4つの歯車のようなものが目を引きますが、これはリソースチップ置き場です。様々な会社の株を売買し、必要なリソースを買って会社を設立し、配当を得、乗っ取り乗っ取られながら最終的に最も多くの現金を稼ぐのが目的です。

会社の株は9種類6枚ずつ(4人プレイ時)あり、それぞれの株カードには市場との売買の値段、それより少し高い配当金額、さらに設立に必要なリソースの組み合わせが書かれています。同じ会社の株を2枚以上さらして必要なリソースチップを脇に置けば設立となり、以後自分の手番の最初に配当金がもらえます。4色のリソースチップは買えば買うほど高くなり売れば売るほど安くなるというシンプルなメカニクスになっています。

手番には株券のデッキから1枚補充し、配当を得た後は好きなアクションを好きなだけできます。株やリソースの売買、会社設立、追加株の公開、会社売却、乗っ取り、など様々です。リソースの売買だけは3枚ずつという制限がありますが他は全くの無制限です。

乗っ取りはこのゲームの核となるシステムです。相手が設立している会社の株を手札から1枚提示してその会社の株を1枚いくらで買うかを提示します。相手プレイヤーはそれを受け入れて現金をもらうか、逆に乗っ取りに使われた1株をいくらで買うかの提示ができます。これは2人の間の競りで、どちらかが折れるまで値段がつり上がっていきます。もちろん乗っ取る方はその会社の株すべてを買わなければならないので、枚数が多いと多少は乗っ取りがされにくくなります。先ほど書いた「追加株の公開」というのは相手に乗っ取りをされにくくするために自分の会社の株枚数を多くしておくことです。乗っ取りが成功し、さらに必要なリソースチップを揃えて即座に会社を再設立すると、ボーナスとして配当がただちにもらえます。このボーナスがかなり大きいのがポイントで、普通なら会社を設立しても1巡以内に乗っ取られれば配当が0なのに比べれば雲泥の差です。

株のデッキにはあらかじめ7枚のゲームオーバーカードが入っており、これが全部出たらゲームは即終了となります。なので終了を予測して会社をたたみ、リソースや株を売り払っておくことも大切なのです。どんなに高額な株やリソースでも売らずに残ったものはほぼ最低値の150になってしまうのです。会社をたたむときには株価に加えて50多くもらえるので、基本的には設立された会社の株は売らずに会社を閉鎖することになるでしょう。

他にも、ルール上4株以上持っていればリソースチップをもう1組そろえれば、2株2株と分けて利益が2倍となる会社の分割も出来ます。またトラッシュカードという特殊カードがあり、これは乗っ取りの支払い時に株1枚の代わりになったり、他のプレイヤー1人(オリジナルルールでは2人)の設立した会社の株と未使用のリソースチップ1つにつき50を支払わせるなどというかなり凶悪なカードなのです。

Raelさんの持ち込みで昔から気になっていたゲームの一つで、漸く遊ぶことが出来ました。「1枚で乗っ取りを仕掛けられる」というのがよく聞くうたい文句なのですが、乗っ取りは一種の競りなので乗っ取られる側に現金が不足していない限りはどちらも特になるという感じがします。再設立のボーナス配当が大きく、また会社はたためばそれだけで株価以上の収入にもなるので、乗っ取りの値段の提示はなかなか悩ましいものがあります。とはいえ、最小単位が50のこのゲームでは実質的な選択肢の幅はそれほど大きくないのかもしれません。気になるのは枚数を多くしてもさほど乗っ取りを防げないことです。相手はその場で現金化してしまえば乗っ取った後はすぐにその株を売れるからです。このあたりは意図的にファミリーゲームっぽくゆるくしてあるのかなあと少々疑問に感じました。

ゲームオーバーカードはデッキの前半に3枚、後半に4枚入っているのですが、デッキが後8枚くらいになったときに、あと何回自分の手番がくる可能性があるのかが知りたくてデッキにあるカード枚数を数えてしまいました。これはルール違反だったようです。どうもすみませんでした。

終盤はみな最安値の会社以外はたたんでしまい、もうゲームオーバーを待つだけという展開になったのはちょっとアンチクライマックスな感じです。終盤にトラッシュカード4連発という個人攻撃を喰らって1600もの出費があったのはかなりつらかったです。

乗っ取りのときの競りのルールなど「クーハンデル」っぽい感じもしてちょっと独特ですが、相手が設立している株を自分が引いたときに、自分も同種の会社を設立するという選択肢の意味が無く、乗っ取りを仕掛けるのに使うしか無いような気がするのはちょっと残念です。手番に無制限に行動ができるので、ゲームがどうしても長くなってしまいます。その割には自由度はそれほど高くないのが気になる所です。

結果:Rael 8500、自分 8200、河原 7450、けろ 7300



ファクトリー マネージャー Funkenschlag: Fabrikmanager
(説明 20分 プレイ時間 105分)
FabrikManager20110601.jpg電力会社の続編とも言える雰囲気を持ったシビアなマネージメントゲーム。電力会社と共通のメカニクスも多いのですが、5ラウンドという制約の中で考えどころも多く作られています。最も多くのエレクトロ(お金)を稼ぐのが目的です。

自分の工場に配置するタイルは、機械、ロボット、倉庫、制御室、コンピューターの5種類。それぞれのタイルには生産量、倉庫、燃料使用量、労働者の4つのパラメーターを増減させる役割があります。各プレイヤーは1枚ずつの制御室やコンピューターと、合計で10枚のその他のタイルを工場に置くことができ、また追加で10エレクトロを払えば2つまで余分に置くことも出来ます。

収入に関わっているのは最初の3つのパラメーターで

(生産量と倉庫の2つのパラメーターのうち少ない方)x10-(燃料の単価x燃料使用量)

という式で収入が入るために、生産量と倉庫はなるべく均等に増やしていき、燃料使用量は減らさなければなりません。労働者の使い方がこのゲームでは少々複雑です。各プレイヤー7人の労働者はタイルに示された必要数は工場で、残りは次のラウンドでの手番順決定の競りとタイル購入やタイル置き換えに使われます。

各ラウンドは手番順決定、タイル購入(パラメーターのアップデート)、季節労働者の雇用、生産という順で進んでいきます。このゲームは「電力会社」のように、タイルを最初に購入できるプレイヤーが有利です。そのために手番巡を競るのですが、競りに使うのは全ラウンドで工場に使われなかった残りの労働者のコマ(第1ラウンドは3人)。ただし最低1つは購入のために残さなければならないので、序盤は低めのビッドとなります。競りは「電力会社」の発電所と同じ方式で、前ラウンドでの遅いプレイヤーが、どの手番順を競るかを選択していく方式です。手番が遅いプレイヤーにはタイルなどの購入の割引特典があるので、一概に先手番が良いと限らないのも難しい所です。

タイル購入では、まず購入対象となるタイルを選択する所から始まります。手番順に自分が持っている労働者の数だけ、中央のボードのタイルを選んで場に出します。タイルはその種類の一番安い(つまり性能が劣る)ものから出さなければならず、続けて行われる購入も手番順のため、手番が遅いプレイヤーはどのあたりまでのタイルを出すのかが悩みどころです。最後のプレイヤーだけは3枚まで余分に出すことが出来るというのも面白いルールです。購入は1枚につき1労働者と書かれたお金が必要です。自分の工場のタイルを破棄するときにも1労働者が必要なので、中盤以降は労働者が多く必要になってきます。各自、購入や破棄したタイルに応じて4つのパラメーターを更新しておきます。なお、タイル購入後に季節労働者を7エレクトロで雇うことが出来ます。これは1ラウンドのみ使える追加の労働者です。

燃料の単価は最初は1エレクトロですが、毎ラウンド徐々に上昇していきます。上昇値を専用のタイルをめくることで決定したら、上に書いた式によって各自収入を得ます。これを5ラウンド繰り返し、最も多くのお金を持っていたプレイヤーの勝利となるのです。

FabrikManagerMyBoard20110601.jpgこれもRaelさんの持ち込み。自分は2009年のエッセンで購入して以来、ギークになかなか英訳があがらなかったこともあって、実はまだ遊んでいなかったゲームです。漸く遊ぶことが出来ました。倉庫と生産量をバランスを取りながらの拡大最生産が面白く「電力会社」同様に、手番順の獲得やタイルの破棄などにメリハリをつけていくゲームのように感じました。最終ラウンドでは次のラウンドのために労働者を節約する必要がないので、労働者を節約するタイルを破棄して7と9のタイルという最小限の購入をしたのがよかったのか、初プレイでの初勝利。これは何度か遊んでみたくなるゲームだと思います。

結果:自分 284、Rael 269、道化師 251、ちゃあ 168、HTP 168



本来ならドラフツの例会があったのですが、倒れそうな空腹だったこともあって、久し振りにRaelさん、みずるさん、HTPさん、道化師さん、川上さんと夕食。

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