ウォルドーフゲーム会 2010.09.10

今月から場所を移したウォルドーフゲーム会。場所はウォルドーフではなく、もうすこし西になってしまったのですが、便宜上そう呼びます。アンチュマンとカープールして、乗せていってもらいました。ワシントンDCからほぼ真南に45分。もう森の中という感じの人気のない教会が会場でした。



ドメモ Domemo
(プレイ時間 各5分)
Domemo20100910.jpgとりあえず人が集まるまでのつなぎとして、主催のエリックCにリクエストされて持ってきた幻冬舎エデュケーション版のドメモをプレイ。通常通りの一気当てバリアントがあるルールです。1ゲーム目は、エリックC、サミー、マイケル、アンチュマン、自分の5人で、2ゲーム目からはカークも加わって6人で遊びました。テーブルが横に長いので、5、6人だと隣のプレイヤーのタイルを見るのが大変です。この日本製は機能的で好きなデザインですが、あと一回り小さければなあと思いました。ドメモは1ゲームにつき5分くらいだし、ゲーム会での到着待ちにはもってこいのゲームかもしれません。

結果
1ゲーム目(5人):マイケル
2ゲーム目(6人):エリックC
3ゲーム目(6人):自分



フォッペン Foppen
(2ディールのみ)
Foppen20100910.jpgここで暫く7人になってしまったのですが、2人がブリンクを始めてしまったこともあり、残りの5人で気になっていたフォッペンを遊びました。前回は1ディールのみ、今回は、またもや時間の関係で2ディールのみです(本来は人数分X2ディールを行います)。そんなわけで、戦略がまだ見えずに不完全燃焼ですが、面白さが少し分かった気がします。フルゲームを早く遊んでみたいですね。

結果:アンチュマン 10、カーク 6、エリックK -12、自分 -21、マイケル -24



碁 Go
(プレイ時間 95分)
Go20100910.jpgここで本来ならスーパーノバというゲームに加わるはずだったのですが、あまりに複雑すぎることと、後から到着した人が遊びたそうだったので、抜けてエリックCと碁をやることにしました。19路盤の碁盤はエリックCの持ち込みで、彼は碁がかなり好きらしいので一度は打ってみたかったのです。久し振りだし、自分も素人同然なのですが非常に楽しめました。自分が黒の先手。終盤までかなり良い勝負だったのですが、エリックCの大量の石を殺すことに成功してこんなにも差がついてしまいました(写真中央の白石)。それにしても碁は面白いです。アブストラクトの王者ですね。

結果:自分 143、エリックC -32



レス パブリカ Res Publica
(プレイ時間 各30分)
ResPublica-Boxes.jpgレスパブリカはクニツィアの一風変わった交渉ゲームで、初版は1991年にヘクサゲームズから出版され、のちにリメイクがクイーン(1998年/2000年)と、アバランチプレス(1999年)から出ています。クイーンの2000年版はバターボックスといわれる棒状のバターを入れるための箱と同じ構造の変わった箱です。(箱の写真は左から、カードの写真は上からそれぞれ、ヘクサゲームズ版(1991)、クイーン版(1998)、アバランチプレス版(1999)の順です)

ResPublica-PeopleCards.jpg民族カードと文明カードの2種類のデッキから構成されており、ともに5種12枚ずつ60枚あります。手番は、交渉、メルド、補充の3フェイズで、メルド(自分の前にさらして置くこと)できるのは同種5枚のセットだけです。手札は民族カード4枚から始め、補充も最初は民族カード1枚だけですが、民族カードのメルド1セット完成につき、文明カード1枚を毎手番後に補充できるようになります。さらに文明カードのメルド1セットで得点カード獲得となる二段階構成です。得点カードは最初の9点から漸減し、最後には3点(または4点)まで下がります。よって、いかに早く文明カードのメルドを作るかが勝負の鍵となります。その為にはより多く文明カードを補充できるように民族カードのメルドを多く作る、ということになります。

ResPublica-CultureCards.jpgこのゲームのキモはなんといっても交渉の部分。これがすべてと言っても良いかもしれません。プレイヤーはメルドのために欲しいカードを得るべく交渉しますが、これが非常に限定された形でしかできないのです。手番では「◯◯が欲しい(リクエスト)」か「◯◯をあげます(オファー)」のどちらかしか言えず、通常の交渉ゲームのように「◯◯をあげるので△△をください」などと言うのは禁じられています。その後、時計回りに他のプレイヤーは手番プレイヤーと同じ形式で返答します。リクエストであればリクエストで、オファーであればオファーで返答するのです。もちろんパスすることも可能で、リクエストされたカードがないときやオファーが魅力的でないときにはパスをするしかありません。

ResPublica-PointCards.jpg交渉では枚数の指定や接続後の and と or を使うことができ、さらにカードの名称の他に、カードの種類を指定した「民族カード」「文明カード」や、さらにはまったく無指定の「カード」という言葉そのものを使うことができます。これらをうまく使うことによって、実に多彩な交渉が可能となるのです。例えば「ギリシャ人2枚か文明カード1枚をください」「民族カード2枚とゲルマン人1枚をあげます」「カード3枚ください」などのリクエスト/オファーが可能です。

こうして文明デッキが尽きると、あと1巡。最後の文明カードを引いたプレイヤーの手番後にゲーム終了です。獲得した得点カードの合計に手札のペアの数を足したものが得点となります。

古いゲームで何度か再販されている為、各エディションでコンポーネント内容やルールが多少異なります。以下がそのまとめです。なおクイーン版とアバランチプレス版のルールはまったくおなじです。

民族カードと文明カードの名称
ヘクサゲームズ版
民族:ゲルマン人、ギリシャ人、フン族、ペルシア人、ローマ人
文明:交易、芸術、書籍、宗教、技術
クイーン版
民族:アングロ=サクソン人、ゴート族、フン族、ランゴバルド族、ヴァイキング
文明:錬金術、建築、交易、金属加工、船舶
アバランチ版
民族:ローマ人、バビロニア人、エジプト人、アトランティス人、ギリシャ人
文明:金属加工、車輪、建築、化学、航海

得点カードの構成
ヘクサゲームズ版:9、8、8、7、6、6、5、4、4、3
クイーン/アバランチ版:9、8、8、7、7、6、6、5、5、4
さらに、クイーン/アバランチ版には民族カードをメルドするともらえる3点の村カードが10枚(必要十分枚数)ある。ヘクサゲームズ版にはない。

トレードのルール
ヘクサゲームズ版:カード名称/種類や接続詞の数に制限はない。
クイーン/アバランチ版:カード名称/種類は2つまで、接続詞の and と or はどちらかを1つまで。
(注:ただしヘクサゲームズ版の例はすべてクイーン/アバランチ版のルールに適っているので、記述していないだけという可能性もある)

補充(Nを民族カードのメルドしたセットの数とします)
ヘクサゲームズ版:民族カードを1枚+文明カードをN枚。なお、補充前にペアを捨てて、文明カードを1枚取ることができる。ペアが文明カードならゲームから除外され、民族カードなら捨て札として場に表向きに置く。文明カードを補充する代わりに、捨札の民族カードを取ることができる(1枚まで)。
クイーン/アバランチ版:民族カード1枚+文明カードN枚までだが合計3枚以下。(つまりNが3以上であれば、民族カード1枚と文明カード2枚か、または文明カード3枚のどちらかを選べる)

ゲーム終了後のメルド
ヘクサゲームズ版:なし。
クイーン/アバランチ版:終了後にさらに一巡メルドをすることができる。

ResPublica-Meld20100910.jpg今回は初版のヘクサゲームズ版をプレイ。ゲームをやるのは初めてというボブを誘ってエリックCと3人で2ゲーム遊びました。いかに他人の手札を覚え、需要と供給を考えてトレードをするかが大切です。リクエストをすると、持っていないと何も返事が来ないので、オファーで探ってからリクエストで得るというのが良いかなあと思いました。ちょっとの差があとまで響くので、そのあたりをいかにカバーするかが大切だと思います。

ヘクサゲームズ版のルールでは民族カードのペアを捨てて文明カードを引けるので、文明カードが4枚あるときなどは有効な作戦になると思います。捨札を山にするのか並べるのかのルールがあやふやな記述なのですが、今回は捨札は並べて、そのどれでも後から自由に取れることにしました。このペアを捨ててあとから拾えるルールが少々ややこしいので、リメイクでは削られたのでしょう。また民族の名前もゲルマン人とギリシャ人が両方ともGで始まるので少しややこしいです。このあたりもリメイクでは解消されています。ただ、個人的にはこの初版の絵柄が結構好みです。視覚的にも分かりやすいと思います。

地味ながらももどかしい交渉が楽しめる良作だと思います。この交渉をアレンジしたのがバベルの塔なのかなあという気がしますね。今度は4人か5人で遊びたいです。

結果
1ゲーム目:自分 34、エリックC 21、ボブ 15
2ゲーム目:エリックC 27、自分 20、ボブ 18



バベルの塔 Der Turmbau zu Babel
(プレイ時間 60分)
TowerOfBabel20100910.jpg久し振りのバベルの塔は、ウォルドーフではかなり高評価のゲーム。ゲームリンク第4号の No Game No Life で自分が選んだ、思い入れのあるゲームでもあります。ルールがエレガントで分かりやすいので、ゲーム初心者のボブへの紹介を兼ねて遊びました。得点方法には3種類あること。自分が多く家を置いている場所は遅く決算する方が良いこと、などの基本的なところを押さえてプレイ開始です。のんびりと喋りながら、途中でコーヒーを作ったりもあったので普段よりも長くかかりましたが、やはりこのゲームは傑作ですね。アンチュマンはスーパーノバとの掛け持ちプレイ。スーパーノバは自分の手番が終わると全くすることがないらしいので、その合間を縫ってのプレイです。2つのテーブルの間でカフェインターナショナル状態ですね。

写真は青のボブの手番、自分は黄色でここで6枚の白を持っていたにもかかわらず、5枚提示しました。もし受け入れられて、残りの1枚をボブがプレイすれば、自分が1位、ボブが2位になるからです。残念ながらボブはこの意図がわからなかったらしく、断られてしまいましたが、カードを減らさずに5点稼いだのは大きかったです。

エリックCはこのゲームが好きで、よくリクエストされます。アンチュマンは2度目ですが、昔一度遊んだときにはどんなゲームだったか覚えてないけど、これはとても面白いと言ってました。また暫く続けて遊びたくなります。

結果:自分 92、エリックC 76、ボブ 63、アンチュマン 61



ローマに栄光あれ Glory to Rome
(プレイ時間 55分)
GloryToRome.jpg最後にもうひとつということで混ぜてもらったのがこのゲーム。色々なゲーム会でプレイされているのは見かけるのですが、テキストが多くて自分の好みに合わなそうなので今まで避けていました。「サンファン」や「レースフォーザギャラクシー」の流れを汲んだゲームといわれていますが、1枚のカードに色々な役割があるという部分だけで、それほど似ているとは思いませんでした。むしろスートをフォローした人だけが実行できるという部分は「魔法にかかったみたい」に近いかもしれません。

カードは左に役職、下に原材料、中央に、建物としての名前と特殊能力が描かれています。6色のスートが6つの役職と6つの原材料に対応しているのです。

手番プレイヤーは手札から1枚カードをプレイします。他のプレイヤーは同じスートを持っていればフォローすることができます。また持っていなかったりフォローしたく無い場合はパスして、手札を補充します。その後、手番プレイヤーから順にカードをプレイしたプレイヤーはその役職のアクションを実行できるのです。このとき自分のボードの左側に同スートのカードを役職として配置していれば、その分追加でアクションができます。6つのスートは役職配置(ボードの左側)、原材料獲得(ボードの下側)、建築(ボードの上側)、勝利点化(ボードの右側)などがあります。面白いのは終わった後にプレイしたカードは表向きに中央のプールに置かれることで、ここからのちに他のプレイヤーに、ドラフトされるのです。基本的に、得点になるのはボードの上側の建物を建てたときの土台カードと、ボードの右側に、得点として伏せたカードだけです。よってなるべく建築をして、余ったカードをうまく得点化するのが良いと思いますが、どうでしょうか。

何をやってよいのかさっぱり分からなかったのですが、基本的なシステムだけは何となく分かりました。ギークでも話題になる評判の良いゲームですが、あまり絡みもないし、とにかく煩雑です。カードごとに別の特殊能力があります。唯一の救いは、建物を建てるまでその特殊能力は発動しないことで、これによってカオス度が少し押さえられていますが、それでもルールブレイカーの多い特殊能力の発動で、何がなんだかわからない状態になっていました。レースフォーザギャラクシーやドミニオンが好きならば試してみる価値はあると思います。

結果:エリックC 20、マイケル 14、アンチュマン 14、自分 14、カーク 10



これからも続いていきそうな、ポスト=ウォルドーフゲーム会。時間のある限り、参加していきたいものです。

SHARE