DCゲーマーズ 2007.09.01

10ヶ月振りに参加のジェイソンの家でのDCゲーマーズです。あまりにも天気がよかったので、普段は車で行くところを地下鉄と徒歩で。地下鉄で1時間弱、郊外の Springfield 駅に降りると、周りは森です。森の中の静かな住宅を抜け、新興住宅を抜けて45分歩いてジェイソンの家に到着。

タイミングが悪く、帝国の時代3 Age of Empire III という長時間ゲームの真っ最中、さらにその直後には夕食を食べるため全員揃ってレストランへ。そんなわけで家を出たのが5時なのに、最初のゲームに参加できたのは10時近くなってからという効率の悪さですが、まあ途中から飛び込みで来たので仕方ないですね。でも食事中に色々なことを話しました。何故9ヶ月もDCゲーマーズに来なかったのかと訊かれたので、率直に「毎回、新しいルールを覚えるのに疲れた。新しいゲームに魅力的なものがない。ここでは同じゲームを二度やることが殆どないのが不満。ゲーム自体に以前ほど魅力を感じなくなった。毎回2時間もの長時間を夕食に割くのもあまりよくないのでは。」などと言うと、そこから枝分かれして様々な討論が始まりました。それはそれで興味深いのですが、ここでは割愛します。



アールエコ R-Eco
RECO.jpg製品版(第2版)でのプレイ。カードの構成と枚数が変わりました。今までは各スートでシングルが18、ダブルが2、だったのが、この版ではシングルが22、ダブルが3とダブルの割合が多くなりました。枚数が多いのでゲーム中のシャッフルが2回から1回に減ったのは良いことだと思います。カードの質も向上し、シャッフルがしやすくなりました。ただ、カードのデザインは前の方が個性があって好みです。また、箱がかなりぎりぎりで説明書まで入りきらないのが難ですね。

英訳ルールに注目が集まりましたが、「この英訳は英語になってない」と色々な人に言われました。結構手厳しいです。あとPETボトルとは何なのか?と訊かれました。リサイクルに詳しいマイクHはそういう素材があるというのは知っていましたが、PET自体の知名度が低いので、どちらかをアルミニウムにすれば良いのでは?という意見もありました。

今回は3人プレイを2回ですが、とにかく皆考えます。一度目は不法投棄をしたにもかかわらず3色を集めていき得点。残りの一色で-2をかぶって無傷。2ゲーム目は不法投棄をしないようにしていったが、得点が取れず。初プレイのダンも楽しんでいたようです。

ルールで一つ混乱したのは3人の時の補正です。日本語だと、「3人プレイの時には、優良時業者ボーナスにはさらに+1点の補正を加えます」と書いてあります(これは初版でも同じ)。つまり不法投棄をしなかったのが1人だけの時は3点、2人の時は2点ずつだと思っていました。ところが英語だとWhen the game is played with 3 players, add another extra point for each violated player(2point per violated player).と書かれています。これだと、不法投棄をしなかったのが1人だけの時は4点になります。まあ大した違いはないのですが、気になりました。

結果
1ゲーム目:自分 15、ダン10、マイクH 7
2ゲーム目:ダン10、自分 3、マイクH 3



ショーマネージャー Show Manager
ShowManager.jpg来週にはスペインに帰ってしまうというダンのリクエストでプレイすることになりました。最近はもっぱら昔の名作をプレイすることが多いのですが、このゲームは最初に買ったゲームの一つで、その頃よりも今の方が面白さがわかってきた気がします。

プレイヤーはウルフ(黄 3役) クイーニー(緑 4役)、リア王(赤 5役)、バレー(青 6役)の4つのミュージカルをマネージメントします。クイーニーというのはエリザベス女王のことらしいのですが、もしかしたら単純に出版社名クイーンをもじったのかもしれません。括弧書きで書いたように、4種のミュージカルは色分けされ、それぞれ3-6役が必要です。それぞれのミュージカルの価値は、俳優カードの能力の合計で、ミスキャストがいないとボーナスが付きます。

ゲームの中心となるのが、この俳優カードで、コミカルな絵柄のカードには、その俳優がどのミュージカルのどの役を、どれくらい完璧に演じられるかの能力が数値で書かれています。例えば Leo Sturm という役者はウルフのロボ役の能力は6、リア王の王様役の能力は3です。役者によって1役から3役までこなせますが、能力の合計値9を割り振ってあるので、出来る役数が多いほど各能力の数値は小さくなります。それ以外の役はすべてミスキャストになりますが、どの役でも能力1でこなせるオールマイティも12人います。これはボーナスを逃さないためにも非常に重宝するカードです。

ShowManagerScore.jpgミュージカルは、ニューヨーク(人口821万)、ハンブルグ(174万)、ケルン(98万)、ボーフム(38万)、トロイスドルフ(7万5千)の5都市のうち4都市で公演されます。なぜか各都市では1種類のミュージカルしか公演されません。例えば、リア王を最初に公演したプレイヤーがハンブルグを選んだとすると、残りすべてのリア王はハンブルグで公演されることになります。各都市(つまり各ミュージカル)で最も価値の高いものから勝利点が割り振られます。勝利点のスキームは都市によって異なり、ミュージカルの都、ニューヨークでは22、16、10、6、2、0と極端ですが、田舎町のトロイスドルフでは14、12、10、8、6、4とあまり差のないスキームになっています。よって出来れば自信のあるミュージカルは大都市で、ミスキャストがいるようなものは田舎で公演するのが理想的です。

ゲームの基本的な流れはシンプルです。各自、手札0枚、現金18000マルクからスタート。手番では俳優を場札からドラフトするか公演を行うかの2択です。

4枚の場札(俳優カード)は左から3000、2000、1000、0マルクと値段がついています。右側の安い俳優が雇われると、今まで高かった俳優が右にスライドして安くなります。さらに4枚のどの俳優も気に入らなければ、2000マルク払うことで場札を流して捨て札にし、新しい場札にすることが出来ます。それでも気に入らなければ何度でも流せますが、あまり続けると限られた資金はあっという間に無くなるでしょう。

公演を行う時は、そのミュージカルを演ずる俳優カードをさらします。ミュージカルの価値を鉛筆で得点マーカーに書き、対応する都市に置きます。ここで重要な手札制限があります。ミュージカルを公演した直後の手札は2枚以下でなければなりません。つまり手札が8枚だったら、たとえ全員ミスキャストでも強制的に6枚でバレーを公演しなければならないのです。この手札制限がゲームを引き締めている素晴らしいルールで、厳しいハンドマネージメントが要求されます。さらにゲーム終了時の余分な手札は1枚以下でなければなりません。(リメイクのアトランティックスターでは2枚です)

もう一つの素晴らしいルールは借金です。18000マルクしかないため、既に公演したミュージカルの価値を下げることによって資金を作ることが出来ます。価値1下げるごとに1000マルク、最大で10下げて10000マルクまで得ることができます。勝利点はあくまでも他プレイヤーとの相対的な価値のために、どこまで下げれば良いのかが悩みどころです。

こうして現金と俳優をうまくマネージメントしながら、最終的にもっとも勝利点を稼いだプレイヤーの勝利となります。残りの現金はタイブレーカーです。

6人プレイは実は今回が初めてですが、非常に白熱した展開で面白かったです。6人もいるとなかなか思ったように俳優を揃えることが出来ないので、どのあたりで妥協するかの見極めが肝心です。僕は、最初にバレー(青6枚)で45という質の良いミュージカルをニューヨーク初公演を目指して整えたのですが、同時にウルフの俳優も雇っていたことがたたって、一手差でマイクHがバレーを田舎のボーヘムで公演してしまいます。

結局、ニューヨーク公演は無くなったので、最も価値のあるハンブルグのクイーニー(緑4枚)の適役集めに集中します。ボーヘムのバレーを最大の10下げて資金源に。それでもお金が厳しく、丁度ハンブルグの講演が終わったときに資金が尽きてしまいます。そこでトロイスドルフでのウルフ(黄3枚)をミスキャストを含む価値10で公演。直後にウルフを10下げて10000マルクを得ます。ウルフは価値が0になってしまいますが、これも将来のため。

ShowManagerCards.jpgその資金をもとにして、2番目に価値の高いケルンでのリア王(赤5枚)の役者を集めます。ところが、同じ時期にリア王の役者を集めていたクリスチャンが、僕が公演する直前で僕が狙っていたのと同価値の28をたたき出して相対順位2位につけたので、あとからの僕はこのままでは3位。しかし、手札制限に余裕があったのが幸いしました。次の手番で手持ちの資金2000丁度で役Cを2から5にグレードアップすることができ、リア王の価値を31にあげました(右写真参照)。

ウルフでミスキャストをつくって余分な俳優を無くしておいたことと、ウルフを0にしてでも最大限のお金10000マルクを借りたことが功を奏しました。それでもクリスチャンには追いつかず、2位。非常に白熱したゲームでした。やはり手札制限と借金がゲームの胆です。この2つのルールのおかげでゲームがものすごく引き締まって感じられます。6人ゲームでは一番面白い、と数人が言ってましたが、その通りかもしれません。

結果:クリスチャン 47、自分 41、マイクH 38、ヴォンダ 35、ダン 31、ジェイソン 27



おまけ:カードは各役で能力9の俳優が1枚ずつあるのは知っている方も多いと思いますが、他の内訳も知っておくとよりスキルフルなプレイが出来ると思います。2役以上演じられる俳優の役の組み合わせには規則性はあまりありません。それらの中で同じミュージカルでの複数の役が演じられる俳優が8人いますので括弧内に書いておきました。

俳優の内訳。各役、能力9、7、6、5、5、4、3、3、3、3、2、2、2の13枚。
カードの内訳
能力9:18枚(各役1枚)
能力7-2:18枚(各役7と2が1枚ずつ)
能力6-3:18枚(各役6と3が1枚ずつ)
能力5-4:18枚(各役5と4が1枚ずつ)
能力5-2-2:18枚(各役5が1枚と2が2枚ずつ:緑Dが5で青CFが2のカード1枚あり)
能力3-3-3:18枚(各役3枚ずつ:黄色AC、緑AD、赤AC2枚、赤BD、青AD、青CEあり)
能力1:オールマイティー 12枚

SHARE