TGC 2005.04.07

ハットトリック Hattrick
(説明 5分 プレイ時間 4ディール40分)
Hattrick.jpgトリックテイクと言えばマストフォロー(リードされたスートをフォローしなければならない)が主流で、ブリッジ、ハーツ、スペード、壺の悪魔、ダビデとゴリアテなどは全てマストフォローです。フォローの義務の無いメイフォローのトリックテイクはリボーグが無くシステムとしては素晴らしいのですが、ゲームとしては自由度が高すぎて難しいのかもしれません。思いつくものでポートロイヤルとシックスティーシックスくらいでしょうか。ハットトリックは、そんなメイフォローのひとつの完成形ではないかと思うゲームです。

厳密に言うとハットトリックは完全なメイフォローではありません。各トリックでは、3種類のスートのうち2スートまでしかプレイできないのです。つまり既に2種類出ているスートのどちらもフォローできない、またはしたくないときには出ていない3つ目のスートのカードを見せてパスします。(マイナス2点と数えます)。このルールによってリボーグのおきる可能性は排除されているのが良いですね。各トリックでは各スートの強い札が出ている同じスートを全部取ります。目的はなるべく1つのスートだけを集めること。なぜなら3つのスートのうちプラスになるのは1スートだけ、残りの2つのスートはマイナスだからです。

6人専用ゲームだ、というのをどこかで聞いていて、買ったばかりのときは6人でしかやりませんでした。でも、3スートを6人で分ける形なので予定調和という感じで、あまり面白くなかったのです。ひょっとして自分には合わないだけなのかなあと思っていました。ところがハットトリックは実はカウンターマガジン主謀者、アラン・ハウさんのお気に入り。彼によるとプレイし過ぎてカードがぼろぼろになったので唯一2つ目を購入したゲームであり、4人が断然面白いとのこと。そうだったのか。考えてみれば4人で3スートを奪い合うので途中までは様子を見る形になり、6人と比べてずっと鋭いゲームに感じます。慣れてくると2人位マイナスになったりして、なかなか苦しくも楽しい展開に。

この手のカードゲームが好きなアマンダが来ていたので是非一緒にとプレイしました。1ラウンド目こそ勝ちましたが、さすがトリックテイクに慣れているので皆いやらしいプレイをしてきます。本当はルールどおりに8ラウンドやりたかったのですが人も集まってきたので切りの良い4ラウンドで終了。どの辺りからカードを集めだすかがポイントですね。

結果:自分 41、アマンダ 36、ダーク 30、マイク 22



アルハンブラ Der Palast von Alhambra
(説明 15分 プレイ時間 50分)
Alhambra.jpgここで6人になったのでちょっと人数が多すぎかなあと思いながらもジャック持参のアルハンブラをリクエストしました。2003年のSdJ(年間ドイツゲーム大賞)としてあまりにも有名なゲームです。このゲームはもとは1992年のアルカポーネ、その忠実なリメイクと思われる1998年のスティムトソーを発展させたゲームで、カードはタイルになり、テーマも世界をまたにかけての株購入からアルハンブラ宮殿を建設するというものに変わっています。スティムトソーはカードドラフトゲームの佳作であり、それが10年経ってどのようにアレンジされているか非常に興味がありました。

タイルの配分構成や基本的なルールはスティムトソー同じだと思います。手番にはお金を取るか、お金を払って建物タイルを買うかで、4種類の通貨があることや丁度で払うと手番がもう一回できることなどは同じです。ゲーム開始に全員20以上から始めること、合計が5以下だったら複数枚とれることなどは以前からバリアントとしてスティムトソーでも使われていたのですが、ここで正式ルールになりました。最大の違いは付け加えられたタイル置きの要素各建物タイルは正方形で0-3辺が壁になっています。壁の長さはラウンド毎に得点をもたらしますが、配置の時には壁が邪魔になることも。その場合は一時保留してあとで手番を使って置くことになります。

今回初プレイですが、プレイ感はスティムトソーとあまり変わらないような気がしました。他人が何を集めているかを良く観察して、その合間を縫っていきます。紫は3人の間でかなり熾烈に争われていたので次に高得点の茶と一番低い緑をねらっていきます。そうは言いながらも、欲しい建物が出てくると、対応する通貨がないというのはスティムトソー同様です。残念なのはタイルの値段別の一覧表がなくなったこと。スティムトソーにはあったのですが、これがないとプレイアビリティーが損なわれるような気がします。ついでにタイル一覧表(どこに壁があるか)も欲しいなあと思ったらギークに既にありました。このタイルの感触と絵柄は良いですね。

後日アルハンブラは英語初版でエラッタがあることが判明。壁の長さはゲーム終了時のみ得点としていたのであまり壁の印象が薄かったです。本来は壁の建設がかなり大事になると思います。またちゃんとしたルールでプレイしたいですね。

結果:ポール 67、ジャック 66、自分 59、マイク 51、アレックス&ゲスト 39



アメンラー Amun-Re
(説明 20分 プレイ時間 2時間)
Amun-Re_2.jpg前回、チグリスユーフラテスがジャックには不評だったので、ではアメンラーは?ということで持ってきました。全部で5人、アメンラーの適正人数です。ジャック以外は皆プレイ済みなので説明は短くて済むかなあと思いきや20分。5-6つのフェイズに特殊カードが絡んでくるのでしょうがないです。説明中、ポール曰く、「これってクニツィアらしくないゲームだねえ」。確かに言われてみれば他のゲームとはまとめ方が違うような気がします。テキストを使ってないとはいえ特殊カードが12種類と言うのがまずクニツィアらしくないのかも。そういう意味では異端児的な存在です。

Amun-Re.jpg第1ラウンドでラクダの土地が2つ競りに出たのでそれを競り落とします。もうひとつはポールが競り落とし、2人で協力してラクダである程度稼ぎましたが、ジャック所有のメンディスの大量農民の威力にはかなわず、金銭面では差をつけられました。3ラウンド目までに多少持ち直して後半戦に入ります。4ラウンド目、5ラウンド目ともお金をはたいて既にピラミッドが立っている土地を競り落とし、運命の6ラウンド目(写真)。唯一ピラミッドが2つ建っているブトーに28のビッド。さらに温存していたビッドブロックカードでもし万が一欲しい人がいても45払わなければなりません。不可能ではない話ですが誰もビッドして来ず、結局手に入れることが出来ました。それでも競りにお金を使わなかった他のプレイヤーに大量にピラミッドを建てられて2位どまり。最近こういうパターンが多いですね。ジャックが初プレイで勝利。チグリスに比べて直感的で解りやすいとの事。

(ゲームの概要はここ

結果:ジャック 45、自分 39、 ポール&アレックス 36、マイク 35

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