ゲームと特許

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   先日boardgamegeekの更新情報を見ていたら、アンドリュー・ルーニーのゲーム”クロノノーツ”に追加されたファイルに面白いものがありました。それはPDFファイルの特許書類なのです。若干失礼なのですが、そもそもLooney Labsのアンドリュー・ルーニーさんはボヘミアーンな容姿だし、作るゲームもユルーい感じの物が多いので特許出願なんてしなさそうなのにと思っていたのに、いくつか特許を取っているようです。ゲームに特許がおりること自体あまりなさそうなことなので、ちょっと調べてみました。基本的にゲームとそのルールは著作権、及び特許の範囲ではありません。ゲームに使われるデザインやテキストは著作物として著作権が認められています。特許に関してもゲームのルール自体は発明として認められません。さてルーニーさんは何に対して特許を取ったかというと、題名は”カードゲームにおける疑似タイムトラベルを表現する方法”です。クロノノーツではカードを年代順にならべて、手札のカードをだしタイムトラベルと称して過去を操作しにいきます。過去が変えられると、その影響で未来の一部が準じて変更されるので、変更されたカード(年代)を裏に捲ります。こうしてあまりシステム自体が複雑にならずにタイムトラベルをシミュレートしている訳です。このゲームの特許はカードを含むこうした仕組みが評価されて特許を認められたようです。書類の一部にはカードゲーム以外のメディアにも応用できると書かれていますが、一応認められている範囲はカードゲームに絞られるようです。こうして特許が認められると、以後20年間は類似するカードゲームを作ったり、勝手に売ったり、また似たゲームを輸入することも出来なくなります(アメリカの場合)。もちろん特許庁(アメリカ)が全部把握しているわけでは無いので、申請者が意義を申し立てた場合には法的に差し止めなどができると言うことです。また日米では特許の基準が若干違うので、こうしたゲームの仕組みは日本では発明として認められない可能性が大きいのです。アメリカでは概念だけ(たとえばビジネスモデル)でも最近は特許をとれるようですが、日本の場合ソフトウェア+ハードウェアが融合した仕組みが申請されない限りは難しいようです。僕もそんなには詳しくないのでもう少し勉強が必要ですが、こういった書類など見ていると結構面白いなーと思いました。

日本の特許庁の特許に関する簡単な説明
アメリカ特許庁の特許に関するFAQ

アンドリュー・ルーニーさんが取得している特許:
Method of simulation time travel in a card game
Method of manipulating and interpreting playing pieces
Method of conducting simultaneous gameplay using stackable game pieces

モノポリーの特許 (Charles Darrow) TIFF画像

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