秋葉原水曜日の会 2012.05.09

KosmosTeenageKnizia.JPG久し振りの水曜日の会です。「手抜き工事」を初めて遊べたこと、訳したまま未プレイだったシュピールボックス収録の「インベストポリー」を試せたこと、クニツィアの問題作(?)である、コスモスのティーン・エイジ・ガールズ・ゲームが2つも遊べたことなど、収穫の多いゲーム会でした。写真はその怪しさ満点の10-14歳対象の「有頂天」と「セレブのプロマイド」です。




ロンドン掠奪事件 Looting London (グリフォンアジア小箱版)
(説明 5分 プレイ時間 25分)
LootingLondon20120508.JPG到着した時にはちょうどすべてのテーブルでゲームが行われており、少し後に来たアル隊長を誘って2人で「ロンドン掠奪事件」を遊びました。うまくカードを調節して、自分の都合が良いように未解決事件を決めるようにします。2人で遊ぶのは久し振りですが、思ったより冗長感も無く、終始悩まされ続けでした。なんとか僅差での勝利。やればやるほど隠れたカードドラフトの名作という気がしてきます。

結果:自分 31、アル隊長 29



手抜き工事 Pfusch
(説明 10分 プレイ時間 30分)
Pfusch20120508.JPG粘土をこねて中に鉄骨に見立てた1センチ立方くらいの木製キューブを入れて資材を作ります。1つの資材は建物の1つの階層分なのです。このときにキューブを入れなくても見破られなければ問題ありません。もともとキューブの数が少ないのでいつかは手抜き工事をしなければならないのです。さらに余ったキューブは得点になるので、うまく他人を欺けばしめたものです。しかし、検査官役のプレイヤーは、建設中の建物に長い楊枝を刺して手抜きかどうかを調べます。このプリミティブなプロセスが楽しいゲームです。

ゲームは12ラウンドを通して行われ、ラウンドごとに1資材(1階層分)をつくります。ボードには2-4階建ての建物を建てる場所があり、それぞれ得点が異なります。その後、12枚のビッドチップから1枚を同時選択して最も高数値のプレイヤーが検察官となります。このとき同じ数字がバッティングすると、はげたか式に無効となります。なお3回手抜きがばれると脱落です。

みんな資材の作り方に個性があります。アル隊長は綺麗な球体にしたりめんたいこの様な形にしたりと怪しいです。はいばらさんはもっと怪しく、ロボット型だったりします。自分はと言えば、キューブとほぼ同じ大きさで嘘だか本当だか見分けるのが難しい大きさに挑戦していました。そんな風に三人三様でしたが、はいばらさんと自分はビッドでバッティングしてしまうことが多く、アル隊長が検査官となり手抜きが何度もばれてしまいます。自分は2回ばれたあとに、なんとか生き残りましたが、はいばらさんは3回ばれて脱落です。まあ何度も遊ぶゲームではないと思いますが、相手の建物に楊枝を指すのはなかなか楽しいです。

結果:アル隊長 13、自分 9、はいばら 脱落



インベストポリー Investopoly
(プレイ時間 60分)
Investopoly20120508.JPGシュピールボックス91年5号の付録です。価格が常に変動する株とゴールドを売買してお金を儲けていきます。価格は両方ともに50から始まります。売る時は価格表示を1つ下げてからその価格で売り、買う時は逆に価格表示を1つあげてからその価格で買うのです。つまり、価格表示の1つ上と下が売値と買値を示しており、その差はつねに2なのです。そして売買の旅に価格が変動するのです。シンプルながら需要と供給を良く表しています。

手番には株と金の両方についてそれぞれ1つだけ売買ができます。そのあとダイスを2つ振って、その数だけ自分のコマを時計回りに進めます。もし振った目がぞろ目ならばぞろ目でなくなるまで振り直してから出た目をすべて足します。進んだ先のマスによって株価と金の値段が変動します。

コーナーのうち3隅では株式市場が開かれます。手番プレイヤーから順に何巡でも全員が続けてパスをするまで(つまりソフトパスです)株と金を売買できるのです。ただし手番の時と異なり売買できるのはどちらか1つだけです。

株と金はここまでは等価ですが、以降のルールによって差別化されています。最後の1つのコーナーでは誰かが止まるか通過するたびに株の配当が起こります。1株につき1ドルです。またボードの特定の地域に全員のコマがいる時には金の値段が5ドル上昇します。これは場合によっては連鎖することがあります。

プレイ時間をあらかじめ決めておき(45-60分くらいが目安)その時に最も多くの資産を持っているプレイヤーが勝ちとのことですが、一応現金で300を持っている人が現れたらゲームエンドとすることにしました。(最初は500と言っていましたが、途中で変更しました)。おそらく最も良いやり方は最初から手番数を決めておくことです。20-25手番ずつくらいが良いのではないでしょうか。次回は20回でやってみたいです。

価格変動システムはのちの「パルミラ」の元になったと思われます。また変動したものを交換していくシステムは「アレーレイシュピーレイ」収録の「食べ物と飲み物」に受け継がれています。こうしてデザインの遍歴を垣間みるのは興味深いものです。

今回はにゃかのさんが持ち前の経済ゲームに対する強みを発揮して見事に勝利です。自分は途中で株にこだわって金に代えなかったのが災いして3位でした。

結果:にゃかの 437、河原 405、自分 356、ぎゃ猿 334



アイリッシュ ウルフ Irish Wolf
(プレイ時間 25分)
IrishWolf.JPG「アイリッシュウルフ」は何度もリメイクされている「フリンケピンケ」「クアンダリー」「トール」「ロコ」「ボツワナ」といった一連のゲームの大元になったと思われるゲームで、ルールもかなり異なります。シュピールボックスに掲載され、カードの絵柄も載っているのですが、これをカラーコピーして使うよりも代用を使った方が楽です。3-4人用です。

使用するのは5色5ランク(1-5)の25枚のカードと、カードに対応した5色のチップ5つずつ25個だけです。チップは色別に分けてテーブルの真ん中に並べておきます。25枚を等分に手札として配ります(3人では8枚、4人では6枚になる)。最後に余った1枚は表向きにして対応するチップの横に表向きに置いておきます。

手番では手札から1枚プレイして場のチップを1つ取るだけです。プレイしたカードは同じ色のチップの横に表向きにし、それまでに置かれたカードが見えるようにずらして重ねます。チップはどの色をとっても良く、また取らないという選択もあります。取ったチップは皆から見えるように自分の前に置いておきます。

こうしてプレイを続け、ある色の5枚目が出たらラウンド終了です。このとき、終わらせたプレイヤーはチップを取ることはできず、代わりに1点を得ます。ここで各色で出されたカードの合計値を比べます。最も高いのはもちろん5枚目が出た色で合計値は15です。3位まで順位を決定しますが、2位がタイの時はすべて2位扱いで3位は無し、3位がタイの時はすべて3位扱いです。

獲得したチップのうち、1位、2位、3位に対応するものはそれぞれ3点、2点、1点となります。しかしランク外の色に対応するチップはすべてマイナス1点になってしまうのです。

ディーラーとスタートプレイヤーを時計回りに変えて人数分のラウンドを遊んだら終了です。最も得点の高いプレイヤーの勝利です。またバリアントとして、ランク外の色のチップをマイナス2点、または3点にするということが書かれています。

「フリンケピンケ」に似ていますが、合計数の相対順位を競うという部分で大分プレイ感が異なります。応援しているスートの数値1は残しても他が全部出れば14となり2位は確定です。また積極的に他のプレイヤーが取ったチップをマイナスになるよう仕向けるのも意地悪ですが楽しいものです。

IrishWolf20120508.JPG最初遊んだ時には終わらせたプレイヤーが1点を得られるルールやランク我意になったものはマイナス1点だというルールが抜けていました。ドイツ語の元のルールにミスプリントがあり、どうもおかしいと思って問い合わせて漸く正しいルールが分かったのです。

今回は4人で4ラウンドプレイです。例によって「古代ローマの新しいゲーム」のカードとチップを使いました。シンプルながら取っ付きが良く、評判もまずまずでした。メンバーによって色々な展開が見られるのがこのゲームの良いところですが、今回は比較的3色だけ伸びることが多く、マイナス点はあまり計上されませんでした。河原さんと自分がトップタイです。

結果:河原 32、自分 32、にゃかの 26、ぎゃ猿 20


セレブのプロマイド Promi-Klatsch
(プレイ時間 5分)
Promi-Klatsch-Box.JPG「セレブのプロマイド」はクニツィアがコスモスの十代の女の子のためのゲームシリーズの1つとして出したものです。「有頂天」と同様にピンクの箱に入っており、対象年齢は10-14歳と狭いです。「有頂天」が「ノイ」に近いカードゲームだとすれば、こちらはクニツィア版のカルタといったところです。

Promi-Klatsch-Tiles.JPG厚めの正方形のプロマイドが16種3枚ずつ計48枚あり、これらをよく混ぜて裏返しにして場に散らします。目的はこれらのプロマイドを集めることです。手番になったらどれでも1枚を表向きにしますが、かならず相手に先に見えるようにめくらなければなりません。もしめくったプロマイドと同じものが既に場にあれば、その既に出ている方を素早く手で叩いて取ります。面白いことに同種は3枚ずつあるので、3枚目が出たら、2枚目を取るわけです。シンプルですが、記憶したものが移っていくというのはクニツィアの記憶ゲームによく使われているシステムで、結構混乱します。また16種類というのもよい塩梅で、ゲーム後半になっても新しいプロマイドが現れたりします。こうしてすべてのプロマイドが場に表になったら終了です。

Promi-Klatsch20120508.JPGいわゆるお手つきに関する罰則などは書かれていませんが、今まで取ったものを戻すなり、破棄するなりしてマイナス点とすると良いでしょう。手軽ですが、見た目ほど悪いゲームではないと思います。ただ、これをティーンエイジガールズに向けて売るのはどうかとは思いますが。

今回もやはり10種以上の場所を覚えておくのは大変で、中盤からは、あれ、あれという声とともに数秒遅れて取るという展開が続きます。にゃかのさんが僅差で勝利となりました。

結果:にゃかの 10、ぎゃ猿 8、河原 8、自分 6



有頂天 Im Siebten Himmel
(プレイ時間 20分)
ImSiebtenHimmel20120508.JPGカード構成とゲームの肝(7と言うとその2人の戦いになる)を説明してから遊びました。各スート6枚で既に出た枚数だけ覚えていればよく、数値を覚える必要はあまりないので、結構カウンティングができます。この辺の鋭さは、リメイクされた「精霊さん」よりも優れているところです(あちらはカードが各スート9枚)。3や4くらいでのリバースなどじりじりとした展開となり、今まで遊んだ「有頂天」では一番面白かったです。序盤で2連勝して優位に立ったものの、最後には逆転負け。

結果:ぎゃ猿 3、自分 2、にゃかの 1、河原 1



ゲシェンク Geschenkt
(プレイ時間 10分)
Geschenkt20120508.JPGもうあまり時間がないということで河原さん持ち込みの「ゲシェンク」です。久し振りで感覚を忘れてしまい、チップが無くなるというじり貧な展開になってしまいました。取ろうと思った直前にチップの山を取られたりと、タイミングが空回りする感じで最下位でした。

結果:どきゅん -11、ぎゃ猿 -28、河原 -35、自分 -40

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