DCゲーマーズ 2005.10.08

11回目参加のDCゲーマーズ。今回はマイクHの家です。メンバーはマイクH、ラファエル、ステュワートと僕の4人。重いエピックゲームをやりたいという声があがり、二会場にわかれてそれぞれいつもは出来ないヘビーなゲームをプレイしました。マイクHの家では5人でディーマッヒャー、という予定だったのですが、あともう一人が急遽欠席。暫くブクブクとハリウッドをプレイしつつも待っていたのですが、それ以上は待てないということで開始。長時間ゲームのときは本当に連絡を密にして欲しいものです。



ブクブク Land Unter
(説明 5分 プレイ時間 35分)
LandUnter.JPG今年の夏にナクトさんのところで初めてプレイしたブクブク。そのドーラらしい面白さが印象に残っていて、すぐにでもまた遊びたかったのですが、持っていなかった事もあってなかなかプレイ機会がありませんでした。やっとプレイ機会に恵まれました。

1-60までのカードを同じ枚数ずつ各自に配ります。カードの端には浮き輪が0個、半分、または1個描かれており、浮き輪の合計だけ浮き輪カードを受け取ってスタートです。山札には1-12のカードが2枚ずつあり、毎回上から2枚めくり、その後各自は手札から1枚同時に公開して、場札を押し付けあいます。これだけだと場札が2枚あるだけではげたかの餌食と同じではないか?と思うかもしれませんが、非常にシンプルながらも面白い味付けがしてあります。

まず、一番大きな数字を出したプレイヤーが場の小さい方のカードを取り、2番目に大きな数字を出したプレイヤーが大きな方の数字を取ります。そのあと一番最近取った場札が一番大きな人はブクブクと沈んでしまい、浮き輪が一個減ります。浮き輪が全部なくなると溺れたことになってマイナス1点。最後まで浮き輪があれば浮き輪の数だけ得点になります。

例えば、ゲーム開始直後は2番目に大きい数を出したくはないのですが、その後ゲームが進むにつれ、状況はめまぐるしく変わります。例えば自分の取った場札が10などと大きな数で場に1,3などの小さな数があれば取りに行くべきです。なかなか悩ましい。手札の小さな数字と大きな数字は場札を完全に避けられるのと、場の小さいほう(良い方)のカードを確実に取りやすいので役立ちますが、中間のカードは2位になって場の大きい数字を取らされる可能性があるのでそのマネージメントが大変です。でもその辺のバランスはよく出来ていて、中間のカードは浮き輪が1個もらえます。両端の1や60に近いカードは浮き輪無しです。

手札がなくなり、得点を集計した後、自分の手札をそっくりそのまま左隣のプレイヤーに渡します。これを人数分繰り返すので、全員の手札を平等にプレイすることになるわけです。コントラクトブリッジみたいですね。ただし山札は毎回シャッフルされますので、いくら全員の手札が分かっていても読みきるのは難しいのですが。手札を左に廻しながら、「これは難しい札だよ」とか「よくこんなので2点取れたね」とか話すのも楽しいです。

マイクHのブクブクはアミーゴ版でなくベルリナー版でグラフィックがちょっと違います。個人的には柔らかい感じのするアミーゴ版が好みかな。

結果:自分 10、ラファエル 7、ステュワート 4、マイクH 3



ハリウッド Traumfabrik
(説明10分 プレイ時間 50分)
Traumfabrik.JPGクニツィアが得意とする競りゲーム。ちょっと変わっていて、お金(契約書)はゼロサムです。つまり、全員の持っている総額はかわらず、お金はプレイヤー間を行ったりきたりするだけ。ほかに思いつくゼロサムの競りといえばシャハトのモーグルやドーラのバンクファタールくらいでしょうか。

テーマはその名の通り古きよき黄金時代のハリウッド映画。プレイヤーはそれぞれスタジオを担当し、監督、役者、カメラ、音楽、効果音といった映画の構成要素タイルを競り落とし、与えられたシナリオにマッチした映画を作っていきます。シナリオとタイルの星の合計で映画の価値が決まっていくのです。ボードはハリウッドの地図に映画のフィルムを模した大きなマス目が8つ。各ラウンドではこのマス目を順番にタイルを競り落としていきます。

1マス目は星4つの有名監督タイル1枚の競り。他のタイルは星3つが上限なので、良い映画を作るにはあったほうが良いし、さらに最優秀監督賞(監督の星の合計が最も多い)を狙うには最重要となります。2、3マス目と5-7マス目は様々なタイルがあらかじめランダムに2-3枚置かれており、これをまとめて競ります。

競りは契約書(このゲームのお金)の枚数で競り落とします。ゼロサムであること以外はオーソドックスに何巡もする競りです(パスは再参加不可)。競り落とすのに使った契約書は他のプレイヤーで等分し、余った分は次に分けるときに足されます。つまり、あまり立て続けに競り落とすことは出来ないので、勝負どころを見極めてそれまでは契約書を手元に貯めることが大切です。

5マス目と8マス目は映画界らしくパーティー。ここでは競りはなく、手元の役者の数が多いプレイヤーから順に好きなタイルをドラフトしていきます。たくさん役者がいるスタジオほどパーティーで優秀なスタッフや他の役者をひきつけるというわけです。これが結構大切なので手持ちの役者数を増やしていくことはとても重要です。

映画は3分野に分かれており、各分野の最初の映画と、各ラウンドでの最優秀映画にはボーナスが付くので、多少不完全でも早く映画を完成させることが思いのほか大切です。ゲーム終了時には各分野の最優秀映画賞、最優秀監督賞、最低映画賞とあり、それぞれ10点なのでいくつか取っていかないことには勝負になりません。最低映画賞には唯一の星マイナス1の大根役者、クニツィアタイルが役に立ちます。

その他にも初版 Traumfabrik には映画のサウンドトラックをまとめたCDが付いてきたり(マイクHのは第2版 Fabrik der Traume なので付いてこないようです)と華やかです。ギークでの英訳には使われている役者の受賞一覧があり、クニツィアもちゃんと入っているのがお茶目です。(最優秀俳優賞がSDJになったり、最優秀脇役賞がDSPになったりしている)

さて、普段は勘で結構いい所までいくこのゲームですが、今回はボロ負けでした。かなり無理して最高の映画を作ろうとせず、多少妥協していかないと駄目ですね。とくにマイクHはラウンド毎の最優秀映画賞を独り占めしていて圧倒的に勝っていました。

難を言えば、少々ルールがややこしい部分がありせっかく良いゲームなのにプレイアビリティーを下げているような気がします。同時期に同じハスブロから出たラインランダーも同様にややこしいのでプレイアビリティーに関しては似たような印象があります。両ゲームとも間違えやすいルールのまとめ表(エージェントの使い方など)が欲しいところです。

結果:マイクH 93、ステュワート 74、ラファエル 59、自分 53



ディ マッヒャー Die Macher
(説明 45分 プレイ時間 4時間)
DieMacher.JPG今日のメインディッシュ。結局待っていた1人が来ずに見切り発車で4人プレイです。僕自身は2度目のプレイですが、前回は2年ほど前なのでもう殆ど何も覚えてません。当時はあまりの複雑さに訳が分からないままプレイしていた気がしますが、今回は全貌が漸く見えてきた感じです。

テーマはドイツの議会選挙。プレイヤーはそれぞれ政党を担当します。地方選挙で議席を伸ばしていきながら、総合的に政党を育てていきます。最終的な得点は、地方議会の議席数、メディアへの影響力、政党基盤、世論と政策の一致の4分野の総合ですが、地方選の議席数が得点の半分くらいになるので一番重要です。

多数あるドイツの地方からランダムに7地方を選んで順番に地方選挙が行われます。風車状におかれたボードが印象的ですが、これは現在の地方と3つ先までの地方を表しており、現在だけでなく、将来にも今から影響を及ぼすことが出来るという仕組みになっています。それより先、つまり5、6、7番目がどの地方なのかは、それぞれ1、2、3番目の地方が終わるまでわかりません。地方には議席が大きいものと小さいものがあり、どこで勝負をかけるかは作戦によります。

このゲームの中心となるメカニクスのひとつが政策カードです。全部で7つの論点(原子力、ユーロ通貨統一、クローン食物、医療、教育、社会保障、警察強化)にそれぞれ反対と賛成のカードがあり、各プレイヤーは5つのカードをランダムに配られます。これが政党の政策となります。また各地方にも住民の意見として4つの反対、または賛成のカードがあり、自分の政党の政策と合致していればいるほど地方議席は得やすくなり、選挙に勝ちやすくなります。自分の政策はひとつだけ換えることが出来、またその地方のメディアを操っていれば、メディアの影響で住民の意見を換えてしまうことも出来ます。他にも、政策の似た政党とは連合を組むことが出来ます。

このほかにも政治献金の受け取りや、党役員など様々な要素があり、各ラウンドはなんと14フェーズ(!)にもわかれています。最初は気が遠くなりそうです。

このゲームで一番好き嫌いが分かれるのが世論調査カードですね。このカードには各政党の人気を上下させる役割があるのですが、何と裏向きのまま競りにかけていきます。競り落としたら、そっと見て公表する(よって人気を上下させる)か公表せず政党基盤を固めるかを選ぶことが出来ます。得体の知れないものをビッドするというのは建築家の祭典に似たものがありますが、肝心な勝負どころの地方では、他人にかき回されないようにとビッドも異様に高まります。競り落としてカードの内容を見てからがっかりすることもあるのですが、前回よりはあまり運が強いとは感じませんでした。

長時間ゲームの割にちょっと運の要素が強いのですが、それでも非常に面白いです。今回で評価はかなり上がりました。まだ完全にルールを飲み込めてない部分があるのですが、それでもなんとか2位になれました。

各ラウンドは約30-40分と見ておけば良いと思います。

結果:
ラファエル 319 (議席 164、メディア 52、政党基盤 41、世論と政策の一致 62)
自分 298 (議席152、メディア 35、政党基盤 51、世論と政策の一致 60)
マイクH 274 (議席 127、メディア 42、政党基盤 60、世論と政策の一致 45)
ステュワート 245 (議席 108、メディア 30、政党基盤 70、世論と政策の一致 37)



カッツェンジャマー ブルース Katzenjammer Blues
(プレイ時間 各15分)
KatzenjammerBlues2.JPGここで3人になったのでいくつか短時間ゲームを。ラファエルが未プレイなこともあって最近気に入っているカッツェンジャマーブルースをエントリー。1戦目はメルドの機会を失い負けました。2戦目はジョーカーを一番多くつかったにもかかわらず、1点差で勝つことが出来ました。しびれますね、このゲームは。

結果
1ゲーム目:マイク 7、ラファエル 4、自分 3
2ゲーム目:自分 6、ラファエル 5、マイク 4



マネー Money
(説明 5分 プレイ時間 各10分)
Money.JPGもう一つ最後になにか、ということで同じくゴールドジーバーのクニツィアのカードゲーム、マネーです。マネーはカッツェンジャマーブルースとほぼ同時期に出たこともあってよく比較されていますね。両方を立て続けにプレイするのは初めてです。 考えてみたら、カッツェンジャマーブルースは3人がベストなのに対し、マネーは最低4人、できれば5人がベストだからだと思います。詳細はいずれまたプレイしたときに。

結果
1ゲーム目 マイクH 620、ラファエル 580、自分 520
2ゲーム目 マイクH 420、自分 420、 ラファエル 370

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