クニツィアに質問:ウーバープレイ主催パーティーにて

先日書いたとおり、9月9日にウーバープレイ主催のパーティーに行ってきました。場所はワシントンDC郊外の古都アレキサンドリアにあるホテル、ホリデーインのカーライルルームです。

友人2人と一緒に時間に余裕を見て出発したのですが、事故があったらしく渋滞。漸く到着したときには既にパーティーが始まっていました。部屋の中にはテーブルが並んでおり、50人くらいいる参加者は思い思いにゲームをしています。ゲストのクニツィアも既に色々な人と雑談をしています。前回のホスト、モトリーフール兄弟の姿も見えます。相変わらず彼らは陽気でした。

どうしても前回の2002年のときと比べてしまうのですが、参加者が倍くらいいて部屋がちょっと小さいので窮屈に感じました。また前回はワインやソフトドリンクが無料だったのに対し、今回は有料。食べ物もバッファローウイングと呼ばれる辛いチキンなど手が汚れるもので、ゲームをするのにしては配慮に欠けるなあと思いました。

クニツィアというよりは、ウーバープレイがメインのパーティーで、テーブルには未開封のユーバープレイのゲームがディスプレイされています。30分を過ぎたあたりでウーバープレイのジェレミーヤングさんが挨拶。「全員モトリーフールの安く買って高く売れをプレイしましょう。あとで勝った人3人にはクニツィアと一緒にプレイしてもらいます」とのこと。

ところがクニツィアはヨーロッパから着いたばかりか時差ぼけもあって非常に疲れており、途中でホテルの部屋に退場。トーナメントの形式も全く決まってなかったので、クニツィアと遊ぶというイベント自体がうやむやになってしまいました。どうも主催者がしっかりと仕切っていないため、ただのオープンゲーム会みたいで盛り上がりに欠けます。前回のようなクニツィアのスピーチは無し。みんなでクニツィアを囲んで質疑応答も無し。クニツィアと遊ぶのも無し。正直言ってちょっとがっかりしました。

とは言っても、積極的にクニツィアと話したので、その部分は個人的には満足です。でも本人が疲れているのが手に取るように分かったので、あまり一度にたくさん質問するのはためらわれたのですが。とりあえず覚えている質問と答えをまとめてみます。

-最近はどうして子供向けのゲームを作るのですか? 

ゲームにはゲーマー向け、ファミリー向けなど様々なジャンルがあり、いろいろなゲームを作ってみたいという考えが自分にはあるんだ。子供向けのゲームも例外ではないということだね。

-子供向けのゲームをデザインするとき特に気をつけていることは?

子供にとってゲームは半分は手に取って遊ぶおもちゃだ。大人向けのゲームと違ってストラテジーは要らないし、そういうことを考えてデザインしているよ。

-あなたは、自分をボードゲームデザイナーと言うよりはカードゲームデザイナーだと思ったことはありますか?

自分にとってボードゲームとカードゲームの境界線はないよ。だからそういう風に考えたことは無いね。

-最近の作品、バベルの塔の特殊カードは要らないと思うのですが、あれは自分のデザインにあったものなのでしょうか?それともゲーム会社の意向なのでしょうか?

バベルの塔は最初はもっとずっとハードなゲーマーズゲームだったんだ。もちろん特殊カードは無かったよ。ハンスイムグリュックが特殊カードを付け足すという意見を出したんだよ。契約上、自分のデザインを多少変える権利をハンスは持っているんだ。だから仕方ないね。特殊カード無しでプレイしても全くかまわないと思うよ。むしろその方が自分が最初に作ったものに近いしね。

-バベルの塔はなぜカードゲーム(あるいはタイル)にしなかったのですか?ボードが無くても良いと思うのですが。

これはプレイ時間との兼ね合いだね。やはり時間のかかるゲーマーズゲームにはボードがあったほうがいいと思ったのさ。

-ゲームのアイディアはどこで生まれることが多いですか?

あまりそういうことは考えたことが無いね。どこででも生まれると思うよ。

モノポリーストックエクスチェンジにはどこまで関わっているのですか?クニツィアの名前がどこにも書かれていないのですが。

それは本当かい?ドイツ語版には書かれているはずだけど、気が付かなかったよ。あのゲームには強い制約があって、自分の思うようにはルールを変えられなかったんだよ。自分としては1時間で終わるモノポリーをデザインしたかったんだけどね。

-ゲームをデザインするとき、バランス調整としてなにか数学的手法を使っていますか?

いや、全く使わないね。すべて直感でバランスを取っているよ。計算はしたことが無いね。

-近頃、ボードゲーム界ではゲームのアイディアが出尽くしてしまっていると言われていますが、これから本当の意味で個性のあるゲームをデザインするのはやっぱり難しいと思いますか?

それは全く思わないね。まだまだ色々な可能性があると思うよ。例えば自分のザ・アイランドなど音声と融合させたりとかね。

他にもまだまだ聞きたかったことはあるのですが、疲れている本人にこれ以上は聞けませんでした。質問を寄せてくださった方々、ごめんなさい。

驚いたのが3年前にあっただけなのに僕の事を覚えていてくれたことです。古いゲームを持ち込んでいたせいかも知れませんが、今回も僕が持ち込んだ古いゲーム(インターメッツォ、オハイオ、ツインズ、オリックス)で色々と話が盛り上がりました。今回は3年前がきっかけで出来たモトリーフールの安く買って高く売れハリウッドのクニツィアタイルにサインしてもらいました。

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