TGC 2004.04.15 & 04.22 アレア・キャンペーン7

アレアキャンペーン7回目は定番ゲームでもあるプエルトリコ Puerto Rico です。アレアシリーズのなかだけでなく、ここ数年のゲーム全ての中で、おそらく最も完成度が高く、評価も高いゲームだと思われます。僕がプエルトリコを始めてプレイしたのは発売されてから結構経ってからなのですが、それ以来暫く病み付きになり、カタンの開拓以来のビッグヒットと言われるのもうなずけます。最初は特殊能力のある建物がかなり多くあることもあって全貌が見えないのですが、やるごとに色々な戦略があって非常にやり応えがあり面白いです。一般的に、特殊能力の多いゲームは苦手なのですが、プエルトリコは全てのルールがうまく噛み合っているので煩雑さは感じません。初めてでも割とスムースにゲームが進むと思います。その辺もプエルトリコの魅力ですね。

作者のアンドレアス・ザイファルト Andreas Seyfarth は1994年にマンハッタンでSdJ(ドイツゲーム大賞)を取って以来、ほとんどゲームを作ってませんでしたが、長年の沈黙を破ってのプエルトリコで再び有名になりました。最近、弟分でもあるカードゲームのサンファン San Juan も出版されました。両方ともボードゲームギークの統計を見る限りではかなり遊ばれており(2004年4月の統計はここをクリック)、根強い人気があるゲームだといえます。2人用のオフィシャルバリアントもあり、これが結構よく出来ていて、2人から5人、何人でも面白く遊べます。2002年はプエルトリコがSdJを取ると疑わなかったのですが、残念ながら逃してしまいました。ゲーマーズゲームとしては過去にエルグランデがSdJを取っているし、エルグランデよりもゲーム慣れしていない人に対して受けやすいと思うのですが、なかなかそうはいかないようですね。

カリブ海に浮かぶ島、プエルトリコを舞台にプレイヤーは島を開拓して勝利点を得ていきます。勝利点は主に2つの方法によって得ることが出来ます。1つ目の方法は、5種類ある穀物(とうもろこし、インディゴ、砂糖、タバコ、コーヒー)を生産し、それを商品として海外に輸出して勝利点を得ることです。そのためにはプランテーションと対応する生産設備の建物、それに入植者が必要になります。2つ目の方法は建物を建てることです。建物には生産設備のほかにも様々な特殊能力を持ったものがあって、建てると勝利点になるほか、いろいろな戦略をうみだします。

プエルトリコの優れた点はたくさんあると思いますが、フェイズを選ぶフェイズドラフトとでもいうシステムと、お金と勝利点の関係、建物のコンビネーションが生み出す戦略の多彩さだと思います。また、各手番に全員がそのフェイズの行動を行うのでダウンタイム(待ち時間)が殆どありません。プレイヤー間のインターアクションも間接的であるにしろ多く、素晴らしいゲームの条件をたくさん備えています。難を言えば、ゲームの付属品が多いのでセットアップに時間がかかること、初めての場合にはやはり説明に多少時間がかかること、言語依存(建物のテキストが読めないとつらい)であることなどでしょう。

フェイズ(役割)選択システムはこのゲームの核です。プレイヤーは自分の手番になったら6つある役割から1つ選びます。6つの役割とフェイズは開拓者 Settler (プランテーションタイルを得る)、建築家 Builder (建物を建てる)、市長 Mayor (入植者を得る)、生産者 Craftsman (穀物を生産する)、商人 Trader (穀物を売る)、船長 Captain (穀物を輸出する)、探鉱者 Prospector (お金1ダブルーンを得る)です。

役割を選ぶと選んだプレイヤーからそのフェイズの行動を全員順番に行います。役割を選んだプレイヤーは、そのフェイズでの特典があります。全員がそのフェイズの行動を行うと、次のプレイヤーは残った役割を選び、全員がそのフェイズの行動を行う、というように進んでいきます。最後に選ばれなかった役割には1ダブルーンずつお金が置かれ、次にその役割を選んだプレイヤーのものになります。これによって、ある役割がずっと選ばれないということがなくなり、また状況が多彩になります。役割を選ぶときには、他のプレイヤーが何をいつとるのかを予測し、相手が取ると有利なものを取る、次に相手に何を取られても自分が不利にならないようにすることが必要です。まあそうなかなかうまくはいかないのですが。

お金はゲーム序盤、中盤では建物を買うのに必要なため勝利点よりも大事ですが、ゲーム終盤からは勝利点のほうが大切になります。このあたりもよく出来ていて悩ましい部分です。最初はお金を得るのに苦労しますが、終盤は勝利点チップを得る方向に切り替えていかないとなりません。

建物はプエルトリコの華です。人によって様々な意見があると思いますが、僕は工場と港が強いと思います。(逆に高すぎるのは大学と大きな倉庫) ただ、工場も港も持たずにダブル市場(大きな市場と小さな市場)やコーヒーとオフィス(これは難しいのですが)で勝つとまた格別です。

なお戦略については様々な考察がありますが、ボードゲームギークのこの記事はすごいです。

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4月15日
この日はプエルトリコを2回やったのですが、なぜか最初のプレイヤーにとうもろこし、後のプレイヤーにインディゴを与えてしまうというミスを犯してしまいました。このゲームは何度もやっているのに、多分疲れていたのでしょう。ということで、非公式の結果です。

結果(席順です)

1ゲーム目
自分 55、デイブ 52、ララ 48、スコット 58(勝利)、アレックス 34

2ゲーム目
アレックス 47、自分 49(勝利)、デイブ 24、マイク 41



4月22日
この日は一応アレアキャンペーンの8回目で氷河期を持ってきたのですが、前回の仕切りなおしということで、プエルトリコを3度やって終わってしまいました。僕は2度目はインストだけでトレンディー Trendy をやって頭を休めてましたが。

結果(席順です)

1ゲーム目
アレックス 45、デイブ 46、クリス 29、マイク 37、自分 55(勝利)
勝ちに行くために、純粋に工場と港のコンビネーションでお金と勝利点を稼ぎました。

2ゲーム目
クリス 38、マイク 54、ポール 40、アレックス 55、デイブ 60(勝利)
ポールは建物を4つしか建てなかったのですが40点。これは結構すごいかも。

3ゲーム目
クリス 44、マイク 48、ポール 51、アレックス 42、自分 57(勝利)
ポールと自分がコスト10の建物を2つずつ買うという結果に。
僕が狙っていたコーヒー焙煎場と、工場を両方ともアレックスに取られてしまった。
大きな市場を買った。大きな市場と小さな市場を両方買うのは結構好くな戦略だが、大きな市場だけではコストが高すぎるかとおもったが、タバコを4度も売ったので元は取れたであろう。

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おまけのトレンディー(結果は席順)

1ゲーム目
アマンダ   41+36+41+12 =130
ララ      41+35+23+42 =141
フィールド  50+47+58+24 =179(勝利)
自分     43+35+49+45 =172

2ゲーム目
ララ      14+33+33+22+37 =139(勝利)
フィールド  12+32+29+18+19 =110
自分      32+26+35+23+ 8 =124
クリス     18+19+27+18+15 =97
アマンダ   18+23+25+21+31 =118

トレンディーは疲れたときに、良いゲームですね。

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