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『ゴニンカン』専用デッキ・グラフィック誕生秘話

記:高城葵

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 や〜っと、できました!
 『ゴニンカン』専用デッキのグラフィック!!
 あとは入稿して、完成を待つばかりとなりました。

エッセンに向けて『ゴニンカン』の専用デッキを作ろうと思うんだけど」
 なんていう話を健部さんから聞いたのは、ヤポンブランドが立ち上がってまだ間もない頃だったと思います。
 「元はトランプだし」という考えもあり、気楽な気持ちで引き受けたんですが、二人で試行錯誤を繰り返し、完成に至るまで、およそ半年もかかってしまいました!
 というのも、デッキ作成にあたり『ゴニンカン』そのものや地元・津軽周辺の風土はもちろんのこと、ゲームのルーツにいたるまで、とことん研究を重ねていたからです。
 今回はデッキの完成に至るまでの誕生秘話なんてものをお話しようと思います。

 まずは『ゴニンカン』のゲームそのものを知ろうということで、(時期的にはヤポンが立ち上がる前になりますが)毎年1月に青森県五所川原市で行われる『ゴニンカン』の世界大会に参加。
 ……ものの見事に惨敗しました。
 個人の点数を競うとはいえ、基本が『カンケイvsムカンケイ』のチーム戦なので、大会中に同じチームになった地元の方に「打ち方がなっとらん」と叱られてしまいました。
 いやあ、津軽の風は厳しかった……(苦笑)

 それから『ゴニンカン』のルーツ=日本のカードゲームのルーツを探るため、日本に伝来してきた『ウンスンカルタ』や、花札・地方札の研究。
 『ゴニンカン』と同じく青森県の伝統ですが、南部地方で広まっている地方札『黒札』の研究に、片道三時間かけて取材旅行に出かけたりもしました(津軽地方とは八甲田山を隔てているのです!)。そのおかげで、津軽ではあまり知られていない三人用ルール『ガンバリカン』を発見! これは大きな収穫でした!

 ゲームの背景がわかったところで、続いてグラフィックの打ち合わせ。
 地方色を出すため、地元ならではの絵柄を選びました。スートには四季にあわせて弘前公園の桜白神山地のブナの葉、青森名産のりんご、北国特有の雪を。絵札には巨大灯篭であるねぷたネブタ)や虫送り虫(龍)を、ジョーカーにはねぶたの踊り子であるバケトを起用。
 絵柄が決まれば、実際に五所川原の“立佞武多の館”や各種資料館に出向いたり、ねぷた絵師さんの書籍などで絵柄や塗りの特徴を研究しました。

 ここまでこぎつけるのにおよそ5ヶ月。コンセプトも決まったところで、ようやく本作業にかかります。
 まずは素材のラフを納得がいくまで何度も描きなおし、満足のいく線画を作成。普通はこの後、そのまま清書してデータ彩色にはいるのですが、今回は線に味を出すため、基本的な絵や図は、全て版画に掘り起こしました! 各スートの絵札はもちろんのこと、インデックス、スートの数表示のマーク、タイトルロゴにいたるまで……その数なんと、37種類!
 今、実際に数えてみて我ながらびっくりしました。そんなに彫ったんだ、自分……(笑)

 一つ一つ丁寧に彫り、スタンプしたものを取りこんでようやく彩色。これもまた、普段の色使いとは違う、ねぷた特有の塗りの技法と配色に一苦労。とくに「ロウ書き」の過程を白ヌキで再現しました。でも、何度もリテイクをくらいました(苦笑)。

 最後にレイアウト。これも、こだわりにこだわりました。
 と言うのも、各スートの数札の並びが全部違うんです。スペード(雪)がトランプと同じ配列、ハート(りんご)とダイヤ(ぶな)は地方札の配列(コツとオウルの2種類あります)、クラブ(桜)は麻雀牌の筒子の配列です。

 そんなわけで……こだわりにこだわりぬいた、グラフィックの完成です!
 苦労の甲斐あって、非常に満足のいく出来になりました!
 これから印刷にかけて、製品が出来上がってくるのがとても楽しみです。

 このデッキを見て、津軽の風を少しでも感じていただけたらなあ、と思っています。

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2006年09月27日 08:10に投稿されたエントリのページです。

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